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バイオリニストとしてはちっとも実力に自信がもてない悠季。
誰もが実力を認め、コンサートで優勝を手に入れても、
まだまだ練習が必要だと自分に合格点が出せません。
そんな悠季は、今回、自分を慕ってレッスンに通ってくれる生徒たちと、
四苦八苦しながら音楽を作ることになります。
モンスター親あり、やる気のない生徒あり、オタク生徒あり、と
様々な生徒に囲まれて守村先生の奮闘振りが楽しい前半。
今回ウィーンの演奏会で振る圭とは、離れ離れになってしまってせつなさも募ります。
後半は、師・福山先生の門下生発表会に始めて参加を許された悠季が
悪戦苦闘しながら自分の音楽と格闘するストーリーです。
モンティ作曲の「チャールダッシュ」なら、知っているし無難にこなせるだろうと
たかをくくったところが大問題!
みんなが知っている曲こそ難しいのだ、とプロのピアニスト三条さんから
「小奇麗」との洗礼を受けてしまいます。
悠季は、自分の音を見つけられるのか?
そして「アンダルシアの風」を会場に吹かせることができるのか?
会場に見に来る生徒たちに、音楽を聞かせることができるのか?
そして圭の反応は?
様々な複線が最後の最後で見事につながるオチは、もう見事です。
生徒との問題、自分との闘いを、悠季が克服するところにジーンと来る一冊です。
あ、オチはもちろん読んだ方でないとね。
最後に載っている「独り寝・白王女」は悠季がイタリアにいる間の話です。
仕事帰りの圭が「助けてほしいなら、出てきたまえ」といって玄関先で拾った白い仔猫。
この女の子が巻き起こす騒動と、桐ノ院家の和解をほのぼのとしたタッチで描いています。
圭が今まで抱えていた心の荷物が、少し軽くなるところでは
思わずこちらも釣られて、うるっとしてしまいます。
これにも最後に楽しいオチが付いています。
突然、駅長室の電話を借りて(イタリアの)悠季に電話する圭や
パジャマのまま「金切り声」をあげて助けを求める圭など
コミカルな圭がたくさん見れるのも楽しいです。
いやあ、でも音楽家ってほんとに大変なんですねぇ。