どうか、俺を嫁に貰ってください

北の土地神と桃の嫁入り

kita no tochigami to momo no yomeiri

北の土地神と桃の嫁入り
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神42
  • 萌×218
  • 萌2
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

56

レビュー数
8
得点
291
評価数
66
平均
4.5 / 5
神率
63.6%
著者
伊達きよ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
コウキ。 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784799762264

あらすじ

土地神とその嫁の、じわじわ、ほこほこ、涙が出るほど幸せな日々
オール書き下ろし!◇

「んー……こんなふうにさ
デートしたり、話したり、卵焼きの味を知ったりして
そうやって、ちょっとずつ夫婦になっていこうねぇ。俺たち」

花の精霊は土地神に嫁いで、その土地で花を咲かせてもらうのが幸せであり役目。
珍しい男体で嫁き遅れてしまった桃の花の精霊モモは、北の果ての土地神に嫁入りする。
冷酷で根暗と噂される夫の神キタは、実際には陽気で笑顔がまぶしくて、
寒い国の神のくせにサーファーで、
モモの丸ごとぜんぶ大好きで可愛いと言ってくれて…!
この幸せがずっと続いてほしい。でもモモの体に異変が…?

【人物紹介】
モモ/
花の精霊としては珍しい男体で、長年嫁に貰われず、自分に自信がない。
でも一生懸命な桃の花の精霊

キタ(北の御方)/
恐ろしい姿を装っていたが、実は陽気で一途な極寒の地の土地神。
趣味はサーフィンとモモを愛でること

表題作北の土地神と桃の嫁入り

キタ、冷酷な化け物を装う極寒の地の土地神
モモ、珍しい男体の桃の花の精霊

その他の収録作品

  • 北の土地神と桃の祝言
  • あとがき

レビュー投稿数8

No Title

雪虫ほわほわ…とにかく癒される雪虫。わたしもほわほわ見たい。キタさんの大きな大きな愛とモモの健気な姿に心を打たれました…。途中切ない展開で胸が痛かったけど素敵なラスト。コウキ。先生の挿絵がまた素敵

0

わかってはいたんですが、想像以上でした

溺愛攻めスキーなので、疲れたときに読もうとあたためておりました。
が、とんでもなくよかったです。

とにかく泣きました〜

パリピな神様が溺愛で健気な受けが花の精なんてよすぎですよね。しかも北の神様なので花にとっては過酷。力が足りなくてどうなるのかと思ったら、消える?!枯れるし消える?!
キタ様の想いとモモの想いの思いやり合いがよすぎてもう涙涙でした。

ほんとに消えたァァァ!と思ったらチビモモ降臨。
コウキ。先生の描くチビちゃん大好きなんです。可愛くて可愛くて‥プニプニのほっぺに短い手足、大きい頭。幼児のかわいいところをちゃんと描けるのはうまいな〜って思います。

全体ファンタジーですが設定が複雑ではないし、説明も長々とないのですごく読みやすいと思います。

チビモモとモモの意識のところはすごかったです。文章で映像を書くとこう!という感じで、わたしは読みながら頭の中で映像を作って読む人間なのですがどういうこと?となるシーンが一切なくてすごかったです。

モモが弱ってから花園に行くシーンや花園から戻ってきて離れ離れで暮らすことを考えるシーンはタオル用意しないととんでもないです。

受け攻めの髪の色は正直逆のほうが好みなんですが、大好きなコウキ。先生のイラストで全部ぶっとびました。モモからのほっぺにチューのイラストは可愛すぎる‥!!

3

イチャラブからの感動

 キタ(攻め)が想像の斜め上のキャラだった。テンションとワードチョイスと喋り方がザ・チャラ男。
 モモ(受け)が自分のコンプレックスに思ってるところも、丸ごと認めて褒めて溺愛する良い男。というか、モモのどこがダメなわけ? というスタンス。モモの自己肯定感を高めてくれる。
 キタ視点で書かれるファーストコンタクトのエピソードの、うっかりキュンとしちゃうキタも純粋なモモも可愛い。
「モモちゃんが花を咲かせたいって思う限り、いくらでも力を注ぐよ」ってセリフにキュン。

 咲かせるのに向いていない土地に花を植えたから、モモを長生きさせるために溜めに溜めてた神力を注ぎ続けるけど、モモの方が限界で穴のあいた容器に水を注いでいる状態になる。
 イチャラブハッピーで終わるかと思ったら、シリアスシーンで涙。

 初エッチがめちゃくちゃえっちです。(エロ度ではなく)

2

泣き笑い

ネタバレありです。


物語の冒頭、桃の花の精霊(モモちゃん)が不憫で、それがモモの性格を形作ってもいるのだけれど、続く北の土地神様(キタさん)からの溺愛パート、愛がむちゃくちゃ大きくて、ああ良かったねー!からの…というお話。

キタさんとモモちゃんの口調の落差になんじゃこりゃと苦笑いしながら電車の中で読んでいたのは失敗。泣かされたー。ハピエン保証と信じているけど鼻水が止まらん。

あと個人的に、モモちゃんのセリフ(特に寝室での)がツボ。昔のエロ小説に出てきそうな丁寧語であんなこと言われたら、キタさんでなくても「ぎゅん」として気分は変態エロ親父になってしまう。

大丈夫、ハッピーエンドです。

「初夜」の後、モモちゃんが嫁として口上を述べ、キタさんが神としてそれを受け入れるところもすごく好き。
本来、嫁入りの時に交わす言葉なのだろうけど、嬉しいこと哀しいことを乗り越えて、このタイミングでというのがなんとも。というかキタさん、ちゃんと神らしく話せるのね、当たり前だけど。

伊達さんのお話、今回も大好きでした。

4

金髪ツーブロ神

伊達きよ先生の新作という事で楽しみにしていました。だけど正直言って中盤まで読むのがキツかったです。

まずキタがモモをどうして嫁にして溺愛してるのかですが、中盤まで理由が分からなかったので早くお話に出て来ないかなと焦ったく感じました。
キタと嫁に来たモモの日常がずっと続いてて、これが二段組じゃ無ければ中盤まで我慢出来たと思うんです。

大事な事が抜けたままお話か進むのと、花園で何も教えて貰えなかったモモを大事にするあまり手が出せないキタのやり取りにちょっと飽きてしまってました。
無垢なモモに悶絶するキタの言動は面白かったですが、何しろ神らしくないので途中まで何を読んでるんだろう、今回は流石にハズれたかしらと不安になりました。

キタのサーフィン好きも面白いと思う読者は居るのかと疑問に思ったりしましたが、ですがこれが後半の大事なところで生きていて、この為の波乗りだったのかと感心しました。

中盤からグッと面白くなりモモの決意と、キタのモモに対する思いに何度もウルっと来ていました。途中で読むのやめなくて良かったです。

金髪でツーブロでいつも身なりに気を使ってるキタが、途中から無精髭に髪はバサバサになってて、コウキ。先生のイラストで両者の違いが楽しめました。あと幼体のモモがめちゃくちゃ可愛かったです。

個人的には同時収録作の「北の土地神と桃の祝言」が面白かったです。

全体的にペース配分が悪く感じたので萌2にさせて頂きました。

4

キタさま

先生買い。ダメでしたねーなんとなく読めてたんですけど、なんとかするんやろと勝手に思い込んでいたもんですから。外読みはやめておいたほうが良いと思う、かわいい、でも、想いの深い神様と花の精霊のお話、全て二段組の本編260頁+ご褒美的な後日談38P。お話は大大好きなんですが、攻め受けのタイプが最も好きなタイプから外れていたので萌2にしました。

可愛くてキレイな花の精霊たちの中、珍しく男性体の桃の精、モモ。花の精霊は神さまに嫁に貰っていただきたいものなのですが、男性体だしそんなに器量よしでもないから誰にも嫁に貰ってもらえません。ある日、北の果ての神さまに手紙でお願いしてみたところ、なんと快諾いただき・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人(?)物は
主なのは、ミナミ(南の神さま)、雪虫(キタの御使い、ほわ ぐらいしか喋らない)ぐらい。他の花の精霊や花園の管理人など。雪虫がめちゃんこ可愛いんすよーーーー

++良かったところ

うっかりするとどシリアスになる可能性のあるお話なんですけど、攻めがちゃらんぼらん的超陽キャなのが良いです。そして人間界の良いものを取り入れ、スマホを使いサーフィンを愛し朝の寝起きは悪く話し言葉はチャラ男。大学生かーいって思う軽やかさなんですが、ひたすらに、ただひたすらにモモを大事に大事に愛してます。良いです。ほんとに良い。心に沁みました。

受けさんは真っ白真面目、ちょっと天然入っているけど、キタさんを大事に思う一生懸命な良い子です。真っ白でなんも分かってないから、あれこれ色々知っているキタさんからお伺いを立てられても「はい、よろしくお願いします」という様子。キタさん、ほんと良く我慢したことよと思います。

もう一つめちゃくちゃ可愛かったのが雪虫。たまらん。掃除したりごはん作ったりお着換え手伝ったり、ちっこい丸くてふわふわしているだけの子なはずなのに、キタさんやモモの様子、気持ちを汲み取り、あれこれそっと気遣うんですよー「ふわ・・・?」とかってまん丸黒目で見上げて。一匹だけじゃないんですよ、いっぱいいるんです、ふわふわと。可愛いー
あと、最後の最後にでてくる、モモの「末永くよろしくお願いします」ってお願いするところのセリフが超良かった!それに応えるキタさんのセリフも超しびれた!イケボで再生したいっ!!!!

攻め受けともキャラが好きで、お話が良くって(泣けて)、雪虫は可愛くって、あー読んで良かったと思った一冊でした!

5

男体の桃の花の精霊と極寒の地を守る神様の恋物語

今回は北の地の土地神と男体の桃の花の精霊のお話です。 

攻様の嫁となった受様が北の地で幸せを掴むまでと
2人の祝言を描いた番外編を収録。

ここは八百万の神が住まう世界
受様は植物の精霊が生れる花園で暮らす
男体の桃の花の精霊です。

花の精霊は自身の化身である種を握って生れ
ほとんどが土地神に嫁いで己の花を咲かせる事を
幸いとします。

花の精霊はおしなべて可憐で綺麗で美しく
たおやかな女体の精霊が多くのですが
受様は三白眼で痩せぎすな男体で
花園でも浮いた存在です。

それでも花を咲かせたいと
多くの花の精霊を嫁にしている南の土地神に
嫁入りしたいと懇願するもすげなく断られます。

それを知った薔薇の精霊や椿の精霊は
受様を身の程知らずと揶揄しました。

その上神なのに妖怪みたいな見た目で暗くて陰気で
精霊嫌いだという北の土地神の話を始めて
そんな土地神の地では花が腐れちゃうと言いますが
受様は一縷の望みを託して北の土地神に手紙を出します。

すると3日もしないうちに「是」という返事が来て
受様は顔も知らない北の土地神に嫁ぐのですが

意気揚々と花園を出た受様を待っていたのは
ぴたりと閉ざされた門扉で!?

果たして受様の花ば北の土地に咲かせられるのか!?

長く嫁取りを拒んできた攻様と
男体のためなかなか嫁入り先が見つからない受様の
人外ファンタジーです。

受様は寒さで雪だるまとなりかけたところを
北の土地神に救出されて事なきを得ます。
この土地神が今回の攻様です♪

受様は嫁入りの日を間違えて
1日前に北の土地にやってきていたで
攻様もびっくりだったのですが

受様も攻様が噂とは全く違って
陽気で優しい神様で受様を熱烈歓迎してくれて
驚いてしまいます。

しかも受様が倒れて寝込んでいる間に
攻様は日当たりの良い広い庭に受様の種を植え
見事な花を咲かせてくれていたのです。

攻様が受様を心から歓迎していて
攻様の御使いである雪虫たちも受様に懐いていて

男体として生まれた為に
事故肯定力の低い受様が攻様に愛されて
少しづつ夫婦らしくなっていくお話かな
と2人のふんわりムードを楽しんでいたらさにあらず!!

極寒の地に桃の木が根付く事の難しさと
受様の花を守るために攻様が尽力していた事が
悲劇を起こしてしまうのです ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

まさかな展開過ぎてうるうるが止まりません。

ハピエンはお約束のはず!!と強く信じて読み進め
うるうるしながら読了しました。

健気な受様も可愛い雪虫も一途な攻様も
とっても良かったです♡

6

癒しの花が胸の中に咲きました

なんでしょう……この心がぽかぽかと春の陽気に満たされる穏やかで優しい作品は。舞台は寒い寒い北の大地なのに、2人を纏う気持ちや想いはとことん温かいです。
北の土地神・キタと、花の精霊モモの純愛が心に響く素敵な愛の物語です。

この作品は八百万の神々の世界がモチーフ。あまり読んだことがない切り口で面白かったです。人間世界と隣り合わせの世界なので、現代の文明の産物(すまふぉ等)も作中に色々登場しています。そのため神々が集う世界といえど俗っぽい。神の世界に溶け込む世俗感がとてもパンチ効いています。


この世界には、植物の精霊が生まれる「花園」に花の精霊たちがたくさん存在しています。精霊たちは土地神に嫁ぎ、自分の花をその土地で咲かせることが幸せであるとされています。
桃の花の精霊モモは珍しい男体で、他の見目麗しい花の精霊たちに劣ることからなかなか嫁ぎ先を見つけることができません。

皆から恐れられている北の土地神に嫁ぐことを考えたモモは、北の土地神・キタから快く結婚の承諾を貰い念願の嫁入りを果たします。
キタは予想に反して陽気で優しい嫁想いの旦那さま。そしてこれまで会った誰よりもモモのことを愛してくれました。

環境的には花を咲かせるには難しい北の土地だけど、モモの気持ちは幸せで南国にいるかのように温かい。慣れない土地でもモモはこの居心地の良いキタの側で幸せを噛み締めるのですが、この地に住むことはモモにとって生きるのが厳しい現実があって……と、ストーリーは展開していきます。

キタとモモの運命はどうなるのか。ようやく夫婦らしくなってきた2人の愛の行方は?
心の底から愛し合う彼らに突きつけられた、切なくも悲しい現実が2人を襲います。
それまで温かな春の陽気を纏った北の大地が、一気に冬の訪れを感じざるを得ない状況に陥るのですが、そこからのまさかの奇跡。
そんなことがあるのかー!と不思議な展開でした。
この2人に起きたミラクルは、ぜひ実際に読んで楽しんで欲しいなと思います。


結婚から始まる物語ってのが良いですね!
既に夫婦関係なのに、相手のことを知っていくうちに好きになっていく流れが素敵でした。
ネガティブなご縁から始まった婚姻生活が、実はポジティブなご縁で繋がるもので、どの花の精霊たちより幸せな生活を送ることになるとは嫁ぐ前のモモには予想すら出来なかったことでしょう。桃の花の精霊のシンデレラストーリーは多幸感いっぱいです。

最初、モモが自己肯定感が低く、健気キャラとはいえ頼りなさすぎてあまり好感を持てずにいましたが、キタと過ごすうちに自信がつきしっかりしてきた姿は微笑ましく応援の思いでした。キタの愛情がモモの魅力をどんどん引き出していくんですよね。

こんなファンキーでパリピ風な神様見たことない(笑)軟派なようで一途な想いを貫く彼の愛し方には心打たれました。個性的なキャラクターですが、そのキャラの濃さが物語の良いアクセントになっていて、ストーリーを最大限に楽しくさせています。
ウブすぎる可愛いモモに、いちいちウググッ…となるお約束なやりとりに何度ニヤニヤさせられたことか分かりません。可愛い雪虫たちの姿にもホンワカさせてもらいました^ ^


上下段記載構成の長い物語ですが、そのほとんどが優しい愛で描かれています。今日は癒されたいなって思うときにおススメしたい一冊です。

10

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う