嫌われのち溺愛! 神武官×召喚された神子

嫌われ神子の8年間

kirawareshi miko no 8nenkan

嫌われ神子の8年間
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神50
  • 萌×225
  • 萌14
  • 中立2
  • しゅみじゃない11

--

レビュー数
16
得点
394
評価数
102
平均
4 / 5
神率
49%
著者
伊達きよ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
ルビー・コレクション
発売日
電子発売日
価格
¥1,400(税抜)  
ISBN
9784041115930

あらすじ

神子として召喚された圭は、王子と恋に落ち、幸せな日々を送っていたが捨てられてしまう。そして逃げるように神殿に入るが、待ち受けていたのは周囲からの冷たい視線だった。神子の心が天候を表すと知らず、国の天候を荒らしてしまっていたのだ。以降、神子の務めを必死で果たすが、孤独な生活を送ることになる。数年後、隣国の公子に侮辱的な言葉をぶつけられた圭を、神武官・テスに思いがけず庇われる。圭は困惑し、過ちを犯した神子が嫌われるのは当然だと伝えるが、テスは「貴方の苦しみにも気付いていなかった、不甲斐ない俺をお許しください」と跪き…?

表題作嫌われ神子の8年間

テス,28歳,神子付きの神武官
圭,23歳,神子

その他の収録作品

  • 冬 嫌われ神子の9年目
  • 閑話 夏 神子付き神武官の幸せな一日
  • 秋 嫌われ神子のこれから
  • 番外編 ある神官見習いの願い
  • あとがき

レビュー投稿数16

めちゃくちゃいい話! 心に沁みる、めちゃくちゃいい話!!

小説投稿サイト掲載作品からの書籍化で、嫌われからの溺愛ものになります。

ある日突然異世界に神子として召喚されてしまった主人公。
その国の王子と恋に落ちますが、やがて王子の愛は冷め、主人公は一人王宮を去る事に。
しかし逃げるように入った神殿で待っていたのは、責務も果たさず恋愛にうつつを抜かしていた神子への周囲の冷たい視線でー・・・と言ったものになります。

私は元々作者さんのお話が大好きでして。
実はこちらもすでにムーンライトノベルズさんの方で既読だったりするんですけど、めちゃくちゃ心に沁みる素敵なお話なんですよ。
えーと、何だろう。
いわゆる異世界転移ものから想像する派手派手しい展開なんかは皆無で、至極地味なお話なんですよね。
主人公は世界を救ったりはしないし、魔物と戦ったりもしない。
そして特別な力を発揮して、周囲から神性視されたりもしない。
それどころか、若さ故の未熟さで手痛い失敗をして、周囲から嫌われどころか憎まれた状態で、ただただ毎日を償いの為に生きる・・・。
そう、めちゃくちゃ不憫だし気の毒な主人公なんですよ。

これね、そんな気の毒な主人公が召喚されてから八年後ー。
23歳になった彼の周囲との関わりだったり、攻めとの関係性の変化だったりを、彼の神子としての日常を通して丁寧に綴ってゆくお話なんですよね。
冬から始まり、春を経てやがて秋へー。
季節の移ろいと共に。
で、それがとても優しいし、とにかく心を打たれるし、ついでに攻めとの恋愛には萌えまくりだしと、すごくすごくあたたかくて素敵なんですよ。

えーと、私が元々作者さんのお話が好きな理由なんですけど、単純に設定やストーリーの面白さってだけじゃなく、その深みのある人物描写でして。
主人公も、お相手となる攻めも、関わりを持つ神官達も、そして主人公を捨てた王子さえも、当たり前の生きた人間として存在して、それぞれ弱さだったり愚かさだったり、逆に優しさや強さと言うものを抱えて生きる。

主人公が右も左も分からぬ異世界で優しく接してくれた明るい王子に恋をして、王宮で彼との幸せな毎日に浸った事。
王子の心変わりを受け入れられず、ただただ自分を憐れんでいた事。
逃げるように入った神殿で、初めて神子としての務めや自身の責任を知った事。

何だろうな。
圭ですが、ごくごく普通の青年なんですよね。
彼のこれまでを知れば、納得もいくし仕方のない部分の方が多いんですよ。
それでも、周囲からは男にうつつを抜かした恥知らずな神子でしか無いんですよね。

そして、そんな圭に憎しみをぶつけたのが、彼付きの神武官となるテス。
圭との初対面で「神子として認めない」と告げ、それ以降は会話一つ交わすでも無く、ひたすら冷たい態度で接する。

これね、そんなマイナスから始まった二人が、いかにして誤解を解き、どうやって結ばれるのかー。
ここが見処の一つで。

圭が過去の過ちを深く悔い、そのせいで完全に萎縮しているなら、実はテスはテスで、噂を鵜呑みにして圭を深く傷つけた自身の言動を悔やんでいた。
そして不器用な彼は、圭にどう接すればいいか分からず、ぎこちない態度は冷たいものにしか見えなかった・・・。

実は割と早い段階で二人の気持ちは通じあい、そこからは彼等が恋人同士として距離を縮めて行く様がじっくり語られと、序盤を除けばひたすら甘酸っぱくて可愛い展開なのです。
最初に嫌われからの溺愛と書いたのですが、気持ちが通じ合ってからのテスは、とにかく甘いしあからさまに独占欲とか見せるし、ついでにわりとムッツリだしと、結構愉快なヤツで。
ただ、それが甘くて可愛いだけに終わってないのって、しっかり掘り下げられた主人公の心情描写だったり、深みのあるストーリーにあると思うのです。

主人公が自身をしっかり見つめ、過去に縛られ続けるのでは無く、勇気を出して一歩を踏み出す事。
そんな彼の変化を促したのが、攻めから与えられた愛である事。
また、攻めは攻めで主人公から、本当に欲しかった大切なものを貰っている事。
めちゃくちゃ素敵ですよね。

そして、主役二人だけじゃなく、圭を裏切った王子にもまた後悔があったりと、一人一人にドラマがあるのが本当に素晴らしい。
人って失敗もするし、思い出すだけで恥ずかしさに転げまわっちゃうような愚かな行動をとってしまう事もある。
だからこそ、成長出来るし、少しはマシな人間になれるのかもなぁと。
本当、心に沁みる素敵なお話なんですよ。

ちなみに、web掲載時から加筆修正ありですが、書き下ろしがめちゃくちゃ良かったです。
この書き下ろしを含めて、物語は完結してると思う!
圭は誤解からの嫌われと辛い6年間を過ごしたワケですが、この背景に隠れた意外な真相が語られるんですよね。
二人の愛にめちゃくちゃ感動なんだけど!
そして、超スッキリと気持ちいいんだけど!!


あと、今月末に出る「春になるまで待っててね」もめっちゃいいお話だったりします。
や、作者さんですが、ラブコメから切ない系から大人の恋愛までと、すごく作風が幅広いんですよ。
で、こちらはひたすら癒し系。可愛いすぎて転げまわるわ!
それにしても、次に書籍化されるなら絶対アズラエル家だと思ってたのに、全然されませんね。
なんでや・・・。
兄弟(義理)で3Pで主人公は淫魔のハーフでと設定だけ見るとエロ特化だけど、家族愛とか自分の存在意義とか綴った、笑えて感動してめちゃくちゃ萌えて、ついでにエロエロなとても素晴らしい作品なのに!

最後になっちゃいましたが、エロ時の二人のズレにはひたすらニヤニヤしました。
や、経験者である自分がリードしないと!と、妙な責任感を発揮して頑張っちゃう圭と、その事に過去の男の気配を感じて、嫉妬から暴走するテスてな具合で。
初々しくて可愛い恋愛を繰り広げてる二人なのに、このズレのせいでエロは濃厚なのをかましてくれます。

23

味わい深い物語

Web版を読んでいたのですが、大幅な加筆ありという事で購入しました。
結果、買ってよかった…!

このお話、あらすじを書くのがとても難しいなと思います。
ざっくりいうと、異世界に召喚された高校生が王子様に愛されて幸せになって、けれどあっけなく捨てられて、失恋の悲しみの中王子の住まいから神殿に渡ったら、そこで「散々私達の事を無視しておきながら、今更のこのこと!」みたいな感じで責められて、嫌われ者の神子になって……。という流れなのですが。
ここまでは本当に序盤の話で、本文中では短く淡々と語られます。

物語はここから、嫌われ神子となった圭と神子付きの神武官テスとの恋愛模様を、圭の神子としての生活を交えながら進んでいきます。私はこの穏やかに愛が膨らんでいく描写が本当に好きで。
とても地味なんですよね、いい意味で地味。孤児院を訪問したり、洗濯したり、しもやけの薬を作ったり。でもその中で起こる事件や何やで、彼らは確かに近付いていって…。勿論それなりにドラマチックでもあるのですが、全体的にとても穏やかな印象です。章分けが「春」「夏」「秋」「冬」と季節を追っていく感じなので、余計にそう思えるのかもしれません。
周り皆に嫌われていると思って下を向いてばかりいる圭と、そんな彼を責めた(誤解からとはいえ)過去がある不器用なテス。二人が心を通わせていく様子が、本当に良いです。

この作者様、とても丁寧に描写してくださるんです。文章が達者かと言われたらそうではないかもしれないのですが、何だか無性に伝わってくるものがあるというか、二人の表情から指先の動きまで頭の中に自然と浮かんできます。
どこがどう良いか言葉にしづらいのですが、とても魅力的な文章だと思います。

Web版では書かれなかった二人のその後や、数年前の事件の真実などが、加筆部分で判明します。Web版を読んで気に入られたら方には是非とも読んで欲しいです。
個人的に、第三者視点の話が大好きなので、収録されている番外編にも大満足でした。
おすすめです。

10

悲しみと隣合わせな感が。

初めての作家さんです。お値段もそれなりでしたので迷いましたが読んでみて良かったです。

もう泣けて泣けて。
最初の恋が終わってからのお話の始まりでしたが。
圭が辛くて寂しくて悲しくて可哀想で。
突然異世界に召喚されて神子だと言われ、第二王子と恋に落ち捨てられ。
その後は散々神子の務めを果たさなかった、うつつを抜かして贅沢三昧してと周りから蔑まれ冷遇され。

何も知らなかったことを言い訳しないところが良い子で余計泣けて。

嫌われ者だと思いながらも5年間神子の務めを真面目に果たして。

幸せな部分も長いのですが、どことなく悲しみと隣合わせのような、読んでいて圭がだんだん成長していくのも泣けて。

テスはどんな気持ちで5年間も圭に付き添っていたのかな。ずっと圭を好きだったようですが、圭が冷遇され傷付き嫌われ神子だと思いこんで。誰にも心を開けず寄せられず。そんな圭を完璧な仕事ぶりで守るという行動で気持ちを示してたのかな?

言葉を伝え合うタイミングが圭はこれで良かったと思ってますが…。テスはもっと早く圭に言葉をかけてあげられなかったのかな?いくら話すのが苦手と言っても。
最初のテスの言葉を後悔しているようですが。

テスがどんどん積極的になり、圭の言質を取るような真似までして恋人になり…。
徐々に圭もテスに恋に落ちていき幸せを噛みしめる二人。

最後は幸せに結婚式を挙げて幕を閉じるのですが。

今後の神子のあり方を協議したり。これは異世界召喚物に一石を投じるお話かもしれませんね。

たくさんエピソードがあり、丁寧に書かれた物語でした。
神官長はテスの気持ちを知っていたようですね。
せめて圭が一人でも自分のことを認めてくれる存在を知っていたら…とタラレバを考えてしまいます。

7

ちょっと複雑な性格の受

著者は、ツイッターでも不定期にショートストーリーを投稿しています。
どちらかというと、ファンタジーのオメガバースモノが好きな作家みたい。

この作品は、ナロウで投稿版を読み、編集されて磨きこまれた商業版を読了。
比較すると、やっぱり商業版のほうが練れて完成度が高い。読後の満足度が高いのは商業版です。

ホントに気の毒な受の圭は、常に自責思考で自虐的。
圭は、突然異世界に同意なく神子として召喚されて、
王族の神殿への対抗意識から、王命で第二王子の恋愛接待をうけ
3年間、神子としての業務から外れていた、
王子が圭に飽きて別の愛人へ心が移り、圭は捨てられて本来の神子業務に入る。
神殿側は、圭の事情を知っているのに、詰る、蔑む、嫌う。

でも圭は、自分の想いがこの世界の気象に影響することを知り、ひたすら修行に励む・・・圭の努力する姿を見て、馬鹿にしていた神官たちが変わりだす。
特に、護衛官のテス。
圭は、常に相手を責めない・・・気象が荒れないように感情を抑えて、神子として振舞う圭が可愛そうで、泣けてしまう物語。


商業版は、圭を取り巻く周囲の人達の描写が、より細かい。
web版で気に入ったなら、ぜひ商業版と読み比べて楽しんで欲しいです。

6

読みやすくて切ない

まず非常に読みやすい文章でよくまとまってるというのが感想というのもおかしいかもしれないがそうだった
読むのはこれで2作目
web版は未読ですのでノベルズのみですが読みやすい作家様なのだなという思いが強くなりました

今作は恋を失ったあと別の恋になるまでの物語だった
タイトルの8年間についてのお話ではなく
8年経った後の9年目のお話にほぼ特化されてるのが非常に面白い

転生させられ異世界で神子にさせられ王子に見そめられ濃密な体の関係を含んだ恋人時代を送り恋人に捨てられ、己の立場を知り、周囲に見放され蔑まれる8年間
が終わった9年目のお話
ここをこんなふうに切り取るって考えたことがすごい

この8年間をもっとみっちり書きひっくり返す事でカタルシスを持たせる話が多い気がしますし
個人的には受けが苦しく切ないのを読むのが好きなのでそれでもよかったんですが
8年が終わった一年の
虐げられ自己評価が全く伴わない傷ついた魂が
その傷ごとあなただと受け入れ愛する人がいると知り
自らの反省を込めた行いが人々に受け入れられ許され愛されている事を知り
自分を受け入れ変わっていく姿を読ませるのは凄いな
と驚きました

個人的にはもう少しすれ違いの期間があってもいいなーと思うのですが
作家力として神に選びたいです

作家買いの先生に登録しました

5

育んでた!

とっても気分良く読めました。

最初の方では2人がいったいどうやってくっつくのかワクワク?というか、興味をひかれて読み進めました。
とっても自然な流れで心を通わせる様になっていくのが良かった。
何というか、なんじゃそれは?って感じずに読み進められました。

恋人になってからも、初々しい2人が微笑ましくて、異世界だしもしやこのまま清い関係のままなのか?と、心配?になりましたがご安心ください。ちゃんと結ばれます。

テスも圭も理解可能な感性で描かれていて、ストレス感じなかった。
そりゃねーだろ?ってのが無かった。

2人がお互いに良い影響を与え合いながら、愛を育むいいお話。




4

神子と護衛神武官の恋物語

15歳で突然召喚されて訳もわからない時に優しくしてくれたイケメン王子様、恋してしまうのは必然だと思います。
恋に浮かれて知らずにいた部分はあっても圭だけを責めることはできないと思うのに、非難された圭が無知は罪だと自覚して改めて神子として生きようとする物語です。

そういう優しい心の神子だからこそ幸せになって欲しいのに、誰にも理解されず嫌われ続けても自律心を強く持ち努力できる姿に感動しました。
勝手に連れてきてそれはないじゃないの、ひど過ぎると思わず言いたくなりました。

テスの穏やかに包み込むような愛情がステキでした。
いつまでも二人が幸せな家庭を築く未来が見えて読んでいて幸せな気持ちになりました。
切なくてすてきなお話をありがとうございました。

2

大定番を覆す"その後"のお話

今回は神子付きの神武官と
神子としてオルディンガ国に召喚された日本人のお話です。

役目を怠った受様が醜聞を乗り越え、
民の尊敬と攻様という信じられる伴侶を得るまで。

受様は1高校1生の15才の時に
オルティガ王国の神子として召喚されますが
受様はその役目の大切さを説かれても納得できず、
受け入れられません。

そんな受様を気遣ってくれたのが第二王子でした。
第二王子は神子がいるだけで国は天候に恵まれ、
土壌が豊かに、実りが多くなるのだと言い
受様に優しく接します。

受様は第二王子を運命の相手だと思い、
請われるままに彼の宮で妃のように過ごします。

しかし、恋多き第二王子は3年もすると
新たな蝶に目移りして受様を顧みなくなります。
第二王子の愛情を失った受様はよく泣くようになり
受様の心のままに穏やかだった天候は荒れまくります。

ついに受様は
王子との恋を諦めて神殿へと移る事を決意し
神殿で待っていたのは冷たい眼差しで
受様のこれまでの行いを攻める神官たちでした。

受様は神子の何たるかを知らず
第二王子との恋にうつつを抜かした挙句、
天候を荒らし、国土や民を傷つけたのですよ。

受様にも言い分もあるもの知ろうとしなかった事、
王子との恋に溺れた事による醜聞を晒され、
笑われても受け入れるとかできませんでした。

神子付の神武官である攻様は初めて顔を合わせた時に
「貴方のような人を神子だとは認めない」と言い、
役目は全うしても受様を受入れてはくれません。

受様が神子として召喚されてから8年、
神殿に居を移してから5年が経ちますが
攻様が自主的に声を掛けてきたのはその時のみであり
以降は受様が話しかけない限り
ずっと黙って任務を全うしているのです。

誰もが受様を遠巻きにして見ているだけで
受様は孤独な日々を過ごしていますが
受様は天候だけは荒らすまいと
ただ真摯に祈り続ける事しかできません。

受様が神子として認められる日は来るのか!?

WEB小説サイト「ムーンライトノベルズ」にて
連載されたWeb小説を加筆修正しての書籍化で、
神子として召喚された受様と神子の神武官である攻様の
異世界トリップファンタジーになります♪

伊達先生は前作のトリップファンタジーで
界渡りモノでは定番な設定を取り入れない事で
物語にハラハラな展開を呼び込みましたが

本作はさらに捻った設定を取り入れて
これまた界渡りモノの大定番である

主人公が恋したのは運命の相手♡
彼と出会えたので幸せになりました

ではなく

主人公が恋したのは優しい王子様♡
でも運命の相手ではなかったので
その幸運は長くは続きませんでした

から始まるのですよ Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

いったいどういう終着点なの!?
とまず引き込まれました。

神子の存在をめぐる駆け引きはあるものの
神殿の神子とその護衛の恋なので大胆な絡みはなく

未来の危うさと人と人との関り方を問い
誰でもが陥りうる視野狭窄によるすれ違いを
巧みに描かれていて

2人が伴侶となるまでワクワクしながら
楽しく読ませて頂きました。

すれ違ってしまった受様と攻様の気持ちが
徐々に近づいていく展開を楽しむ感じなので
BL的な萌えシーンは多くはないのですが

上記したように設定そのものが
鉄板展開を覆している為「萌2」とさせて頂きました。

今月末に出る新刊も楽しみにしています (^-^)V

9

出会えてよかった

オルディンガ国の神子の圭。
圭は15歳になったばかりの頃にオルディンガ国の神官たちによって召喚されました。
日本に戻りたいと塞ぎ込みがちになった圭を
国の第二王子のヴァンスが気遣い、いつしか二人は気持ちを通わせ恋人同士になるのですが、
ヴァンスの気持ちは変わってしまいます。
そして圭は神殿へと居を移すのですがー…。

切ない。すごく切ない。
ヴァンスの心変わりが詳細に書かれており、胸が痛くなりました。
その後の神殿での圭への扱いも悲しい気持ちになりました。
神子付きの神武官のテス(攻め)も最初は圭に冷たく、
圭は悪くないのになぁと思っちゃいました。
無知は罪というのを思い知らされます。

圭がほんとに健気で不憫で序盤は辛い気持ちになるのですが、
後半はもう…ね…!(*´ω`*)
テスが見事な執着溺愛攻めになってくれるので
読んでいてニヤニヤが止まりませんでした(*´ω`*)

恋において辛い思いをした圭だけど
テスがいればもうきっと大丈夫。
そう思わせてくれるテスに感謝です(*´ω`*)

1

めでたしめでたしの、その先の物語

作者様があとがきで書かれている通り、「シンデレラストーリー」のその先、のお話です。

まず、周りの人々に嫌われている受け、という設定が珍しいですよね。

受けの圭は高校生の時に異世界に召喚され、異世界で王子と相思相愛になります。
幸せな王宮暮らしをしていたのですが、なんとそこで「めでたしめでたし」とはならず、王子に捨てられてしまうんですね…。

打ちひしがれて王宮を出て、神殿仕えをするようになった圭ですが、今まで散々王宮で遊び暮らしていたのに、今更のこのこ神殿に来て神子としての役目を果たそうなんて遅いんだよ!と冷遇されてしまうのです。

圭が王子と愛し合っていた時に神殿に来ることがなかったのは、決して圭本人だけが悪いわけではなく、王宮の責任も大きいのですが…

嫌われていると自覚しながら、一生懸命神子としてのお務めを果たす健気な圭の姿に、どうか救われて…!と願わずにはいられませんでした。

初対面の圭に冷たい言葉をぶつけ、その後言葉を交わすこともなく冷たい態度で接してきた神武官のテス。

この二人、一体どんなふうに惹かれ合っていくの??と気になって気になって、読み進める手が止まりませんでした。

そして誤解が解け、心が通じ合った後のテスの甘〜い独占欲…むふ、堪らんです。

これこれ!どんなに辛いことがあったって、結ばれた後は溺愛が待っている。
BLの醍醐味を存分に味わえる作品です◎

シンデレラストーリーももちろん素敵だけど、恋愛って実はそんなにシンプルじゃないですもんね。
どちらかが心変わりしてしまうことだって、もちろんある。
恋に夢中になって、他のことをおそろかにしてしまうこともある。

そんな「負」の部分もしっかり認めつつ、それらを乗り越えた先にある幸せを示してくれている本作。

なんとなく元気が出なくて、明るさ100%のものは読めない。でも薄暗いものもちょっと…という時に引っ張り出してきて読みたくなる、そんな一作です。

1

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