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「なあ、どうしてお前は、もう一度俺の前に現れたんだ――?」
sayonara no moment
告げられなかった想い…。
事故で亡くなった親友亮輔が、ある日自殺しかけた青年司の姿を借りて春哉の前に現れる。そこから始まる3人の優しいバランスの共同生活は、ずっと続くかと思われたけれど…。
誰も悪くなくてみんなが幸せでいて欲しくて、とっても切なくてそれぞれの想いが胸に沁みて泣けた。亮輔と春哉に結ばれて欲しかったけど、亮輔がもうこの世にいない以上司と一緒になるのが最善だよね。事故の前に分かり合えていたなら…運命は残酷だ。
でも春哉と司の中に亮輔は生き続けているから、形を変えてずっと傍で見守ってるんだよね。
胸が苦しいけど愛おしい、素晴らしい作品!!
非現実的なお話なのに全く違和感などなく沼る構成で本当に良い 悪い言い方をすれば三角関係⁉でも少し違っていて円満な関係性 3人(2人と幽霊)が各々お互いの想いを尊重しあい想い思われ涙なしでは読めない作品 仁嶋先生の作品はただの恋模様を描かれたBLではなく、いつも読んだあとに人としてのあり方などを深く考えさせられるものが多く大好きです 決して他作品のただの恋愛話が悪いということではなく、仁嶋先生が心の機微を表現される天才だなぁと作品を通して常に思いますというしがない読者の意見です おすすめ作家様です
仁嶋先生作品を立て続けに読んで、なんか読んでないのあるかな〜と思ったらうまいことセールになってました。幽霊モノ全く好きではないのに、電子だと気軽に買ってしまう。
結果、まぁ幽霊モノは全く好きではないからそんな感想にはなってしまうんだけど(買うなよって話だ)、丁寧で気分の良い作品でした。結局生きてる奴が一番強い。死んだらおしまい。…死ぬな!!!
3人の描き分けが好きでした。司の母親との対決(?)は春哉の見せ場で、しっかりカッコいいし、多分このポジションが亮輔なら彼は彼で違う対処をしそうで、春哉と亮輔の違いが、そんなところを互いに好きだった(過去系悲しいね)んだろうな〜って想像させられるのが良い。あまり生きて好き合ってた時の描写がないのにそう思わせる。そんな中でまぁぶっちゃけ当て馬(勝ち馬になるわけだが)の司が出てきても爽やかな感じもよかった。
冒頭から「死」に繋がる苦しい場面が続きますが、切なくてツラいだけの展開ではなく。
ふわっとあたたかい空気が漂っていて、それが「ふたり+幽霊」という生活にピタッとハマっている不思議。
ともすればしんみりしたお話になってしまいそうなテーマなのに、そういう方向に傾いていかない世界観、さすが仁嶋先生だなーと思いました。
幼い頃からずっと近くにいて、すごく心地良い距離感だった亮輔と春哉。
いまはその関係を変える勇気はなくても、いつかは動き出せると信じていたからこそ幼馴染のままでいたのに。
平穏な日常が終わるのは本当に一瞬で、行き場のない想いを抱えるふたりの姿に胸が痛みます。
でもなぜか幽霊である亮輔が一番明るいんです。
その明るさに引っ張られるように生きている人間が前向きになっていくのがちょっぴり皮肉だけども、それ以上に救われた気持ちになったのでした。
司もまた自ら死を選ぼうとするほど苦しい出来事があって、どん底みたいな時に亮輔たちに出会ったわけですが。
"ふたりを繋ぐ"という使命の下で逞しくなっていく姿を見ることができて、なんだかすごくホッとしました。
あの裏切りがあって良かったとは言えませんが、ひとりで苦しむだけで終わっていくことにならなくて本当に良かった。
亮輔が消えてしまうところはやっぱりすごく悲しかったけれど、存在は消えても彼のことを忘れるわけではないし、亮輔はふたりをずっと見守っていてくれるだろうし。
悲しいだけの別れではないのが本当に素敵でした。
心揺さぶられるところはたくさんありましたが、とても満たされた気持ちになった作品でした。
試し読みの時点でその完成度と画力の高さに衝撃を受けると同時に「これ絶対泣くやつじゃん…」とも思ってしまったので、ずっと今まで手を出せずにいました。
がっ!昨今の怪談ブームの煽りを受けて読破。
表紙をご覧のとおり、三角関係なんですが、ギスギスした感じじゃなくて、作中でも表現されてましたが、例えるならば
「ハル+幽体の亮輔=司の保護者」
みたいに仲良く3人で楽しく暮らす日々がしばらく続きます。
ハルと司、どちらの想いが亮輔へ伝わって両想いになってしまっても、残った片方はキツい。
どっちに転んでもつらくせつない三角関係の場合、片方が幽霊ならラストはやっぱりそうなるだろうな、という結末でした。
悲壮感はそこまでなく、読後感も非常に良いです。
ハグは唐突すぎたけど、ラストに至る過程がすごく良かったと感じたので非常に満足です。
"(保護者的な)2人にばかり助けられてちゃだめなんだ、ここから変わるんだ"
という感じのあのシーンで目頭が熱くなりました。
表紙の手つなぎ、赤色の使い方でわかってしまう関係性。
極めつけは「め○ん一刻」のあの有名なセリフですよね。
やっぱりジーンとくる…
その後、司の前髪が上がったのもすごく良かった。
☆5にしなかったのは、BL的な萌えとは違ったので。
(でも話自体が面白かった!えrなしも逆に良かった)
「キミドリ」が個人的にサッパリ合わなかったので今回はどうかな…と不安だったんですが、本当に読んで良かったです。
司の母と、司をいじめる奴がすっごいヤな奴らなので、そういうの苦手な方は注意です。
試し読みが常に37ページもあるのでぜひ。
SNSの試し読みから購入したんですが、こんな三角関係初めてみた~!
三角関係も死ネタも苦手な私が見れたし満足できました。
三人それぞれお互いのことを想い気遣いあってるのがわかるので、もうずっと三人でいてほしいな~と感じながら結末を見守りました。
帯やあらすじとかで結末は予想できるというよりもここに向かっていくからなと言われてる感覚というか。ちゃんと心構えができたので、最終話の展開もしっかり受け止めることができました。
なんかコマ割り?というか画面のつくり方が映画みたいで臨場感ある感じ?
キャラの動きや心情も伝わってくるのでいろいろお上手だなと思いました。
このエンディング以外は違うと思うので大変満足です。
仁嶋先生は登場人物の気持ちと丁寧に描いて、無理やりにエッチな段階にならなくても満足できるストーリーテラーだと思います。
今作では軽いキスのみです。
それでも大満足の切なくて優しいお話でした。
自殺未遂をした高校生、司の中に入って助けたことによって、司と話せて、その中に入れるようになった半年前に亡くなった亮輔。
幼馴染で片想いの相手、ハル(春哉)に助けを求めたことがきっかけに3人の奇妙な同居生活が始まりました。
明らかに亮輔とハルが両片想いだとわかります。橋渡しをしているうちにハルに惹かれていく司。そしてハルも亮輔だけじゃなくて司のことも気になっていきます。
司は切った手首をスリっとさする仕草が不安だったり強がったりするポーズのようでしたが、だんだんと成長してハルから貰った腕時計を触りながら勇気を出すきっかけになった時は、嬉しかったです。
ちゃんと逃げない強さを手に入れて、ホントに卒業できたんだなと思いました。
そして、卒業式は亮輔とハルにとってもポイントになる日でした。
亮輔の心残りとは、3人はどう決断するのか…。
司の身体を通しての最初で最後の亮輔とハルのキスは、亮輔が消えた後はハルと司の最初のキスに移っていくシーンが、3人のそれまでの関係を象徴するかのようで、とても素敵なシーンでした。
作品を読む前は、タイトルの「モーメント」を「瞬間」のことだと思っていました。「さよならの瞬間」を描かれている作品だと。
でも、それだけじゃなくて「きっかけ」だったり、物理の公式である「慣性モーメント」のように時計の動きだったり幽霊やいわゆる“物理”のことだったり、読み進めていくと物語を表現している言葉なんだと実感しました。
英語タイトルも「Goodbye」じゃなくて「Farewell」なのもよかったです。
最後に亮輔がハルと司に「しっかり暮らしていくんだよ」というメッセージだと伝わってきました。
表紙と最後の花は「百日草」で、花言葉は「別れた友への想い」。素敵ですね。
ホントに細かいところまで計算尽くされています。
ぜひ、じっくり読んで楽しんでください!
作家様買い。
春哉と、亡くなった春哉の幼馴染みの亮輔と、
亮輔のことが見える司とのお話。
読む前はややこしいのかなー?って思って懸念してたんですけど
すっごくわかりやすく描いてくださっていたので
特に何も考えずに読む進めることが出来ます。
春哉と亮輔は実は両片思いだったことがわかって、そこでまず切なくなりました。
その後も切ないけど温かくて、うまく言えないけど読んでよかったなぁって思いました。
死ネタが絡んでるので悲しい気持ちにもなるんですけど
亮輔が居たことによって、春哉と司が救われたことは確かで
二人が未来を向いていることも確かなんですよ。
ちゃんと春哉も亮輔も最後はお互いに自分の気持ちを伝えられたこと
これが一番の救いなんじゃないかなぁって思いました。
仁嶋先生の作品ってとにかくすごくて、いつも感想書くのが難しいんですけど
いろんなことを考えさせられる作品だなぁって思います。
前作[キミドリ]と[愛追うふたり]がとても良かったので作家買い。
小冊子も欲しかったのでコミコミスタジオさんで購入。
買って正解!とても良いお話でした。
最初唐突に始まるので理解するまで時間掛かって読み返したりしちゃったんですが、わかってからはスルスル読めます。
幼馴染のお互い好き同士ってわかってるけど両片思いのハルと亮輔。25歳の時突然交通事故で亮輔が他界。
ショックで立ち直れないハルの元に亮輔に乗り移られた高校生の司が現れて。。。
ハルと司と幽霊の亮輔の三角関係同居生活のお話です。
もう、三人共が切なくてきゅーーーっとなりながら読みました。
[司]
司の身体を借りればハルと話せる亮輔、亮輔と話せる時の表情が自分に向けられている時と違うと感じてショックを受ける司くん。あと、愛おしそうな顔でハルの姿を見つめている亮輔に2人の絆の深さ感じてしんどく感じちゃってる。(もうハルくんに惹かれてるんだよね)
[ハル]
幽霊の状態の亮輔と楽しげに話している司を見て自分には幽霊の亮輔は見えない事に切なさを感じるハル。
[亮輔]
生きているハルと司の心の距離がだんだん近くなっている事、自分はもう死んでいる事に辛さを感じる亮輔。
一巻完結のお話でよくまとまってるし、3人ともに共感出来るとてもいいお話でした。
みんな読んで欲しい。
エッチなしなので、修正もないです。
それでも大満足です。
死が絡むお話はどうしても悲しさや切なさが勝って苦手に思うことが多いのですが、このお話は大丈夫でした!
むしろ読み終わる頃には、すべてをひっくるめて司と春哉とその関係性を愛おしく思える、そんな前向きな話でした。
あらすじや試し読みで極端に亮輔の死に拒絶反応が出るようでなければ、ぜひおすすめしたい作品です。
過去2作品もそうですが、丁寧に描かれる気持ちの揺れ動きとストーリー運びがとても好きで、もうすっかり仁嶋先生のファンです。