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shitamachi gurashi no celebrity
海野幸先生の現代もの、本当に大好きで…
こちら、不憫受けの不憫さに涙が出そうになりながら(出てないんかい)読みました。
中学を卒業して酒乱の父の元を飛び出し、日雇いの仕事をしながらその日暮らしをしていた受け。
やがて祖父の営む食堂で、こども食堂の手伝いをしながら暮らすようになるのですが、その祖父が倒れて意識不明となってしまい…
祖父に頼まれたこども食堂をなんとかやっていくために、頼れる人もいない中、アルバイト代をすべてこども食堂の運営費に充てその日一日を必死に生きていました。
そんなある日、突然大企業の御曹司が現れ、「家出中なんだがここに置いてもらえないか」と言われ、共同生活が始まるのですがー!?
と続くお話です。(なんだかうまく短くまとめられなかった…)
今日明日のことを考えるのに必死で、とても将来のことなど考えられない…というのが本当に苦しいぐらいよく理解できてしまい、読みながらううう…と苦しくなるほどでした。
そんな彼が春川と出会い、行政や人に相談すること、力を頼ること、そしてそれは決して恥ずかしがる必要はないということ…
そんな考え方を学び、新たな生き方へと一歩を踏み出していく物語にグイグイ惹きつけられ、一気に読んでしまいました。
そして、とてもいいなぁ…と思ったのが、19歳で学歴もなく、その日暮らしの隆二が一方的にスパダリに救われる物語ではない、ということ。
春川もまた、こども食堂で事情を抱えた子供たちの状況を、ただ親に注意するだけでは問題の解決に繋がらないことを、隆二の経験や言葉から学ぶんですね。はあ…沁みた…
2人の初セッッの際、年上で経験のある春川に嫉妬してしまう隆二に対し、でも君が最後になるよ、と春川がかけた言葉に、グッときてきゅん…でした。
家出の理由は正直ちょーっと、おい、と思いましたけど、優しくリードする年上攻め、頼っていいんだよって教える攻め、うん、やっぱりものすごく格好良かった…!
現実味のある貧困問題や子どもたちの事情に胸がきゅーっと痛くなりつつも、受けの再生の一歩に勇気をもらえる、温かで素敵な作品でした✨
下町商店街人情ものかな?
もう主人公隆二に共感しすぎて辛かった。
貧乏に追い詰められて視野狭窄というか今日と明日までしか考えられず。
知識も知恵もなくただその日暮らしで毎日くたくたになるまで働いて。
家庭の事情もとっても不憫で。こんな自分が誰にも相手にされるわけないと助けを求めることも思いつかないで。
そんなところに突然現れた宇宙人のような王子様、春川。なんだか言いくるめられて家出中に隆二が住んでる子ども食堂もやってる祖父の食堂に泊めてあげることに。ズルい大人です。
春川が大人なのに子供っぽくて、だけどちゃんと大局を見るというか、隆二に知恵や可能性を教えてくれて。子ども食堂のことも協力して真剣に考えてくれて。
とっても良い人で生まれついてのセレブリティで住む世界がまるで違って。
春川がちょっとキャラが掴みにくいと言いますか、一貫して優しくて正義感が強くて子供っぽいけど頼りになるズルい大人なんですがね。どこまで本気なのか?
所詮そのうちいなくなるよね?という気持ちもありどこまで信じていいのか…。
隆二の初めての恋。そもそも恋する余裕もなかったもんね(泣)誰かと暮らすあたたかさ。
だけど春川の好きはやっぱり信じちゃいけなかったんだ!?
隆二が先を考えることができるようになって自立や可能性を考えたり、素直に人を頼ることができるようになって良かったです。
春川はやっぱりどこか子供っぽいけど知力財力行動力すべてを使って隆二を囲み込んで離さないでほしいですね。
商店街の人達や子ども食堂の子供達との交流も最後は本当に良かったね!
春川のことも、あのときのあの態度は…。
色々あったんですけど、とにかく私は隆二の追い詰められ感に共感し過ぎて冷静にお話を俯瞰で堪能できなかったかも。
ハートフルウォーミングな物語でした。
この日常に溢れた舞台で、心に寄り添って紡がれたBLを読むと多幸感で胸がいっぱいになりますね。気持ちがホウッ…としました。
でもあくまでもそれは読後感でして…
隆二の切ない過去に胸がチクチク痛まされる描写もあります。
主人公の隆二は、下町の道信じいちゃんの食堂で子ども食堂を開いていました。そんなとき、春川というワケアリ家出男が泊めて欲しいと言ってきます。
泊めて欲しいと強引に迫るので隆二が警戒するのは当然。でも彼はいいとこのボンボンでかなりのイケメン。性格も朗らかな彼は、隆二の懐にふっと入っていきます。隆二と春川との奇妙な共同生活が始まりますが、それは隆二にとって淡い恋心を抱かせるような幸せな時間ももたらせてくれました。
隆二は不憫な境遇で育ったせいか自己肯定感が低く、人に頼ることもしない頑張り屋で、本当〜に良い子。周りにその頑張りが認められないのが、読んでいて悔しい!!
そんな不器用で健気な彼を、側で温かく見守り励ましてくれたのが春川。出会った日から、「一目惚れ」だの「好きだ」の言ってくるので、私はチャラい…と思ってしまいました。「俺はずるい大人だけど悪い大人ではない」ってサラッと言えるのは十分「悪い大人」だと思う(笑)
さてさて、春川の真意はどうなんでしょうか。そして隆二の春川への気持ちはどんな結末を迎えるのか、最後の最後まで目が離せません。
このストーリーの舞台が子ども食堂なので、ネグレクトや虐待とか…そういった社会問題にも焦点が当たっていて、BLとは別の観点でも意識が向いてしまいましたね。ある意味社会派作品とも言えます。
隆二もそういう境遇で育ってきたから、子ども食堂の子どもたちのことを自分の身に置き換えて、真摯に向き合っているのが心に響きました。
出会いが強引な割にBLの展開的には大きなアップダウンはないので、気持ちの変化や揺れ動きはスロー。長い緩やかな坂道を徐行運転で登っているような感じです。隆二の春川へのトキメキ貯金がささやかに貯まっていくのが、キュンときました♪
春川は最初から隆二を「好き」と言いまくっていてなんだか一本調子な感じも受けました。本音なのか揶揄ってんのか境界が曖昧で分かりにくかったかな。だから隆二の心の変化は分かりやすいけど、春川は分かりにくかったですね。
春川が隆二に一目惚れをした説得力がある後日談でも、春川視点エピソードでも良いから描きがあれば嬉しかったです。
生まれも育ちも全く違う2人が下町で出会い、子ども食堂を介して恋に落ちる物語はドラマチック。小さい萌えも大きい萌えもいっぱいありました。
天涯孤独な隆二が恋に落ち、愛を知る過程がとても素敵でした。隆二が心と身体のぬくもりに出会えて良かった。彼はもう1人じゃない。
心から愛する存在もできた。
血の繋がりはないけど「じいちゃん」と呼べる家族のような存在もいる。
故郷のように温かく迎えてくれる場所もある。
春川との出会いは救済という意味も、これから未来に向けての可能性という意味でもたくさんのことを隆二に与えてくれました。そして春川もまた然り(^ ^)
後半は商店街の人たちとも打ち解けて和気あいあい感にホッコリしました。下町の雰囲気も人々の温かみも、こうした細かい描写に心が和んでしまう素敵な作品でした。
シンデレラストーリー的な側面もあり、王道といえば王道かな^ ^
先生買い。攻めがさいこー----に好き。金ある美形、余裕なくっても余裕あるように振舞えるずるい大人!!!!でも坊ちゃんなんで、ぽこって抜けているところもあるんですよう、あー好き。こんな攻めとめっちゃ苦労しているド根性カエルみたいな受けとの海野先生らしい人情味あふれるお話、本編290P+あとがき。
じいちゃんが交通事故で意識が戻らなくなったため、ありとあらゆる日雇いのバイトで稼ぎ、なんとか子ども食堂を続けている隆二。ある日「今、家出をしている最中です」と言い切るイケメンが、泊めて♡と転がりこんできて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
道信(食堂、子ども食堂を営む料理人)、子ども食堂にくる子供たち、商店街のほかの店主たち、道信の孫たちぐらいかな。みんな温かいです。(除く2名)
++すっごく好きだったところ
とにかく攻め!いいんだよう、このこずるい感じの30歳近くのイケメンったら!
基本ぼんぼんなんですね。家出したくなって、ぽいって家出したんだけど、リモワで仕事続けるんすよ、えらくない?wwwそれ家出って言わなくない?という気もするけど、しょがない、大企業継ぐであろうぼんぼん、仕事はしなきゃって思ってるんだろうなあ。可愛いーっ
商店街の人に言われて、中井食堂に転がりこんだけど、居候のための布団なんて無くって、ぼんぼん寝れなかったんでしょうねえ。さっそくネットショッピングで布団買って届けてもらって、居候を許されたら部屋をどんどん快適にしちゃうところが、あー金持ちっって感じ。嫌味なく、小気味よくお買い物されて、困窮している受けの生活を少しずつ良くしていって。
変わるというか将来のことを見据える余裕があまり無かった受けも、少しずつ少しずつ人に頼ることを知り、先のことを少し考えるようになって、一歩踏み出そうとするところが良かったです。ちょっとぶっきらぼうで、喧嘩なら負けねえという感じの男の子っぽい男の子なのも良かったな。
攻めがめっちゃ好きで受けもまあ好きなタイプで、何よりお話が温かくって読んで良かったなあと思う一冊でした。海野先生、お話有難うございました!
まず言いたいこと。
シャレード文庫、紙の発売と電子化がぐぐぐっと短縮になって嬉しいです。
今まで紙で発売されてから電子化されるのに、半年近くかかっていたのでリアルタイムで読めるようになって嬉しい。
ありがとうございます。
受けの隆二の育ってきた境遇がなかなか辛かったですね。
今日一日生きることで精一杯で、未来のことを考える余裕なんてない。
公的な支援が存在していても、怒られるんじゃないか、自分に非があるんじゃないかと思うと手を差し伸べる勇気がでない。
あぁきっとこういう人が世の中にはいっぱいいるんだろうな……と読みながら思いました。
子ども食堂を続けるためにバイトを掛け持ちしてぶっ倒れる寸前の隆二。
自分のほうが崖っぷちなのに、子供達の心配を本気でして……。
隆二にとっては、かつての自分なんでしょうね……。
居座り続ける理由を聞かれた春川が、ちょいちょい「君に一目惚れしたから」「惚れ直す」だの言うんだけど。
最初は、うそくせー!って隆二同様に思っていたけれど、そのうちにもしかしたら……??と私も読んでて期待しちゃってただけに、あれはきつかったなー……。
期待することも、信じることもできない隆二の気持ちもよくわかるだけに……。
春川の微妙にずれてるところが好きだわ。
うどん購入時の邪悪な笑みってなになにー?と思ったら、そう来る?!
なんて大人気ないんだ(笑)
ふかふか羽毛ぶとんをさっさと購入しちゃうところも好き。
最高に盛り上がったところで「持ちうる限りの財力と人力と手段を使って」とか言っちゃうところも好き。
今回は大手企業の跡取り息子と
子ども食堂を代行する青年のお話です。
受様の住む食堂に転がり込んだセレブな攻様が
不憫すぎる受様を幸せをもたらすまで。
受様は中卒で学歴もなく、資格もなく
知識も技術もなければ、器量の良さも愛想も有りません。
ところが1週間前に
受様が働く食堂の店主が交通事故にあい
本業の食堂は閉める事となったのですが
ボランティアで行う子ども食堂は閉められず
受様が日雇い土木やアルバイトを掛け持ちし
その費用を稼いでいたのです。
受様は状況を説明できるほど話し上手ではなく
受様の事情を知らない商店街の店主たちは
受様は良く思われてはいませんでした。
そんなある日、
身なりの良く芸能人並みに美麗な青年が
「今家出をしていて一晩ご厄介になりたい」と
食堂の戸を叩きす。彼が今回の攻様です♪
攻様はトラブルに巻き込まれて家出を決行したものの
現金の持ち合わせがないまま商店街をうろついていたら
親切な女性に「食堂の店主なら泊めてくれるだろう」と
教えられたというのです。
確かに店主は尋常ではないお人好しなので
店主なら攻様を当たり前にもてなしそうではありますが
受様には判断できませんし、うまく立ち回れもしません。
しかも切羽詰まった攻様はとんでもないことを
言い出すのです。
じゃあ、あれだ。君が好きだ。
一目惚れだったんた。離れたくない。ここにいさせてくれ。
そんな攻様との押し問答すら不毛に思えてきた受様は
考える事を放棄し、て攻様を泊めることにしますが
翌日、子ども食堂を手伝った攻様は
住み込みで働かせて欲しいと言い出して!?
入院した店主の代わりに子ども食堂を続ける受様と
トラブルから逃げている大企業の御曹司の
恋物語になります♪
タイトルからほのぼのラブコメ系かと思っていたので
読んでみてかなりびっくりでした。
攻様はいいところのボンボンで世間一般というか、
庶民の普通がわかりません。
しかも自身に不利(ぉ面倒)な事は煙に巻くほど
頭が切れるという厄介な男です。
何もかもが違うが故にそれぞれの良さと悪所を
2人がお互いに刺激しあって変わっていくので
どうなっていくのかと思っていたら
訳ありなのは攻様だけではなかった大爆弾が
投下されてドキドキ追加のハラハラMAX!!
受様の過去は不憫でしかないのに
受様はそれこそも自分が至らないせいだと諦め
辛い目にあっても誰のせいにはしないので
読んでいてかなりしんどかったですが
受様が幸せな笑顔を浮かべられるようになって
本当に良かったです。
作中の隆二の言葉を借りるのならば、なんだこの宇宙人攻めは…?と、序盤の印象からてっきりコメディ寄りのお話なのかと思っていたのです。
いやはや、違いました。もちろんクスッと笑えたりもするのですけれど、もっと深くて社会派なテーマを扱ったしっかりと地に足の付いたお話です。
良い話というか、考えさせられる話というか…なんでもないようなさり気なさで描かれた1シーンの中で、思わずハッとする気付きがあるんです。
海野先生の表現の上手さが光る作品でした。
こちらの作品。萌えたか萌えなかったかで言うと、BL的ではない方のエピソードの数々がドスドスと刺さってしまって、読み進めながらそういう萌えを楽しむジャンルの作品ではないかもしれないぞと感じてしまったのです。
でもですね、育った環境が真逆な2人のキャラクターが本当に良かったんですよ。
お互いが知っているもの・知らないものを持ち寄ってそっと教え合える2人の人柄がすごく好きでした。
大人子供のようなかわいらしい一面も持っているけれど、大人なところは大人な春川と、まだ子供だというのに頼り方を知らず、大人よりも大人にならざるを得なかった隆二。
30歳の御曹司の家出という突拍子もない出会いが見事な化学変化を魅せてくれます。
どちらも素敵なキャラクターだったけれど、やっぱり隆二が好きですね。
子ども食堂を舞台に、重みのあるテーマを描きながら重たくなりすぎず、かといって綺麗すぎない。
どこかであるかもしれない現実的なお話で読み応えがありました。
今日はピザを取ろうと思います。
中卒で身寄りのない隆二と社長の息子春川の物語。幼い頃から生きる事に必死で、信じて頼るのが難しい隆二。それでも道を踏み外さずギリギリの所で頑張っていて、人のために尽くそうとする姿がいじらしい。こども食堂の話や、虐待、地域支援活動の話までなかなか深いテーマでした。虐待されているのではないかという子供を児相に通報すべきという春川に隆二が告げた言葉は現実的で、春川も自分の甘さを知る事になる。春川が隆二を雇わない展開も好きだし、彼の自立を手助けしつつ共に寄り添っていく姿勢が見られて好きなお話でした。
隆二は健気ですね~~好き!商店街にある食堂と子ども食堂を切り盛りしていた店主が入院したことにより、かわりに子ども食堂を続けるためにバイトして食材代を稼いでいる、すごい子。
なんか貧乏とか過去とかいろいろ可哀想で心臓きゅっとしますが…。
ある日、春川という家出御曹司が食堂に転がり込んできて…!?という話。
そこから始まる物語です。
隆二は、過去が過去なのでいろんなことを諦念しており、コミュニケーションも不十分なため周囲から理解が得られていないのがつらい…。うう……。
しかしそこが健気ですね、言い訳せず一生懸命、自分ができることをして…。
子どもの貧困や親からの虐待なんかも作中で取り上げていて、春川は通報したほうがいい、隆二は通報してその子たちの居場所(子ども食堂)を奪うべきじゃない、と対立するシーンもあり…。隆二は自分の過去や生い立ちから、親の気持ちもわかってしまうんですよね。
ふたりとともに何が正解なのか、はたまた正解など決めること自体がおこがましいのか…、色々考えることができました。
萌えもありますが、なんだか考えさせられる小説でしたね。