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karera wo tadoru monogatari
全話が女性目線からのお話で構成されている、斬新な一冊でした。
チョコドーナツ先生らしい作品の世界観に引き込まれつつ、その時々で心がじんわりあたたかさに包まれて。
客観的な視点から見る彼らの関係に、BLというジャンルをこえたモノがあった気がしています。
彼女たちが見守っているのは、友達だったり恋人だったりそのどれにも当てはまらないときであったりする鬼怒川と泉ですが、
各話の主人公はあくまでも"彼女たち"なので、鬼怒川たちの気持ちすべてを知ることはできません。
でも彼女たち目線で見るその姿は、ふたりの気持ちを絡めないからこそ美しく映った部分があったと思うし、断片的でしか知ることができない想いをより輝かせていたように感じました。
それぞれの主人公たちにもたくさんのドラマがあって、彼女たちの日々の中に"彼らの日々"が少しずつ刻み込まれている。
そんな奇跡みたいな1ページをたくさん見ることができてすごく幸せな気持ちになりました。
しみじみ良かったなぁ。彼ら彼女らは「特別」じゃない。過去の自分の友達にも、自分がバイトしているお店のお客さんにも、会社の先輩も日々暮らしている。過去の自分はわかったつもりでいたその後悔とか…今自分がBL読みながら抱えるLGBTQコミュニティをサポート?したいがこの趣味によって傷つく人がいるのではないかという思いも含めてなんだか癒された。
1組のBLカプへの女性キャラ数人視点の話で構成された1冊。
いろんな女性キャラが登場し、共感したり、それは不躾よな〜とか若気の至りや無知からの行動に後悔すること多いよな〜など複雑な気持ちになりました。
同性カップルに対してのことだけでなく、他者への興味本位な視線や詮索、噂話ってはたから見ると痛々しいところがあるな〜と普段から思っておりまして。
本作のように悪意ないのが特に。
興味を持ったり関わることは問題ないはずですが、その中身ですよね。自分にも思い当たることがあり目(耳)が痛かったです。当時は気づかないのもその通りで。
あとキラキラした表情が眩しすぎてちょい引きました。ひねくれた年寄りなもので。すみません。
いい話なのはいいのですが、あまりにキャラがみんな善良で普通で言っていることがとても道徳的に感じて。これまで読んできたBLで味わったことがない心境になりました。エンタメで道徳を教えられる複雑さよ。じゃっかん興醒めしてしまうと言いますか。
女性視点だからというだけでなく。
BL的萌えは少なめで、周辺人物のあるある、こうでありたいよねという考え方が前面にきているようでぐぬぬぬぬとなりました。
本編は5話、あと番外編で構成されています。
それぞれのメインキャラは女子で彼らが見守るのが1組の男性同士のカップルです。
そのカップルは変わらず、幼なじみの鬼怒川くんと泉くん。
2人の周りにいる女子は公園でいつも出会う幼女だったりコンビニで店員として登場したり中学の同級生であったり、、、
どの彼女もそれぞれあたたかな或いは真剣な目で2人を見守っていくのです。
ただそれだけに2人を含めて悪意のない人たちばかりなので、なんだか物足りないというか図書館の目立つ棚に表紙を前面に置かれる推薦図書のような気恥ずかしさすら覚えてしまいます。
ラスト章に登場する小学校の新米先生がなんだかなんとなくうざったいです。
私が「先生」自体嫌いだからかもしれません。
彼らをたどるとはよく言ったもので、ラブに至るボーイズの周辺にいた、有り体に言えばモブ目線の物語という、チャレンジングな構成です。学生から始まって、成人すら遠くなった年齢までを描くというのもなかなか面白い。世の中の見方の変化も描いている。最初にやったもの勝ちかもしれない。とはいえ自分が知らないだけでかつてこんな構成の単行本があってもおかしくはないのですが、間を保たせるのも大変そうだから、作家はもとより編集部こそ挑戦的なのかも。
やや道徳感の強めな1冊に仕上がっているため、単純に萌えを重視してBL作品を気軽に楽しみたい方よりは、"同性愛"(分かりにくい表現)って気分のときがおすすめかと。
萌〜萌2
9歳で出会ったふたりの30歳までの彼ら(鬼怒川くんと泉くん)を、他の作品であれば脇キャラであろう女性視点から彼らを描いた作品。
全5話+描き下ろし。
つまり5人の女性視点と関わりから、客観的に語られる。
以前よりSNSなどでその変わった視点が注目され、面白いらしいと聞き及んでいたが、たしかにあまりこういった語り口で進むBLは見かけたことがなかったので、新鮮な感じで読めました。
どの年代のお話もよかったけど、個人的にとくに好きだったお話は、15年ぶりの再会で過去彼らに正しい価値観を押し付けて、罪悪感に苛まれていた薬剤師の女性のお話「同窓会」。
そして、最終話で彼らの出会いのお話で、当時の担任の先生視点で語られる「まっすぐ育て」が良きでした。
もっともっと40歳、50歳という視点でも彼らのことをずっと読み続けたくなる、そんなハートフルなお話でした。
ずっと幸せであってほしい2人です。
いや、2人だったらずっと幸せなんだろうなあ、、、
こんなお話待ってました!さすがはチョコドーナツ先生ですね。
というかこんな私好みのお話を今さら見つけるなんて…もっと早く出会いたかった!
連作短編集なのですが、メインの2人は変わらないんです。
所謂女子目線からのBLですね。でも出てくる女の子達はみんなよいこなんですよね。鬼怒川くんと泉くんを応援してるんです。彼女たちの人生にほんの少しだけ関わっただけの彼女たちですが、一生忘れられない思い出になったようです。
あと言葉を紡ぐのがお上手で、綺麗な詩のような流れるような言葉が素敵でした。
最初のベンチで寄り添う2人にきゅんときて、子供の頃本当に自分がこんな2人に出会ってたら、どんな反応するんだろうとか、多分なんかわかんないけど、ドキドキして胸がぎゅっとなって、そりゃあもう腐女子一直線か!あっ今もかというかもう貴腐人だった!
あと3話の女子に共感しました。押しがほしいよね。
私はアイドルとかにはまれるタイプではないので、最後にねこちゃんが押しになったとこはわかるなぁ
最終話に2人のなれそめがありました。全然タイプの違う2人ですが、自分達に無いものに魅力を感じて、やがてそれを補いあってとても理想的で素敵な関係ですね。
最後のシーンで、これからゆっくり愛を育んで葛藤繰り返してお互いかけがえのない存在になってゆくんだろうなと
とても優しく温かな気持ちになれる一冊です。
小学生から社会人(30歳)まで、
それぞれ彼らの身近な女性の視点で描写した彼らの物語です。
小学生:出会って、お互いに支え合う。
中学生:自分の気持ちを否定し、葛藤を生じた。
高校生:他人に自分たちの関係を隠し、悩ましてきた。
大学生:お互い大切な存在であり、思いやりの行動。
社会人:共に生きて、毎日愛しい。
「9歳のあいつと
19歳のあいつは
まったく違うし
昨日のあいつと
今日のあいつだって
どこか違う」
「毎日
愛しいよ」
こういうふうに想わせる、想ってくれる人がいるなんて
生涯に,一緒に成長し、愛を育む。
このような強い絆を結ぶことができるのは素晴らしいと思います。
和やかな気持ちになりました。
彼らについて,心温まる物語でした。
幼なじみのカップルを、その時々で、ちょっと触れ合い、すれ違った、女の子目線で描いたお話。
それぞれのエピソードの主人公は、それぞれ別の女子なので、本編中にBL的なカップルの絡みシーンはほとんどありません。
なので、エロ重視の方には全くお勧めすべきポイントはありません。
でも、幼なじみだった二人が、それぞれ自分の感情を恋愛感情だと自覚して、受け入れて、分かちがたい唯一の相手として添い遂げる。
そんな、初恋じっくり系が大好きな私にとっては、これは断然、神!でしょう。
各エピソードは独立していて時を行きつ戻りつしますが、時系列順ではないからこそ、読み進むにつれて、あの時の、あの二人の、それぞれの気持ちがより胸に迫って来ます。
是非、紙の本でじっくり読んでいただきたいです。
幼馴染2人、鬼怒川と泉の小学生から大人になるまでを、それぞれ別の女の子視点で描いた作品。
小学生の女の子からみた高校生の2人
コンビニ店員からみた大学生の2人
同僚から見た大人になった2人
同級生からみた中学生の2人
先生からみた小学生の2人
主人公の女の子たちの年齢もバラバラで、それぞれ悩みがあるなか2人と関わっていきます。
好きな人、恋への憧れ、推しについてなど、それぞれの悩みに共感できる部分も多く、物語に入り込んでしまいました。
日々の些細なことで傷つくことも救われることもある、人とのつながりや出会いが日常の中での特別な思い出として丁寧に描かれています。
2人が大学生、社会人の時の話では、鬼怒川くんの泉くんへの想いがすごく一途で素直で愛しいものだと感じて胸が一杯になりました。
読み終わった後、私も幸せな気持ちになりました。
2人の幸せをほんの少しだけおすそ分けしてもらえたような心が温かくなる物語です。