嫌いな男

kirai na otoko

嫌いな男
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神106
  • 萌×244
  • 萌12
  • 中立1
  • しゅみじゃない7

297

レビュー数
29
得点
743
評価数
170
平均
4.4 / 5
神率
62.4%
著者
安西リカ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403525506

あらすじ

千裕の部署にキャリア採用で新しく人が入ってきた。彼、向居は千裕と同い年、爽やかで人当たりもよく、人事が太鼓判を押すほどの優秀な人材だった。そんな向居に淡い敵愾心を感じつつ、まともに勝負するのを避けていた千裕だが、あるとき彼の眼差しに潜む熱に気付いてしまう。向居は自分が好きなのだ。仕事では敵わない向居が千裕にだけ甘くなる。それを心地よく感じていたところ……? 甘く切ない、大人の恋。

表題作嫌いな男

キャリア採用された同僚
制御機器販売メーカー勤務,商品開発部の販促担当者

その他の収録作品

  • 勝てない相手(書き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数29

嫌いな男が好きな男になる( ˆωˆ )

雑誌掲載時に好きだなぁ、と思っていたので、文庫になるのを楽しみに待ってましたヽ(*^^*)ノ

受け様は、1人しかいない促販で、マイペースに要領よく仕事をしてきた南。
そこへキャリア採用されて同僚となったのが、攻め様である向居。

自分より見た目も能力も上等なのに、ゲイであり、もしかして自分の事が好きなのかも。

優越感を抱く南に、最初こそいけ好かない感もあったのですが。

仕事のミスの責任を取る形で辞める向居から、南は別れる際仕返しのようでありながらも、情熱的なキスをされる。
ここで「俺は謝る」と言った南の素直さと潔さに、向居同様ハッとさせられました。

ここから仕事に対するスタンスが変わる南の成長と、向居に再会してから育っていった恋情。

めっちゃ萌えてきゅんきゅんでした(*´ω`*)


雑誌掲載編は南視点で、書き下ろしはもちろん向居視点。
このカタチ、大好物ヽ(*^^*)ノ

向居の、ビックリする位の必死さですよ。
Sっ気のあるスマートな攻め様なのかと思っていたら、意外に健気。
もちろん南の事を大事に想い甘やかしてて、その溺愛さは嬉しいのだけど、その根底には不安があったなんて。
そんなの、南に失礼だよ~。
だもんで、南の誠実で男気のある彼氏力に、にまにまでした(*´꒳`*)


向居の友人の伊崎。
苦しい恋をしている彼のスピンオフも読んでみたいです。

イラストは北沢きょう先生。
リーマン姿の表紙を捲ったら、肌色率100%の口絵( ≖ᴗ≖​)
うふふ~( *´艸`)✧

20

ライバル意識は恋のはじまり

めちゃくちゃハマりました。
三度の飯より大好きな”現代日本のリーマンもの”沼の民なのですが、最近ちょっと干上がりそうになっていたところを救済いただいたので、”神”です。

つか、これ小説D+掲載時も、めちゃくちゃ好きなんですけど!!!って思ってたので、待望の文庫化でした。もう書き下ろしの攻視点でさらに燃料追加されてて、読み終わるのがもったいないような気分で堪能させていただきました。

たぶんこれホントにキャラクター設定でハマるハマらない二分するんだろうなとは思ったんですけど、私はこういう、ちょっと性格に難アリな人達が大好きなのです。一見普通の人のえげつないくらいの欲望にゾクゾクしてしまうんですよねw。だから、南が、自分の天下だった職場に有能な向居が闖入してきて、”うぜー”と思いながら意識しまくって、その男がゲイで自分のことを好きとわかって、圧倒的な優越感にひたって翻弄してやるっていう姑息さが、たまらん!って思ってしまいました。その見え透いた姑息さすら可愛く思う向居のSっ気もまた然り…!そして、新卒カードで大企業に囲われる凡人・南は、会社員の上位互換でベンチャー気質な男・向居に”ぎゃふん”って言わされてしまう前半の顛末……が、その印象を徐々に覆していく後半に描かれる向居の心理描写の巧さは!さすがの安西先生!ぃよっ!!て心の大向こうが感嘆の声をあげてしまうくらい素晴らしかったです。

南が真性ゲイ・向居の超好みだったというところは全方位アドバンテージだとしても、やはり現代社会の男同士、一方はノンケってゆーシチュでなんでフォーリンラブするかというところに、互いの仕事に対してのリスペクトとか、それぞれの性格とか思考パターンがハマる背景っていうのが過不足なく説明されていて、そりゃファンタジーって言われるかもしれないけど、こういう互いの人生にプラスに働くような仕事の葛藤も絡めた恋愛関係があってもいいんじゃないのかな~と思わせる、現代日本舞台のBLの伸びしろを感じさせる作品だと思いました(希望的観測ですw)。

安西先生のシンプルな言葉で感情の高まりを表現する台詞がとても好きでした。「すごく、すごくすごく嬉しい」とか「大事にします」とかね。盛り上がる場面をぐっと引き立てるシンプルフレーズ。そうだよ、人間コーフンしてるときほど、語彙力貧困になるもんだよと説得力あるんですよね。あとそれぞれの何気ないクセ(ある状況で瞬きするとか、頬をこするとか)が会話にプラスで効いてるんですよね。この二人は出来上がってからの糖度がとにかく高くてニヤけが止まりませんでした。

次は、向居の盟友・伊崎の切ないラブでお願いしたいです!

(甘々の書き下ろしペーパーは将来的な同棲を匂わせるエピでしたが、そこは南から提案すればいいのに、経済的格差がネックなのかしら?と考えすぎてしまいました。)

18

ツンツンからの‥♡

今回もすごく面白かった。大きな挫折もなく順調に人生を歩んできた千裕の、向居に出会ってからの挫折や成長、そして心の動きに揺さぶられました。
後半なんて向居は自分の為に予防線を張ってただけだけど、千裕の気持ちを思うと胸が痛くて痛くて。それでも前を向く千裕がかっこよかったです。すごく好きだったのが向居のターン「勝てない相手」。完璧な向居を可愛く感じました。
あとがきに安西先生の現代BLの考察が少しだけあり納得。安西先生は自分に厳しい方だと感じるけど、私は安西先生の書く現代BLに胸を掴まれる面白さで大好きです。

15

リスタートからの恋

仕事のできるカッコいいゲイ×ちょっとプライド高めなノンケのお仕事BL。
良かったです。

千裕の職場にキャリア入社して同僚となった向居。
仕事が出来てかっこよくて、何もかも自分より上な向居に嫉妬する千裕。
一緒に仕事をする中で、向居が自分を好きなのだと自覚していきます。

向居が自分を好きと気付いてからの千裕は性格悪めです。
ですが、そのことを自覚して自分自身に戸惑いながら劣等感と優越感に勝てない千裕を、何だか憎めなかったです。
ホントに悪い人ってそういう感情にすら気付かないと思うので、、、。
そのことでちゃんと頭打って反省して心を入れ替えて仕事に取り組むところまで成長できた千裕、すごく好きです。

そして、千裕が成長してから始まる向居との恋がすごく良かった。
千裕の気持ちの揺れや、向居にどのように惹かれていっているのかが分かりやすかったです。
切ないけど、読んでいてドキドキしました。

後半の『勝てない相手』は向居目線で、千裕と付合ってからのお話でした。
読んでいて終始ニヤニヤしっぱなしでした。
向居目線だからか、千裕が可愛い恋人になっていて微笑ましいカップルでした。
溺愛彼氏の向居。千裕が羨ましいです。

でも、ただあまいエピソードという訳ではなく
ゲイである向居がノンケの千裕と付き合う事の悩みもしっかり描かれています。
それを吹き飛ばす千裕もいい彼氏。
このカップルすごく好きです。2人のこれからも見てみたくなりました。

12

感情の表現がうますぎる

あ〜〜〜めちゃくちゃ好きです。
安西先生の作品の中で上位に入るくらい好き。
攻めも受けも男らしくて好き。
イケてる男たちの嫉妬とかマウントだとかを「過剰じゃない」表現で絶妙に読ませてくれて好き。
攻めも受けも若干性格が悪かったりで、どっか足りないリアルな人間らしさが好き。


あ〜〜好きです。

今回の本編はお仕事要素強め。
書き下ろしはその分恋愛してます。
わりとBL小説の書き下ろしって、読みながら「蛇足、、、」とガッカリすることが多いんですが、安西先生の作品は書き下ろしがマジでめちゃくちゃ面白いです。いっつも面白い。
今回も真也くんの不安が切なくて、思わず泣きそうになってしまいました。
こういう描写や表現が秀逸なんだよなぁ、、、


あっ!そうそう、今回の攻めくんも見事な溺愛攻めでしたよ!
安西先生の溺愛攻めは世界一

次回作が今から楽しみです!

11

後半部分からが面白い!

久しぶりに現代ものBL小説読みました。飢えていたので有難いです。
「嫌いな男」は気になっていましたが…レビュー評価がここまで二極化しているのは珍しい。レビューも丁度、神としゅみじゃない評価を付けている読者の方々で、購入時に大変参考になりました。ありがとうございます。

私の評価は「神」評価。
久しぶりの現代ものに期待とワクワク値が高かったからかも知れませんが、とても面白かったです。


こちらの作品は二部構成。
前半部分は出会い〜告白・恋人同士編(南の視点)
後半部分は恋人期編(向居の視点)

確かに前半部分ですよね〜…。
南の会社に向居がキャリア採用で中途入社してくることから始まるストーリー。

南の性格が自尊心高くて卑屈です。それでいて負けず嫌いで、自分の能力が同僚の向居に劣ると分かったら異動願い出す始末。仕事も適当な感じだから、正直なところ応援したくないキャラでした。向居が自分に好意があることを知って優越感を持ち、向居を振り回すのもいただけませんでした。

向居も向居でわざと南に自分を意識させるような行動をとったり、どこまでが向居の策略なのか腹の内がよく分からない不気味さがありました。

仕事で大きなミスをして向居が退職するまで、あんまり読んでいて楽しくはないです。南がマイナス思考というか向居にずーーっと嫉妬心丸出しで、魅力的な要素ゼロでした。向居も南のどこに惚れたのかよく分からないし。南がドストライクのタイプだそうですが。


向居の退職後から一気に話が変わります。
ここから話が面白くなってきます!!

南の仕事に取り組む姿勢が真面目で謙虚で一生懸命になってました。この振り幅!!急に好感度高い青年になってどうしたの状態です。
そして向居とまた一緒に仕事をすることになって、向居のことが好きになっている自分に気付く南。恋人いるって言ってたけど気持ちにケリをつけるため玉砕覚悟で告って、でも向居に恋人は実はいなくて、向居はずっと南のことが好きだったから仕事のオファーを受けたんだ……ですって。
急にいい感じにまとまった両思い展開にビックリしましたが、この結末を期待していたので、おお〜!!とワクワクしました。南からの告白ってのが良かったです。告白シーンの挿絵も可愛かった。

ここからは不安要素なく安心して2人のラブを堪能できます。南の卑屈さもなりを潜め、素敵キャラで描かれています。南が可愛いです〜。後半部は、南と付き合うことの不安をものすごく感じる向居の心理描写がメイン。哀れにも可愛くも感じます。前半の強気の彼はどこへやら。

後半、すっかり毒気の取れた南が本当に良くて!南の明るさだったり前向きなところが、不安になっている向居を救います。向居は溺愛攻め。南を大好きすぎてネガティブ思考な向居視点はなかなか面白かったです。恋人同士の2人のデートやエッチのシーンも良かったですよ^ ^

ダミーに使われた向居の友人・伊崎の行く末が気になりました。彼のストーリーでスピンオフあるかもと思ったり。描いて欲しいです^ ^


読後感もよく、後半部分からのストーリー展開はテンポも良かったし読んでいてとても楽しかったです!2人の心理描写が良かった。おススメです。

11

硬派×あざとい♡

私は性格の悪い受けが好きなのですが、それを知ってくれている友人に紹介されたのがこの作品です。

普段は余り試し読みをせず買うのですが、あらすじの段階でとても気になってしまい試し読みをしましたことろ、何だこれ!面白いぞ!!と胸がときめいてしまい紙本をネットで購入。でも、その1時間後、いやだめた。もうこれは今読みたすぎる。我慢できない。もうだめだ!と深夜から項垂れてしまい明日も仕事だと言うのに電子で購入し夜更かし。笑

私は去年くらいからちょこちょこBL小説を読み始めているんですがBL小説って私の肌感ファンタジーが多いんですよね。ファンタジーが悪いとかそう言うことではないんですけど、小学生から成人になるまで読んできた作品ってほぼ現代日本の日常を切りとったものなのでやっぱり日常もののリーマン同士は馴染みがあってスルッと入ってきました。

受けキャラの南は要領がよく、実はプライドが高いけど素の性格は出さずにそつなくこなす会社員。一方の向井はまさに有能で仕事もプライベートもデキる男というタイプ。
そんな向井のスペックに劣等感を感じていた南がある日、向井が自分の事を好きだと言うことをわかってしまい、抱いていた劣等感が優越感に変わり、惚れた弱みをつついてやりすぎない程度に弄びます。

ここも正にオフィスラブの良さが出ていて良かったです。でもその後その仇がでてきてしまい向井は南と一緒に働いていた会社を辞職して2人は離れ離れになるんですけどね、、、。
でも大丈夫。その2年後ふたりは別会社の仕事相手として再開します。

ここも向井が辞職したプロジェクトに非があるのは自分だと思った南が仕事面の姿勢を入れかえ熱心に仕事に取り組むようになったのも読者として感動的でした。南の努力が向井のひとことで報われるシーンは目頭熱くなるので是非見てみてほしいです。


凄い長文だしまとまりないんですが、終わり方的にこれって続く感じですよね?
え?ここでおわるの?というとこでおわったので、、笑
話の流れ的に向井の親友兼ビジネスパートナーである伊崎が主人公のスピンオフとか今後できるんじゃないかなあ?と期待の予想をしています。


とても面白かったです。

10

ジレジレを堪能できました

相手を勝手にライバル認定して最初は嫌いだったのに離れてから好きになる+傷つけた相手を忘れられなくてつい執着してしまう=最高!という話です。

あらすじにある通り甘く切ない大人の恋です。ざっくり二部構成になっていて、後半が特に面白いです。南があるきっかけを境にどんどん男前になっていきます。それがすごくいい。ぐいぐい感情移入させられました。受けの告白シーンも(くっつくって分かっているのに)つい「よく頑張った!」って言いながらウルウルしてました。
向井のほうもいろいろ拗らせているんですが、南に対する必死さが感じられて微笑ましくて仕方なかったです。
二人を壁になって見守りたくなる作品でした。

9

現代日本社会BLファンタジー

最高でした!

異世界でもなく歴史物でもなく未来ものでもない異能ものでもない
現代日本を舞台にしたお話しを書き続けてくださる安西先生の存在は本当に貴重で尊いんだと改めて思いますし
そんな作品を求めてる自分を改めて感じました
もしかしてこの二人が机を並べてる隣にいたら?隣のビルにいたら?と思える存在として描いてくださるのは本当に嬉しいものです
ただこんなイケメン私のそばにはいませんが…

同性だから仕事を前にするとライバルで男としての度量の差に苦しんで
同性だから恋を前にすると多数派じゃないから苦しむ
片方が苦しんでいる人に対して片方はそれを軽やかに飛び越えているあるいはそれを楽しんでいる
その相手方の導きによって自分の中のコンプレックスを乗り越えていく
二人がそれぞれの苦しみから一歩踏み出すまでが気持ち良く描かれていて二人とも本当にいい男だなと思いました



BLはファンタジーだからこそ伊崎さんにも幸せになってほしいです

9

主人公への共感の辛さを乗り越えると…!

一気読みでした!
前半まではあとがきにあるような、または向井が言ったような、千裕の人としての浅さ器の小ささ性格の悪さに読んでてソワソワしました。そんなことしてて大丈夫?痛い目みるよ〜!って。

そもそも同い年の出来る後輩がやってきて、めきめき頭角を表しすっかりリーダーになられるって、めちゃんこ共感しまくりで辛かったです。そこでやる気を無くして早々にリングを下りて…。

同い年でこんなけ差がついてて。でも千裕が手を抜いてきた結果ですもんね。

向井の退職の時の言動や千裕が自分の行いを反省するところドキドキしました。

そして向井を忘れられないまま、千裕は成長して後輩も育てていたところに二人は再会し…。

やっと向井に恥ずかしくない仕事が出来て良かったね!そして初めてこんなに誰かのことを好きになって。

まさか向井が!!
真摯に向き合って良かったね!

勝てない相手
向井視点なのですがまるで別人で。ゲイゆえか卑屈で悲観的で。
なにより向井を通して見える千裕がなんて魅力的なのか!
日向を歩いてきたマジョリティかあ。
こちらは本編の姑息さや性格の悪さ、腹の探り合いなどが嘘のようなお話でした。

前半で千裕にわかり味しかない!共感しようがしまいがこんな性格の悪い主人公でBLなんて珍しいなあと。しかし後半はすっかりみずみずしいBLに切り替わって、さすがです!

4

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