さよなら僕の好きな人

sayonara boku no sukina hito

さよなら僕の好きな人
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神47
  • 萌×231
  • 萌16
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
12
得点
407
評価数
95
平均
4.3 / 5
神率
49.5%
著者
琢磨 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403668197

あらすじ

予備校時代のアルバイト講師・司令に偶然再会した操田。
しかし司令が今世間を騒がせている謎の病により
記憶を失っていると気づき慌てて家へと連れ帰る。
自分のことさえわからない司令だったが、操田を別れた恋人「ケント」だと思い込み、
捨てないでほしいと泣いて縋りはじめる。
密かに思いを寄せていた操田は、苦しむ司令をなんとか助けたくて、正しくないと知りながらも「ケント」として彼を抱き…!?

表題作さよなら僕の好きな人

美大生
予備校のバイト講師で美大生,「ゾンビ症」に罹患した青年

同時収録作品さよなら僕の好きな人

美大生

その他の収録作品

  • あれからとこれから
  • あとがき

レビュー投稿数12

切なさと献身と再生と

全身が白化して記憶障害を伴う、謎の病が巷で流行っている中
美大生の操田は、予備校時代の講師で忘れられない人であるレイ先生に遭遇。
しかもレイ先生はその「謎の病」に罹っているようで、自分の家に保護します。
記憶を失っているレイ先生は操田の事を振られた恋人・ケントと思い込んでしまい、レイ先生のために操田はケントのフリをして生活を共にしていき、というところから始まるお話です。

レイ先生は記憶はないものの、元彼のケントに振られて傷ついた様子がすごく感じられます。
そんな元彼氏の影を感じながら、ケントのふりをしてレイ先生を抱く報われない操田。
この2人、可哀想なんです。
けれど、傷の舐め合いではなく、操田の献身とレイ先生の再生という前向きな関係性でした。
恋人に傷つけられたレイ先生と、恋心を必死で抑えながらレイ先生のためを想う健気な操田。
私は漫画を読む時、受けか攻めのどちらかに感情移入してしまうことが多いのですが
このお話は操田とレイ先生2人に共感する事ができました。

というか、操田もレイ先生もすごく好きです。
可哀想な状況の2人ですが、2人のやり取りがすごく良いんです!
片思いの相手との初エッチや、煩悩がありながらも献身的で優しい彼氏なところや
天然でエロくい先生とか。ネタバレになるからあまり書けないですがその他多数。
個人的に萌えポイントが詰まりまくっていました。
琢磨先生の描かれるBLは毎回すごくブッ刺さるのですが、今回も最高でした。
是非読んで欲しいと叫びたいです。

もちろんストーリーも最高でした。
「謎の病」という設定はあるのですが、ファンタジーというよりも現実的なお話でした。
「病」だし恐い感じもするのですが、全然そんな事なかったです。
一旦白になって上書きできるって、逆にいいな、とも思ってしまいました。

とても良いお話でした。大好きです!

6

良かった♥

作家さん買いですが、やっぱり買ってよかった!
たぶん、設定としては重たい内容なのかもだけど、琢磨先生の絵だからそこまで重たく暗く辛くって事もなく読めた。
そして、操田くんが超スパダリだと思う。
めちゃくちゃ好き
もっと二人がイチャイチャしてるところを見たいなぁ〜と思った!

5

さよならの意味

前作「ずっと君のターン」が面白かったので、こちらも購入してみました。
こちらはかなりシリアスな話でしたが、ものすごく刺さりました。
こんなに雰囲気の違う話を生み出せるなんて引き出しの広い作者様ですね。すごいです。


操田が片想いしていたレイ先生が、ゾンビ症と呼ばれる謎の奇病に罹り、記憶を失った状態で現れます。
思わずレイ先生を家に連れ帰ってしまった操田の事を、レイ先生は別れた恋人「ケント」だと思い込んで縋ります。
レイ先生を死なせない為に、ケントのフリをしてレイ先生を抱く選択をする操田ですが、それはレイ先生とケントの情事を突きつけられる辛い選択でもありました。
憧れだったレイ先生が、自分の事をケントだと思い込んで、乱れる姿を見せつけられるんです。
心の中では物凄く葛藤しながら、レイ先生を気遣って優しくする操田が刺さりました。

ゾンビ症という架空の病気が軸にはなりますが、失恋という誰でも経験するであろう事をキーにしたこの話は、心を揺さぶられました。
そしてタイトルも表紙も、最後まで読んでから改めて見ると刺さりました。

3

真っ白

ゾンビ症という、架空の病気が存在する世界です。(物語の中でも、現在進行系で病気が解明されている状態)

雑誌で少し読んでいたので、1冊になるのを待っていました!
表紙やタイトル的にはエロ少なそうですが、エロエロ〜標準の間くらいです。描き方がエロいのと新書館さんなので修正が良いです。

ストーリーもリアルな病気描写で途中ドキッ(危機感の意味で)とするような症例も出てきたりとよく出来ているなと思いました。

ゾンビ症中の淫乱レイレイも可愛かったです。お風呂上がり後は必ずしてたらしいので、そこもちょっと見たかったですが…。

ハッピーエンドで良かったです!




















紙本購入
修正は白短冊です。

2

白に目を奪われる

こういう"白い"表紙、なかなか無いですよね。
差し色もよく映えていてすごく綺麗…。
インパクトがあって、読む前からグッと心を掴まれた作品でした。

ストーリーもその最初の印象を裏切っていません。
非現実感はあるけれども、恋心と切なさのバランスが本当に絶妙。
謎の奇病になってしまった想い人・レイレイを前にして、それでも諦めきれない恋心に揺れる操田の気持ちがすごく丁寧に描かれていて引き込まれました。

操田がケントになりすますことから始まったふたりの関係は、もしかしたら間違っていたのかもしれませんが。
その操田の行動のすべてはレイレイが"大事だから"なんですよね。
好きなので少しの欲もやっぱりあるけれど、行動の一つひとつに優しさがあふれていたのが本当に素敵で。
そんな日々の中、レイレイも記憶を取り戻し無事に両想いになってくれて嬉しかったです。

ケントと過ごした時間もレイレイにとっては必要だったと思いますが、何もかもが壊れてしまう前に操田と再会できて良かったな、と。
すごく幸せそうに笑うレイレイを見てそう思いました。

そして。ふたりの絡みがガッツリエロいのもすごく良かった〜!
読み応えがあって、ものすごく楽しめた作品でした!

0

じわじわくる

初読みの作家さまですが、タイトルに惹かれて購入。
とっても切ない系のお話かな?と思いつつ読み始めました。





主人公は美大に通う美大生の繰田くん。
彼にはひっそりと想いを寄せる人物がいる。予備校時代に世話になったアルバイト講師の司令という青年だ。あっさりと、けれどストンと胸に落ちる言葉をかけてくれた司令(繰田くんは彼を「レイ先生」と呼んでいる)に淡い恋心を抱いてしまった。

無事美大生になり、けれど会えなくなってしまったレイ先生に一目でも会えたら。そんなかすかな希望を胸に、レイ先生が写生によく行くと言っていた公園に、繰田くんもまた訪れている。

が、そこで繰田くんは会えてしまう。レイ先生に。
けれどその様子はかつてのレイ先生とは全然違っていて―?

というお話。
今作品には「ゾンビ症」という病がある、というバックボーンがあります。失恋などをきっかけに髪や肌の色が抜け白くなってしまうという奇病。そして、記憶も失うのだという。そして、そのゾンビ症に、レイ先生は罹患しているようで…。

ファンタジーっていうのかな。
実際にはない病をベースに進む物語で非常に独創的な世界観を持つお話でした。
人は愛をなくしたら生きていけない。そんな壮大なバックボーンを軸に、レイ先生の病気を治すべく繰田くんが奮闘するお話。

凄くお上手だなと思ったのは、色遣いと言葉選び、そして仕草や表情。
真っ白な表紙にはきちんと意味がありますし、作中もレイ先生の髪色で、レイ先生の状態を読者に読ませる。そして、名前の呼び方ですね。

レイ先生がなぜゾンビ症に罹患したのか、だれに、どういう状況で。
序盤全く見えてこなかったレイ先生の中身を、言葉で読者をミスリードしながら繰田くんと一緒に結末まで導いていく。

主人公は繰田くんですが、今作品は繰田くんの恋の成就の物語、ではなく、レイ先生のお話です。タイトルがねえ、また秀逸でしたね。読み始めたとき、タイトルのセリフは繰田くんの言葉なんだと思ったんですよね。だから悲恋のお話なんだと。けれど、読後、このタイトルの言葉の意味がじんわりと胸に染み入ってきました。「ゾンビ症」という奇病こそ斬新な設定ではありますが、ストーリーとしてはかなり王道の流れです。が、その王道さもまた、じんわりと心に染み入ってくる。一途にレイ先生を想い、彼のために尽くそうとする繰田くんの深い愛情にもめっちゃ萌えました。

噛めば噛むほど味がある。
そんな不思議な魅力が詰まった、そんな作品でした。

7

えっ……良………

「真っ白…」と表紙に惹かれて購入。
読んでみたら何故真っ白なのか理解して、余計にこの表紙を好きになりました。綺麗。

謎の病により記憶喪失になった想い人に再会するお話。
悲しいプラトニックなお話なのかな…と覚悟して読んでたら目ん玉飛び出るほどエロがお上手なこと…。
この表紙タイトルでこのエロのギャップに打ち抜かれました。
そして、暖かいお話でした。すきです。

4

最後の絵がすっごく素敵だった。

美大生の操田×ゾンビ症で記憶喪失のレイレイ(元アルバイト講師)

失恋したショックで肌も髪も白くなり、記憶喪失が起きるというゾンビ症にかかったレイレイが公園で倒れた後、声をかけた操田を元カレのケントと思い込み、そんなレイレイに片思いしていた操田は放っておけず家に連れて帰ってしまう。
そこから始まる奇妙な同居生活。

元カレ・ケントを演じてる操田の絵を見て元カレじゃないと気づいたレイレイが、そこから操田のことをちゃんと見つめ始めたのには、少しキュンときた。
操田は本当に一途でその思いが通じて良かったね!

それにしても、レイレイえろいです笑。
描き下ろしまで本当に攻めてたレイレイ笑笑。
本編最後の絵はすっごく素敵だった。それを見れただけでもハッピーな気持ちになれました☆


3

愛はただひとつじゃない

今回は美大生と謎の病に罹患した美大生のお話です。

謎の病にかかった受様が攻様の助けによって完治するまでと
恋人になってからの短編後日談を収録。

攻様は絵を描くのが好きで美大を目指して予備校に通い、
見事に美大生になります。

そんな攻様のルーチンワークは
週末の午前中に某公園で写生をする事です。

攻様は予備校のアルバイト講師をしていた
ひとつ上の美大生である受様に恋をしていて
ここは彼がよく写生に行くと言っていた場所でした。

しかしながらそんなに都合よく
受様と鉢合わせる事はなかったのですが

通称ゾンビ病と呼ばれる
原因不明の「精神性白化現象」が数多く報告された
というニュースを見た日、

攻様はゾンビ病の症状そのままの状態で
公園内を歩いている受様を見かけてしまうのです!!

受様の髪は真っ白で
呼びかけても攻様が誰かわからないようで
他の人達が注目し始めてしまったために
受様を連れ帰ってしまうことになります。

攻様がネットでゾンビ病の主な症状を調べてみると
全身の白化現象、躁状態ね記憶喪失などの意識障害であり
失恋などを起因とする心理的外傷が
発病の鍵なのではないかと書かれていました。

しかも受様は攻様を"恋人"と認識しているようで
キスして「しよ」と誘いをかけてくるのです!!

慌てて受様を引き剥がしてはみるものの
「ゆるしてよ」「捨てないで」と泣く受様を
突き放す事ができなくて受様を抱く事になるのです。

果たして受様の病を治す事は出来るのか!?
そして攻様の恋に望みはあるのか!?

雑誌掲載作をまとめての書籍化で、
謎の病に罹患した受様の恋人役にされた攻様の
恋物語になります♪

既刊「ずっと君のターン」のコミカルなノリが
楽しかったので今回も手にした1冊でしたが
かなりセンシティブなお話でした。

受様が罹患した病は
失恋が原因ではないかと言われているモノで
攻様は受様にショックを与えないために
受様の恋人になりきるのです。

受様に尽くす攻様ですが
少しづつ色を取り戻していく受様に安堵しながらも
受様が思っているのは見も知らない"恋人"である事が
切なくて、哀しくて、苦しくなります。

偽物の愛情を向けられても辛いよね ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

そして色を取り戻した受様も
少しづつ記憶を取り戻していく事で
目の前の"恋人"が別人であることに気付いていくのです。

2人が本当の恋人同士になるまでハラハラ&ドキドキ
とても楽しく読ませて頂きました。

タイトルと展開から痛い最後なのかと思っていたので
これからはしっかりラブラブカプになりそうで
良かったです♪

2

前ばかり見ず、隣を見て

 突然身体中の色素が薄くなり、記憶障害も生じるゾンビ症という架空の病気を扱っていますが、極度のストレスによる白髪化や心的外傷による記憶の書き換えは実際に起こり得ることですから、そうファンタジー感の強いものでもないですよね。他人を別人に思い込むほど病むのは尋常じゃないと思いましたが、レイの回想を読んだらなるほどこうなってしまったのも仕方がない、と感じました。

 才能のある人に魅せられ、その人に興味を持ってもらえると嬉しくて何を言われても尽くしてしまう。誰でもそういう風になる可能性を秘めていると思います。自分が極めたい道で輝いている人ですから、どうしようもなく惹かれて当然ですよね。でも、それと恋愛は別で。レイにとってケントは、どこまでも自分の先を歩いている人で、きらきらしている眩しい存在、憧れ続けるしかない存在で、自分と同じ目線に立って自分を見てくれる人ではなかった。一方で操田は、絵の才能は特別なものがなくても、レイ自身をよく理解して、いつも隣で寄り添っていてくれる。ケントの才能への憧れを持ちながら、操田と対等な恋愛をすることも十分できるはず。そういう人に巡り会えた不幸中の幸いが、素敵な運命だなと思いました。

2

この作品が収納されている本棚

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