アホエロ 婚約編 限定版

ahoero konnyakuhenn gennteibann

アホエロ 婚約編 限定版
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神75
  • 萌×225
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
18
得点
490
評価数
105
平均
4.7 / 5
神率
71.4%
著者
重い実 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
シリーズ
アホエロ
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784758023900

あらすじ

「幸せ、更新中」

大学を卒業後、サラリーマンになった坂口とフリーランスで自宅勤務をしている高東は同棲4年目に突入。
婚約をし家族や友人への報告も済ませ、順調交際を続けている。
そんな中、坂口の会社で一時的に仕事をすることになった高東は、社内でのかっこ可愛い坂口を目の当たりにし、お揃いの指輪をプレゼントして「俺だけの坂口」であることを周知することを決意する。
外堀を着実に埋めていく高東の計画に、坂口は大船に乗った気持ちで――。

限定版
描き下ろし28p小冊子付き

表題作アホエロ 婚約編 限定版

高東 享、フリーの設計関係(自宅勤務)
坂口 駿佑、建設会社勤務(営業)

レビュー投稿数18

ずっと恋し続ける2人

婚約編もおんもしろかったー!重い実節炸裂ですね〜
仲良し、イチャイチャ、溺愛、エロエロがふんだんに盛り込まれていて、全く心配になる要素がありません。果てしなく続く幸せマーチが鳴り響きます♪( ´▽`)

婚約をしていてもアホエロは変わらずで、いつになってもお互いがお互いに恋しているような脳内思考と言動にニヤニヤが止まらない。拗らせた片想いのように、好きがバカになってるのが最高です^ ^
このシリーズの始まりから、高東の坂口への想いが重くて深くてどうなることやらと思っていましたが、回を重ねるごとに坂口好きがアップグレードしていってます。坂口ラブは止まることを知らず、毎度どんな好きっぷりを見せてくれるのか期待しまくっています。

高東の脳内ボイスは想像以上に暴走気味ですが、クールぶった顔の裏でハイになった恋人への愛が変態じみてて笑ってしまいました。坂口の高東への愛も、高東に負けじと深い……高東が欲しがってるところに欲しい言葉をサラッと言って喜ばせるさじ加減が絶妙。本当にお似合いの2人です。

今巻の見どころは、なんと言っても下の名前呼びでしょう。名字呼び歴が長くて恥ずかしがる高東と坂口が初々しかったです。ヤルことヤってんのに、今さら下の名前呼びで…って思っちゃうんですけどね、モジモジする姿が新鮮でした。
婚約編があるということは次は結婚編かな。
毎度ラブラブを更新してくる2人なので、次巻も期待しています!

0

感慨が・・・深過ぎる・・・んじゃーーぃ!!

アホエロの初出は2017年の次に来るBLアワード3位に選ばれてましたねぇ。。。

そしてとうとう「婚約編」にて完結!ですよ・・・!
今回のBLアワードではBESTシリーズ部門でノミネートされてましたね~!(良かった!選出されてて♪)
ここまで応援して来れた事が嬉しくて嬉しくて・・・♡

2人の関係や周りもちゃんと物語が進んでいて、これぞ【シリーズの醍醐味】ですよね!
更に何と言っても、徹頭徹尾【アホエロ】を同人含め全てのシリーズ作品で貫いているブレなさに、先生の強い意志と愛を感じるし、応援してる私達に信じ続けさせてくれた先生・・・一生推せる・・・!!!誇りです!!!

正しく【タイトルに偽りなし!!】立派にアホでエロかった作品です!!!

完結・完走!
本当におめでとうございます&ありがとうございます!!
でもやっぱり寂しいなぁーーー(´;ω;`)

改めて1巻から読み返したら何と!この婚約編同様2人の正常位シーンからスタート、っていう小粋な演出なのか偶然なのか真意は謎ですが嬉しい発見がありました♪

最初は20分保たせる!っていう謎のチャレンジの為の行為がスッカリしっかり今では愛の行為に・・・!

同じ行為でもこの6年(同人~だと7年!)で大きく変わりましたね。
歴史アリ!ですな!!(・_・D フムフム
尚、同人での最初は「結婚を前提としていない」と2人の関係性を表してましたねー。
これもまた感慨深い!!

はぁーーーー。
改めて高東&坂口!婚約おめでとーーーー!!!!
お幸せに♡美味しいカレー食べてこれからも沢山えっちしてねーーーー♡
高東は沢山美味しい坂口を味わったらいいねーーー♡

またどこかでひょっこりでもいいので会えるのを楽しみに、先生を全方向から応援していきます!!

2

アホなエロがしみじみしみる永遠な愛に

ほのぼのアホなエロから始まり、力強い愛の絆に。もうふたりに会えないのは悲しすぎる

0

甘くて可愛いBLの良作シリーズ♡

『アホエロ 社会人編』の続編です。

フリーランス 高東くんと建設会社勤務 坂口くんのお話。

ラブラブな2人の同棲生活が堪能できた前作。
友人の中西くんや高東兄にも報告し、最後は高台の夜景スポットでプロポーズ♡
今作は、その続きになります。
ある日、おそろいの指輪を付けようと高東くんから提案された坂口くん。
指輪を買って失くしたらショックなので「貴重品箱」に入れたいと言い出しました。
坂口くんが大切にしている貴重品箱に入っていた物は…。

今作も高東くんの溺愛と坂口くんのかっこかわいいが溢れている一冊。
重い実先生の丁寧で可愛い絵柄と魅力的なキャラで甘く幸せな気持ちに包まれます♡
また、全体のストーリー構成もお上手で、ただ甘いだけでなくコミカルな要素も含んでいるため、最初から最後まで楽しく読み進められました。
ぜひネタバレなしでご覧いただきたいです。

おすすめは、全部のエピソード!と言いたいところですが、その中でも最終話を少しだけ…。
ベッドで眠っている高東くんの横で、ある酒瓶の蓋を「貴重品箱」に入れる坂口くん…その酒瓶のラベルにご注目‼

このお話には、当て馬は登場しません。
今までもこれからも2人の間には誰も入る隙はないですね(笑)

脇キャラとしては、友人の中西兄弟、高東兄、坂口くんの後輩 真口くんが登場します。
重い実先生の作家インタビューに「この二人がどうなっていくのか、私も心配しています」と書かれていましたが、私も中西兄弟が心配になりました(汗)

Hシーンは、本編だけでなく限定版の小冊子にもありますよ。
どのセックスもエロ可愛さが爆発しており、さまざまなアングルとシチュエーションで臨場感も味わえました。
お互いを想い合いながら愛を深めるセックスがとても素敵で何度見てもキュンキュンしちゃいます。
願わくば、お部屋の壁になって一生見ていたい…。

限定版 特別付録小冊子
お昼にカレーを作る坂口くんのお話。
ジャガイモは皮を剥かない派、人参は縦に切って半分に折る、玉ねぎはそのまま、肉は炒めない派…豪快なクッキングを披露する坂口くんを優しく見守る高東くん。
3時間煮込んで完成したカレーのお味は?

『アホエロ』シリーズが完結?!
あまりにショックでコミックスを購入しても数日は読めませんでした…。
うぅ、悲しすぎる…でも、2人が幸せならいいんです(泣)

人生は選択の連続で、その時どんな選択をするのかで未来は変わってくる。
同じ大学を受験できて良かった
同じバスに乗れて良かった
あのとき、勉強に本腰入れて本当に良かった
…だけど、2人がどんな選択をしても結果は同じだったでしょう。
それは、もう「運命」なのだから。

愛することの素晴らしさと愛されることの幸せを教えてくれた2人に心からの祝福を贈ります♡
そして、重い実先生、担当編集者様、並びに関係者の皆様 アホエロシリーズの「完結」おめでとうございます‼

次作も楽しみにしています…とその前に、番外編でもいいので、2人の新婚旅行(無人島)を読みたいな。

タイトルからは想像がつかないほど、あらゆるBLの萌えがギュッと詰まったシリーズ。
重い実先生のファンの方にはもちろん、たくさんの方に読んでいただきたいです♡

5

おめでとう(拍手〜

らぶらぶでバカップルで波乱も起こらず(BL長編では珍しい?)ずっとほっこりニマニマ読ませて頂きました。

坂口の指輪の認識ww とか天然なのに男前なところがあったり、そんな坂口がかわいらしくて仕方なくて悶絶する高東をかっこいいと改めて坂口が惚れ直したり。

坂口が貴重品箱に入れているものが、高東との思い出の品ばかりでこんなんかわいいしかないですもんね。

お互いのことが大好きで、婚約指輪をしても名字で呼び合うのねと思っていたら、下の名前を呼ぶのあんなに恥ずかしがるなんて。かわいい。

でいて、飽きるどころか、
「俺まだコイツにドキドキしちゃうの?」
「このドキドキいつまで続くんだろう」
「コイツと一緒にいる限り続いていくんだろう」
こんなハッピーなことないですね。
読んでいてとてもしあわせな気分になりました。

にしても、先生の作品のキャラってやりとりが絶妙におかしくて笑えるのが好きです。

「〜だぜ」という語尾とか「触り溜め」とか、あしたのジョーの主題歌の替え歌?とか…小ボケ多発に対して、ツッコミがあんまりないのでシュール。

あと、高東のお母さんの「マグロ解体包丁」のわかりにくいジョーク、坂口家から「米10年分頂いたよ」もさらっとボケていて、ああ、小ボケ体質は家系なんだなと思いましたw

完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆☆
面白い ☆☆☆☆☆
内容が好き ☆☆☆☆
絵が好き ☆☆☆☆
キャラが好き ☆☆☆☆
萌える ☆☆☆☆☆

3

完結…泣

エロいのにホッコリ幸せな気持ちにしてくれる不思議な魅力に溢れる作品だと思います。

今作でも高東に隅々まで愛される坂口が本当に幸せそうな表情をしていて、そんな坂口を見詰める高東の眼差しが優しくて、こちらまで幸せな気持ちになりました。

殆どのページがエロシーンなのに、ちょっとした2人の日常を描いたページにクスッと出来て面白いんです。このページ配分は重い実先生にしか出来ないことだと思いました。

高東が坂口の会社に仕事で出入りしながらも、隙なく坂口の周囲を探って牽制する様は見事だし、何より女性社員の皆さんの視線に笑わせて貰いました。

指輪を貰ってからの坂口の成長が著しくて、高東に引けを取らないくらいには執着してるのを見て嬉しくなりました。

完結巻だというのがとても寂しいですが、だから中西兄弟が登場したのかとも思ってしまいました。あの2人はずっとあのまま何でしょうね…。

家族にも祝福されて着々と外堀を埋めて、高東と坂口が入籍する日も近いのでしょうね。高東の執念に乾杯です。

4

幸せをありがとう!!!!

最初から最後まで幸せいっぱいで坂口がかわいいし高東は完璧すぎるしこんなに安心感があってアホなところも萌えに変わってしまう夫婦最高ですね!大好きです。
帯に完結巻と書かれていて残念でしたが、この2人だとどんなエピソードでもみてられそうでキリがないのでこの一冊で終わりなんだと噛み締めながら読みました!

中西と竹朗くんは結局結ばれなかったみたいで、指輪をみて完全にくっついたものだと思っていたので曖昧な感じで終わったのがいいような悪いようなともやもやしましたが、無自覚でたらしこむ中西に振り回される竹朗くんがかわいかったのでまぁよかったです!

坂口の貴重品箱がすごい思いが詰まっているしやる事が可愛すぎて萌えが止まりませんでした!!!!

最終話の名前呼びしたいのに今更恥ずかしすぎてどさくさ紛れに呼び合うのたまらなかったです!面白いし可愛すぎて最後の最後にめちゃくちゃかわいいやりとりが見れて幸せでした!ありがとうございましたの気持ちでいっぱいで読み終えてほわほわした余韻に浸れました!
小冊子もかっこかわいい坂口がみれたしザ・アホエロなお話で面白かったです!

8

完結してしまった

アホエロ完結おめでとうございます。
高東と坂口が順調に愛を育んでいてなごみました。

重い実先生の独特な表現で、2人の世界が広がっています。
最初から最後まで甘々で、お互いの事が好きすぎて、見ている方も幸せになれました。

婚約編なので、指輪のエピソードがありました。
指輪について興味もなさそうな坂口が、指輪を嵌める意味を理解して、指輪があってよかったって言ってるのいいですね。
普段はそこまでじゃないのに独占欲を出してくるとキュンとします。

中西兄弟も意味深な指輪をしていて、この兄弟どうなっちゃうのかな?とちょっと気になりました。完結してしまうと続きが読めないので、どこかでこの兄弟の話読めないかな~なんて思います。

本は完結しても、いつまでも2人でラブラブなんだろうな、と思わせる幸せそうな話で、寂しく思いながらもほっこりして読み終わりました。
こんな幸せな完結巻ありがとうございました。

8

24時間365日。1秒たりとも漏れることなくかわいいんだぞ…

「婚約編」どころか、これは みっちみちに凝縮された、甘あまの「新婚編」‼︎
なんたって「24時間365日。1秒たりとも漏れることなく かわいいんだぞ…。」と言い切る高東の、「坂口溺愛日誌」なのだから。
思えば。「アホエロ」を初読したときの衝撃たるや。重い実先生の作品には、その後も本作の高東に負けず劣らず、「執着溺愛攻め」にかけては枚挙に遑が無い。
それでも。私にとっての重い実ワールドの中では、やはり高東の右に出るものは無いのだ。
このイケメンの、しゃあしゃあとした、或いは仄暗い執着を秘めた、いやいや秘めてもないか、ダダ漏れの溺愛っぷりは、坂口だけで無く、読んでるこちら側までもウズウズしてしまう。なんというか、痒いところにも手が届きまくる様な、用意周到、徹頭徹尾。愛してやまないその怒涛の愛執に。もはやニマニマが止まらない‼︎
それもその筈、んもぅ。坂口が可愛い過ぎるのが罪。存在そのものが尊い。
坂口の、くるくるの巻き毛も。目も鼻も。肩も二の腕も、全部好きだ、と言って憚らない。
だから。高東は、堪らなくなって。坂口を抱き潰す。必死なのだ、いつも。
事の発端、「アホエロ」を私は読み返す。本作が、一作目の直後に描かれたかの様に、丁寧に丁寧に擬えていて。私はその事に感動してしまう。
同じバスに乗っていたこと、同じ大学を受験したこと、野球少年だった坂口が、怪我の為に野球をやめて勉強に本腰を入れていたこと、野球をやめて空を見上げていた坂口の背中を高東が見ていた事…。
そして。一作目の高東のプロポーズにも似た告白、「俺がいればいいだろ?」に呼応した本作のプロポーズまで。
伏線回収にも似た、このオシャレ感。くすぐったくもニクい。
これまたまだ「結婚」はしていないので。また続いていくのかな。
これはこれで美しく「完結編」としてもいいのだけれど。ふわふわとエチエチな「日常編」を楽しみに待ってます。

お久しぶりの、中西兄弟のその後も見れて嬉しい。美しすぎるダビデ像プロジェクションマッピングながらもニブい中西兄への猛アタック中の竹朗クン。この2人もまた一生一緒に居ると多分、誓い合っていて。「アホエロ」一作目で見せた2人だけの「儀式」である手のひらに顔を乗せるという仕草もまだ続いている。歳を重ねても、環境が変わっても。変わらないものがある、というのは何だかホッとさせてもくれるのだ。

白抜きだけど。高東がたまらず、坂口とのエチエチは重い実先生ならでは。そういえば。トピでよく攻めが半脱ぎ、或いは着衣のまま致すのはどうなのか、という話題があるけども。この2人はいつも真っ裸。坂口の柔らかそうな丸いお尻も、高頭の白い尻も丸見えである。
お尻の間に差し込まれた何か、も白く。それでも躰を揺さぶられる坂口の顔の方が。これは白抜きしなくちゃならないだろう、と思う程にエッロい。

付録小冊子は、高東に常から胃袋を掴まれている坂口が、珍しく高東の為に腕を振るうカレー作り。男の料理らしく、丸ごと玉ねぎやぶつ切り人参を3時間煮込んだ筈なのに。出来上がりが原型を留めているのが謎。
もちろん煮込みを待つ間はエチエチ。坂口の躰、柔らかい。多分煮込まれた野菜よりグズグズに解かれている。

0

「幸せ」の概念をマンガ化したらこうなった

「幸せ」ってまるごとマンガ化できるんですね!

「幸せ」って、言葉で定義したり説明するのは実は難しいじゃないですか。
でも、この作品を読んでると「あっ!今ここに確実に幸せというものが存在してる!!」ってめちゃめちゃ実感するんですよ。
もちろんこのページのこれが「幸せ」だよとか、この条件が揃ったからこの登場人物は「幸せ」なんだよとか、視覚化や論理化できるようなものでは無いんです。

でも、読んだらわかるんです。
「幸せ」ってこういうことかと。

言葉と理屈をとっくに超えちゃってるんですよ。
このアホエロというマンガが。
重い実先生が。
ちょっと普通じゃないんです。

正直、作品を読んで実感してもらうこと以外、この場で何を言うのも無粋なのかもしれません。
きっとどれだけ言葉を尽くしても、この特殊な本の感想にはピタッとはまらない気がして。
なんだか次元が違う気がして。

だから、よろしければ以下のレビューは読まずに、まずは至急今作を読んでみてください。
それからアホエロをシリーズで読み返してください。
それからまた今作を読んでみてください。
それも終わって時間が余ってどうしようもなくなった方、そんな方が万が一いらっしゃいましたら広い心で下スクロールに進んで頂ければと思います——






まずですね、序盤から「三重県にある築50年の日本家屋の防音工事、敢えて言うなら声楽」のギャグセンスに脱帽。
えっ!あの酒造のあのカプ!とニヤニヤが止まりません。
そしてもちろんメインカプの高東くんと坂口くんの甘さと眩しさは最初から最高潮。
ペアリング選びの話でウキウキかつ同じ会社で仕事ができてドキドキ。

からの、坂口くんの貴重品入れのエピソードで泣かされます。
坂口くんにとって一番価値のある貴重品が1巻の旅行時にもらっていたというバスの整理券だったことが判明。
直後に挿入される僅か一コマの回想シーン。
瞬間、アホエロ1巻の二人が脳内に蘇り、ああ、この2人があの日あの旅行に行って結ばれ今もラブラブに暮らしていて本当に良かった……祝福できて嬉しい……と心がフワフワしてきます。もうその整理券は坂口くんだけじゃなく読者にとっても貴重品だわって感じで。
そんな坂口くんの貴重品エピソードから、指輪の種類じゃなくて、「俺があげることに意味があるんだろうな」と高東くんが気づくんですけど、このモノローグの切れ味も良くて。
この高東くんのセリフって言葉にしちゃえば何をそんな当たり前のことをって内容なんですよ。全くもって使い古された言葉なんですよ。なんですけど、不思議なくらい重くズドンと胸に落ちてくるんです。余韻がすごい……。

実は、同じような現象が、このアホエロ婚約編にはたくさん起きていて。

大好きだよ。
全部好きだ。
どんな姿をしていても。
24時間365日かわいい。
俺がいればいいだろ。
っていうセリフとか。

ひざまずいて指輪を差し出したり。
自分と同じ指輪を恋人が嵌めているのを見てホッとしたり。
エプロン姿の恋人にときめいたり。
病気の恋人を介抱したり。
名前で呼び合うのにとんでもなく照れ合ったり。
っていうシチュエーションとか。

言葉で抜き出すと、どこかで聞いたことがあるような言い回しや内容。
普通なら擦られ過ぎて薄っぺらくなる危険すらある愛情表現。
それが、アホエロの世界観では全く違う深い響きで、心に突き刺さってくるんです。

これが重い実先生のすごいところなんだよなあ。
ハッと気づかされるんですよ。
大好きって気持ち、かわいいって想い、ずっと一緒にいたいっていう願い、
これって全部、真理なんだよなって。
基本中の基本の感情なんだよなって。
それ以上分解できない最強の存在なんだよなって。

多分、ただ説明するには抽象的過ぎるし、セリフだけでは薄っぺら過ぎるんですよ。
そんな「幸せ」や「愛」の概念を、この作品では高東と坂口二人ならではのエピソードとセックスを重ねること、深めることで、見事に表現してくれているんです。
それも普遍的なのに、唯一無二な圧巻スタイリッシュなマンガ演出で。
独特のリズム感、温度感で。
ちなみに、もう甘くて、甘くて、添加物のない愛の塊みたいな内容かと思った矢先に挿入される中西兄弟のエピソードも、ほろ苦く、極上のアクセントになっていました。

毎日一緒に時を過ごし、無条件に相手を愛おしいと想い続ける。
そんな生活を並べただけ。
確執も裏切りもヒーローズジャーニーも無い。
けれど、これまでのどのエンタメ作品よりも「幸せ」ってこういうことか……と実感してしまう。
言葉の次元を超えた豊かさを発見してしまう。
大げさに聞こえるかもしれませんが、こんな作品が読める時代に生きていることは、ちょっとした奇跡ですね。

読んで幸せを知り、読んで幸せになる。
アホエロはそんな貴重な体験をくれる作品でした。

11

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