王を統べる運命の子③

ou wo suberu unmei no ko

王を統べる運命の子③
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神48
  • 萌×213
  • 萌12
  • 中立8
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
13
得点
336
評価数
85
平均
4.1 / 5
神率
56.5%
著者
樋口美沙緒 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199010545

あらすじ

俺は生きた人間じゃない、命を与えられた
土人形だった──!! 愛する王ルストに命を
返すため、自ら川に身を投げたリオ。ところが、
目覚めたリオの傍らにいたのは、敵対していた
はずのフェルナン!! 殺したかった俺を
なぜ助けたの…? 混乱と不信を抱えつつ、
未来を予見する塔主が待つ「北の塔」へと
連れられて!? 命の期限を切られたリオと、
認めたくない王の激情が狂気と執着を孕む彷徨編!!

表題作王を統べる運命の子③

ルスト・フロシフラン,25歳,国王陛下,王の剣
リオ・ヨナターン,16歳,王の鞘

レビュー投稿数13

我慢の巻

3巻はもだもだもやもやをひたすら耐える巻ですね。
ほぼラブ要素は停滞。物語が一気に最終局面に向かって進んで行く感じです。
よくストーリーメインの小説でラブが少ないと物足りなくなる現象がありますが、こちらを読んでなぜラブ要素が少なくされるのか理由がわかった気がします。
どちらも中途半端になってしまうんですねきっと。
ラブ要素が所々に散りばめられて、ストーリーが頭に入ってこなくなりかけます。

とにかくリオが見当違いな思考に突っ走っていくのに耐えなきゃならない3巻だった。
なんでそう考えちゃうの?なんでわからないの?が何度もあった。特に前半は。
読者にそこまで焦れた思いをさせるのもすごい。とにかくあさっての方向にリオの思考が行きすぎて、いっそ頑固でした。これはあとがきで先生もおっしゃってましたね。
また、リオが特別な存在と際立たせるためなのか、ユリヤ下げも気になってしまった。だから最後のユリヤの死もそこまで胸に響かなかった。

ルストもここまでバカな男みたいな感じにしなくても…と思ってしまった。まぁ狂ってるから仕方ないけれど。
男3人に取り合われるリオを見てなんだこの茶番は…とすらなってしまったし、終始そんな感じの巻だったので集中もできず、読み終えるまで時間がかかりました。挫折しそうにさえなった。
魔女の根城が近づくにつれてそういう思考にどんどんなっていく、とかでもなかったのでウーンとなってしまったかな。

1,2巻が神だったので、そして4巻に期待を込めて萌評価ですが、3巻はあれれ〜?な巻でした。
樋口先生の健気な受け主人公大好きですが、今回はその主人公に周りの男達が翻弄されすぎていて正直そこまで萌えられませんでした。
最終巻はどうなるかな。3巻で感じたこと全てが私バカなこと考えてたなーとなるように。
終わりよければ全てよしになることを期待してます。

0

限りある時間への恐怖と絶望で苦しむ新たな旅路

2巻で記憶を取り戻したリオが真名をルストに返し自ら命を絶ってしまい、絶望的な気持ちになっていたのですが、リオが生きていてユリヤ殿下も目覚め、フェルナンと共に北の塔へ向かうという急展開が面白く先が読めなさすぎて、読み始めて早々に物語に入り込んでしまいました。

北の塔は俗世とは離れた神秘的な描写が想像を掻き立てられ面白く、ファンタジー要素が強いところにワクワクしつつも、物見の賢者の背負うツラさを知りリオやルストを欺いてきたフェルナンの苦しみに触れて切ない気持ちになりました。

追いかけてきたルストとリオの再会はとても苦しくて、以前のように心のままに愛を向けることができないリオがとても可哀想になりました。

リオが自分の命が残り90日しかないということから、少しずつ迫りくる死への恐怖と、自分が原因で戦争を引き起こし人々を苦しめてしまったという現実にずっと苦しみ続けるので、読み進めていけばいくほどしんどい気持ちになりました。

リオはせめて残りの時間を善いことに使いたい、ユリヤに心臓を戻してあげたいと、頑なになってしまうので、アラン、フェルナン、ユリヤ、ルストにひどく心配をかけるのですが、みんなそれぞれの形でリオを励まし、逃げ出してもいいし好きなように生きて欲しいと願う場面がたくさんあり、リオへの尊敬や愛情の念がすごく伝わってきました。

不器用なリオとルストはお互いを想うばかりに度々言い争い傷つけあうのでなかなか甘い雰囲気になることがなく寂しい気持ちになりますが、ハーデに入る前に立ち寄ったセヴェルで、ルストが街を豊かにするべくいろいろ尽くしてくれていたこと、セスに籍を与えお墓を作ってくれていたことを知り、ルストに対する危うい気持ちが少し晴れてやっと身を委ねることができ、もうこの甘い時間のまま時が止まってくれればいいのにと強く願わずにはいられませんでした。  

たどり着いた魔女の根城で蛇に襲われ自分をかばって死んでしまったユリヤとの突然の別れによってひどく悲しむリオが、セスやユリヤには生きる価値があった、そもそもどの命にも等しく価値があることに気が付くシーンはやっと頑なな考えから吹っ切れてくれてよかった・・・と安心したのもつかの間、魔女の登場で一気に状況が代わり新たな真実も明らかになって・・・うわーーーーーここで終わるのかーーーーー!!とまた続きが気になるところで終わってしまったので、すぐに心の準備をして次の最終巻に読み進みたいと思います。             

1

こんなに応援したくない冒険の旅は初めて

2巻すごく面白かったです。
でも最後衝撃的な終わりで早く続きが読みたいと思って読んだ3巻でしたが、読むにつれワクワクな気持ちが消え失せていきました。


謎が明らかにされていく今巻。新たな謎がどんどん湧いてくる展開に私の脳みそがパンクしそう。設定が凝り凝りなのは最初から分かってましたが、この複雑怪奇なからくり…一度でみなさん理解できたんでしょうか?(汗)
私はよくわからなくて、声に出して読んだりしてどうにか読みました。


でも良いんです。設定あれこれのことはそんなに問題じゃない。壮大なストーリーですもん、初めて知る真実に驚愕しながらも、国家の歴史の真実のピースを正しいものにはめ直す作業が簡単にいかないってことくらい分かります。

じゃあ何が問題かっていうと…

リオです。

リオの被害意識と自己満足の程度がこんなにひどいとは。何で?の疑問符だらけです。

自分の生きてる意味や価値がないんだと…死にたい死にたい言ってて目も当てられません。この物語がサクッと読めるもんなら良いですよ。ページが多いのに、ずっと彼の死亡願望聞かされ続けるこの時間…一体なに?って感じでした。

とにかく自己暗示がすごくて…
自分はそもそも存在してはいけない
自分が生きることでルストを狂わせる
自分の死には価値がある
と。
これを延々と繰り返します。

なんで自分を生かせたんだ!望んでない!と命を与えたルストに八つ当たりするリオ。
残り八十何日しかない寿命をユリヤにあげて、自分は死ぬと言って聞きません。

リオが何かに取り憑かれたように死にたいと言いまくる姿…痛々しいというより恐怖です。
自己洗脳という言葉がしっくりくるかも。

一応ですね、周囲の人たち(ルスト・フェルナン・アラン・ユリヤ)がうまくアシストするんですよ。
死にたい願望のリオの本心を探るように、リオのやけっぱちな行動を改めたり諭そうとする。それでもリオの気持ちは死にたい一択。皆がどう言っても、ルストがリオを愛していると言っても、テコでも動きません。……こんなリオが見たかったわけじゃない。途中何度も読むのを断念しようかと思いました。

リオの死亡願望無限ループに、彼を応援する気持ちがどんどん消え行きました。
リオとユリヤとで半分こした残りの命の時間をユリヤに全部あげ、自分は早く死に、それこそが正しいと主張を曲げません。途中から意地になっています。
ルストもそんなリオに対して火に油を注ぐような恐ろしい計画を持っているので、リオばかりが責められることでもないんですが…でもこの2人が正しい方向を向いてないのは明らか。
好きな気持ちが悪く作用してる悪い見本です。


禁書を求めハーデに向かうリオたち一行。道中、これまで国の史実でも知られていなかった真実を知ることは意味のある旅でした。でも、この旅の主な目的はリオの死です…。

こんなにネガティブな旅路、今まで読んだことありません。明るい夢も希望もない冒険の旅を初めて読みました。全く読むモチベーションが上がりません。

あんなに3巻に期待して読み始めたのに、今私の心臓はキンキンに冷え切っています。


4巻で最終巻とのこと。
まだこの3巻に抱いた感情を引きずっています。
最終巻でスッキリ気持ちが晴れるのかな。
本日最終巻の発売日なので、この物語の完結の行方を見届けたいと思います。


作品評価はごめんなさい。厳しめの「しゅみじゃない」にしました。

5

土人形3体の記憶が統合、旅に出る

3巻目は、次巻に続く経緯説明の様な構成。

複雑な展開で、面白かった。
夫々に成し遂げたい願いがあって、理由がある。
想いを果たす動機と手段が問題だ、といった寓話調。
次巻を早く読みたい。

---
心に残った部分のメモ。

神の気まぐれ?で、3体目の土人形、リオは復活。リオの外観は本来に戻っていた。
土人形2号のユリアにリオの寿命を半分譲り、ユリアは心臓が無いまま復活。
リオは、1号と2号の記憶を取り込み、過去を知る。

魔女の母と外観そっくりに造られた2体の土人形、傍には黒い竜=黒い竜神が居る。
1号と2号は、「王子を近づき、真名を奪え」と母から密命を受ける。
土人形の寿命は心臓を入れてから10月10日の設定。
2号は、1号と同時に造られて、1号が消えるまで待機。

1号は、「ユリア」という名の連れ子の第二王子になる。
1号は、王子の目の前で寿命が尽き、2号に心臓が移される。
・・土人形2号は、1号から心臓と記憶を受け継ぐので、
1号の「王子を悲しませたくない」という思いも引き継ぐ。

魔女の命令に背くユリア2号から、魔女は心臓を抜き取り、3号(リオ)に移す。
2号の抜け殻を、王子に悲しみを与える為に保存する。
・・・という経緯の説明が前半。

後半は、旅。
「せめて誰かの役に立つ事を残して消えたい」と
土人形3号のリオは1号と2号の記憶を取り込み、90日の命をどう生きるか悩む。

「塔」から無害の証明を受けて解放。
リオは魔女と共に消えた禁書と先見師を探す旅に出る。

会話なしでリオの気持ちがわかる2号のユリアは、「リオから絶対離れない」と譲らない。
リオ達二体の土人形は、夫々が別の人格を持つ意識体。

巻末は、リオは考えが錯綜してグチャグチャ。
土人形2号は、優しいリオの傍に居たかっただけと分かる。
・・あの魔女は悲しい存在を幾つも作る鬼。

リオが受け継いだ「土人形の心臓」は、元々誰の心臓だったのかが、鍵。
次号は鬼魔女=リオの母と対決になりそう。


麻々原絵里依先生のイラスト、作画に力を抜いているような??

2

謎解きと自分探しの旅でした

2巻の終わりで衝撃的な終わり方をしていましたが、とりあえず、リオは期間限定で生きながらえる事が出来ました。しかし、残ってる命は生き返ったユリヤと100日も満たない日数しか生きられない。
3巻では、リオがこの期間限定の残された命と、自分の命の価値、生きることの意味、幸せの意味。延々と考えながら旅をします。北の塔の謎、そこから、魔女が先王の妃になって何をしようとしていたのか?目的を探る為に魔女の行動を辿って、国のあちこちをルスト、フェルナン、ユリヤで見て回ります。
北の塔の謎は建物や街並み、とても興味深く、魔女とこれから戦う為に重要になるであろうキーパーソンが現れます。実際にこのキーパーソンは読んで確かめでください。
旅の途中で1日1日、リオ残りの命が短くなっていく様子は、元から自己肯定感が低いリオでなくても、読んでる読者も辛い部分ではありました。しかし、そこにユリヤを登場した事で、その先の見えない絶望感がかなり軽減されていました。ユリヤは本当に癒しでしたし、ユリヤなしではこの本は読めない!って思いました。心臓が無いので、自分の命に拘らない分、真っ直ぐな感情をリオにむけます。旅の途中、ゲオルグやルースの実家のある領地を訪ねたりもあって、2人が登場する訳ではないですが、その土地ならではの話があって、よりこの2人を理解できたのも面白く思いました。
魔女の謎も少しずつ解って来る部分もあり、最後はいろいろと本当のクライマックスを迎えていますし、ユリヤがラストどうなるか?は、読んで確かめて欲しいです。
ユリヤとの交流やリオの育った故郷にも帰ってセスの墓参りをしたリオ。セスの人生は幸せだったのだろうか?そういったずっと心のでモヤモヤだった物が最後、リオは心が千切れそうになりながら決着出来ている様なきがします。
ウルカの神の謎もわかってきた部分と謎の部分がまた出てきたりで、最後はいよいよ魔女との直接対決に入るところでまたまた衝撃的なラストで終わっていますが、
続編、待ち遠しいです。
ルストとの事に全く触れてないので付け足すと、死を覚悟してこれが最期と抱かれるシーンは切なかったです。

2

苦しいけど読んでしまう

2巻の終わりがアレだったので、リオにとって苦しい展開になるだろうとは想像していました。

でも何て言うか…ここまで苦しくて辛い展開になるとは思わなかったんです。

せっかく生きているんだからリオ諦めないで!生きて!と何度も心の中で叫んでました。

リオを取り巻く全てが絶望的で、辛くて悲しいのだけれど、刻々と明らかになる事実と謎解きのような展開が面白くて、リオもルストもフェルナンもアランもとても苦しんでいるし、何なら読んでいる自分も苦しいのに、読ませてしまう力が樋口美沙緒先生にはあると思いました。

第二王子のユリヤの死によって、せっかくリオの目が覚めたというのに、またとんでもない展開が待っていました。

次巻ではリオもルストも幸せになれるように、ウルカの神に祈りたいと思いました。

3

明かさていく真実が未来をどう変えるのか

今回はフロシフラン国王と使徒である王の鞘のお話です。

自決したはずが生き残った受様が
北の塔の依頼を受ける事で真実の一端に触れるまで。

受様は攻様の死を願う魔女が
作った3人目の土人形です。

土人形には10月10日の命しかなく、
攻様は受様を生きそうと自分の真名を教えますが
受様は攻様を護る為、攻様に真名を返し死を選びます。

受様は死の間際に魔女に作った土人形の1人目と
2人目の記憶をたどる事となり、
2人目が攻様を狂わせるために7月目で
心臓を取り出された事実を知る事となります。

そして現実世界でも受様は
落ちた川から「王の眼」によって助けられるのです。

王の眼は攻様から呪いが消えた事を教えてくれますが
受様を排除しようとした彼に助けられた事が
信じられません。

王の眼は王の側に現れるだろう土人形の監視と
それが王の真名と命の半分を持つかもしれない事、
それを返さない場合は排除する密命を受けていた事
を受様に語ります。

そして今の受様は本来なら
残された6ケ月の寿命があるはずなのですが

自決する時に攻様の愛する人が戻るようにと願った事で
受様の寿命の半分が第二王子とされた2人目の土人形に
宿ってしまっただろうことを知らされ
受様は自分ち第二王子に起きた事に愕然とします。

王の眼は北の塔の塔主なら
受様と第二王子の何が起きたのか
受様の寿命がどのくらいなのかもわかるだろうと

自分を信じて第二王子と共に
北の塔に来て欲しいと嘆願してくるのです。

果たして受様は王の眼を信じる道を選ぶのか!?

「王を統べる運命の子」第3巻は、
死を選んだ受様が新たな難問に対する場面から
スタートします♪

死を選んだのに生き残ってしまった受様は
自分の命が第二王子と半分にされてしまった事、
余命が3月だろうことを知らされます。

そして王の眼を信じて北の塔へと向かい
北の塔が受様を排除しようとした理由、
北の塔がどんな存在なのかを知るのです。

一方、真名が戻り呪いを払拭した攻様は
王の翼とともに北の塔を訪れますが
受様は自分を生かそうとする攻様を恐れます。

北の塔と王家との関係、
徐々に見えてくる北の塔の元賢者との魔女の関係、

200年前に王家と黒い神が犯した契約違反、
王家の血筋が一度絶え、使途が世襲制でなくなった理由、
国中に巡る黒い神の神脈とは異なる神脈の存在、
白い神を信仰する教団の足跡、

攻様達が解き明かしていく真実で
少しづつ魔女の陰謀が明かされてきていますが
まだまだ魔女の真意は見えません。

人出ない受様は常に生きる意味、価値を問い続けます。
短い命を散らした親友の死を思うと自らが生きている事、
生き続ける事に意味を見出ないのです。

それは受様が自分よりも相手を大切に想うが故なのですが
伝わらない想いがもどかしく、哀しいです。

しかも最後の最後、
やっと精一杯"生きた"親友や第二王子の想いが
受様に伝わったと思ったら

今度は攻様が大変な窮地に陥って以下続刊とは
なんといっていいやらわかりません ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

予定はもう1冊との事ですけれど
キャラ文庫ってどこまで分厚くなるのでしょう!?

たぶん+1冊くらいになりそうな・・・
受様が攻様の手をとれる未来を信じています。

2

新たな旅で分かること

3冊目。前作で真名をルストに返して死を選んだリオ。
でもウルカの神がリオと2番目の土人形ユリヤの命を救い目覚める。
魔女に奪われた土人形再生方法を記した禁書を探しに、新たな旅が始まる。

今回は1人目から3人目のリオまでの土人形の話や、
フロシフラン王国が出来た歴史や十六代国王ハラヤの謎が明かされていく。
そして、核心は二柱ウルカとエラドの神竜。

この説明が膨大で、でも話を進めるには必要不可欠な回であったと思う。
それを樋口先生は、間にちょっとした出来事を挟みつつ、
また、ルストとリオの心のすれ違いを描きながら、
読者を飽きさせずにまとめてくださったと思う。
これが少しでもバランスが悪いと、退屈になってしまっていたと思う。
そこは樋口先生の文才の成せる技。

*ここからネタバレ

ルストが急に狂気じみた感じになってしまったことは、
正直最初は違和感があって、「そんなキャラだった?」と思ったが、
読み進めていくうちに、ルストとリオは表裏一体の関係であり、
オメガバで例えるなら「運命の番」的なものだと思った。
狂ったように相手を求めないといけなくなる。
それがルストとリオであり、ミカエルとルシファーや、
大日如来と不動明王の関係のようなものだと感じた。
(どちらも元は一緒)
そして、後半、それが事実だったと判明する。
ウルカが一人だと寂しくて自分を二つに分けエラドを作ったということ。

今後の展開はもちろんリオが死なずに昔のように
ウルカとエラドが選んだ王と妃として過ごすようになるまでだが、
あと1冊と言わず、続いてほしいなとも思う作品。

ここからは自分の疑問点。
ウルカは強く逞しく、エラドは愛情深く聖母のような。
そんな印象を受けたが、魔女を生み出したのはエラド?
魔女は一体何をしたいのかがはっきり分からない。
魔女はエラドの心臓を使って土人形を作り、ルストを惑わせて、
天下を取りたかった?
ハラヤはなぜ花嫁を殺した?(花嫁は男性のような感じ)
ウルカもエラドがそんなことになって自分が分けたのに
民の意見を聞いてしまって、なんとかしないのはなぜ?

まだまだ謎があるので、どうか丁寧に最後まで描いて欲しいと思う。

今回も謎が謎を呼んで、説明が多いのでBL感が少し薄いのと、
ページ数も多いので、疲れてしまった読者もいると思うが、
私は最後のハピエに続く大切な伏線回としてとても読了感があって
やはり神評価で満足^^

先生素晴らしい作品をありがとうございます!
二人がどうか幸せになってほしいと願います。


6

まどろっこしい

前回から間があいたので話を忘れかけていた上に、ファンタジーの色々な難解設定のため中々このボリュームを読み進められずちょっとストレスでした。

リオ、ユリヤ、ルスト、フェルナン、アランが最初とてもチームワークが悪く、皆意見がバラバラで仲の悪いパーティーで旅をするRPGみたいな感じは面白かったです。魔法の力で過去に当事者が訪れた場所で気配から映像再生して皆で見られる、みたいなのも楽しかった。

今回、主役で受けのリオのしつこいくらいの自己犠牲精神も読んでいて疲れました。ルストと愛し合ってるのは間違いないのに「自分は死んだ方がいいから心臓をユリヤにあげる」みたいなことをずっと言ってて攻めのルストが気の毒でした。周りを敵に回しても2人で生き抜く方法を探せばいいのに。樋口先生はこういう卑屈なくらい健気というキャラが多いのはわかってるんですが。

次回は皆がスッキリするような素敵なクライマックスを読ませてもらいたいです。あまり間が開かないといいな。

7

ふたたび悶絶

2が終わったところで「ぐあー---」と吠える事態になってしまい、長らく続きを待ち望んでいたお話。なんとなんと今回も「いやー----」と吠えて終了することになってしまいました。先生、続きを何卒・・・な本編なんと450Pほど+あとがき。どシリアスファンタジーが大丈夫ならぜひ。

心臓にナイフを突き刺したはずのリオ。でも目覚めたら洞窟の中。フェルナンが助けてくれたのですが「会ってほしい人がいる」と連れていかれた先にいたのは、死んでいたはずの第二王子ユリヤで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
使徒であるフェルナン、アランとユリヤ(第二王子、土人形)、セネラド・ラダエ(北の塔の塔主)、リオが3年間過ごした寺院の子供たちや導師に、きました魔女様。

++内容に関する感想

今回ウルカの神が訳わからんことをするんです。リオの命をユリヤと半分ずつにしてユリヤを生き返らせちゃうのです。(ええ?なんで?とまだ思ってるんですけど)そんなことがあったもんですから、リオがずー--っと「真名をルストに返したし、ユリヤがルストと一緒にいるべきだろうし自分が死ぬべきだ」と考えて行動するのです。ほぼ450Pずっと。長い。

ウルカの神、エラドの神、ラダエ家三姉妹、土人形、使徒の数等、今回謎がわらわら沸いて出てきて、その上にアラン、フェルナンがリオを気遣うし、ルストはやたらリオに執着してくるし、ああああこれは次の巻で終わるのは無理だべ?!とめちゃ大混乱して読み終わったのです。

気になって気になってしようがないシリーズですが、謎解き大好き、長編ファンタジー大丈夫な方限定でおすすめです。先生、頑張ってください、何度も読み返して気長にお待ちしています。

4

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