その唇に夜の露

sonokuchibiru ni yoru no tsuyu

その唇に夜の露
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神54
  • 萌×225
  • 萌19
  • 中立6
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
26
得点
433
評価数
109
平均
4.1 / 5
神率
49.5%
著者
深井結己 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
発売日
価格
¥562(税抜)  
ISBN
9784832284517

あらすじ

バス運転手・和田琢紀(わだたつき)は、学生時代強姦した親友の若江恭一(わかえきょういち)と再会した。15年前犯した相手から、今度は弄ばれることになった琢紀。琢紀の運転する深夜バスに、二人だけの荒い息が響く――。その先にあるのは復讐か、狂おしいほどの恋なのか…!
書き下ろし後日談収録!

表題作その唇に夜の露

若江恭一,サラリーマン,昔和田に犯された
和田琢紀,バス運転手 

その他の収録作品

  • 第一夜~第四夜、最終夜
  • 新しい夜

レビュー投稿数26

15年分の誤解の代償の痛さ

中学の時に唯一心を許していた同級生・若江に裏切られたと思い込み
強姦してしまった琢紀。
そんな15年前の出来事を引きずりつつも
バス運転手という仕事に就きまじめに働いていたところに
偶然、強姦した直後に転校してしまって音信不通になってた若江が乗り込んできて
15年前の屈辱を晴らすために若江に脅され逆に強姦されてしまう。

これだけで、もう苦手な人はお手上げなシチュエーションですよね。

でも、ここまで二人の性格が歪んでしまった理由が
途中に挟まれている、2人の中学時代の回想に見え隠れしていて
15年ぶりに最悪の形で再会し、立場が逆になって
若江から強姦同然に犯され続けるうちに感じてしまう自分の中に
若江への愛情があること、そして
それは中学時代から持っていた気持ちだったと気づき
その事が、素直で純粋だった若江を豹変させてしまったのだと知る琢紀。

しかし、そんな気持ちに気付いてもどうすることも出来ない切なさに
胸が痛くなります。

本編はずっと琢紀視点でお話が進んでいっているので
琢紀がいろんな事に気づき、悩んでいる間
若江はどんな気持ちで琢紀を犯し続けていたのかははっきりとははわからないんですが
自分で追い詰めておいて、その結果胃潰瘍になってしまった琢紀を見てはじめて
若江も自分がこの15年間抱えていた気持ちに気づいたんだと思います。
病院での2人の別れ際のシーンは、何度読んでも涙が溢れて来ます。

全体的に、強姦・陵辱と言った場面が多くて
敬遠されがちな作品ですが
病院での最後のシーンを味わう為のかなり辛口のスパイスだと思って
気になっている人は是非手にとって見て下さい。


描き下ろしの「新しい夜」は
本編のラストシーンから続くお話。
こちらは、若江視点で描かれていて
なぜ琢紀が、自分のことだけは睨み付けるように見るのか?という
常日頃思っていたことの答えがわかって
そのあまりにも簡単な理由に、さらに毒気が抜かれてしまうという
結構「犬も食わない」系のお話でしたw

あとがきの4コマ漫画と共に、ほんわかした雰囲気を楽しめます。

7

息つまる緊張感と感動の終幕

偶然に再会した相手に15年前をほじくり返され、仕返しされ、過去の過ちに気付き、心情を吐露する主人公に引き込まれました。

サスペンス風に進む本作品。
過去にひどい行為をし、それきりになっていた相手若江に会った時、和田は改めて罪の意識にさいなまれます。
同じくその過去に引きずられて生きている若江は、和田を強姦。
執拗に和田を追いかけては、凌辱行為に及ぶ若江。
彼に犯されて、そして段々と過去の自分を思い出すのです。
その当時、二人はどうあったか。
自分はどう思っていたのか。
思い出し始めた時、若江の行為も苦痛だけでなく快感に感じ始めるように。
そして、和田は彼への気持ちに気付き、彼への贖罪の意識でボロボロになります。
若江も、もう和田を許そうという気になった時の和田の言葉
「好きになってごめん」
「許してくれてありがとう」
あんなに酷い目にあわされたのに、和田は反省し若江を受け入れてさえいたというこの気持ちの推移。
マンガなのに、まるで小説のように切々と心に訴えかけてきます。
そして若江も。。。
最後まで息詰まる展開と2人の気持ちの交錯。
見事に現されていて、ただのエロではありません。

「新しい夜」は若江視点の2人のその後。
バカップルぶりではありませんが、淡々とした中にどんなに愛しているかがあって、少しキュンとします。

地味な絵なんですがストーリーが骨太で大変読み応えのある作品です。

6

最後の描き下ろし!! で 大満足vv

中学時代同級生だった 琢紀と恭一 この二人の不器用さがイイvv 互いに 自分の感情がコントロールできなくなるほど 相手のことが好きっvvって・・・ また それに気づくのが互いに遅い!! この もどかしさが 切なさにかわるんですよ!! 中学時代 琢紀は恭一に 現在は恭一が琢紀に!! 互いの感情を押し付け合い(愛)vv   これって やっぱり リバありのカテゴリーになる 作品なのかな!? 微妙ですが・・・
いや~それにしても 恭一の変りようが素敵!! 子供の頃と大人になってからとのギャップあるのがイイvv 中学時代はあんなに受けっぽいタイプなのに 冷たい目つきの攻め顔!!になるって・・ 大人になって互いに 攻・受 逆転タイプに育つって おもしろいですvv
どんなに作中 ギスギス ピリピリした話でも 最後は ハッピーエンドvv こうでなくては!! でも 最後の描きおろし『新しい夜』があってこそ!!なので 単行本で読めて本当に良かったvv 最後のラブラブが読めないとねぇ!! 私的にはちょっと不発になっちゃうので・・・ でも この先の二人を考えると リバありもアリvv 勝手に妄想してしっかり楽しませていただきましたvv

5

復讐、そして

好きでごめん
この一言にやられました(*ノД`*)・゚・。
若さ故の暴走、若さゆえの不器用さ、若さゆえの
それが月日を経た二人が再開し、違う形でまた二人の歯車は動き出す。
ずっと裏切られ、ひどい目に合わされたと思っていた攻。
けれど、受もまた裏切られ、酷いめに合わされたと思っていた。
スレ違いの原因は数あれど、それを乗り越えてのハッピーエンドは
それだけに良かったです。
なんというか、最後にはなベタ甘具合がまたw

レイプ×レイプ
今回復讐ものということでのレイプ。
苦手なかたは要注意なのですが
個人的には、この鬼畜攻。。。良かったです
エロかった―(ノ)'ω`(ヾ)―!
若かりし頃には逆の攻守でのレイプからはじまり、今回は同じ目にあわあせてやんよ!
な逆襲プレイ。
はじめは苦しくて、痛みばかりだったものが回数を重ねるほどに悦楽にかわり
封印しようとしていた幼い恋を思い出す
復讐のためにと冷たく抱く攻のことを想い泣き
このぬくもりが・・と透察する受がとても切なく
その切なさが今回の見どころでした。
小説ではわりとのめり込めるタイプなのですが、漫画でここまでのめり込める作品てそう多くない。そんなふうに思いました。
深井さくひん素晴らしいです

5

ちょっとハードですが、おすすめです!

「さようなら、と君は手を振った」を読んでから
深井結己さんが好きになりました。
どこかのブログに
「深井さんの作品と言えば、トラウマになるけど、おすすめの作品」
っと書いてあって、
それ以来ずっと気になってたこの作品…
こりゃ〜トラウマになるわ(笑)

昔傷つけてしまった(なんてもんじゃない)友達との再会から始まるこのお話。
ざっくり言うと、
その友人が彼に復讐を始めるんですが、
これが…結構エグくて読んでるこっちがトラウマになりそう…。
なので、あまり病み攻め?がきつい方にはおすすめ出来ないです。
絵もそうですが、
心理描写が上手いので、
読んでるこっちも結構疲弊します。
でもそれが大丈夫な方には是非読んで欲しいです。
なんで彼が昔彼を傷つけてしまったのか…
やった事は勿論許せるものではないけれど、
子供だからこその好きな相手への純粋なまっすぐな気持ち。
だからこその自分だけではどうしていいか解らなかった残酷さ。
大人だったらまだ他の引出しがあっただろうに…
でも大人でも、その彼が持つ純粋も残酷な気持ちは解るし、持ってます。
人を好きになれば誰でも。

そして大人になってからも消えない
傷つけてしまった理由の悲しみと後悔、動揺と葛藤、
同じ経験をした事はないので、
解るなんて簡単に言っちゃいけないけど、
こっちもそれなりにはよく解るし、感じるから、
なんとも言えない…せつないの一言では片付けられない
なんとも言えない気持ちになりました。
(本当、深井さんは心理描写が上手いから、押し潰されます)
病院でのシーン、泣きそうになりました。
好きになってごめん…って。
好きになり過ぎた、
コントロール出来なかった、
誰にも相談なんて出来なかったろうし、
やった事は勿論許せない、一生苦しめられてもしょうがない事をやってしまったと言えるけど、
本当、あの一瞬にすべてがこめられてて、
やっと彼が昔傷つけた彼に自分を見せる。
そしたらもぅ、走馬灯のように
その前の1シーン1シーンを思い出して、泣けてきました。

その後は、もうちょっと1、2話足して欲しかったなっていうのはありましたけど、
ちょっと簡単?って気もしてしまいましたが、
でもちゃんと次にいけたので救われます。
人によっては納得しないかもですけど、
私はこれがないと立ち直れません。
この後の2人ってどうなったんだろ…
一筋縄ではいかないとは思いますが、
幸せになって欲しいです。

深井さんの作品は重いイメージが強く、
精神的に追い詰められるのが多いイメージがあるのですが、
最後まっすぐ見つめられて、想いを伝えられるシーンとかって、
光が射してくるような…もぅ読んでるこっちは何も言えないって感じが好きです。
初めて深井さんの作品の試し読みで
たまたまそのシーンを見たのが読み始めたきっかけだったのですが、
あの一瞬の表情、それだけで「何も言えません!」って位、
綺麗で、泣きそうになりました。
今回のもそう。
表紙だけだとどこかのエロ漫画に見えますが、
(私だけかな…)
内容は全然違います。
おすすめの作品です。

5

新規開拓大成功

初めて購入した深井作品です。
麗人で深井さんを知り、「エロいまんが家」と位置づけたため、コミックスには手を出していませんでした。
復讐モノ、好きなんです。
ほのぼのも好きですが、ドロドロはさらに好きですね。


学生時代に手ひどく傷付けた若江と、仕事中の車内で再会した琢紀。
琢紀の裏切りをずっと許せずにいた若江は、負い目を感じている琢紀を脅し、復讐を果たそうとする。
関係を続けていくうちに琢紀は、若江に向かう気持ちが過去も現在も恋であると自覚する。

自分のことを憎む相手に惹かれてしまうなんて哀しいですね。
後ろへ倒れこみそうになった琢紀を若江が抱きとめ、そのどさくさで若江の背中を抱きしめる場面。
どんな気持ちで抱きしめたのか、すごく伝わります。
切ないです。

少年時代は上から目線なとこもあった琢紀ですが、まっとうな大人になりましたね。
好きな仕事に就き、プライドを持って働いている。
自分を特別だと思うような自意識過剰な面はない。
多くは望まず、満足することを知っている。
(だから過去の行いを許してもらえた時には自己完結。)

一方、琢紀のせいでひねてしまった若江。
空気の読めない少年から人の顔色が伺えるようになったことは、ある意味良かったと思うんですけど・・・。

最後はぎりぎりでハッピーエンド。
でもリバにはならないのかぁ・・・。

4

過ち、すれ違い、でも最後は…

かつての親友を犯してしまった過去。
大人になってからの不運な再会とそこから始まる復讐。
好みのカップリングだけどこのままじゃバッドエンドかなと
思ってしまうくらいシリアスで痛みを伴った話。
読んでいる最中何度も
「若江、早く和田の気持ちに気付けっ」とか
「和田、早く本当のこと言えっ」とか
ずっと思ってましたが最後には…。

よかった、仲良くやってくれ二人とも。

3

暗い思い出と、復讐のその先に…

切なく辛い想い出と、再会後の復讐。
重苦しく展開していく憎しみと執着とすれちがう愛の物語です。
軽く読めるお話ではないのですが、何度も何度も読み返してしまう。心に響くお話です。

若江を強姦してしまった琢紀は15年後、若江に偶然再会して復讐に強姦されるようになる。
琢紀が勤務するバスの中で繰り返される乱暴なセックスと、効果的に差し込まれる15年前の回想。
酷いことをされているのに、ただ痛くてつらかったセックスから快感を感じ始めて、さらには若江への想いを強めてしまう琢紀がつらすぎて切なかった。
そして、復讐をする若江も、怒りと執着の奥で琢紀への歪んだ愛を秘めていたんですよね・・・。

階段でのシーンは、本当によかった。すれ違い続けたふたりの想いが重なった瞬間。
つい泣いてしまいます。

かきおろしの「新しい夜」は、本編が重苦しかっただけに、ものすごく甘く感じられました。本当に本当によかった!!ここまで含めての本編ですっ!
そしてあとがきの4コマがとても好きですwwバスマニア琢紀ww

3

復讐から始まるBL尊い

いじめられっ子×いじめっ子の下剋上CPたまらなく好きです…!
琢紀は好きな子をいじめて悦ぶドSかと思いきや、ちゃんと理由があったんですね…
誤解とすれ違いから2人の関係がこじれていくのが辛いけどめちゃくちゃ面白かったです。
首筋に気づかれないようにキスするシーンや病院での告白はせつなすぎて泣きました。

恭一もやっぱり気付いてないだけで最初から琢紀のこと好きだったんですかねぇ…
それか憎さ転じて愛情へと変わっていったのか…
続きが気になって次々とページをめくる手を止められずあっという間に読んでしまったので、もう少し恭一目線のお話も読んでみたかったです。

3

レイプの正しい使い方

慣れっこになってて鼻ほじりながらでも読めてしまうBLのレイプシーンなんですが、これは良かったなァ。
特別に残酷だとか特別にエロいとか、そういうわけではないんです。
そこに至るまでのストーリーの積み上げ方がとにかく上手い。主役の二人はかつてのいじめっこといじめられっこの関係で、逆転による復讐なんですよね。犯した相手に犯される。いじめた相手に犯される。素晴らしいです。萌えます。
で、そこから少しずつ過去が明らかになっていくんですが、二人は単純ないじっこといじめられっこじゃなかったんですよね。ストーリーの進ませ方と過去情報の出し方のバランスが秀逸だと思いました。
学生時代には一匹狼のカリスマでかっこ良かった男が、今は愛想笑いを繰り返しながらバス運転手の地位に必死でしがみつく大人になっているというのも良かったです。バス運転手をディスってるわけじゃなく、成長してリアルな社会と向き合うことによって生まれた悲哀が愛おしくてさ。私は後者のほうが好きですしね。学生時代の一匹狼より、頭を下げて我慢して真面目に働く社会人のほうが素敵なのですよ。
でも、かつてのお互いを知ってる主役二人は、それをシンプルに捉えることができないんですね。会わなかった期間が長くて、会えば簡単に当時に引き戻され、記憶とのギャップに感情が引きずられてしまう。おそらく攻めのほうは、受けが強くて傲慢な人間のままでいて欲しかったし、そんな相手に復讐したかったんだろうなと思います。

ラストは甘いです。
きついお話なのに、読後感はいい。

6

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