純情な年下ワンコ大学生×愛人なのに“ハジメテ”な健気美人

暑い夏、ぼくらは。

atsui natsu bokura wa

暑い夏、ぼくらは。
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神15
  • 萌×213
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
156
評価数
42
平均
3.9 / 5
神率
35.7%
著者
恋煩シビト 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
comic marginal &h
発売日
電子発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN
9784575380927

あらすじ

純情な年下ワンコ大学生×愛人なのに“ハジメテ”な健気美人。
恋煩シビト先生が描く、背徳と純情が交じり合う真夏の夜の夢BL!

「僕の愛人を抱いてほしいんだ」

推しアイドルへ貢ぐため、怪しい高額バイトをすることになった大学生の榊 丈一郎。
その内容は“先生”と呼ばれる男性の目の前で、彼の愛人を抱くこと。
しかもその愛人・菜月 冬真は“ハジメテ”らしい。
戸惑いつつも、妖艶な冬真に魅せられて肌を重ねる丈一郎だったが、
冬真のことを知れば知るほど、彼を好きになってしまって…
背徳感あふれる、ほろ甘い真夏の初恋物語。
いちゃラブ後日談の描き下ろしも収録。

表題作暑い夏、ぼくらは。

20歳,大学生
22歳,海堂の愛人

同時収録作品暑い夏、ぼくらは。

元高校の美術教師
海堂の元教え子

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • カバー下漫画(あとがき)

レビュー投稿数8

攻めの一人勝ち

攻めx受け & 先生 と三人登場人物がいて、特に平凡で一番冴えない攻めの素晴らしさが光り輝くお話です。
攻めはアイドルが自分を心の支えと感じハマリまくっているドルオタなのに、その実体は、病んでいる男性二人の未来を照らすことの出来るパワーを持つナイスガイでした。
確かに単純な三角関係とは言えないが、恋愛感情縛りが無ければ、これはやっぱり三角関係でしょう、と思いました。
人生は何度でもやり直せるし、未来の選択肢も無限だよ!という人生読本でもあります。

3

第4話の扉絵が好き

感動はいつも遅れてやってくるんですよ、なぜか。

恋煩シビト先生の作品って、読んだ直後はへーと思うんだけれど、しばらく経ってから突然天啓のようにズガーン!と降りてくるものがあるんですよね。なんでだろ笑?

最初は古典的な設定だなと思って読んでいました。二人の男の間でよろめく美青年(冬真)の心の動きとか、男を抱く無謀なバイトに応募するノンケ大学生(丈一郎)の軽薄さ、みたいなキャラ付けに目が行きがちでしたけど、これ、海堂先生のお話なのかも…って思ったら急に泣けてきた。

これまでのシビト的トライアングルだと、誰かが犠牲を負うような、どうにも出口が見えない曖昧エンドになりがちでした。だけど今作では、海堂先生が冬真を愛しているからこそ、丈一郎に託すんだ…って思ったら、、、じーん。

家庭でも学校生活でも孤独だった冬真は、海堂先生と出会って救われたのに、その海堂を事故に遭わせてしまった(と思い込んでいる)自責の念に駆られています。海堂は彼をモデルにして絵を描くことで擬似的に「愛し合って」いたけれど、きっと早い段階から、いつかは冬真を思い込みや罪悪感から解放してあげなければと葛藤していたような気がする。

海堂が冬真に抱いていた愛は、二人が出会ってしまった時から恋人同士のものとはちょっと次元が違ったのではないかなと感じています。もしあの事故がなかったら…。4年が経った今ではもう、過去の負い目やわだかまりが二人を結び付けている時間はすでに臨界状態にきていました。海堂は教師の立場で冬真に恋をしてしまった彼自身の罪悪感、そして冬真の望みを叶えられない自分の無力感からも解放されたかったんじゃないかと思う。

それまで海堂が冬真に抱いてきた思いは、まるで子供が独り立ちできるまで見守る親の愛情のようにも見えます。もちろん、出会った頃の恋の名残りを伴ってもいるのだけれど、、終始彼はネガティブな感情を見せないので、全て妄想ですが笑

冬真が丈一郎に惹かれていくのをしっかりと見届けた後の、海堂先生の心中はわかりません。彼が夕暮れ空を見上げた時の表情から読み取ることでしか。

丈一郎が三枚目路線を貫いてくれたお陰で、冬真だけじゃなく海堂も解放された二人の関係性はとてもポジティブで晴れやかです。そう受けとめられるのは、海堂先生の大きな愛っていう視点があってこその新境地でしょうか。『三色混ざれば黒になる』からここに辿り着いたかと思うと、じんわりと込み上げてくるものがありますね…。

お気に入りは線香花火のシーンと、射的の景品です。

ちなみにわたしの中では幸せになった丈一郎はもうどうでもよくて笑、海堂先生推しなので、シビト先生どうか彼のことをよろしくお願いします!

3

すごく温かい愛の話

まず正直に言います。
当方シビトファンなんですが、本作は攻めの丈太郎があんまりかっこ良くないな・・・と思ってたので(下瞼は描いてほしい派)、元々買おうとは思ってませんでした。
でもあまりにも海堂先生がくっそイケメンで半額だったので迷わずポチリ。

結果、いやぁ~えがった!
海堂先生めちゃくちゃカッコええやん・・・も~それだけで元取れた。

「あの素晴らしい愛をもういちど」ではそれまでのダークな作風(闇シビトと勝手に呼んでる)とはガラッと変わり、昔のトレンディドラマのような、温かい気持ちになるような作品(白シビトと勝手に呼んでる)を描かれるようになったシビトさん。
本作にもその路線が反映されていますが、3Pでも三角関係でもないという(←海堂先生の感情は慈愛、受けの先生への感情は憧憬だったのではと個人的には感じたので)ザ・シビトワールドは健在。
でも闇シビト作品みたいなドロッドロはありません。
3人とも好感の持てるキャラで、(えろえろ要素も含みますが)すごく温かい愛の話でした。

それに攻めがかっこよく見える瞬間がちゃんと要所要所にある。
受けは常に美しい。可愛い。体格もちゃんと男でよい。

最初は「海堂センセこんなに金持ちなのおかしいやろ・・・」とも思ったけど、佐伯かよのさん著作「あき姫」を履修済みの私は「売れっ子画家はそれぐらい持っとる」ときちんと理解しますた。
でもでっかいお屋敷がバリバリの洋館なのに館内裸足で歩き回れるのはちょっとどうかと思うw

海堂先生でぜひスピンオフを!シビトせんせおねしゃす!

0

美しいきみの可愛い笑顔が見たいから

恋煩シビト先生の大ファンです。

『僕の愛人を抱いてほしいんだ』…このフレーズに激しく期待が!
読んでみると、切なくて、苦しくて、甘くて、優しくて。
従来ならば。
閉じた関係の海堂先生と冬真の淫靡な世界に巻き込まれて、これまで普通の生活をしていた丈一郎も愛欲の3Pに堕ちていく…みたいな。
もちろんそういうのも好きなんです。いや、そういうの「が」好きでした。
なんとも言えず淫靡で、薄闇の中で爬虫類のように絡みついてくる美しく妖しいおとこたち、そういうシビトワールドに惹かれ続けているのは確か。
でも最近の光に向かうような新生シビトワールドもなんとも言えず良い!
本作も、丈一郎の発する「陽の気」というか屈託ない明るさが、思い詰めていく冬真を日の当たる場所に引き上げていくような。
冬真の表情もアンニュイな空気から年相応の楽しげな笑顔がのぞいて、その笑顔で海堂先生も目が覚めたのでしょうか。
本当はね。
冬真は海堂先生相手でもあの笑顔が出たと思うんです。
なのに先生の方が、自分は抱いてあげられない、という方向にばかり向いていたから冬真も寂しい表情になってたんだと思うの。
冬真を手放す決心をした先生の方も心の転機があったんでしょうね。冬真のあの笑顔が本当に可愛くて愛おしい…心からそう思えたのでしょうね。
閉じた部屋の扉を開けて、明るい外へ踏み出していく…そんな印象の物語でした。
本当にシビト先生、病み系から転生されたのですね。
レビューを全て読まれているとのこと。これはシビト先生へのラブレターだと思ってください。キモファンより。

10

夏の終わりとともに、彼らは。

個人的に三角関係の話を読む時、愛されているひとりが、残りのふたりの間で揺れ動く心の描かれ方に焦点をあてますが、今作については海堂先生が何を考えているか、どう選択するかばかりが気になっていました。

■榊丈一郎
ドルヲタ大学生。何事にも勉強熱心。
垢抜けない地味顔だけど、閉鎖的な地元民のオバチャンすら笑顔にさせてしまう人懐っこさと明るい素直さ。

■冬真
海堂の絵のモデル兼愛人(処女)
高校時代、内向的な自分に居場所をつくってくれた海堂に心を開く。
儚げな美しさと無邪気な子どもらしさをあわせ持つ天然系美人。

■海堂
元高校の美術教師、画家。
「月収300万」のバイト立案者。
男としての想いと教師の立場の狭間で揺れている時に災難に見舞われ脚が不自由に。

自由に歩くこと、仕事をすること、愛し愛されることが、どれほど得難いものだったかを静かに実感しながら選択した結末は寂しさを伴いながらも溌剌としていて大人で素敵な人だなぁ…と思いました。
どうか、歩き出した先で唯一無二の人が見つかりますように。

■あらすじ
推し活のために応募した妖しげな高額バイトは脚の不自由な海堂から「自分の愛人(男)を抱いてほしい。
」というもので…。
裏表紙のあらすじを読んだ時は「フェチ!NTRフェチ!爛れたフェチ!」とふんすふんす(o´д`o)-3しましたが違いました←

ベッドの上だけでなく、一緒に過ごすうちにお互いに好意を抱くようかななった丈一郎と冬真は、海堂の視線のないところでも愛を交わしあいます。
屈託のない笑顔を見せるようになった冬真。
そんなふたりの様子を察した海堂が選択した答えは…

自分だけが取り残されるような寂しさを感じていた海堂先生も、翳りのない丈一郎に出会ったことでパワーをもらえていたんですよね。
一歩踏み出すことを決意する横顔の清々しさ!

変わっていく(自分が引き出しきれなかった)冬真の笑顔を絵として残すって画家ならではの愛情表現ですよね。
いろんな顔を見せて欲しいという願いは叶えられたんだなぁ。

明るい丈一郎が海堂を優先する冬真をみて表情を曇らせる場面もあり、物事の二面性が引き立てられていました!

夏祭りの楽しさを夕立が洗い流して次の新しい季節を連れてくるようなお話でした。

秋でも冬でも春でもいいので海堂先生に寄り添う季節のスピンオフが読みたい~!!

5

お耽美な空気感漂う作品、だが。

作家買い。



大学生の丈一郎は推しアイドルに貢ぎまくって金欠。そこで彼は怪しいと思いつつ1か月で300万の報酬がもらえるというバイトに申し込むことに。

指示された場所に赴くとそこは辺鄙な山奥。
そこで丈一郎は見目麗しい冬真という青年と、冬真に「先生」と呼ばれる車いすに乗る海堂という名の男性に出会う。バイトの雇い主は海堂。そこで海堂に説明されたバイトの内容は、愛人である冬真を抱いてほしいというものだった―。

恋煩さんは、その絵柄とストーリー展開が凄くお耽美な感じがする、っていうのかな。怪しい男性と、彼に囲われる麗しい男性。そして、愛人を抱くために雇われた若き青年。

ほほう…。
お耽美やないですか。

とテンション高く読み始めました。

海堂が冬真に「先生」と呼ばれているその理由。
海堂が車いす生活を送っていること。
そして、なぜ丈一郎が冬真を抱くために雇われたのか―。

そこが少しずつ見えてくる。
先生と冬真の関係は、外から遮断された密室の中の関係、っていうのかな。お互いにお互いがいればいい、という。それは見方を変えると非常に歪で危うい関係なんですね。

そこに丈一郎という天真爛漫な男性が加わることで、彼らの危うく保たれていた関係が少しずつ形を変えていく。

丈一郎の視点で進むからでしょうか。序盤は思いっきり丈一郎に感情移入しながら読み始めたんですよ。でも、先生と冬真の過去が見え始めてきた途端に先生が気の毒すぎて…。

冬真は先生を選ぶのか、それとも丈一郎を選ぶのか。
そこに向かって進むストーリーで、冬真の選択に萌える方は多いと思います。ほの暗い雰囲気がドツボ過ぎる序盤でしたが、後半に行くにしたがって健全な空気感になっていく。

が、個人的にはお耽美を突き詰めてほしかったな、と。これ、もう完全に好みの問題です。はい。

愛しているからこそ手放した。
その「彼」の想いに激しく萌えはしましたが、お耽美を突き詰めてほしかったな、ということで、☆3つです。

10

ハピエンかもしれないけど…

始まりは刺激的な期待を煽る感じで、ついポチってしまいました。でもどこまで読み進めてもメイン三人の誰にも共感できず、なんだかよく分かりません。
高額バイトに応募したドルオタ主人公の丈一郎は、雇い主である先生の愛人(男)を抱くことになります。で、ヤリまくって爛れた日々の中で冬真に惚れちゃうわけですが、冬真は当然ずっと先生を気にかけています。
それでも冬真が丈一郎に惹かれていくのはよく分かるんですが、これが下手な不倫なんかよりよっぽど嫌な気持ちになってしまいました。冬真の先生への気持ちの中に、先生の足を動かなくした責任感が混じってるのも一因かもしれません。
冬真と丈一郎がくっつくのは先生の思惑通りではあるんですけど、冬真の心変わりが何か軽いというか…。先生が恋人にしてくれないから優しくしてくれた丈一郎に乗り換えたように見えなくもないんですよね。丈一郎は純朴な善人だけど、鈍臭くて男としての魅力ゼロだったので、余計にそっちを選ぶんだ!?と思いました。
身を引いた先生の愛の形は辛すぎだし、ダサ男丈一郎はただのイイとこ取りだし、冬真にはもう少し先生への愛を貫いて欲しかったです。ハピエンなのに読後感の悪い作品でした。

8

清涼感のある三角関係

 こういう三角関係は大好物なので、シビト先生の画で読めるということでテンションが上がりました。恋人ではなく飽くまで愛人関係だという海堂と冬真。いかにも長年爛れた関係を築いてきたように見えるのに、その実2人の関係はとてもプラトニックで。海堂がもっと悪どい人なのかなと予想していましたが、彼は教師時代も最後まで冬真に手を出しておらず、本当に誠実な人なんですよね。

 見た目に反して真っ新な冬真を抱くことになった丈一郎。彼もまだ20歳の学生で経験豊富ではないでしょうから、体の関係を持ってしまったら惹かれずにはいられないでしょうね。もちろん、冬真を外に連れ出した時の心から楽しそうな笑顔にも惹かれたのだろうけど。正直、最後は綺麗にまとまり過ぎたような気もしなくはないんです。海堂がもっと冬真に執着を見せたり、丈一郎が海堂をまったく気遣わずに冬真を攫ったり、という展開も想像していました。けれど、海堂も丈一郎も本当に他人に対して誠実で思いやりのある人だったんですね。最初は暗めの話を期待してしまいましたが、読み終わったらこの3人にはこの結末がやはり相応しかったのだと納得しました。

2

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