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運命なんだよ。おれたち絶対。
sankakumado no sotogawa wa yoru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『さんかく窓の外側は夜』の10巻にして完結編。
完結編、ということで、いよいよ「先生」との決着に焦点が当たった巻でした。
ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意ください。
三角くんたちが追ってきた「先生」。
先生、その人物は、三角くんの―。
以下壮大なネタバレがありますのでちょっと下げます。ネタバレ厳禁な方はここで回れ右でお願いします。
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「先生」。
彼が三角くんのお父さんだということを、三角くんが知ることになりました。
「先生」が、三角くん、そして三角くんの母親から離れた理由。
彼が弱かったから。と言ってしまえば簡単なのですが、人間てそんなに強くないよね。彼は彼なりの葛藤を感じ、苦悩し、けれど離れることにした。彼のその決意が客観的には間違いだったとしても、妻に対する深い愛情があったから、ですね。
不思議な力を持つ人ならではの孤独と苦悩が描かれていて、なんとも切なかった。
そして、すべてを知った三角くん。
彼は強い。
愛を知っている人間は、自分を信じてくれる存在があることを知っている人間は、強い。
そして、三角くんはその強さで、父親と、そしてもう一人の人物を救いに向かいます。冷川さんです。
冷川さんを冷川さんとして成り立たせていたもの。
切なかった。
彼を守っていたものが、「そういう」感情だったことが。
「自分」を守るために、子どもだった冷川さんが身に纏った鎧が。
けれど彼は彼の強さでもって少しずつ克服していたんだなあ…。そして三角くんと出会ったことで、彼は救済されていく。
最後に三角くんが冷川さんに告げるセリフ。
鳥肌が立ちました。
二人は、二人でいてこそ、一つなのかも。ジャンルとしては非BL作品として区分されてはいますが、この関係に名をつけるのであれば「愛」なんじゃないかな、と思いました。
けれど救われたのは冷川さん、先生、英莉可ちゃん、だけではなく、三角くんもだったのだと。彼もまた、冷川さんと出会い、英莉可ちゃん、迎さんたちと出会い、彼は自身の持つ能力の活かし方を知った。知ったことで、恐怖だけではなく様々なことも、知っていく。
最後の最後まで、さまざまな、そして深い愛情を描いた作品でした。
三角くんのお母さんに、心からの敬意を払いたいと思います。
1巻が始まった時、におい系だったことで興味を引かれたことは否めない。
けれど、そこから始まった深いストーリーに最後まで心鷲掴みにされっぱなしの神作品でした。
そして特筆すべきは表紙ではないかと思います。
1巻から並べて拝見すると、その奥深さに驚かされます。
今シリーズは完結を迎えましたが、除霊もの、バディものとして続編が描ける作品ではなかろうかと思っていますので、いつかまた、彼らに逢えることを願っています。
1巻を初めて読んだ時のインパクトが凄まじく、とても思い入れのあるシリーズになりました。キスしていない、セックスもしていない、もちろん告白もしていないという意味では確かに非BL。でも、ヤマシタ先生自身もSNSで仰っていたように、このシリーズは愛の物語なので、そういう意味では間違いなくBLなのです。私にとっては最後まで100%BLでした。体の関係や分かりやすい愛の言葉以外のもので繋がっているからこそ、むしろ普通の恋人達よりも強固な絆を得ることができた2人なんじゃないかと思います。
このシリーズの根幹にあったのは、2つの憎しみでした。三角の父である先生の憎しみと、冷川の憎しみ。三角の母親との出会いで初めて綺麗な世界を知った矢先、生まれた息子が自分と同じ性質を持ってしまったために、息子を追い出すわけにもいかず自分が彼女から離れなければならなくなった彼の絶望がいかに深かったか。彼も息子を恨みたくなどなかったでしょう。でも、彼女にすべてを話すという選択肢が思い浮かばなかった。それは彼の今までの孤独な生き方の結果なのかもしれません。ただ、彼が元々愛情深い人だったからこそ、憎しみもより強くなったんじゃないかな。彼のやってきたことは褒められないけれど、彼の中にはまだ壊れていない部分が僅かにでも残っていて、更生の余地はあると信じたいです。
そして、冷川のトラウマ。幼い頃に長年あんな部屋に閉じ込められ、健全に生きている母親から「私はあなたの母親じゃない」と切り捨てられる絶望。先生と違って憎しみが生まれた時の年齢を考えれば、本人にすらコントロールできない強い憎しみになっていたのも頷けますね。運命という洗脳。自分の母への憎しみは消えないという思い込み。世の中は搾取するかされるかの2択で、自分がずっと縛られてきたから欲しいものは縛り付ける以外にやり方を知らない。冷川の持って生まれた素質ではなく、誰しもあんな経験をすれば彼みたいになるのかもしれません。彼をあんな目に遭わせた大人は本当に罪深い。
けれどその後、彼は半澤に救われ、惜しみない善意と懐の深さを持つ三角に出会い、なんだかんだ言いつつも親身に寄り添って対話してくれる迎にも出会いました。最後に救い上げたのは三角ですが、半澤、迎の力も大きかったと思います。特に、幼い冷川にとって、半澤の存在は無意識の内に支えになっていたでしょう。その上で、他の誰よりも冷川を救いたい、彼と一緒にいたいという熱意を持った、三角が抱き起こしてくれた。好きという台詞なんてどこにもありませんでしたが、そんな台詞ではこの2人の関係性は言い表せられないと思います。お互いなくてはならないことを心から理解している、それで十分ですよね。冷川が自分の本心に気付いたシーン、自分が長年見失っていた感情をようやく悟る、ここがゴールだったのでしょう。生まれ変わった冷川×三角コンビのこれからに、想像が膨らむ結末でした。
こんなに幸せな読後感になるとは。1000%いい意味で予想を裏切られました。
誰ひとり「悪人」がいなくて、シビアな境遇のキャラが多い中、人の優しさを感じました。みんな芯が強くて、たくましい。
構成、人物配置も見事で、色々な歯車が噛み合い、最少人数で全て綺麗に回収したなと。
全キャラ愛しすぎる。三角くんと冷川さん、英利可ちゃんと逆木さんコンビはもちろん、系多くんの話し合う姿勢が、一年もの対話に繋がったり、半澤さんの立ち位置が霊能者たちに効いたり。全員にしっかり縁が繋がっているところが、大好きです。誰が欠けても成り立たない。三角くんと英利可ちゃんの、それぞれのお母さんも素敵。先生も、愛ゆえにというのが胸にくる。人間関係が美しく、ヤマシタ先生のおっしゃっている「10冊通しての馴れ初めを描いたBL」に納得だし、そこに限らず全体に愛情が溢れていました。
人と違うことへの孤独、親や幼少期の環境への息苦しさを扱いつつ、その描き方や視点に作者の優しさが滲んでいるように感じました。私自身、育った環境に未だ整理のつかない気持ちを抱いているので、そういった描写には厳しめな自覚があります。しかし、このお話は彼らの向き合い方、行く末を見守るうちに、不思議と心が軽くなりました。
また、冷川さんと半澤さんとの回想。白いパネル張りの壁との対比で、マス目をひらがな(外の世界で学んだ言葉)で埋めていく演出が、やりとりと相まって泣けた。
1話と最終話の「怖くなくなる」の逆転も、震えました。
独特の空気感、繊細な表情、台詞回しのセンス。感情描写。さまざまなものに魅せられてここまで読んできました。ページをめくるのがもったいなくて、1冊を2回読んでから次の巻へと、じっくり読みました。
これは、私にとって紛れもない名作です。
素晴らしい作品に出会えて、幸せに思います。
切ないなあ…、が読み終わった後の素直な感想です。三角と冷川の物語もすごくすごく良かったけど、三角と母親との物語に泣きました。母の苦しみを理解している良き息子な三角に感動です。
“先生”はやっぱりよく分からなかったかな。その憎しみがここまで大きなことになるの?って分からない。まあ自分の子供を消したいと考える親の気持ちなんて、理解できないのが正解なのかもしれないけれど。
そして冷川救出に向かう愛の戦士三角!三角の中でこんなに気持ちが育っていたなんて…三角から「運命」って言い出すとは思わなくて驚きました。冷川は無事に人間になれたようで良かったです。契約を消された後の放心顔が最高でした!
事件が片付いてからも三角はメガネをかけなくなってて、冷川は普通に仕事に向かう様子で、霊能力?に影響はなかったってことなのかな。これからもクライアントにお察しフェイスされながら、元気に二人でお仕事して欲しいと思います。
読み応えたっぷりの面白すぎる作品でした!
表紙からして希望の予感!
一冊でどうやって収集つくの?と勝手に心配してましたが、さすがです!
全てを描写する必要ないんですね。一コマでも一言でもわかる、伝わる!
もぉ〜三角、本当に良い子に育ってくれてありがとね(泣)
お母さんの大きな穴、冷川の心の空室、君さえいれば!だよ。
宝箱のところは、あーこの人もそんなことを…と微笑ましかったのに。自分だけ救われたかった、お前のせいだ!な憎しみが消しても消しても残って燃料になっちゃったのかな?
冷川。三角があんなにまでして助けた命、大切にしてね。自由になって!一人じゃないってわかったよね?
俺といれば怖くないぜ!
お父さんのその後も気になります。その後どころかお母さんと出会う以前やお付き合いの様子も。いつか出ないかなあ。
先生は妻のために置いて出たって言っているけれど、そもそもが、妻を自分の物だと思っているような、そもそもが他者を利用するような考え方から成長できていない人だったのが問題だったんだろうと思った
身勝手な考え方をする大人に三角も被害を受けていたんだ
冷川の可哀想なのは本当に可哀想で可哀想で、でも半澤が助け続けたことで救われていたってこと、良かった
英莉可も、逆木が道を間違えてしまっただけのまともな人で良かった
お母さんが娘のために勇気を出せて良かった
冷川のお母さん、特別な力を授かった存在だからああいう風にするのが正しいって本当に思っていたんだろうね
自分が産んだのに心のある、育てなければいけない人間の子供だと思わなかったのね
迎が愛を知る人で、人間を愛するって接し方の元に1年とも感じる時間を冷川の説得にかけたこと、その愛が冷川にも伝わったことがもっと年月が経って、冷川がもっと言葉を知って解る日が来ると良いな
三角にただ側にいて欲しくて、三角は側にいあげたくて、だから2人は運命なんだって
三角は冷川の愛の戦士だから一緒にいたら怖くなく生きていける
もうめっちゃくちゃ泣いちゃった
BL誌で始まった非BLがまさか10巻も続く長編になるとは思いもしませんでしたが、美しく【祝・完結!】です。
愛と救済、というより、愛“で”救済の大団円でした。
最初に冷川さんが三角くんを誘った時に使ったあのセリフが最終巻でまさかこんなふうに回収されるなんてね( ´艸`)
「愛〜〜〜〜〜♡」って叫びましたよ思わず心の中で。
愛は呪い、なんて言ったりもするけどさ、そうじゃないんだよな本来はやっぱり。
愛は愛だし、呪いは呪い。
歪んだ時点でそれは愛じゃなくて呪いなんだよ。
呪いはどんどん祓って行くべき。
なんかそんなことに改めて気付かされたお話だったなと思います。
「さんかく窓の外側は夜」
「さんかく」は六芒星(籠目)かな?つまりは魔除けかなー?とそんなことを2巻時点でレビューしていたんですけれど、「夜」が何を表しているのか読み続けてもずっと分からなくて。
私自身は昼よりも夜、光よりも闇を愛する万年ダークサイド中二病人間なものですから、夜=怖いイメージが全く頭になかったのがアレでしたね、、、
何も見えなくて、自分の形さえ認識できない真っ暗闇。
「怖い」概念の象徴かな。
「夜」に込められていた意味はそんなものでしょうか。
ここからは本作じゃない作者の作品も絡めて、ずっと思ってきたことを書いてしまうんですけれども。
2014年に本作が始まって、後から女性誌のFEEL YOUNGで「違国日記」という作品を描き始められて、両方読まれている方はご存知だと思うんですが、どちらも“呪い”がテーマなんですよね。
「さんかく窓の外側は夜」が始まった頃はまだそんなに“呪い”ってキーワードがピンとこない世の中だった気がするんですが、それからの数年でわりと世界が前向きに変わりつつあって、呪いを解く作業が運動的に行われるようになって(SNSの影響はすごく大きいと思った)、、、というそんな中で、女性誌で女性キャラを主人公に女性読者向けに描かれる「違国日記」はすごく解りやすいなと思いながら読んでいます。
その一方で、BL誌で非BLという特殊な形を選ばれたこちらは、愛が概念で、呪いも概念で、概念と概念の丁度いい落とし込み先としてホラーを選ばれたんだろうなと思うのですが、そもそも霊の正体が実体(と言うのもおかしいけど)じゃなくて概念ですし、そこにBLも匂わせ(つまり概念)なもんですから、「違国日記」のようにはスルッと読めなくて難しかったなぁと。
BL誌なら前半のバディもので通す方がシンプルに萌え訴求で良かったんでしょうけど、きっとヤマシタ先生が描きたいのはそこじゃあないでしょうね。(・・・ってのは「違国日記」を読んで思いました。)
これからアニメ化される予定ですが、どんな風にされるのかな。
実写化は演者さんのネームバリューで乗り切った感があるので、アニメはまた違ったものが見られることを期待しています!
ついに完結巻。
で、がっくりきてる。
これで終わり?
これで10巻費やした?…
私はずっとオカルト/ホラー作品としての期待で読んでいた。たとえ作者様がこれは愛の物語と言い始めてたとしても、私はそこに重点は置いてなかった。
で、そうやって期待して読んでいたオカルト/ホラーとしての満足度はどうだったのか?
私が好きなテイストは「薄気味悪さ」。これは3巻4巻5巻と面白さが上がったり下がったり、そして表紙が白くなった6巻から、恐怖の対象から英莉可が降りてから、急激に…言い方ごめんなさい、つまらなくなった。
はじめ、英莉可は正に心霊テロリストさながら恐怖の真髄だった。なのに。
英莉可の行う呪いの気味悪さ、それは結局なんだか訳がわからず、先生はラスボスなのに何がしたかったのか。真髄が見えなくなった。
そして絵柄。
背景の白さは登場人物の心の空白の意味なのかもしれないし意図した演出法なのかもしれない。プロの漫画家の技法は私にはわからないけど、とにかく画面が白すぎに感じた。
良かった所は、三角が母親からの愛を正しく受けて育ち、ごく自然に冷川を救う存在になるところ。
性善説というか、後味が非常に良い。
本作に高評価をつけている皆様のレビューを読んで、そうかこういう観点で読めば良かったのか、と目を開かれました。私はこの作品を読み間違えた…
(ただし。
一介の読者としての「私」がBLや愛情の視点よりオカルト視点を選べる時点で、この作品のBL/愛の物語度の薄さはあったと思う。BLファンではない読者の意見を読んでみたいものだ。思うに、どっちつかずだったのでは?)
映画がとても気になっていたのですが、このご時世で観に行けてません。
TVアニメ化決定だそうですが、内容が難解なので万人受けするのか気になるところです。
やっと完結しましたが、なんだか駆け足気味だったようで、置いてけぼりを食った感じがしてなりません。9巻までが盛り上がったかな?
結果的にはやはり仲間がいた三角が一番強かったと思いました。強いという言い方も変ですが。
一番分からなかったのは三角の父親の先生です。
何故あんな事をしでかしたのか、私には理解出来ませんでした。三角との会話を読んでいても、人を呪いで殺してまですることでも無かったと思いました。
三角を厭う理由も、無理矢理感があったように思います。
普通に冷川と三角のコンビで、心霊現象を解決するお話て良かったのではないかと思ってしまいました。
前半は、三角たちが対峙してるものの正体が不気味で、絵的にもホラー要素あって面白かった。
中盤以降から、話の方向性が見えてきて、冷川さんの過去に繋がっていく。
三角は困難に正面から立ち向かっていくヒーローで、過去に囚われていた冷川さんを救い出す。冷川さんの過去の事件が重いわりに、その救済部分は意外とあっさりしていた。
除霊のシーンなど、BL的に見ることもできるけど、描かれてることはもっとヒューマンストーリー寄りな感じ。
距離が近い男性同士の物語を読みたいという方には、ちょうど良い塩梅の作品だと思う。