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ask me why
アムステルダムを舞台にした、日本人2人のBL。
雲田先生のお表紙からして、もう哀愁感が漂ってきて、切な系BLなのかなと思ったら、たしかに切なさはありましたがとても繊細な純愛BLが丁寧に描かれているように思えました。
あと、既存のBLレーベルではないせいか、人と人との恋愛が自由に描かれていて、後半で「僕」が港くんとの関係をはっきりさせておきたくなったときに関係を尋ねて、「セッ…しなくても一緒にいられる関係」的な返答があったのに、個人的にはキュンとしました。
普段、えちありきのBL小説を読みなれているせいか、とても新鮮というか。
そうだよ、恋ってこういうのもありだよ!! とハッとさせられましたし、結局最後まで致さず、2人はそれぞれの道を円満に進もうとする、決してメリバではなく、希望の持てる余韻エンドがとても良かったです。
あわよくばいつか、その後の2人を読んでみたい。
そう思えた1冊でした。
BLソムリエアンリ54世氏がYouTubeで紹介してたので読んでみましたなんと、この作品、何故にBLレーベルではない?と言いたくなるような作品。ブロマンス寄りのBLという感じです
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お話の舞台はアムステルダム。彼女とオランダに移住した主人公が彼女に振られ破局し、1人で鬱々と飲食店の仕事をしながら生きていたある日、不祥事で芸能界を引退した港に出会い、主人公の日常が港を中心にガラッと変わり始めます(ᯅ̈ ).。o
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俳優時代に唯一の親友にハメられ(?)俳優生命を絶たれアムステルダムに行き着いた港君。傷心した彼の心を癒したいと思う一般人のヤマト。ヤマトの港を思うこの気持ちはただの有名人に近づけたと思うミーハー心や優越感なのか。それでも港にとって嘘偽りなく港自身を受け入れて寄り添ってくれるヤマトに港は心を許し始めます
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自分は港が『俺のこと絶対裏切らないって誓える?』みたいなシーンで『わかりません、人は変わるものだから、でも今港君の力になりたいと思ってる。それじゃダメですか?』といったところ好きだった。(ざっくり記憶だけど)嘘をつかれて傷心した港だからこそ安っぽい『yes』を言わず、わからないと言う港いいね。
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お前も俺を理解してくれないのか、のところの、理解できるわけないじゃないですか。ただ港君に幸せになってもらいたいだけです。も良かったなあ
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この作品の冒頭で、悲しい話なんかな。と見せかけて、最後でそういうことか〜。というハッピーなオチも良かったです。オチから冒頭に繋がるやつですね。一般小説枠だけど、だからこそ図書館とかで借りれるのでオススメできるなあと思いましたふたりの中に流れる恋人とも友人ともいえる甘すぎない空気感が良いです。
ずっと気になっていた作品、やっと読めました。
非BL作品ということですが内容はしっかりとBLだと思います。
でも恋愛の部分だけを記しているわけではなく、さまざまな感情を織り交ぜたストーリーになっているという点で非BLなのかなと感じました。
港との出会いでヤマトの日常はこれまでと違うものになったけれど
それが必ずしも恋愛に繋がっているわけではない、というのが美しかったです。
例えばこれが、港に恋をしたことでこれまでの何ら変わりない毎日が楽しく思えるようになったヤマトの話だったら…
ここまで心を動かされることもなかったでしょう。
日本での暮らしに不満があったとしてもそれなりの安定を捨てて移住する決断は簡単ではなかったはずで
その支えになっていた元カノにも結局裏切られてしまい、異国の地での慣れない暮らしに心も折れかけて…
港に出会うことがなければ腐ってしまったかもしれないな、と。
そんな日々の中で彼との出会いがヤマトの中で一歩を踏み出すことへのエネルギーとなったのが素晴らしかったなと思いました。
繋ぎ止める愛や永遠を求めるのではなく、その時その一瞬を大切にしたいと思うヤマトの心が痛いほどに伝わってくることに感動し、そして何だか無性に泣きたくなりました。
愛する人と離ればなれになるかもしれない時に、冷静にそっと背中を押すことはなかなか出来るものではないから。
港もヤマトがいるからこそ、また踏み出そうと思えたのでしょうね。
支えになる相手が居るって心強いものなんだな、としみじみ思いました。
終始ヤマト目線で進んでいくお話の中で港の気持ちがわかるものが
タイトルにもなっている曲だというのが本当に上手いな、と。
ぎゅっと心を掴まれて、更にこの作品に引き込まれたのを感じました。
とても美しくて、でも現実的な苦しさもきちんと伝えてくれるようなとても素敵な作品でした。
あの古市さんが書く恋愛小説ってどんなの?
表紙が雲田はるこ先生なの?
めっちゃ気になるやん!って事で買った、のに積んでた本。
やっと読んだら、めちゃくちゃいい話じゃないかーーーー!泣いてしまった。
薬物疑惑で芸能界ドロップアウトした若手俳優 港くんと
付き合ってた彼女にオランダ移住しようと言われてついて来たのに、浮気されてここに居る意味見失ってるヤマトくんのお話。
あるキッカケで2人は出会って積極的な港くんのおかげで急速に仲良くなっていく。
港くんはゲイ、ヤマトくんはノンケ。
だけど、キラキラ芸能人オーラのある港くんに
ドキドキしっぱなしのヤマトくん。
一緒に居ると楽しいし、バイトあるのに港くん優先して当日欠勤してしまう事しばしば。
この気持ちは、恋愛的な意味じゃないって何回も自分で確認してる。(不安になってる時点でラブの意味で好きだよ)
セレブと一般人の非日常なストーリーって
ふと、ローマの休日みたいじゃね?って今思い浮かんだ。身分違いの恋的な。
切なさは同じだけど、このお話の結末の方が未来がある感じで私的にすごく好みでした。
反響によっては、続編もと言われていたそうで是非続き書いて欲しい。
古市さん、ワイドショーに出られているだけあってその体験や感じられた事をお話に組み込まれているのかなって思いました。
あと、他の小説に比べて時事ネタや固有名詞、作品名、ブランド名がとっても出て来たのもびっくりしました。確かに、どんなブランドを身に付けてるかでキャラクターがわかりやすくなったり、曲名でイメージ膨らんだりするかぁーと思ったり。
読んだ後に、ビートルズのアスク・ミー・ホワイ聴きながら歌詞見て更にジーンときました。
映画化してくれないかなー。
めっちゃ観たい。
勝手に港くん誰がいいかはもう考えてます。
出版時から気になっていた作品でしたが、やっと読めました。
TVで見かけるあの方が作家さんとは知らなかった。(本業は社会学者だそう)
雲田はるこ先生が好きなので表紙も大変お気に入りです。
非BL作品ですが、中身はガッツリ男性同士の恋愛のお話でした。
物語の始めから、相手の港が遠く離れた場所に居る存在であることや会えて良かったと過去系で書かれていて、これは失恋のお話なのかも…とちょっと心がザワザワ。
文章はとても読みやすく、難しい単語などもなくスイスイ読み進められました。
アムステルダムには行ったことがありませんが、冬の厳しさや建物の古さ、夏の日の長さなど想像しながら読むのが楽しかったです。
ヤマトと港は他人から友人へ、友人からゆっくりと恋人関係になります。
普段BLを読み慣れてる者としては、非常にもどかしかったです。
早く恋愛関係になってくれーと思いながら読んだので、かなりページを捲るのが速くなってたと思う。
ヤマトの目線から感じられる港がとても美しくスマートかつセクシーで萌えました。
あまりに美しい造形をしていて、いい香りがして、フレンドリーにされたら同性であろうが好きになっちゃうよね、わかるよ〜などと頷きながら読む。
港の言動に一喜一憂しちゃうヤマトがとても可愛らしく思えました。
港目線では語られないので、ヤマトの事をどう思ってるのかなかなか分からなくて、もどかしいし不安でした。
俳優をするくらい素敵な男が、本当にヤマトを好きになるのかなって。
こんな不安が最後まで残ったままだったんですが"ASK ME WHY"の歌詞の和訳を読んで一安心。
良かった、港はまたアムステルダムに帰ってきてまた一緒の時を過ごせるねと思えました。
「あらゆる関係は永遠ではない」のだけど、「それでも誰かをずっと愛してみようと誓う」の言葉が切ないような温かいような不思議な余韻を残す作品でした。
作家さんと作品テーマが気になって読みました。
ヤマトの目線で紡がれるアムステルダムの街並みは、行ったことのない場所なのにどんな風景か想像できてしまう、そんな文章でした。
このような言葉で表現するのはあまり良くないと思いますが、ヤマトくんはとても日本人らしい日本人の青年です。
偏見の目に晒されることを恐れ、自分が人を傷つくことを恐れ、また傷つけられることを恐れる。
アムステルダムという土地で1人逞しく、とまでは言いませんが彼なりに自分の人生に言い訳をしながらも努力をして、1人のありふれた、普通の日本人(異国の人間)として生きていました。
そんな彼の目の前に現れる湊さんは、職業柄もありますが、彼に無いものばかり持っています。
でもそんな彼にもないものは沢山あります。
お互い自分自身に不満があって、それでも言い訳して、そうやって言葉を交わして、少しずつ距離を詰める。
空気を読む、察する、を美徳とする日本において、言葉の大切さがすごく伝わってきました。
非BLということで商業BLをメインジャンルにしている人には少し手を取りづらい作品かと思いますが、買って、読んで絶対損は無いです。
アムステルダムという、想像もつかない異国で過ごす、彼らの日々をぜひ読んでいただきたいです。
BLじゃない本を探していて、カバー絵が素敵すぎて買ってしまった作品です。
個人的に冒頭で結末を匂わせるような描写がある書き方はそれに捕らわれて好きじゃないのですが、切ない思いを持って読み始めました。
薬物スキャンダルとゲイ疑惑で芸能界を去ったイケメン俳優の港と
彼女とアムステルダムに移住して相手の浮気で振られたレストラン勤務のヤマトがだんだん恋をしていく過程が素敵でした。
ヤマトは、大学入試からずっと思い通りにならない人生に後ろ向きで、同棲していた恋人をイケてないオヤジに寝とやれたことを恨みに思う根の暗そうな青年というイメージでしたが、港と出会ってからの心情が恋する乙女チックでかわいらしかったです。
ちょっといいレストランで待ち合わせたときに、ブラックスーツで現れた港を見たヤマトが胸きゅんした後に、ほかのパーティーのために装ったついでだったと知ってがっかりしてしまうところなんて、もう恋だよね、無自覚だけど…という場面に読んでいるこちらもキュンしました。
後半で、新しいことに踏み出すのに躊躇するヤマトに対して港が言った言葉がいいなと思います。
「同じ才能を持った二人がいたら勇気のあるほうが勝つ」というもの。
才能があるかどうかわからないけれどそれがわかるのは動き出してからなのだから勇気を出して挑戦したほうが勝ちだというのを心に留めておきたい言葉だと思いました。
読んだあと悶絶しました。
冒頭は特に何の変哲もないストーリーでしたが、後半から怒涛の萌でした。
特に、旅行から先のシーン!
作者さんがtvでも活躍されている有名な方だったので暇つぶし程度に読みましたが、なかなかハマれるストーリーで、つい、読む手が止まらなくなってしまいました。
イラストも雲田はるこ先生の仕上げということでやわからな物語にマッチしていてイメージが容易に湧くと思います。個人的には好みのお話でした。
一週間くらい余韻に浸りたい、なんかもうめちゃくちゃに泣きたくなる作品だった。
主人公のヤマト目線で語られる一人称小説で、独り語り感が強い文章。柔らかく繊細な描写で入り込みやすく、作品世界に没頭すると時間の流れがゆったりしているように感じる。リアルと二次元の融合具合が独特で、世界観の構築が素晴らしかった。
冒頭から時事ネタの羅列で雑念が入りそうになるが、たぶん自身の中に在るこの雑念もこの作品を読む上で必要な要素なんじゃないかと思う。まさに“今”だから出てくる意見が多くあり、鮮度が高いが普遍的でもあると感じた。
ヤマトは気の毒になるほど気を遣って異国の地で生きている。対する港は、最初はよく分からない。だがセリフは論理的と見せかけておいて屁理屈を織り交ぜ、軽い毒を吐く。そこから推察する精神状態は、少々荒んでいたんじゃないかな。港につられたのか、一緒にいるときのヤマトのモノローグは皮肉が分かりやすかった。
そこから交流が深まるにつれ、港のセリフはポジティブなものばかりになっていく。ヤマトのネガ思考を、視点を変え発想を転換し前向きな解釈を述べる。ヤマトもまたつられるようにして、考え方や物事の捉え方がプラス方向へと変わっていった。
非BLカテだが、ヤマトは後半かなり恋愛脳に近い状態で、ずっと港との関係性に悩んでいる。ベッドシーンまであるのには驚いたが、その翌朝に港から与えられた答えで撃ち抜かれた。
「セックスに失敗しても気まずくならない関係」
!!!
関係性を示す言葉で、今までで一番衝撃を受けた。もう言葉にならない。すごい。
最後まで読み終わり、再度序章を読む。初読み時は悲恋の匂わせかと思われたそれが、その先の幸せが見える独白に変わっている。
ラストの歌の歌詞、うっかり調べて涙腺が決壊した。
正直作家さんのことはあまり好いてはいなく、でも読まずに批判なんて出来るはずもない……と読んでみたのが始まりでした。
読了した今、白旗を掲げて呻きつつこのレビューを書いている次第でございます。
序盤でいきなりキスとかしちゃうんだ!? と、ドキドキしながらページを捲るも、その後は逆にもどかしいくらいに関係が進展せず、何度「いやもうそれは恋だから! 恋なんだから……!!」と背後からヤマトくんを突き飛ばしたくなったことか……。
港くんの危うくて不安定なのに決断力のあるところとか、ヤマトくんの優しいようで優しくないとこや臆病だったり欲張りだったりするところが、すごく人間的で、読み終える頃にはめちゃくちゃ二人が好きになってしまったので、あのエンドで本当に良かったという気持ち……!!!
個人的にドキドキしたシーンは、ベーシストとのプレイをベッド下で聞く羽目になったヤマトくんのシーン。あと、終盤のAV流しつつの不埒な絡みが良かったです……(具体的すぎる感想)
想いを通じ合わせてからのヤマトくんの甘えっぷり、めちゃめちゃに可愛いので、ほんと何度でも言いますがこのエンドで良かった……!!!!
めでたく今年読んで良かった本の1冊になりました!!
いわゆる「BL」作品ではありません。多くの商業BL作品が有するようなエンタメ性や、過激な性描写はありません。これは文学です。
舞台はオランダ、アムステルダム。美しい異国の地で出会った二人の、お互いに向ける友情とも恋情ともとれる想いや、はっきりとしない彼らの関係性にもえる作品です。
そして是非、読み切った後に「アスク・ミー・ホワイ」について考えてみてください。題名に秘められた仕掛けに気づければ、いっそう物語の世界観に引き込まれることでしょう。
散々に迷って、この評価。
だって、とても読みやすく普通に読み物として面白かった。でも読み終わってふと気づいたんです。
あれ?
自分の中に何も残ってないんじゃないだろうか。
それぞれの人生で躓きを味わった港とヤマトが、日本から遠く離れたアムステルダムで出会い、恋愛のような友情のようなそれでいて確かな関係性を築いていきます。
エピソードを重ねて互いに感化され合い、やがて心開ける相手になってゆき、停滞していた二人の人生を進める優しい物語です。
でもその一方で感じるのは、恋愛、友情、挫折と再生、生活クラスの違い、異文化の海外での生活の苦労や発見…そういう色んなものをあまり掘り下げずに上澄みを掬ってるということ。
それがこの作品のカラーなんだと分かってはいるんだけど、作品を味わい噛み砕いて自分の血肉にするのではなく、ショーウィンドゥに飾ってあるものを眺めるような距離感が最後まで残ってしまいました。
金銭感覚、性に対する考え方、人生観、交遊関係等々、港とヤマトは基準や経験がわりと異なるんですよね。でも、大きな摩擦がない。いや触れられているんだけど焦点は当ててないんです。異なるものが出会った時の化学反応を見せてくれない。
だから二人とも、本当は一体どういう人間なんだろうと思ってしまった。人柄の輪郭は分かる。でも生身の人間性が掴みきれなかったのです。
アドバイスになるような素敵な言葉やはっとする言葉もたくさんあります。でもそれはエピソードに委ねきらず、結局は台詞や思考で語らせている。
だからかな。リアルなのに、どこかリアルじゃない。
自分が泣きたい時、笑いたい時、癒されたい時、辛い時、ロマンスを味わいたい時、独特の世界観に浸りたい時、自分の視点では得られない新しい発見がしたい時等々…人生には色んな時機が訪れるけど、どのタイミングでも私はこの作品を思い出さない気がするのです。
いや~、やられました。。古市氏ってキュンのわかる社会学者だったんですね。
雲田先生でコミカライズされないかしら?と思えるくらいにBLでした。
恋人と別れ、やりたいことも見つからず、鬱々とした日々を送るヤマトと薬物報道がきっかけで芸能界を引退した元・俳優の港が、アムステルダムで出会って始まるやっさしーい恋愛小説です。
冒頭でミスリードしてしまった私には、いい意味で裏切られる結末でした。
港とヤマトの格差にハラハラしたのは私だけなのでしょうか。港くんの超さびしがりやさんで奔放な感じが危うげで、どっかで出奔するか、勢いで死んじゃうんじゃないかな(!)とか、無駄に心配しちゃいました(^-^;
港が身に着けるお洋服のブランドや、ヤマトが作る料理の具体的すぎる描写にイマジネーションを刺激されました。とにかく、彼らの日常を彩る様々なものが視覚や臭覚にうったえてくる、情報量の多い作品です。特に、港はそのルックスや香水から描写される場面が多くて、そのことが港を官能的な存在にしていると思います。
どう見ても恋愛はじまってるやん!なのに、一線をひこうとする二人の様子が切なくてたまりませんでした。試行錯誤の結果、「(男とか女じゃなくて)俺は君が好きで、君は俺が好き」と腹をくくるところが、もうBL味強め、というか、そのパターン好きなのでもってかれました。「セックス失敗しても気まずくならない関係」、もう最強じゃないですか。
社交的な自信家に見えて超繊細な港と、何事においても踏み込む勇気も自信ももてないヤマトが、戸惑いながら一生懸命に、そもそも生じている”誤解”を解こうと試行錯誤し、互いの欠点を補いあえる存在、かけがえのない存在に発展していく過程が尊いです。
タイトルになっているビートルズの曲を知らずに読了した私は、港の気持ちを確信しきれなかったんですが、その歌詞の意味から、ヤマトに対する想いを知り、やっと安心することができました。
互いの存在にそれぞれの居場所をみつけた二人が、その後どうなっていくのかも見届けたい気分です。
書店でサイン本を見かけて購入させていただきました。
とっても可愛いサインを書かれるんですね。
内容も素敵でした。
大切にします。
一冊通して、愛を伝えている本作。
〝Ilove you〟から始まるビートルズの「ASK ME WHY」の歌詞そのまま。
この人を好きでいられて幸せ。
私があなたを好きで、あなたは私が好き。
大きな愛を、静かにしっとりと伝えてくれます。
この人といられるだけで幸せ。
きっと、この人は私を不幸にしない。
ーーこんな愛、最強だと思う。
読みやすい文章にも、結末が読めないストーリーにも引き込まれて、一気に読みました。
他の作品も読んでみようと思います。
読みやすくてスラスラいけました。
海外の空気感。
美味しそうな料理。
着ている洋服のブランド、などなど。
何気ない描写が細かく丁寧で、彩りを加えている。
自然に物語にも溶け込めました。
一番印象的だったのは、
『夢を叶えることと同じくらい、願った夢を忘れないことも大事』
というところ。
いいな、って思いました。
些細な夢をたくさん浮かべては叶え、幸せを増やしていく。
そして叶った夢がたくさんあることを忘れずに、それを力だったり勇気に変えていきたい。
そんな風に前向きにもなれました。
私は基本的にBL小説でキャラ萌えするタイプなので、常に自分はどっかにいっているのですが(笑)
このお話は自分の中でとても響くものがあって、私自身も光を浴びたくなりました。
私は普段あまりTV番組を見ないため、大変失礼ながら著者様のTVでの発言等を存じ上げませんので、純粋に作品を読んで感じたものしか分かりません。
こちらの「アスク・ミー・ホワイ」という作品。
ちるちるにBL小説として登録されていて驚き。
確かに、内容的にはBLど真ん中。
ただ、個人的には恋愛小説でありながら、一歩前へ進むための勇気や、誰かを大切にすることの難しさをメインに描いたお話という印象が強いかなと感じました。
良い意味でジャンル分けは不要だと感じる作品だったというか。
どう受け取ってもいいと思います。
好きになった相手が同性だった。ただそれだけ。
ちょっぴり苦くて、優しくて、爽やかな恋を描きつつ、誰もがほんの少しの勇気で前に進めるという、前向きなメッセージ性もある素敵なお話。
とても好きな雰囲気の作品でした。すごく優しい。
きゅんとするロマンチックさもありますよ。
カバーイラストとシンプルな装丁も作品の世界観にぴったりだなと。
男性が書かれたお話ならではなのか、性描写ひとつでもBL小説ではあまり見かけない表現があったりもして面白いです。
普段からBL小説を読まれている方にもおすすめですし、普段あまり小説は読まないという方も読みやすい文章だと思います。
主人公の「僕」こと、ヤマト視点でオランダを舞台に語られる物語。
かつて交際していた女性と共にアムステルダムに移住をしましたが、浮気をされ別れて以来、希望も夢も特になく「なんとなく」で日本料理店で働きながら日々を過ごしているヤマト。
ある日偶然、ドラッグ使用・ゲイ疑惑のスキャンダルによって芸能界から姿を消した、元俳優の港颯真と真冬のアムステルダムで出逢うことになる。
ビー玉のようにきらきらと輝くような、ヤマトが知らなかった、知ろうとしていなかった世界を見せてくれる港颯真という美しい人。
ヘテロセクシャルの男性が、ゲイセクシャルの男性と過ごす内に親密になっていく。
内容を述べるのならば、この一言で終わってしまいます。
でもですね、このシンプルな展開を丁寧に、繊細に描いているのがすごく良いんですよ。
はじめに、あまりBLとは思わずに読んだと書きました。
それはなぜかというと、ヤマトが"同性の港"ではなく、港颯真という個人に惹かれていく描写が多かった事と、愛情や信頼関係が深まる様子がごく自然なものだったからなのかもしれません。
◯月◯日と、日記のように港との日々が綴られる文章が、2人の心の距離の縮まりをより自然で身近に感じさせてくれている気がします。
読者も同じ歩幅で一緒に歩いているような感じ。
ヤマトと港という、生まれも育ちも生きて来た環境も異なる2人が、会って、話して、食べて、お互いを少しずつ知っていくうちに、気が付けば信頼のおける大切な人となっていた。
この関係がなんなのかについてはっきりとは書かれていません。
おそらく恋人関係となったんだろうなと思うのですが。
僕はあなたが、俺はきみが好き。
無理に何かの枠に当てはめなくても、物事というのはそんなシンプルな言葉だけでも十分なのではないでしょうか?
そして、恋愛面だけではなく、心の成長と意識の変化がしっかりと描かれていたのが良かった。
人は自分で気付くことでしか考えを改められないかもしれないけれど、少しの気付きで過去は未来よりもずっと簡単に変えられる。
自分がどう物事を解釈していくかによって世界の見え方は変わってくる。
確かにその通りだなと、ストンと胸に落ちて来る言葉でした。
ヤマト視点で語られるので、自分とは正反対の性格の港と出逢って以来、彼から卑屈さがなくなり、少しずつ成長していく様子が爽やかで気持ちが良い。
気持ちが前向きになり、真っ直ぐ港へ向き合おうとする姿に成長を感じる。
一方の港は、一見華やかで奔放だけれど、内に複雑なものを沢山秘めていて。
時折港が口にする、スパイスが効いた皮肉めいた言い回しや表現が好きでした。
数多くの人から裏切られ、だめだと分かりながら薬物に依存し、助けを求めていた臆病で孤独な優しい人。
上っ面だけの友人や知人、お金。
彼にとって本当に必要だったのは信頼出来る人ただ1人だったのかも。
ヤマトと暮らすようになって、自然とドラッグをやめていた港は心安らげる場所が欲しかったのかななんて。
作中の「愛の言葉と言い訳は似ている」という言葉がとても好きで。
わざわざ「好きだよ」と口にするのは、好きじゃない可能性を否定するため。
世の中には無数の可能性が潜んでいるからこそ、今相手に伝えたい言葉。
つまりは、どうしようもなく今あなたが好きだということ。
なんだかすごく優しい解釈だなと思います。
作中にある、他の小さなエピソードのひとつひとつも優しいんです。
この関係がいつまで続くのかは分かりませんが、これからも2人はきちんと言葉で気持ちを伝え合うのでしょうね。
夜でも朝でもない薄明の中で、2人の世界が動き出していく。
ミカンと桃がほのかに香る、誰かを好きになる幸せが詰まった作品でした。
舞台描写も細やかなので、アムステルダムの街で暮らしているかのような気分にもなれますよ。
食事の描写もかなり丁寧です。
この作品にこのタイトルを、そして、港の鼻歌にタイトルと同様にビートルズのアスク・ミー・ホワイを選んだ古市さんのセンスの良さが素晴らしいです。
作中に湊からヤマトへの「好き」の言葉が少ないなと感じた方は、ぜひ歌詞を調べてみてください。
あとで曲の歌詞を調べたヤマトが一体どんな表情と気持ちになるのかを思わず想像してしまいますね。
安心してください。非BL表示にはなってますが、内容はガッツリBLです。しかもかなり後味の良いタイプの。生々しいエッチシーンはないけど好きになるまでのキュンキュンとかとても丁寧に書かれてます。これを男性が書いたとは…男性の方が繊細な部分があるかもしれないですね。
私作者のファンになってしまいました。テレビで辛口コメントしてるだけの方じゃなかった。インテリの書いたBL小説って感じでした。多分何冊かBL小説読んで研究されてたと思う。もしそれがなくてこれが書けるなんて相当センスあるよ。腐女子狙いなんて言われてて、もしそうだとしても丁寧に書かれた薄っぺらくない素敵な物語だと私は思います。
真冬のアムステルダムを舞台に物語は始まるんですが、平凡なノンケ主人公が元芸能人の美しいゲイに恋していってしまうストーリー。好きだったのは主人公が運河に落ちそうになったシーン。あそこで2人の何かが始まったロマンチックな場面だと思います。あと主人公のヤマトが優しいけどちょっと卑屈な所もある子で、でも人間誰しもこんな所あるよねって所々で共感できました。逆に自由奔放な港君もとても魅力的でした。
あと日本を離れた元俳優…あの有名な彼の影が頭にチラつきます。古市さん芸能人の友達多そうだからゲイ友も普通にいそうだなってリアルに感じてしまいました。主人公が料理人の設定なので出てくるちょっとした料理の描写がとても美味しそう。ご本人チョコが主食とか言ってたのでちゃんと調べたんだろうな。参考文献が最後にあったから。
雲田はるこさんの装丁も最高。表紙もいいけど裏表紙もとても良い。いとしの猫っ毛と同じ作家なのでこの作品の2人もリバが似合うと思ってしまいました。猫も登場するしね。さすがに中の挿し絵はなかったけど大満足でした。買って良かった!
※追記…非BL表示が外れてました。BLレーベルではないけど展開がもうBLですから。一般文芸とBLカルチャーのいいとこ取りみたいな小説です。
BLを読みだしてからBL小説は購入しても中々読めていなかったのですが、
今回ミーハー心が疼いて電子ストアで試し読みをしたところ、
もっと読みたいと購入に至り、そのまま読む手がとまらず一気読み…
幸せな余韻の残るステキな作品で、ドキドキもキュンもエロもあるBL小説で驚きでした。
時折差し込まれる毒舌やイジワルな文章を読んでいると、
古市さんの顔が薄っすら浮かんでしまうのは個人的にマイナス要素でしたが、
可愛らしくてロマンチックな描写の数々と、
毒舌だけで終わらない情を感じさせる表現の上手さに、作者の印象が少し変わったかも。
蓮の葉シーンと、裏表逆のTシャツシーンは萌えたなぁ…こんな描写をもっと読みたい。
これを機に、今までまとめ買いして積んでいたBL小説を読みたくなりました。
取っ付きやすくて読みやすい文章なので、
今までコミックしか読んでなかった方にも是非読んで貰いたい作品です。
雲田先生の画が作品のイメージそのままで、ほんとに表情が素晴らしい。
コミックでも読みたいなぁ。