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【新死刑法】人が故意に人を死亡させたときは、如何なる理由があろうと死刑とする――。
boku ga kimi wo korosu made
上巻を読み終えてから見る下巻の表紙は、苦しい展開を予想させて嫌な結末、悲しい結末を想像しながら読み始めました。
この時点で、上巻と下巻の表紙を見比べて、そのメッセージ性の強さに身震いしました。
死刑判決が下される理由となった2つの殺人のうちの1つが冤罪であったことに気がついた執行人の刑務官とその仲間たち。
仲間の1人の権力者の息子が動いたことにより、死刑制度に関する政治、権力の黒いあれこれが明るみになっていきます。
死刑囚が犯したとされる2つの殺人に対する疑問から、死刑制度自体にも疑問を抱く、執行人とその仲間たち。
それぞれの気持ち、正義、事情があって、それぞれの動きがあります。
これらの展開がすごく骨太かつ社会的、考えさせられることの多い作品でした。
ラストに関して、私はまだ消化しきれていません。
でも、これがこう、とはっきりさせて納得させなくていい、どれが現実でどれが夢なのか、希望なのか、わからなくてもいい、と思いました。
これはBLというジャンルに分けてしまうのはもったいない作品だと思いました。
現代社会の抱えるいろいろな問題、未来に起こるだろういろいろな問題、愛、人間関係、法律、正義、たくさんのことを考えさせられるすごいお話でした。
ジャンル分けとっぱらって、BLを読まない人にも、BLを苦手とする人にも読んでもらいたい作品でした。
本当に、タヒ刑執行されるのか。
下巻では、織田は実は冤罪かもしれないなどの疑惑もあり、死刑執行を取りやめたほうがいいのでは、、、と世間が騒ぎ始めます。
とうとう数日後に決まってしまった、タヒ刑執行の日。
水谷は織田のことを好きだと自覚。
織田を連れて逃げ出そうとするが、粛々と自分へ課せられたものを受け入れ、むしろ水谷の手で殺めてもらうことを望みます。
わかってはいたけれど、いざそのときを迎えると、本当に読んでいて切なくなります。
苦しい。
でも、最期には中の人である水谷と織田とが話せて本当によかったなと。
そもそも難しい話題で、タヒ刑執行後の水谷を想うとどうにもこの結末でよかったのだとは100パー思えなかったりもする制度ではありましたが、でもまたあの終わりでしか織田の苦しみは終わらせることができなかったのかなとか、色々考えさせられてしまいました。
いや、BがLするだけでなく、色々なことへ思いを巡らせ考えることがこの作品の問いかけたかったことでもあるのかなあ、、、
などと、勝手に妄想していました。
なんとも言葉にできない下巻でした。
織田の表情が柔らかく笑顔が見られるようになり。殺害容器の真相がわかり、ふむふむやはりそうかと。
しばらくして水谷がセリフではなく素で話していて。
気づいたらBLということを忘れて、この先どうなるの〜と夢中で読んでいました。
ラストの場面で思わず、え〜?!と声が出て
……てことにしたんよな、と思いながら読んだのですが。
その後の美羽の衝撃の事実にまた、えーっ?!と声が出てしまいました。
ラスト、水谷が織田の首を絞めないだろう…と思って飲み込まずにいたので、何度か読み返しました。
その前の2人のセリフがあたかも殺人の再現のようでよく出来ているなと感心。
水谷の言葉と号泣していることからやはり執行したのだろうなと解釈せざるを得ない…なと。
その瞬間、及川が上に詰め寄るも
「わかるよ わかっているんだよ」「及川くん 我々は 無力だ」のセリフが効いているし。
モニターを見る同僚たちの声と表情、船越が必死に言葉を打つさまが緊迫感を増すのが上手いっと感じました。
その後の3ページもめちゃくちゃいい。
このラスト10ページほどが本当にすばらしい。
ここへくるまでのここまで、その後もいいです。
政治、法律、死刑制度、エンタメ消費、脚本家、執行人、愛する人の罪…いろんな立場、視点から描かれているすごい作品でした。
個人的には及川の「上へ行く」「ぶっ潰してやる」がめちゃくちゃかっこよかった。及川の顔も好き。
及川が日本を変える物語を見てみたくなりました。
上巻で、嫌が応にも期待が高まった下巻ですが、実はよくわからなかった。。
一緒に暮らすうちに、相手の本当の姿が見えてくる。脚本家がいて、指定された台詞を言っているだけなのに、けがをすると本当に心配してかわいいバンドエードを貼ってくれたりと、何気ないことから次第に役ではなく本当に心の交流が生まれてくる。
いっしょに過ごす時間がながいほど、当然といえば当然かもしれません。
よく人質が犯人に同調してしまうといいますが、人間同士なので、完全に悪、善と切り分けられないこともあるかもしれません。
警察関係者のサポートもあり、動機の部分が解明されていくところは読み応えがありました。
ただ、最終的にどうなったのか、やはり法律通りに殺されてしまうのか。。
というあたりがちゃんと理解できず。。ちょっと難しかった。
でも暖かい交流が生まれたのはよかったです。
雑誌で飛び飛びで読んでいたので余計に読むのを避けていた本をふと今なら読めると思って読みました
内臓が圧迫される様な気がしましたが最後まで読めてよかったと思います
愛は一瞬で細胞から人を変えることがあると思います
だからこそ刹那で永遠なのだと思わずにはいられない
昨今のリアリティショーは興味ないので見ていないのですがジムキャリーの映画トゥルーマンショーを思い出しました
世界観はあれに近いかなと思います(扱うものが違いすぎますが)
衆目に晒されるとどんな名目があってもショーになってしまう大衆の愚かさと賢さが入り混じる社会の中
でも舞台に立つ人間は台本があろうと本物という混沌さがなんとも言えず
現実ではないのにその部分が現実を感じさせられ
ただのフィクションに思えなかった気がします
愛を貫くには難しかった悲しく美しい男達のお話だと思います
愛ってなんなんだと三者の選んだ方法を見ると何一つ正解じゃないと思うのにこれしかなかったと思います
3人の心の動きがとても切なく
どうしようもない閉塞感にただただ立ちすくんでしまう様な読後感でした
読んで幸せになるわけではないと思いますがBLの奥深さを経験するにはすごくいいと思います
読めてよかったです
ちるライブで、アンリさんが白米さんにオススメしていたのを見て、面白そう!と思い、すぐに購入しました!
ストーリーの構成に捻りがあったり、BLとしてのクセがわりと強めであったり、100点満点のハッピーエンドではないお話を読みたい人には超絶オススメしたいです。
絵は、かなり青年誌っぽい感じで、なんならストーリーも刑事事件を扱う青年漫画のような雰囲気……ただ、その中にしっっっかりBL=愛は存在していて……読んでよかったな、こういう作品を見逃さずにいられたことに感謝です。一度ではストーリーの結末や解釈を飲み込みきれないので、時間を空けてまた再読したいと思います!
どんな結末になるのか予想できないお話ではあったけれど、こんなに重いラストになるなんて…。
"傍観者"としてはとても悲しくて苦しくて、力を持たないものは真実を伝えることすら出来ないのかと憤りも感じました。
でも。織田はどうだったのだろうか?
最期まで抗わず諦めではなくそれを受け入れた。
そんな彼の気持ちを考えるとこの作品の見方も変わってくるのだろうなと思いました。
個人的には織田には生きていてほしかったし、渡瀬ではなくなった水谷と外の世界でまた出会ってほしかった。
でも幸せのカタチは様々で、この結果が必ずしも不幸せだったとは限らないですよね。
色々なことを考えてしまう作品でした。
評価のしように困る。
トータルの作品としての完成度は高く
「作品」としては素晴らしいと思うのだが
どうしても心がついていけないのである
なぜなら救いがなさすぎるから(´;ω;`)
鬼畜も暴力もなんでも個人的にはアリなのよ
ショタでも老人でも複数でもグロでもなんでもありなんだけど
死ネタだけはしばらく立ち直れないんだよ・・・・
だって失ってしまったら何ものこらない・・
まるで最後は救われるかのような
まるで最後に救われたかのうような
そんな演出がまたニクイ
評価は高くつけることもできるのだけれど
少々悲しみが強いので低めでつけさせていただきます。
バッドエンドが好きな方にはオススメ
上下巻通しての感想ですが、とにかく良かった。
愛と狂気の物語でした。
死刑囚である織田薫が死刑を執行されるまでの間、24時間ライブ放送され、自分の犯した犯罪と同じ手口で死刑執行が行われる世界。
彼が殺したのは元恋人の渡瀬で、渡瀬と身長が同じという理由だけで死刑執行人に抜擢された水谷、任務として渡瀬の顔に整形し織田に近づき、渡瀬として接する内に織田が渡瀬を本当に愛していた事を知り、殺した動機を知りたくなります。
織田がもう一人殺していた事、それが冤罪で、真犯人は渡瀬だったこと、渡瀬の死もまた、限りなく自殺幇助に近いものだったこと…様々な真実が浮き彫りになっていく内に水谷は織田に、織田は渡瀬の振りをした水谷に、惹かれ合って行きます。
織田を調べる内に一人殺せば死刑になるというわかりやすい法律の裏に隠された国家権力の闇に抗うべく、織田の死刑を回避し再審を可能にしようと、水谷の同僚達も協力します。そして迎える結末。
この物語の結末に何を感じるのかは人それぞれだと思いますが、個人的にはこの結末しかないんじゃないかと感じました。
織田は渡瀬を愛し、渡瀬を殺した結果水谷と出会うことができたのだから、渡瀬の事を無かったことにできるはずもなく。
ただ、水谷を思うと…胸が痛みます。
そしてもう一つこの物語には驚きの結末があり、それには狂気を感じました。
ページをめくる手が止まらない、心に残る作品でした。