ビッチなスズキくん

bitch na suzukikun

ビッチなスズキくん
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神44
  • 萌×215
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
9
得点
287
評価数
63
平均
4.6 / 5
神率
69.8%
著者
重い実 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

コンビニアルバイトのスズキは小さい頃、母親に置いていかれたトラウマから誰にも期待せず誰のことも好きにならないという生き方をしている。そんなスズキに好意を寄せるヤリチンの須崎。女の子全員切ったから付き合ってくれと懇願する須崎にスズキは身体は許すものの「キッモ」と辛辣に告白を拒否し――。

表題作ビッチなスズキくん

須崎,大学生
スズキくん,コンビニ店員

その他の収録作品

  • カナダにて(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)

レビュー投稿数9

描き下ろし

三原可楠さん名義のものを電子で持っていたのですが、今回一迅社さんから配信するにあたって描き下ろしがあるとのことで購入しました

4コマ2ページと24ページの後日談(カナダに渡ってから日本の部屋を解約するまでの間のできごと)が描かれています

須崎のスズキくんを包み込むような重い愛、スズキくんの須崎への想い、須崎の両親とスズキくんの幸せそうな姿、そしてエッチまで24ページだけど盛りだくさんの内容で大満足でした

ひさしぶりにスズキくんたちに会えて嬉しかったです

4

一冊でドラマが盛り沢山

ヤリチン大学生の須崎はコンビニバイトのビッチなスズキくんとのセックスにハマっています。
セックス中は求めてくるのに、終わるとそっけない態度を崩さないスズキくんが、それでも回を重ねるにつれて無自覚に心を許すようになっていくさまに、須崎の方がスズキくんに本気でハマっていきます。
他方、スズキくんは家族関係でトラウマを抱えていて、継続的な愛を信じられなくなっているけれど、須崎にひたすらに求められるうちに…、という。

淡々とした流れでありつつも、セックスシーンが多いのは、作者さんの他の作品とも共通するのだけど、もう一つの個性である淡々としたシュールな笑いは、本作では控えめ。
かなりシリアス寄りの作品です。(とはいえ不意打ちでシュールなネタが仕込まれているところは、やはり重い実先生ワールド)

ネタバレすると勿体ないので、詳しくは語りませんが、こういう出だし&エロシーンの多さで、まさかラストのエピソードに繋がるとは思いませんでした。
不意打ちでうるっとさせられました。すごい展開力。

また主役二人の話もドラマティックなのに、一冊の中で、脇役のコンビニ店長&オーナーの方にもなかなかヘビーな物語があったりして。

たった一冊だけの物語なのに、盛り沢山のドラマで、まるで長編小説を一冊読み切ったかのような読後感。
堪能しました。

3

ビッチだけど、そうじゃなかった

さぞかし、エロビッチが出てくるんだろうなって読み始めたら、読み進むにつれてスズキくんの深い孤独や、哀しみ寂しさが伝わってきた。

スズキくんは、飄々として一見コミュ障にみえて、実は、ちゃんと人の顔色をうかがいながら仕事がてきる人。
子どものころのトラウマがなければ、本当はスパダリになっていてだろうなってなぐらいできる男なのだ

須崎くんと何度も体を繋げて、しつこいくらいにアプローチされてもスズキくんは、答えを出さない
この須崎くんやりチンだったんですが、スズキくん一人に決めてからは、それを封印、スズキくん一筋、スズキくんに軽くあしらわれようとも全然めげない執着の男

この二人、それぞれ人間として少し欠けているところがあるなぁ
凸凹がピッタリハマる二人なのかもしれない

最後まで須崎くんの気持ちがブレないのが安心して読めました
そうじゃなけれは、スズキくんに心を許してもらえないよね
すんごく重い男じゃないとね

過去に三原可楠として出されていた本の描きおろしは、何十年後の須崎くんが今は亡きスズキくんを想っている話てしたが、

今回は、イギリスに渡って間もないころです。
スズキくんが抱かれているとき「自分が追いかけるとみんな逃げていく」と言ったあと、須崎くんに自分からギューっと抱きついたときは(T_T)涙でした


その後、さすが重い実先生ヾ(˙❥˙)ノ感動後のホンワカさ
須崎くんの父母だけのことはある、スズキくんが息子のステディであることをすんなり受け入れてる
そして、流石だぜ人たらしスズキくん! 二人の懐に入っていい感じ
それを遠目で見ている須崎の一言 クゥーッ

それは最後まで読んでからのお楽しみです






2

元ヤリチン スザキさんの愛

同じバイト仲間のスズキくんを好きになった須崎さん。
ヤリチンの須崎さんがスズキくんにはまって、付き合うまでの話かなと。
でもそんな単純なお話ではなくもっと深かったです。

母親に捨てられたトラウマから、誰かを好きになったり付き合う事ができなったスズキくん。
そこを掘り下げて描かれているわけではないけれど、中々闇が深いことが感じられます。

スズキくんの精神状態のバロメーターが絆創膏の量かと思うんですが、理由も聞かず無理に止めさせようとせずに見守り続けて、「もう転ばないよ」と言う須崎さん。
過去の男の影がちらつこうと、他の男を好きでも責めたり追及せず、どれだけ冷たくあしらわれようとスズキくんを追いかける須崎さん。
最初はただのヤリチンかと思ってましたが、めちゃめちゃいい男でした!
だんだん須崎がカッコ良く見えてきます!
執着に見えるかもしれないですが、最後の結末にやっぱり愛なんだなと思えました。

このスズキくんと須崎さんだけでなく、コンビニのユルフワ小悪魔店長、オーナーとの関係性も中々闇がありました。

お話の内容自体は重めで、萌えやほっこり系ではないかも。
とはいえ、重い実先生の独特なふんわりした雰囲気や、クスッと笑える所もあり重くなりすぎず読む事ができました。

2

エロい、切ない、泣ける

 単行本で読んで、感想を書こうとしたらなぜかこっちに飛びました。なんか、独特だな〜と思っていたら重い実さんの別名義だったんですね。

 攻めの須崎くんとスズキくんはしょっぱなからやりまくっていて、エッチ度は高いです。でも何だろう、エロエロでもどこか切ない。スズキくんの悲しい過去が最初に語られるのと、彼の表情に乏しいけどいつも寂しそうな様子のせいかもしれません。

 須崎くんはセフレを全員切ってスズキくんに求愛しますが、スズキくんは「やってるからいいじゃないすか…」と塩対応。その一方で、自分には手を出してこないバイト仲間に惹かれたりしています。激しくやってる最中に「サカイさん…!」と叫ばれて、えっなにこの状況?となる須崎くん、かわいそうに…でもウケた笑

 スズキくんにとって、ヤリチンで女にモテる須崎くんは自分にいつか飽きるはずで、だから論外なんでしょう。でも残り香をかいだり、作ってくれた食事を美味しく感じたりするところを見ると、嫌ってはいないんですよね。本気で自分についてきて欲しい、と迫る須崎くんを追い出し、絆創膏を貼りまくる姿が悲しい。もう捨てられる痛みを味わいたくない、という痛烈な思いが伝わってきます。

 こんなにタダレまくったお話なのに、着地点は純愛でした。体から始まる愛なんてそんな長続きするもんじゃねえよ、という認識を見事に覆してくれます。スズキくんは最後には幸せを感じられたんじゃないでしょうか。須崎くん、見直した。なんか泣きそうになりました。

1

未知の混沌を味わう作品

「愛しのXLサイズ」が馴染みの西洋料理なら
「ビッチなスズキくん」はエスニック料理のような作品です。

独特の素材と調味料を使ったスパイシーな味付け。
味の予想もつかないまま食べてみると、味わったことのない感覚。
辛いような、苦いような、熱いような、しょっぱいような、甘いような。
どこまでが正解の旨さなのか、判断基準がわからない。
でも、不思議とスルスル食べてしまう。
いつのまにかこの独特の味付けにハマってしまう。
最後に舌に残るスパイスのハーモニーに感動してしまう。

こちらはそんな、アクの強い奥深い作品です。
ミステリアスかと思ったら、下衆で、エロスで、シュールで、ハードボイルドで、純情でバイオレンスでグローバル……正直言ってカオスです。

でも、このカオスの収束地点が不思議と心地良い。
ラストには今まで感じたことのないような気持ちがこみ上げてきました。

描かれるのは、コンビニで働く鈴木くんと周囲の人々のグニャグニャな人間模様。
ビッチ鈴木くんの他、(元)ヤリチン須崎さん、同僚の堺さん、店長、オーナーが登場します。
が、皆さん揃いも揃ってめちゃめちゃアクが強い。
簡単に手に負えるような人物じゃないのです。
どう転がるのか展開が全然読めない。
付き合ってるの?付き合ってないの?好きなの?好きじゃないの?
そんな従来の判断基準は全く通用しません。
独自のスタイルで生きる人々が作る独自のスタイルの人間関係なので。
しかも作中いくつか視点が変わることもあり、読者はめちゃめちゃ翻弄されますね。
特に店長という存在には新たな扉を開かざるを得ない。
清楚系闇落ち坊主ってマジで悟りの境地。

そんな各種スパイスの効いた作品ですが、メインに味わいたいのはやはり鈴木くんです。
とあるトラウマから、人にも物にも執着しなくなった鈴木くん。
自分を戒めるように絆創膏を張り続ける姿は、ハッキリ言って奇妙です。
だけどその行動の奥に、寂しさや期待、抑圧、動揺など言葉にできない感情が透けて見えてきちゃうんですよ。
その危うさに引き込まれ、いつの間にか目が離せなくなってしまいます。
彼が須崎さんと堺さんに見せる態度の違いも、MAXだと英語で喘いじゃうところも、それはそれはコミカルで面白いのだけれど、同時に泣けちゃうくらい切なくもあるんです。

どのエピソードも笑いながら胸が詰まるから、気持ちをどこに持っていくのが正解なのか正直わからなくなりました。
設定も展開も掻き立てる感情も本当カオス。

なのに。
こんなにディープでカオスなのに、めちゃめちゃサラーっと読めるのが重い実作品のすごい所。

ちょっとシリアスがゴリゴリすぎないか?という設定でも、ライトなセリフと絵、抜け感のあるシュールギャグとエロにより見事に中和しています。
堺くん、店長、オーナーのシリアス三角関係を予感させるシーンからいきなり南国の木の実だとか、謎の綿毛の話だとか。
超ヘビー級エピソードの次の話では、強面オーナーが朗らかにコンビニで働いていたりだとか。
緩急のつけ方が秀逸すぎる。
それでいて、些細なコミカルシーンが実は次の展開に必要な一コマだったりもして。
無駄なシーンがあるようで無い。
だから読んでいて疲れない、飽きない、空虚じゃない。
混沌としているのに、進む方向は見失わせない。
その上エロも抜かりない。
計算なのか、ノリなのか。
わからないけど、この演出とテンションはクセになります。

そうこうしてグニャグニャな人間関係の物語を読み進めていくと、
なんと最後はススゥーっとハピエンに収束していくんです。
あの混沌が。
これがもう不思議な感覚で。
曖昧な境界線がいつの間にか強固な絆に変わっていたという魔法みたいなエンドで。

ラブに萌えたー!というよりは、力強く少し儚い5人の生き様を見せつけられてしまった……という読後感でした。

何度読み返してもカオス。
だけど最後にストンと落ちる。
不思議な余韻を残しながら。

この独特の世界観は万人におすすめ!とは言えないのが正直なところ。
だけどこのテイストを好きになっちゃう人は少なくないのでは?とも思います。

一度はご賞味頂きたい奥深い作品でした。

8

hicaru

はじめまして。このコミックスの世界にどっぷりハマって誰かと語り合いたい気持ちになったのですが、電書サイトのレビューでは物足りなく…
おラウさんのレビューを読んですごく共感でき、友と語り合った気になれました。素敵なレビュー、ありがとうございました。

新装?

最近この本が発売になり、あれ、このタイトルは持っていたはずでは?と蔵書を探ってみたらありました。
東京漫画社から出ていて、著者が三原可楠となっています。しかしこれは重い実先生のペンネームだったのでしょうか?詳細はよく分かりませんが、たぶんこの本なのだと思います。
重い実先生の作品が人気が出てきたので、出版社を変えて、ということなのかなぁ。詳細はよく分かりません。

さて、当時これを読んでなぜレビューしなかったのか、と思います。
絵が独特で、背景が薄いのですがほっこりするような、重い話に少しのコミカルテイストとキュンを混ぜる、まさに重い実先生ならではの作品。
コンビニでバイトする人たち。そして坊主頭のちょっとHな店長とヤ○ザっぽいオーナー。いろんな人たちが繰り広げる恋とか恋じゃない話。
タイトル通りなのか、スズキくんはHのとき人が変わったように甘えるのですが、普段は冷淡そのもの。色々いた彼女を全部精算した須崎にもつれない。
セフレでもないようなのだけど、甘い展開はなく、スズキくんの生い立ちと、堺への憧れがなぜかせつない。

結局、ラストで、須崎は永遠に片想いだったのかなぁと思いますが、膝に絆創膏を貼り、愛されることを恐れていたスズキくんが、生涯を誰かと共にしたことに何か救いを感じました。

堺さんは、誰かと幸せになったのかな?

4

現実からちょっと離れた感じがする重い実ワールド

体に絆創膏を貼るスズキくん。場所を変え量が増えていく絆創膏。
その意味をちゃんと理解していた須崎の愛情が、スズキくんに届いて良かった。
重い実さんらしい不思議な空気を纏ったお話でした。

1

個人的な趣味に合いませんでした


個人的に絵柄が合わなかったようで、エロシーンが多い割には気分が高揚しなかったです。
スズキくん(受)の幼少期のトラウマが須崎(攻)との出会いによって和らいでいくハッピーエンド。

(2017年1月20日読了)

1

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