王を統べる運命の子②

ou wo suberu unmei no ko

王を統べる運命の子②
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神104
  • 萌×225
  • 萌11
  • 中立3
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
17
得点
656
評価数
150
平均
4.4 / 5
神率
69.3%
著者
樋口美沙緒 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784199009853

あらすじ

『王の鞘』として七使徒に選定され、
煌びやかな王宮へ──。
魔術師ユリウスに会えるかも、と期待と不安に
揺れるリオ。けれど、登城初日に出会ったのは、
身分の低いリオを蔑み、使徒など不要と公言する
貴族たち。七使徒排斥の空気が漂う中、
ついに国王との謁見の日が訪れて…!? 
魔女がリオを狙う理由や、ユリヤの呪いの謎、
第二王子の行方──全ての鍵を握る、
失われた記憶に迫る、緊迫の王宮編!!

表題作王を統べる運命の子②

ユリヤ・ルジ,25歳,王の剣
リオ・ヨナターン,16歳,王の鞘

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数17

王様がかわいい

遅ばせながら1巻から突っ走ってます。

表紙や挿絵ではガタイがよく男前な王様ですが、私の中ではかなり可愛い王様に思える。
樋口先生の描く攻めが独占欲が強く執着心も強く我儘でヤキモチ焼きなのはいつものことですが(大好物です)カッコよくて俺様で攻め様!って感じなのに、今回はなぜかユリヤが子供みたいにうるさくてツンデレっぽくて可愛いって思っちゃう。でもやっぱかっこいいシーン多いから攻め様〜!とはなるんですが笑 しかしいつもより可愛いです。

それでも色々ユリヤは抱えていて葛藤をしていて、それを健気な受けのリオが正しく理解できなくてすれ違って…というのもオハコで間違いなく美味しい。

樋口先生の書くお話はいい意味で難しくなく読みやすいです。優しい読み物だと思います。噛み砕いてくれているというか。

2巻の結末はあまりにもこのままじゃ王様が可哀想すぎる。早く幸せにしてあげて…続きが気になりすぎて今夜は眠れそうにありません。

0

生きる意味、生きる価値を模索した先の真実

王との謁見を経て、王の正体がユリヤだったということを知り、本当のユリヤがどんな人間なのかわからなくなるリオの葛藤が今巻の読みどころだなと思いました。

王の鞘として王のため、国のため、セスの為にもと、前向きに自分のできることをしようと努力するリオに、なぜか鞘の仕事をさせようとせず教養をあたえることには協力的なユリヤ。

ユリヤがどうしてリオを抱こうとしないのか、悶々と考えながら自分の仕事をさせてほしい、役に立ちたいと自ら恥ずかしながらもいつその時がくるのか直接本人に尋ねるリオがなんとも健気で可愛らしい。

いろいろと歩みよろうとするも知識を与えること以外には冷たいユリヤの態度に一喜一憂するリオの苦悩や寂しさが伝わってきてとても切なくなります。

大蜘蛛との戦いで消耗しツラそうなユリヤを鞘の力で助けられない焦りから、自分の記憶を取り戻すため、アランの仕込んだ毒とも知らず与えられた薬を飲んでしまうリオのユリヤへの強い想いが痛々しくも愛おしく感じました。

そこまでしてやっとユリヤからリオを抱かない理由を聞きだしたあのシーンは本当に読んでいて心が苦しくて、自分はユリヤにとって憎むべき疎ましい存在であり、癒し手は他にもいる、自分は鞘としての仕事はできないのだと思い知らされるリオが本当に不憫でどうしようもない虚無感に襲われました。

内部の裏切り者によって更にリオへの不幸が続き、もうこれ以上リオを苦しめないであげて…。と悲痛な気持ちになるのですが、ひどく負傷したリオを助けたユリヤがやっと…本当にやっと…(強調)リオを抱いてくれる場面は、もうこのままずっとこの時間が続いてくれ!とリオの嬉しい気持ちとリンクして強く願ってしまいました。 

幸せな時間もつかの間、最後の最後にフェルナンによって危険な目にされされたリオが、失われていた記憶を一気に取り戻し、ユリヤの呪いや自分たちに与えられた宿命を知った先の決断が…で、ここで終わるんかーい!!!と非常に続きが気になるラストシーンだったのですぐに3巻を読みたいと思います!

リオーーーーー!!!!!                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                      

1

とても切ないラブストーリー…

 最近最終巻が発売されて完結した「王を統べる運命の子シリーズ」。
ようやく2巻まで追いつきました。各巻ともにかなりのボリュームがありますが、じっくり読ませる王道魔法ファンタジーものなので、安心して世界観を堪能できました。BLの方も切ないラブストーリーが描かれていて、どっぷり引き込まれました。

 樋口先生のおはこの突き放す攻めが健在でした!
ルストの苦悩する姿が魅力的で良かった。
昔の少女漫画に出てきそうな主人公に冷たいけど実は…みたいなところに
キュンとしました。

 アニメにもあるような仲間ものバトル的なノリが良かったです。
1人1人のキャラが立っているので登場人物の数は多いですが、馴染めました。
2巻の後半では、1巻から気になっていた謎が明らかになっていきます。
2人の愛の成就に立ちはだかる運命の皮肉の数々にとても胸が痛みます。
ルストの呼び名も彼にとって特別な容姿をしたリオに惹かれないように自らの戒めなのかな…と深読みしたり色々考察する楽しみもありました。
「三番目の○人○」という言葉も引っかかります。あっと驚く事実が3巻以降に明かされるのかな。楽しみです。

非常にこのシリーズを楽しんでいるのですが、2巻を最後まで読んで2つ気になる点がありました。

ファンタジーものとして完成度は高いのですが、王道ならではで設定がどこかで見たり聞いた事のある要素が何個か組み合わさっているように感じ、目新しさがない点が気になりました。最近BLでもファンタジーものが多数でており、色々読み慣れている中で、もう少し新しさが欲しいと感じました。

 またリオもルストも自分の○を犠牲にしてでもお互いを優先する姿勢は美しいのですが、イマイチ感情移入出来にくい部分がありました。
長年時を共にしていて…なら分かるのですが、初対面でいきなり…とか短期間でそこまでの感情になるのか…と疑問を感じました。

次巻以降でルストが初対面のリオに入れ込んだ容姿以外の理由が明かされれば、しっくりいくのかと思います。ルストは立場上孤独で秘密主義だから仕方がないけれど、リオ側の描写だけでは読者に伝わりにくい面があり、少し置いてけぼりな気分になったのが残念です。

色々書きましたが、BLでも王道ファンタジーを楽しめたのは非常に良かったです。3巻、4巻を読み進めるのが楽しみです。
あと「タイトルがネタバレしすぎ…!」とツッコミを入れたくなりました。

0

偉大なるファンタジー作品

あああああああ………言葉にならない。
1巻からのこの流れよ。
スゲースゲースゲースゲースゲー!!!

酸いも甘いもてんこ盛り。
そしてその世界観。物語と時代背景。個性的な登場人物たち。その人物像と言動、駆け引き、心理描写…どれをとっても最高レベルではなかろうか。

全4巻のうちの2巻。ぶっちゃけ謎はまだ多いしまだまだ話の全貌は分かりません。少しずつ点と点が繋がっていくその途中段階です。

誰が味方で誰が敵か?
全員味方かも知れないし全員敵かも知れない。表面上の状況的にはまるで分かりません。
ライアーゲームでもしてんじゃないか?ってくらい、心理戦バッチバチです。私はライアーゲームでもチンプンカンプンなので、もちろん敵か味方の察知能力も低レベルです。

もーねーもーねー…しんどい。

みんな味方で良いじゃん!って発狂したくなる。どんだけリオ襲われんだって話。死の縁を彷徨ってばかりで、三途の川渡らせようとする作者さんにドS属性を感じてしまいました。

恋愛面でも散々なんですよ…。
一番それかな…リオが負った心の傷が苦しかった。
鞘の仕事をさせてもらえない、好きな人に突き放される、好きな人に想い人がいるショック。
リオの失った記憶を取り戻す過程で起きる色んなことがリオへの試練になってるの分かるけど、これは本当にツラいです。

驚愕展開に突き落とされてばかりで読みながら何度泣かされたか分かりません。だけどこの壮大でミステリアスな物語から目が離せない!
掃除の合間に片手で携帯持ちながら読んでいましたが、掃除がいつのも倍以上時間かかりました(笑)


苦しく悲しい場面もあります。切なく怒りを覚える場面もあります。だけど…
温かい愛を感じる場面もありました。

2巻の時点ではネガティブなシーンとネガティブな感情が多く胸が掻きむしられるほど痛みましたが、ささやかな愛情や温もりのシーンがちょっとあるだけでパアッと一瞬にして幸福感に包まれました。

まだまだ前半折り返し地点。
後半のストーリーは起承転結でいう「転」の部分からスタート。なにか嫌なことが起きるんじゃないかとヒヤヒヤしています。

が!!!

最終巻となる4巻の発売が現時点で明日なので、3巻読了後嫌な感情が襲ってもすぐに終止符を打つことができます。
最終巻のフィナーレを笑顔で迎えたいと思います。

きっと最高の結末になると確信しています。
今から3巻の旅へGOしてきます!

1

謎が分かってくる!?王宮編!


「鞘」となったリオが王宮に上がったことで、また新たな問題と謎が出てくる第2巻です。
リオが落ち込んでは喜び、悩んで…と、ず~っとグルグルしています。

ユリヤはというと…まぁ~~素直じゃない!
素っ気ないしツンツン。でも…でも!!
後半にかけて徐々に愛が…これは、まさに樋口先生っぽい攻めだなぁと思いました。

そして2巻の終わり辺りから新事実が発覚して私、大混乱~!!(笑)
3年前に起きた事件が人物ごとまばらに語り明かされているので、ページを行ったり来たり…。
名前と時系列が整理しきれず、紙に書いて整理してました…。

しかし複雑そうに見えて大元の部分はいたってシンプル…なはず!

あと2巻もエッチは最後あたりに少しだけ。
ストーリー重視の私には、雰囲気を壊さない回数でとてもありがたい…。

とにもかくにも、とても続きが気になります。
予想している展開と答え合わせのようで面白いです。

1

耽美的 結末は大団円にしてほしい

感想だけ

過去の回想と今の状況を交互に繰り返して、挟み込むようにして話が進んでいくのですが、
前巻のリオが記憶を失って、導師とセスの手紙の内容と、リオが見た夢が軸になって展開していきます。

今もリオを取り戻そうとする魔女の目的と、眠り続けている第二王子とリオの関連と、元々その地域は2神教だった、など拗れの原因が分かるにつれ、
リオは、自分が今生きている意味と、命をかける場を求める気持ちが膨らんでいきます。
・・結局、リオは「よく生きること」じゃなく「良く死ぬこと」しか頭にない。幸せになってはいけないと思い込んでいるのが切ない。リオの、意味がある死に場所を求める気持ちは、益々強くなっていく。

リオの出生の秘密についての謎解きを読者がリオと一緒にしていくことになる進め方は、ドップリ物語に感情移入していくのでとても面白い。
リオが気の毒で、胸が痛みます。

焦れる進捗は、前半だけ。助走が終り上り詰めた所で、ジェットコースターが降下するように、後半は急展開。あっという間に、アレレ?な衝撃を受ける結末迄展開していきます。
残念だけど、結末はリオだけが満足する耽美的な終わり方。
お互いに愛する人の幸せを願いあって、想いが強い方が逝ってしまった。
あれは、生き残った方が未練を一生背負うので、死ぬより辛いよね。

あとがきに「3巻も読んで」って書いてあるのですけど、未だ完結していないようです。
結末は、是非ともハッピーエンドで締めくくってほしい。

1

息も付かせぬ展開

序章とも言える1巻でも十二分に面白かったのですが、2巻は更に面白く、ワクワクよりもハラハラするような展開が待ち受けていました。
特に中盤〜終盤部分の怒涛の展開が目まぐるしい。
読み進めると400P超の厚さがあっという間に減り、ページ数も残りわずかに。
ちょ、ちょっとちょっと…いやいやいや…
勝手に2巻で完結だと思っていたので、まさかの続く!に驚き。
しかもここで…?!と、樋口先生の引きの上手さに唸る。
泣きながら唸っています…
ああもう、続きが気になって仕方がないです。
それくらい夢中になって読めるお話でした。
以下、まとまりのない長い感想です。

伏線や謎が次々と明かされ、そのどれもが辛く切ない。
何が辛いって、主人公であるリオが健気な良い子なだけに辛いのです。
アランが言っていた「ルスト」とはユリヤの事でした。
やはり、と言うべきか、彼は国王だった。
国王は王と使徒を兼任しており、1部の者しか知らない極秘事項。
王の元へとつく事になった「王の鞘」リオですが、これまで以上にユリヤは素っ気無い態度で。
ユリヤの頑なな態度や、リオに憎しみの感情を向けるアラン、謎めいた第2王子、3年前の戦争について等、作中のリオと同じく、未だ多く残る疑問の数々に悶々としたまま読み進めていく事になります。

リオに対して冷たさすらも感じたユリヤの言動、何故リオはあの辺境の町で育ったのか。
全てに理由がありました。
ラストまで読み終えてから、1巻、そして2巻を読み返すと、ユリヤ・ユリウスの言葉や行動の端々にちゃんと繋がっているものがあるんですよね。
思わず、ひ、樋口先生〜!となりました…
伏線が思っていた以上に細かに散りばめられていました…お見事です…

決して愛してはいけない相手を愛してしまったユリヤ。
終盤を読んで、彼の抱え込んでいた葛藤を想像すると、もう、もう。
「俺を愛すな」「俺も愛さない」
これは自分自身にも言い聞かせていたのではないでしょうか。
しかし、どうしようもなく惹かれてしまう。
2番目の子を愛している。けれど、リオに対する愛情は2番目の子に抱いている愛情とは違うのです。
3番目の「リオ」という子だからこその、全く違う種類の愛なのですよ…
リオが見た遠い記憶の中で「そういう子供を幸せにしたい」と語っていたユリヤと「生まれ変われるのなら、彼を苦しめるような存在ではなく、彼に助けられ、彼を救える子供に生まれたい」と願っていた2番目の子。
ユリヤは貧しい町の子供達に働き口を与え、リオは第2王子だった時に願った通りの生活を送り、彼に助けられ彼を救える子になった。
奇しくもその通りになっているのが切ない。
過去に自分が言った言葉を何気なく口にしたリオを見て、ユリヤは一体どんな想いになったのだろうか。

一方、記憶を少しずつ取り戻していくリオ。
母親ですら愛してくれなかった自分のことを、見つけ出してくれた人。
「彼」じゃないと知りながら、自分に命を差し出してくれた優しい人。
3年前からリオはユリヤの事が好きだった。
愛した人を苦しめているのは自分だったと知った時のリオの絶望と悲しみが辛すぎる。
リオの悲しくも愛のある選択は、また残される事となってしまったユリヤにとっては酷なものでしょう。
お互いを大切に思い合っているのが分かるだけに胸が苦しくて仕方がない。
このままで終わるはずがないと思いつつ、早く2人が幸せになってくれる事を願わずにはいられません。
どうか報われて欲しい。

改めて見返すと本当にタイトルが秀逸です。
こう繋がって来るとは思ってもみませんでした。
リオと2番目の子は別人ですが、魂の根っこの部分は同じなのですね。
「俺の知っているどの子とも違う」と言ったユリヤ。
もしかしたら2番目の子の前に1番目の子も居たりしたのかな。
もし1番目が居るとするならば…?
2番目の子の体は無事で、まだあと三月と三日残っている。
そちらもどうなるのでしょうか。
樋口先生流ファンタジー、かなり切ないですがとても読ませます…


2巻の癒しはエミルとルースとゲオルクですね。
この3人が裏切る事なくリオの味方で、共に居てくれた事が唯一の救いでした。
エミルの事を少しでも疑ってしまってごめんなさい…まさかこんなに良い子だとは…
ルースだけがユリヤから警戒されているのには笑いました。
戦闘シーンも使徒の皆が動物へと姿を変化させて敵をバッサバッサと倒したり、この辺りのシーンは読んでいてすごくワクワクしますね!
ファンタジーはこうでなくっちゃ。
リオとユリヤに目が行きがちですが、脇を固めるキャラクター達もとても魅力的でした。
リオに辛く当たりつつ、完全には悪者になり切れないアランが気になります。
きっと彼は物凄く情の深い人なんじゃないかなと思うんです。

ところで、ユリヤとユリウスが同一人物だということが判明しましたが、エラド教団の集会からリオを助け出した際にユリウスだったのは誰なのでしょう…?
前衛部隊で戦った3人の内の1人と言われているユリウスも。
そして、幼馴染のアランはユリヤとユリウスが同一人物だという事は知っていたのかな?なんて。

息も付かせぬ怒涛の展開が続いた2巻。
1巻での「誰も信じるな」という言葉が2巻でも否応なしに突き刺さります。
未だ姿を見せない魔女。そもそも、彼女はどこから現れ王妃となったのか。
まだ回収し切れていない伏線も謎もたっぷりです。
ウルカの神の双生神、エラドの神。リオは。ユリヤは。
続きが気になって仕方がありません。
手に汗握るという言葉がぴったりの、BL的にもファンタジー的にも非常に読ませる作品でした。
3巻の発売が待ち遠しい。

2

一歩進んで二歩下がるような構成

1、2巻一気に読みましたが、2巻の最後の方からはさーっと読みました。

辛口です。

まず1、2巻を通してリオがユリヤのどこを好きになったのか、いつそんなに好きになったのか不明。ユリヤも同様。
まだリオがユリウスを好きになる理由はわかりました。
あとユリヤとユリウスが同一人物だったのは結果オーライとして、途中まで別人と思ってて、どっちか選べって言われたときにリオは完全にユリヤを選んだんだよね??
なんかな〜と思いました。同じ人を愛してたんだねとか言ってましたけど、一度どっちか選んでるし、ユリヤを愛してるからみたいなこと言ってたのでその時点で同じ人を愛してるとは違いませんかね??

あととにかく、話が進まない!!!!
それがもう死ぬほどイライラしました。
記憶を取り戻すことに対する考えや、それが必要だというくだりなど、グダグダグダグダと……。
もうそれはもうええわ!!って感じでした。汗
記憶を断片的に思い出すシーンも、思い出すシーン全部終盤まで同じだし。
またそこしか思い出さんのか……と。
なんていうんですかね、話が進んでるけど進んでないというか、テンポが悪いという以前に、謎かけをしてるようで、結局ループさせてるだけなんですよね。
だからイライラするのかな。
黒幕などもわかりやすいし、2巻で明かされる謎も、個人的に気持ちよくありませんでした。

ストーリー?重視なのか、BL的要素もかなり少ないし、説明ばかりです。

3巻は買わないと思います。
次回作に期待。

9

面白かったです!

1巻&2巻セット【イラストラフ画集付き電子限定版】を購入して一気に読みました。面白かったです。2巻を読み始めたあたりから、読み終えてしまうのは残念だしでも続きは気になるしで複雑な気持ちになるほど。作画を担当されている麻々原先生のイラストラフ画集も良かったです。 身長対比図にワクワクしました!

使徒や登場する貴族たちが持つ紋章などの設定に惹かれました。点だったことが線になったときは脳内で「わー!!」と言ってしまうほど楽しかったです。
また、これぞ樋口作品!というような部分もこの作品の魅力のひとつだと思います。具体的にあげると、人の『立場』や『役割』についての捉え方や登場人物たちの思考の流れ、色んな思いを受け入れることができるタイプの受(柔軟とも少し違うような…)が出会っていく人たちによって成長していく過程などです。個人的にそういうところが樋口先生の作品を読んでていて好きだなと感じる部分なのでとても楽しめました。

いわゆるエロの部分は、多くはありませんが作品のバランス的にはちょうどよかったかなと思います。ただ、気になったのは『潮』描写。同じぐらいの時期に出た別作品でも同描写がありその時も思ったのですが、なんとなく作品の雰囲気と合わないなと感じました。完全に合わないというわけではないですが…特に必要性を感じなかったというか…うーん、本当になんとなく。曖昧ですみません。

実は樋口先生×ファンタジー作品の組み合わせには少し苦手意識があったのですが、それも杞憂に終わりました。
(途中で断念していたムシシリーズをリトライしてみようと思いました!)
全体を通してとても面白い作品でした。
三巻の発売が待ち遠しいです!!
解けた謎もあれば深まる謎もありまたまだ謎ばかりで早く続きが読みたいです。

3

秘されていた過去に隠された想いと願い

今回は王の七使徒の「王の剣」と同じく七使徒の「王の鞘」のお話です。

攻様の命と国の失墜を狙う魔女と、王と神との聖約を糺そうとする勢力に
よって受様が絶体絶命の危機に陥るまで。

七使徒に選ばれた受様達は王宮に居を賜り、王との謁見の日を待つことに
なります。王宮について何も知らない受様は戸惑いの連続ですが、受様に
親しく接してくれた「王の鞘」の元候補者が受様の付き人となり、なにか
と受様を助けていくれます。

使徒は特別な存在であり、身分は第一貴族以上宰相以下、王宮内で使徒と
同等以上の身分をもつ者は同じ使徒、宰相、騎士団長、大主教と王だけ
です。

新たな使途に選ばれた者は「王の盾」や「王の弓」は第三貴族、「王の鞘」
である受様は貴族でさえなく、王宮内には七使徒の存在を煙たく思う人々
が少なくありません。

それに加えて前王の逝去は前王の七使徒達の裏切りに端を発し、その後、
現王の使徒が選ばれるまでの3年間、国を支えたのは自分達だと自負する
文官達は現王の力さえも疑問視されていたのです。

そして謁見の日。受様は「王の剣」に選ばれた攻様こそが現王その人であ
る事を知る事となります。賢者の集う『北の塔』出身であり王とともに
使徒選定を行う「王の眼」と王の幼馴染であり領主でもある「王の翼」は
攻様が誰であるか知っていましたが、多くの列席者や受様達は初めて知ら
されるのです。

王が神から受け取る力を王を通じて受け取る器である使徒は、いわば王の
分身でもあります。その為選定の館には代々王が身分を隠して入り、自ら
選定をする習わしがありますが、それは極秘事項として常に秘されて、
次代へと引き継がれていたのです。

七使徒は5日後に民人への披露目、さらに7日後には得るかの神の御前にて
洗礼を受ける儀式を行い、使徒である事が証明されるのだと言います。
受様は自分達が歓迎されていない事をひしひしと感じ、披露目や儀式が
本当に行われるのかと不安を覚えます。

しかもそれぞれの使徒は近衛騎士団や宰相府、魔術師の預かりとなります
が、受様は王の直轄となるのです。受様は攻様に抱かる事が仕事だと言わ
れたように感じますが、攻様にとって王とは貧しい人間を飢えさせ、苦し
めている好ましくない人物でした。

選定の館で過ごした日々で攻様を信頼できると感じていたからこそ攻様に
抱かれたのに、攻様が王その人なら受様が信じていた攻様は全て嘘だった
のかもしれず、受様の心は千々に乱れます。

受様は「王の鞘」として正しく役目を果す事ができるのか!?

「王を統べる運命の子」第2巻は、フロシラン王を支える七使徒に選ばれ
た受様達がいよいよ王に謁見し、受様も読者も疑っていた攻様の正体が
明かされるところからスタートします♪

大方の予想通り、攻様がフロシラン王でしたが、攻様は受様を「王の鞘」
として抱く事を良しとしないばかりが、受様に様々なの事を学ばせようと
します。

攻様の真意は誰にも判らず、受様ばかりか使徒達をも翻弄させていくので
すが、使徒の洗礼の儀式を阻むべく、魔女の魔の手も迫るのですが、辛う
じて使徒たちは儀式を経て得た神の御力を持って魔女の放った大蜘蛛達を
せん滅、受様は祈りによって光の雨を降らせ、傷ついた全ての人々の癒し
の手となるのでした。

しかし絶大な力を振るう事で魔女の呪いの影響を強く受けても攻様は受様
を受け入れないのです。そのため受様は自分の失った記憶を取り戻そうと
するのですが、それは攻様が魔女の息子であり、愛した第二王子と深く関
わっていて、全ては王である攻様を狙う魔女へと帰結していくのです。

すこしづつ歩み寄っていくように見えた攻様と受様でしたが、攻様が呪い
を受ける事となった3年前の失われた3日間に受様が関わっていた事を思い
出した事により、受様は自分が生きてきた意味を悟るシーンに激しく胸を
打ちました。

全ては受様がそうありたかったと望んだ未来であり、攻様が選んだ結果で
したが、1巻で張られた伏線が見事に収拾されていき、秘されていた謎が
次々と明かされていくのですが、受様が大変な窮地に陥って以下続刊!!
というのは衝撃的なラストでした (>_<)

そんな2巻なのに、肝心のラスボス魔女は方々の記憶や過去には登場する
ものの魔女その人としては登場しません。1巻では攻様の正体が見えずに
モヤモヤでしたが、2巻では魔女の姿が見えずモヤモヤモヤです。

3巻で終わるのかな!? 読み終えたそばから次巻が待ち遠しくなりました。
なるべく早めに読ませて頂きたいです!!

4

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