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saiminjutsu nante shinjinai
イイモ先生の既刊作品は殆ど拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。
個人的、各項目5段階で
仄暗い 4
可愛い 3
エロ 2
血表現 1
な感じだと思います。
今作は表題作ともう1作品が同時収録されています。
表題作の「催眠術なんて信じない!!」は忘年会の後、気が付いたら部下の杉本さんに突っ込まれていた課長の早乙女さん。杉本さん曰く早乙女さんから、身体の関係を迫られたようだが、酒の所為か記憶が無い早乙女さん。しかしその原因が、どうやら忘年会の余興で催眠術にかけられていたようで…。
イケメンエリート部下に想いを寄せられている中年課長。カプとして可愛いですね。早乙女さんが催眠術にかかっているから、何か裏があったり、最後に仄暗いオチがあったりするのかなと勘繰っていましたが、そんなことはありませんでした。イイモ先生の作品としてはかなり健全な雰囲気の物語りだなと思いました。年齢や相手のことで不安になっちゃう早乙女さんが可愛いですね。悲しい描写も殆ど無いので、安心して読めます。
個人的に最後の杉本さんのリアクションが可愛くて思わずクスッと笑ってしまいました。
しかし同時収録の「土中の繭」は作風がガラッと変わっているので、ご用心を。
舞台は田舎の学校。独特の雰囲気を持つ宇津井くんと、宇津井くんを目の敵にする葛西くん。そんな2人の担任である沢先生。
明確に表記されていませんが、制服から恐らく中学校ですね。なので、受けは中学生で、攻めは大人です。更には命を落とす描写もあり、ハッピーエンドではないかなと思います。しかしこれはメリバなのかバッドエンドなのか…。それも読者によって変わりますね。
全く作風が違う2作品。しかしどちらもどんな展開になるのか、違う意味でドキドキさせられます。可愛くてハッピーな話も重くて引き摺る様な話も好きな人は、是非とも読んでほしいです。
表題作
おお!新しい発想ですね。催眠術ときたか!
イケメン優秀部下の杉本が慕うのは、絶対に恋愛に興味なさそうな課長の早乙女。
何気ないことで杉本は一途に早乙女を想い続け。
飲み会の早乙女と杉本の会話は、それは僥倖だと思っちゃいますよね。
なのに突然早乙女が何も覚えてなくて…。
杉本の人を好きになるキラキラ感に早乙女も…。
なかなか凝ったお話ですね。
実はここでもう読むのを止めようと思ったんです。
土中の繭は絵がさらに少年マンガっぽいし、子供が出てくるし。
でも読んでみたら…。
これはネタバレ見ないで読んで!
いつまでたっても子供は大人の被害者なんだな。
怖かった〜。
表題は素直に楽しい。万人受けしそう。
一番好きなところは杉本が雪に突っ伏すダイナミックな照れ隠し!
イイモ先生は照れ隠しの表現が上手いんです。
で、問題の「土中の繭」
口絵はこちらで、レビューのため何度か読み返したけど、毎回しばらく眺めてしまう素敵な絵です。
ちなみに私自身にショタ属性はありません。でも良い絵です。
内容はほの暗いサイコサスペンス。
以下軽く内容に触れるので今後読む予定のある人は予備知識なしの方が絶対面白いので少し下げます
ある登場人物がヤベェ…以下省略。
これだけでも判る人にはバレちゃいそう。
BL抜きにしてサスペンスとして楽しめました。
ラストシーンで繭は蚕と判明。ここまでは繭系モスラも候補にいたんだよね。
わりと苦手な展開だけどイイモさんのは何故かスラスラ読めちゃう不思議!
モノローグと2人が不穏なんですよね。
はたして蚕は1頭なのか2頭なのか、それとも…。
ここは考えると鬱になるのでもうやめます。
しっかし レビューのため読み返すとロクな大人が一人もいない、徹底してる。
南部の台詞が意味深。漫画的演出かしら?
あとイイモ先生の趣味でショタなのではなく、まだまだ経験値の低い彼らと、周囲がまだ(身体的にも)子供と思っている年齢だからこそ成立するお話だったのかな。
書き下ろしの「顔」
絵とセリフが微妙に噛み合っていない。それだけなのにすごい怖い。
あのラストから間髪いれずに読むことになるから余計に混乱する。
お口直しのあとがき
イイモさんの文章好きなんですよね。殺伐後のゆるふわ文に頬が緩みます。
総評は読んで後悔なし。
次作の悪癖を読むとこの1冊はマイルストーンなのかもしれない。
ただし地雷がそれなりにあるので自信がない方は装甲車必須。
表題作のサンプルを読んでワチャワチャラブコメだと思ってフワフワ~っと購入したら同時収録作から予期せぬボディーブローを喰らってしまった衝撃の一冊でした。
えー…未読の光の腐女子さんは十分お気を付けください。逆に未読の闇の腐女子さんは思わぬ作品発見になるかもしれません…
では、それぞれの感想を書いていきますね。
◎催眠術なんて信じない!!
恋愛に億劫気味の早乙女課長(受)とゲイでワンコ系部下杉本(攻)が経理の志摩さんの催眠術に翻弄されつつナンダカンダで思いを確かめ合ってくっついちゃう、ハッピーラブコメです。この好きだという気持ちは果たして本物なのかどうなのか…!とグルグルしちゃう早乙女課長がとてもいいです。
あと、志摩さんがイイおじさんでした。
◎土中の繭/顔
攻受を書いてしまうとネタバレになってしまうので具体的には書きませんが、教師攻めで生徒受けです。参考までに書くと殺人描写があります。私的にはほぼバッドエンド寄りのメリバです。
登場人物は、絵が上手なゲイの生徒の宇津井、宇津井を目の敵にしている生徒の葛西、二人の担任の教師の沢、美術顧問教師の南部、沢の同僚教師の富士屋。大人はみんなどこか胡散臭いです。
主に担任の沢を追いかける視点で進んでいきます。学校敷地内に現れる不審者、葛西を煽る宇津井と煽られる葛西、何者かに犯されている宇津井、飼育小屋の動物が惨殺されるなど衝撃的なシーンと、沢を誘惑して自分を受け入れてもらいたい宇津井、家に居場所がなく沢に自分を見て欲しい葛西、生徒達にしっかり誠実に寄り添おうとする沢のシーンが織り交ぜられて進んでいきます。
そして終盤、夜の学校。
手首を縛られた沢、のしかかりセックスしようとする宇津井、そこに何故か現れた葛西。
走る衝撃。
駆け出す葛西と残された二人。
そして、全ての真実が、種明かしされていきます………
…いやー、生徒たちのことを考えると、正直、初回の読後はかなりの胸糞感とやりきれなさに襲われました。でも、冷静になって改めて読み直すと、漫画としてはすごい面白かったんですよね…完全にすっかり騙されました。とにかく本当に攻めがサイコパスすぎる。
イイモ様の作品は今作が初めてでしたので、また他の作品も読んでみようと思います。
二つの話が収録されてます。
話は、明と暗がガッツリ分けられており、
表紙のおじさんに釣られて買ったら、温度差にさぞ驚かれるでしょう(笑)
注意要素としては、二つ目の話が「暗い・サスペンス・メリバ・殺し」要素があるので、苦手な人はオススメできないです。
もし私がこの本に帯つけるなら「表紙に騙されないで!大丈夫、闇要素あるよ」でしょうか。
・催眠術なんて信じない1-2
【あらすじ】
会社の飲み会後に目が覚めると、イケメン部下に挿入されて目覚めた受。
何故こんな事になったのか探ると、飲み会の際に催眠術にかけられ関係を持ってしまったようだ。
催眠術を解かせたいが、だんだんと部下に惹かれていく。
【攻】イケメンリーマン・女にモテる
【受】おじさんリーマン・恋愛めんどくさい
【感想】
なんも不安も無く楽しく読めます。
テンポが速く、BLギャグよりに感じます。
作風があまりにも違って、新天地開拓者か!?っと思う反面、コテ入れかと思ってしまいました(笑)
【エロ度:70%】
とても少ない(´;ω;`)
でも、エロい!!!!
イイモさんの両思いデロデロセッセ大好物です!!
・土中の繭 前後編
・顔
【あらすじ】
2人の男の子と教師が翻弄される話。
1人を助けると1人が傷つく、その間で全員が揺れ動きます。
更に、学校には不審ならことがあり、不穏の中話は進んで行きます。
【攻】普通の背が高い男性
【受】10代・難あり
【感想】
サスペンスなBLです。
家庭・性の事情で捻くれてしまった人々の末路を追っていき、感情の揺らぎと絶望を楽しめます。
【エロ度:30%】
エロよりストーリー重視です。
【個人的に】
これがイイモさんの1冊目の人は、温度差についていけないのでは?(笑)
そしてイイモさんの本を履修済みの人には、待ってましたー!誰がキーパーソンなんだ!って探る楽しさを感じました。
表題作がとっても好きでした^^
かわいいなぁー
もっと見ていたい!
催眠術にかかっているから部下・杉本が気になるだけだと思っている課長。
だけど、人を好きになるような術にはかかっていなくてーーというお話(笑)
杉本の笑顔が素敵で癒されました♡
そして、課長可愛すぎました。
杉本が催眠術を利用して、課長への気持ちを伝える場面もいいですね(´∀`)
優しいよ杉本。
とても素敵なお話で、大好きでした!
同時収録作は闇が深い……
作者のイイモ先生が理解できないような主人公の気持ちを、
私たち読者に丸投げしないで欲しかった(つД`)ノ
共感できないよーー
誰かを犠牲にしても貫きたい気持ちもあると思うのですが、
この作品は主人公の自分勝手な気持ちが子どもの命を奪っており、共感も許すこともできませんでした。
そんなわけで、評価は表題作に対するものであって、
同時収録作は趣味じゃないです。
表題作の「催眠術なんて信じない!!」は、リーマン×リーマンのテンポ良くハッピハッピハッピーな光BL。ちょっとくたびれてるおじさん受けであたふたしているところが可愛らしいです。同時収録の「土の中の繭」は仄暗い人間のじめっとしたところを存分に書いてくださっている作品です。個人的には、私はこちらの作品の方が好きです。メリバな感じでゾクゾクしました。表題作とは真逆の年若い受けなところも魅力的です。イイモ先生のいいところがガツンと発揮されています。意見のわかれる作品ではあると思いますが、光と闇のBLを両方読めるなんてお得ですね!!おまけまんがの控室の話が正直めちゃくちゃツボで大好きなのでした。あのノリ超好き。
同時収録作品の「土中の繭」目当てで購入しました。
先生×生徒2人、ショタ受け、サイコパス、メリバと苦手な人が読んだら即地雷認定の作品ですのでご注意を…!
作者さんも事故回避の為「土中の繭」を表題作にしたかったみたいですが、出版社の都合でアウトだったようです。
表題作の「催眠術なんて信じない!!」がまったく毛色の異なる作品なので、
分けて出版されなかったのが悔やまれるばかりです。
今のご時世ショタ受けだけでもとても厳しいのに、
それに加えサイコパス要素も取り入れ攻めた作品を送り出してくれたイイモさんには感謝です。
男の自分が男を好きであることが汚いと思っている葛西(受)と
ゲイであることを受け入れ堂々と先生にアプローチする宇津井(受)の対比が凄く好きでした。
表題作は、かなりギャグテーストのおじさん受け作品。
忘年会シーズンにぴったりの、酒の席の余興が原因で、ノンケ上司が、うっかり年下の部下に堕とされちゃうお話。
このタイプのかわいい年上が、年下のできすぎイケメン君に迫られて右往左往するお話って好き。
この表題作は、割と誰にでも受け入れられそうな明るく楽しいお話だけど、実はこの本の本当のメインは、次の「土中の繭」の方。
こっちは、なかなかシリアスで、先の読めないお話。
表題作の明るい気分のまま読みだすと、余計にスリリングで、いい意味で裏切られました。
中編2つ。
表題作品は、出来るイケメンワンコ部下と、ちょっと冴えないおじさん課長のカップル。
目が覚めたらベッドで、の出だし。催眠術で一夜を共にした、と思い込んでいる課長。でもなんだか部下にときめいてしまう。催眠術が趣味という同僚のおじさんがなんかいい味。マギー司郎さんがモデルとのこと。明るいお話でした。
もう1つの作品がこの本の本題のような。
ちょっとしたサスペンス作品で、ダークだけど私は読み応えあり面白かった。
生徒思いのいい先生、沢。反発ばかりしている少年と、ちょっと艶かしい美術部の少年。そんな二人が受け。途中まで色々浅読みで、結果は予想してなかったのでいい意味で裏切られた。
こういう作品をもっと描いて欲しいです。
新刊が出る度「こうきたか〜!」を更新するイイモ先生、今作も最高です。
表題作の『催眠術なんて信じない!』1・2と『土中の繭』前後編、そして土中の繭の番外編『顔』の書き下ろしが収録されています。
予約が開始した段階では土中の繭が表題作になるというお話でしたが、実際読んでみると、この順番で正解かも...と感じました(読後感的に)。今作では特に『顔』が刺さりました。
『催眠術なんて信じない!』はドタバタなラブコメディかつ、ラストはじんわり暖かくなるお話ですが、反して『土中の繭』はダークなお話です。ひたすら闇、闇、闇...私は大好きですが、救いがないと感じる方もいるかもしません。
エロが大丈夫で、割と雑食な方に読んで頂きたいです。
イイモ先生、なんでこんな振れ幅ある作品が描けるんでしょうか...きっと天才なんですね 一生好きです
この作品、好きな人は絶対好きです 刺さります 同じ性癖の人、イイモ先生の作品に出会えますように...
2作品が同時収録されています。
表題作の部下×上司に惹かれて読みましたが、後半に収録されている土中の繭の方が、設定が複雑で面白かったです。
催眠術なんて信じない‼︎は、ノリが軽めなので、押しに弱そうな(ちょろい)男性が好きな方にオススメできます。
土中の繭は、サラッとした明るいBLを好む方にはオススメしにくいです。
自分はこの作者の仄暗い話に救われるタイプなので読めて良かったです。一つ注意なのは「子供」が話に絡んでくるので、そこは個人の好き嫌いがあるかと。
もし初見で同作者の他の作品も読みたい方がいるなら、添い寝ラヴァーズに収録されている『監禁25年生活』をおススメしておきます。
ふと気が付くとイケメンで優秀な部下に抱かれていた!から始まる。タイトルを見て酷い奴だと思ったけど、部下の杉本君メッチャいい子だった。
主人公の早乙女課長が大変可愛いかった。仕事ができて身体つきもガッシリしてて、しかも優しい。他人を好きになる自分に驚いく課長と自覚してからの課長が可愛かった。
二人で末永く幸せになって欲しい。
経理の志摩さんが、とてもいい仕事をしてくれるし優しいのでサブキャラだけど好きになった。
もう一つの話『土中の繭』は、やたら熱量を感じる作品で、よく見たら表題作よりページ数多い!イイモさん・・・またこんな業の深い作品を生み出して・・・。
表題作でホッコリした気持ちを叩き落としにかかるイイモさん素敵です。後書きを読んだら、こちらが表題作になる予定だったらしい。
学生と教師のお話。共依存が好きな人にオススメ。私は好きだ!
読み進めるほと闇が深くなっていきドキドキした。書下ろし『顔』まで読むとしっかりヤバさが伝わってくる。
「催眠術なんて信じない!!」はおっさん受け、「土中の繭」はショタ受けになっております。
そして前者がラブ甘系、後者がダーク系で、いろいろと真逆な作品の2本立て。
以下ネタバレ感想です、ご注意ください。
「催眠術なんて信じない!!」は甘いマスクのイケメン×さえないおじさんの部下上司モノで、
飲み会の余興で催眠術にかかって、攻めと身体の関係を持ってしまったところから始まります。
短いお話だったけれど、攻めが受けのどんなところを好きになったのかがちゃんと書かれていて良かったです。
ただ私は表紙を見て、受けはもっと気の強い人なのかなと思っていましたが、見てみたら本当に普通のおじさんでした。平凡受け好きな人は好きだと思います。
「土中の繭」は私には合わなかった…。
メリバもダークも好きですしショタ受けも別に嫌いじゃないんですけど…これは苦手。
いや、宇津井くん可哀想すぎでしょ。当て馬にされたうえ葛西くんに殴り殺され、好きな人の手によって死体遺棄されるとか。
教師も葛西くんも捕まってくれ。人を殺めておいてこのまま二人が幸せになるのは無理。
発売前にちるちるでチェックした時は同時収録の「土中の繭」が単行本タイトルでしたが・・・
諸事情で表題作が入れ替わったようですね♪
これは好みがバッサリ別れる1冊ですね。
表題作「催眠術なんて信じない!!」のコミカルと
同時収録「土中の繭」のシリアスっぷりが
まさに天と地!
個人的にはどちらも最高に好きだったので大満足な一冊でしたが
表題作のあらすじを読んで購入した場合、ビックリしますよね(笑)
※ページ数的には同時収録の方が多いです。
表題作に惹かれて購入し、コミカルエロを満喫した後で、まさかの衝撃的なダーク。
正反対な毛色の作品というだけでなく、「土中…」は読み手を選ぶ内容なので
初めに読んだ時は完全に油断していて、ドロドロ具合にかなりビックリしてしまった…。
あとがきで作家さんが仰ってましたが、出版社事情で表題作にはできなかったと…
作品を読むと解りますが、教師生徒もので年齢がハッキリしない描写になっています。
ただ、内容的に中学生?…麗人掲載されたこと自体がスゴイです。
電子描き下ろしは、この同時収録を逆手にとっていて、やるなぁ~と思わせる出来の内容。
コミックス出演者控室が受け攻め別になっており、
受け控室にオヤジ課長が入ると生徒2人がいる…この3人のやりとりも笑えましたが、
隣室攻め部屋から乱入してくるイケメン部下が最高でした。
その後ろから何だか爽やかな教師の一言に、男子二人が怒りのツッコミ…上手い!
この一冊はイイモ先生の構成の上手さが冴え渡っていました。
「催眠術なんて信じない!!」
ポジティブで優秀なイケメン部下に、枯れたオヤジ課長の組み合わせ。
目覚めれば部下の森下に挿れられている早乙女課長…なかった事にして終わるんですが、
忘年会の余興で課長が催眠術をかけられていたことが判明。
かけた本人とはなかなか連絡がつかず詳細不明な状態のなか、杉本からのアプローチに揺れる課長。
全て催眠術のせいにしていましたが…実際は違った。
このやりとりと展開がいい!課長の面倒臭さがどんどん可愛く見えてくる枯れたオヤジ受けでした。
そして、このままラブラブ終了にならないのが、イイモ先生の技あり。
実はあの忘年会で杉本も催眠術をかけられていた!
そのせいで自分のことを好きだと思い込んでいるのか…と、凹む課長。
この展開で、更に杉本の本気が心に刺さる反転は見応えありです。
そして、術師の同僚がいいキャラで、陰で大活躍するフォローもよかった。
「土中の繭」
作品としてテーマの掘り下げや構成は、内容的にこちらの方が質が高いと感じました。
田舎の学校を舞台にした、新任教師の沢と、担当クラスの生徒である宇津井と葛西の三角関係。
生徒に親身な熱血先生の沢。
ゲイの噂で他生徒から敬遠され、葛西に目の敵にされていながら萎縮することもなく、
どこか挑発的で飄々としている…才能あふれる美術部員の宇津井。
キレやすく暴力的で、宇津井の存在を敵視して過剰に反応する問題児的存在で、
両親の離婚で居場所のない寂しさを抱える葛西。
二人の関係をなんとか治めようと親身に寄り添う沢を巡り、更に二人が折衝する状態のなか、
学校では定期的に不審者が出没し、飼育小屋の小動物が惨殺される。
3人の中では周囲から問題児とされている葛西が、実は一番普通の存在として描かれ、
描き下ろしの「顔」で、虐待の産物であるサイコパスの深層にふれています。
個人的には宇津井視点の内容、宇津井という存在が一番恐ろしいと感じました…深い。
※Renta:修正は白抜き。
表題作は、ちょっと目つきの悪い課長が催眠術かけられた!?と焦り
結局イケメン部下の杉本と恋愛してしまうラブコメのようなお話なので
楽しく読ませていただきましたが
それでもそんな簡単に恋におちていいんですか課長…とは思いましたww
好きでしたと告白され必死なところを見てしまうと情がうつっちゃうのかなぁ。
杉本が素直で明るくいながらも、期待され続ける圧というのも大変ですよね。
そんな杉本に上司としての器をさりげなく見せた課長も素敵でしたが
喜怒哀楽を隠さない課長がもっと素敵でした。
それなりの年齢だろうに、可愛らしく思えたのです。
二人のキューピッドとなった経理部の志摩さん、
人がいいのですがリアルおっさんな見た目で理解のある御方で良かったww
そして同時収録の『土中の繭』、なんともいえない救いのなさ……。
仄暗いお話は嫌いじゃないですしショタもだいぶ前に克服しているのですが
残念なことに愛を感じられなかったです。
先生が求めた愛と全く逆の行動じゃないのかな…。
あとがきを読ませてもらっても理解出来ないことの方が多かったです。
先生が普通の幼少時代を過ごしていたなら違っていたのでしょうけど
それだとこういうお話にならないのでたらればは意味がないですね;;
賛否が分かれるお話だと思いますが
表題作と両極端の作品を描けるってシンプルに凄いですし
「そうくるか!?」という展開がお上手。
でもやっぱり表題作の方が好きだな。
萌と中立で迷いましたが課長が可愛かったのでおまけの萌です。
イイモさんの新作だーとは思っていたものの、購入まで考えてはいなかったんですが、後半の作品が怖い・あんまりだ・読まなきゃよかった、という内容のレビューを読んで「え?そんな怖いの?」と逆に興味を持ち、買ってしまいました。
表題作はリーマンものでアラサー?の爽やか後輩×アラフォー?の課長の恋。課長に対して後輩がグイグイいく展開だけどいつのまにか課長もほだされて…というコメディー。課長のオロオロぶりが可愛いお話でしたが、今アラフォー受けって結構多いし割とサラッと描きあげてる印象でした。
対して後半のサイコパスもの。作者がこちらを表題作にする予定だったという通り、こちらの作品の方が力も思い入れも入ってる気がします。後味はとても悪いですが、BLにもこういう闇&病みありの不気味系サイコ・サスペンスジャンルが数は多くないけど確かにありますからね。萌えとはちょっと違うけど怖いもの見たさでたまに読みたくなります。内容の詳細な説明はあえて省きますが、ショタ物・犯罪物とだけ。
ただやはり現代日本でこの内容は確かに表題作として大っぴらには出せないかなと思います。舞台設定をファンタジー系とか時代物にしたらいけるかもしれないけど。
イイモさんの他の作品にあるような可愛い男の子が複数の大人達から無理矢理…みたいな、そういう方向のエロは今回の本には入ってないです。
最近積読本が増えすぎて「早く私を読んで〜」という声が聞こえてきそうなので、新刊はあまり買わないようにしていたんです。正直チェックも怠っていました。
でも、気になるレビューが上がってくると好奇心に負けてしまう。
「恐ろし過ぎて」…なんて文句を見ると、ヤバイもん好きとしては、怖いもの見たさでつい買ってしまうんだな、これが。
作者様の名前を見て納得です。
イイモ先生ならばきっと、恐ろしいものを恐ろしいまま描き切ってくださっていることでしょう。
まず表題作。
◆催眠術なんて信じない‼︎
イケメンで仕事の出来るイケてる部下×人間関係にちょっぴり不器用な上司。
これは好きなカップリング!!!
部下から上司への強いプッシュと執着がある、というのも大変な高ポイントです♡
同僚に催眠術をかけられて?気付けばホテルで部下の杉本に抱かれていた早乙女。
イケてる杉本に懐かれ、求愛され、すっかり絆されてしまうも、これは催眠術のせいなのか!?と悩む早乙女課長。もう、可愛すぎます!
出来る年下攻めに迫られて、嬉しいけど戸惑ったり、自信がなくて悩んだりする年上受けってだーい好き!
萌えます。とても萌えました!
表紙のキーッと怖い顔をしている人物が早乙女課長なんですが、実際はとても可愛い人なんですよ♡
◆土中の繭・顔(描き下ろし)
田舎の学校を舞台にした物語。
家庭環境に問題がある生徒の葛西と、男が好きだという噂の美術部員・宇津井。
何かとぶつかり合っては揉め事を起こす葛西と宇津井の2人を仲裁する、優しく穏やかな教師の沢。
その3人を中心に展開する、サイコホラーのような、陰鬱としたおどろおどろしい作品です。
本物の病み。心理描写が巧みで恐ろしい。
ストーリー上詳しいネタバレは避けます。
真相は予想したものに近かったのですが、そこに至るまでの展開はかなり想定外で、ショッキングでした。
虐待が生み出した心の闇。
普段病み系はフィクションとして現実とはあまりリンクさせずに読むのですが、これはどこか現実にありそうだ…という思いが否定出来ない怖さがあって。
最近の社会問題なども脳裏に浮かび、親や教師、身近な大人たちが子供に対して果たさねばならない責任というものを、改めて強く感じた作品でした。
私は萌えも怖さも両方楽しめましたが(楽しむと言ったら語弊があるんですが)、たしかにこれは一冊にまとめるには、テイストが違いすぎますね。
高評価も低評価も紙一重、そんな作品だと思います。
こんにちは☆
コメントありがとうございます。
私も先程、ゆーちん24さまのレビューが挙がっているな、と思ってて。その評価の高さに「え⁈ マジで⁈∑(゚Д゚)」と、驚いていたところなんです。レビュー読ませて頂き、納得です。そうなんです、リアルな怖さ、が迫ってくるんですよね。そして作者の「サイコパスの気持ちなんてわからない」という…。そこは何らかの想定を結論付けて欲しかった。だって怖すぎる‼︎ (T ^ T)
ええ、私がビビリー過ぎるとは思うんですけど。(>人<;)
ゆーちん24さまはヤバいもの大丈夫なのですね。
だって、だって、あの宇津井を犯していた不審者とか想定出来てましたか? 私は衝撃過ぎてビビリましたよー。描き下ろしの「顔」とか、怖過ぎる‼︎ 怖過ぎるよ‼︎ なーんて、確かにいっぱい話したくなる作品ではありますね。
レビューも読んで頂きありがとうございました。
私も表題作は可愛いくって好きです♡
後半の「土中の繭」が恐ろし過ぎて、ビビリーな私には無理でした。
作者をして、「サイコパスの気持ちなんてわからない。」と言うほどに。救いも無く、ひたすらにメリバ。メリーあるのか? な結末。
◆「土中の繭」
学内で男と付き合っている、もしくは売りをやっていると噂される宇津井に何かと絡んでは喧嘩をする葛西。コミュニティが狭い田舎の高校で、鬱屈している生徒たち。東京から赴任して来たばかりの沢先生は何とか彼らの力になりたいと願うのだったが…。
生徒たちにとって、両親以外に一番近くに存在する大人。しかし彼らもまた完全な大人では無く、心の内にひ弱で不完全な燻りを秘めている。
学校の周辺に出没しているという不審者。血生臭い事件。
物語はミステリー展開の様で、あっ‼︎ と驚かされます。
サイコパスは誰なのか、サイコパスの育ち、幼少期、サイコパスとして形成されていく発端、の様なものもきちんと描かれてはいます。が、やはり。作者も言うように、その気持ちなんて計り知れないもの。
今はただただ恐ろしい、と思うのみ。
◆「催眠術なんて信じない‼︎」
本当は「土中の繭」を表題にしたかったとある通り、すっかり霞んでしまう表題作。
いやー、そうして欲しかった。そうしてくれれば、私はこの作品と出会わなくて済んだかもしれないのに。
後半のおどろおどろしさに吹っ飛ばされてしまうし、意識してこちらをハッピーにしたと言うのに
無理。これくらいじゃ相殺されない。別にして欲しかった、と悔やまれる。
会社の飲み会の余興で催眠術にかけられたから、好きになってしまっただけ? という事実かもしれない事に振り回される大人二人。もちろん結末は予想されるんだけど、乙女になっちゃう課長が可愛いし、ちょっとの事では揺るがない押せ押せのワンコ部下杉本も可愛い。とってもハッピーなだけに、その楽しさを吹っ飛ばされた事にはガッカリもしたよ。
こんにちは(^^)
chikakumaco様のレビューを拝見し、その怖さが気になって気になって…。
早速読ませていただきました!
怖いものが好きなため評価は異なりますが、作品に対して感じたことは同じです。
レビューをあげてくださってありがとうございます!
勝手ながら、レビュー文引用させていただきましたm(_ _)m