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raijin to ryman
『雷神とリーマン』の4巻目。
非BL作品に分類されてはいますが、そしてセックスシーンはありませんが、はてしなくBLだと個人的には思っている作品。
人間になりたい雷神・雷游。
そしてそんな雷游を人間にすべく奮闘する大村。
雷神ゆえに人の世界には疎く、時々とんでもないことをしでかす雷游と、ゲイという性癖ゆえに悩み葛藤してきた大村。相反するような立ち位置にいる二人だけれど、二人が出会ったことでお互いが救われていく。
『雷神とリーマン』は、シリアスとコミカルのバランスが絶妙な作品ですが、3巻まではどちらかというとコミカル寄りな内容。が、4巻に入り、一気にストーリーが動きます。
雷游が、「これからの自分」のビジョンを明確に見据え始めたから。
とある事がきっかけでヒト型を維持できなくなってしまった雷游ですが、その出来事を介し、「人になった後の自分」を思い描くようになります。雷游が思い描くビジョン、それは、
子孫を残したい。
というもの。
自分の「未来」を、明確に見据えた雷游を誇らしく思う一方、子を産むことが出来ない自分は、雷游の「未来」に共にあることはできない。
そう、思う大村の想いに胸が打たれます。
自分が将来共に歩む人(普通は女性)を見つけ、そして子をなした後もずっと大村と一緒にいたいと思っている雷游と、そんなことはできないと思う大村との間に、少しずつ軋轢が生じ―。
雷游は「人になりたい」と願っているけれど、「人間になる」ってどういうことなのかなー、と哲学的な思考を持ちつつ読破しました。
姿かたちはほぼ人間を体現できる雷游。
それなら、雷游が「人になる」という事の意味することとは一体。
4巻は、もちろんRENAさんらしいギャグも盛り込まれているのですが、もっと深いところまで描かれていたように思います。
雷游。
そして大村。
彼らが本当に願う「こと」とは。
あー、続きが気になる!
早く次巻を読みたいです。
4巻は、雷游の学校の友達たちの将来に向ける描写も描かれています。
みんな揃って、少しずつ、大人になっていく。
そんな若者たちにもエールを送りたい。
終盤に番外編の「立場逆転パラレル」が収録されています。
大村が神さまで、雷游が人間だったら。
というお話。
立場が入れ替わっているので、名前も本誌と若干異なります。
雷游→游世、28歳、リーマン。
大村は「炎(「ほむら」と読む)」という名の火の神さまです。
游世が、めっちゃ偉そうで、そして男前で悶えました。
炎のほうは、ヘタレな神さまで爆笑必至です。
良い…。
こっちの2人も良い…。
炎がアホの子で、游世に論破されるシーンに思わず爆笑しました。
おもしろい。大好き。
二人がどんどんお互いがかけがえのない存在になっていく…。次巻で完結かな。お別れになるかもだけど、それまでに最高の萌えや尊さを見せて頂けるのでは!?と期待しています。
三巻末でクライマックス突入と予告されていた四巻。終末に向かって駆け抜ける感がすごかった。
カバー折り返しでの作者コメントが印象的。『二人は「楽しい」の先を見据え始めます。』と。どうなっていくのか、最後まで見守らせて欲しい、できれば幸せな結末で、と切に願った。
大村とのケンカ後、姿を保てなくなってしまった雷遊。徐々に口もきけなくなり、弱く小さくなっていく。雷遊自身が感情として意識できなくても、この変化が、雷遊の全てがすでに大村に委ねられているせいに思えて、萌えを超えて切なく刺さる何かがあった。
ラスト数ページは涙なくして読めない。大村が雷遊の仕事を考えてあると言っていた件も知りたいし、どういう決断をして最後の言葉を放ったのかも気になる。
雷遊は「コイビト」と言いながら、恋を軽く飛び越えて、一気にその先へ行ってしまったよう。雷遊の長すぎる歴史の上にある大村との日々を思うと、たまらない感情がこみ上げる。
次は最終巻。読む前からもうすでに泣きそう。
4巻はあっという間に読みきってしまいました!3巻まではなんとなく余裕があったのに、この辺りからどシリアス展開です。連載は長命になるだろうコメディ路線にいかずにこちらに舵を切ったのは英断。
逆転も面白そうで読みたくなってしまう。雷遊のキャラクターありきの逆転ではあるけれど。大村(ほむら)は神であっても人間になりたいと思ったときに無理矢理人の家に押し入ったりしなさそうだ。電子限定書き下ろし漫画はこの2人のお布団事情です。
今までは雷遊が人間になれるのかというのがストーリーの大まかな軸でしたが、この4巻では彼が人間になった先に何を望むのか、というところに焦点が当てられていました。歴史の一員として子孫を残したいと考えている雷遊。生命の循環に自分も加わりたいという欲求は、神という万物を超越した存在の贅沢なないものねだりにも思えるけれど、彼の今までの人生を振り返ると、それが叶わないというのはとても切ないことにも思えます。
不安定な感情のせいで雷神としての姿を保てなくなった雷遊に、大村が自分の気持ちを真っ直ぐに語りかけるシーンはとても印象的でした。この世に存在してくれるだけで十分、これほど相手の幸せを純粋に思いやった言葉はないですよね。人間になれるか否か、なれたら大村と共にいてくれるか否か、そもそも雷神の姿に戻れるか否か。そのすべてを置いておいて、ただ、存在してくれればいい。この大村の言葉に雷遊がどんなに満たされたか。愛を知った雷遊がどんな人生を歩む決断をするのか、5巻が楽しみです。