条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
amakute setsunai
始まりは甘すぎる夢のような展開。推しが目の前に現れて、仲良くなろうとぐいぐいくる。が、それら全てがただの妄想だったと思わせるかのように、毎回母親が不快感とともに襲来する。この繰り返しで話が進み、最後に律が進むと決めた道は(私にとって)耐え難いものだった。
律は大人になった今では、親の言動がおかしいことを理解しており、内側には反発心も生まれている。だが何を言われてもすぐに謝ってしまうので、さらに相手が付け上がっていく。
毒親の気持ち悪さは言うまでもないが、律の対応も、倫太朗の対応も、良い感情で見ることはできない。
幼少期からの積み重ねを考えれば、律のような考えになるのも仕方ないんだろう。でもここまで生きてきて、母親が変わらないことを分かっていて、今後も背負っていく覚悟を倫太朗と共有したのはちょっと無理すぎる。
倫太朗が支えになり、律の精神的な開放は描かれたが、金銭面の援助は続けそうな描写。縁を切らないのなら、倫太朗に迷惑がかかる未来が容易に見えてくるのでは。
好きな相手に毒親を一緒に背負ってもらうような道に進む律が無理すぎた。毒親持ちとして、それだけは受け入れられない。
母親が強烈過ぎて、霞んでしまいそうな倫太朗。冷静に見ると、あまりに都合が良すぎる。律の全てを肯定し、言わなくても内面の深いところまでを理解してくれている。一昔前の空気を感じる。
弟の健児はとても好きだった。
ずっと、読もう読もうと思って積読になっていた、こちら。やっと時間ができ、読むことができました。
毒親との関係に悩む、不憫受け様の救済物語。年上攻めの包容力にグッとくる…!! (๑•̀ㅂ•́)و
主人公はショッピングモール内のメガネ店で働く律(受)。ある日、メガネが壊れて困っているという客に自分のメガネを貸し出したのですが、それが大好きで尊敬している作家先生でー
と展開していくお話です。
幼い頃から両親が不仲で、両親の離婚後は何をしても言っても毒づいてくることしかしない母親のもと、深い人間関係を作ることをせず、友達もいないまま暮らしてきた律。
そんな律が年上の作家、倫太郎(攻)と出会い、心を許せ、預ける存在として恋心を募らせていくー
その過程がじっくりと描かれていて、心が震えました。
最終的に、毒親である母親との関係が劇的に変わるわけではないのですが。
倫太郎がかけてくれた言葉のおかげで、今まで言えなかった本音を母親に対しぶつけることができ、作中で少し胸のつかえが取れたような倫と共に、自分も一緒にスッとして心地よかった!
性的な触れ合いを「気持ち悪いもの」としてしか捉えられなかった倫のトラウマを払拭し、愛し合うことは汚いことじゃない、と身体と心で目一杯教えてくれる攻め様…ありがとう✨(誰)
大人の余裕漂う年上攻めも良かったんですが、個人的に好きだったのが攻めの弟、健児くん!
ファミレスで倫の母親に噛み付く様、あっぱれ!でした◎スカッとした〜〜
健児とくっ付いてくれても全然文句なし、と思えるほど個人的に好きなキャラだった…( ̄∀ ̄)
作者様買い進行中の月村先生。
今作はハイスペな作家先生×毒親に育てられ自己肯定感がとても低い眼鏡屋店員のお話でした。
とりあえず毒親と称された母親にひたすらにイライラムカムカすること間違いなしなのでそこは覚悟が必要です。でも間違いなく作品に必要な存在でもあり、最後には完全解決ではないけど律の気持ちの成長というか上昇が読んでいてよかったなと心から思えるのでそこもご安心を。
個人的ベスト推しシーンは渋滞中の車内での告白シーンです。
早番といえど花火大会前であれば結構暗めの夕方で夕陽が差し込みつつライトもつけながら動いたり止まったり、それに合わせてボソボソと紡がれる律からの告白を倫太朗が聞くとはなしに聞いていて…という情景がとんでもなくリアルに浮かんできて読みながらしみじみものすごくいい告白シーンだと思いました。
毒親かつ自己否定的で精神的に辛い描写もありますが、そこから救い出してくれる本当に優しく心温まるお話でした。
yoco先生の絵に惹かれて購入、
白抜きの部分と描き込み部分、白黒の対比、内面描写を工夫されているな、と思った。
文学調の大人し目なタイトル、緩やかな展開、細かい心理描写
飛び込みの一見客に、自分の眼鏡を貸す律。その人は、律が愛読する小説の作家だった。
律の手作り弁当を気に入り、ID交換、友人・・と、西に押されて展開していく。
西兄弟との交流で、律は、毒母の虐待と共依存する自分に気付いていく。
「暖かい家庭ごっこを一人で再現」等の描写が沁みる。
恋を知る甘さ、気付きと脱依存の切なさを描く、いい物語だった。
横室律:ショッピングモール内のmeganeyaの店員。
「ありがとう」に飢えている。
・・不仲な両親の離婚、毒母のネグレクト。高卒で就職、独り暮らし。でも虐待は続く。
作家の西倫太郎のファン
律の認識は、眼鏡の平凡。だけど、倫太郎は「コノハズク色の髪のたおやかな美青年」と言う。
西倫太郎:芳川賞受賞の若手小説家
「八乙女町の人々」を連載中
三か月前に母が死亡、実家に戻り弟と暮らす
律の素朴な全てが好き
西健児:高校二年
律に「下心があるの?」と初対面で兄の性嗜好を暴露。
兄に反発、律には素直。
※健児が居なければ、笑いのない内容になっていた。
自己肯定感低めの律(受け)が西先生(攻め)に優しく愛されていくのがめちゃめちゃよかった!
強いて言うなら、律くんが母親とどう付き合っていくのかは気になります。
その後の彼ら、みたいなものを見れたらいいなぁ~!
月村先生初読みです。
あとがきで地味めな作品とおっしゃっていましたがとんでもない!
最高に優しくて暖かい、また月村先生の作品を読みたくなるお話でした。
主人公の律は母親の影響でひどく後ろ向きで母親と関わるたび鬱々としています。
こういった暗い部分を持っている登場人物が主人公だとその描写ばかりが繰り返され、分かったから先に進んでよ!ともどかしい思いをすることが多々ありました。
しかし律の場合はそんなことがなく、スムーズに読み進めることができます。
律母の毒親パターンが豊富なことも一因だと思いますが何より健児の可愛さと倫太朗の甘やかし具合が絶妙で、律と一緒に気分が上がったり下がったりするから鬱々とした場面もくどく感じないのかなと思います。
律の後ろ向きはプロ級です。
さすがと思わず感心したのは倫太朗から買い物に付き合ったお礼にと財布とキーホルダーをプレゼントされたシーン。
これはもう自分に気があるのでは!?期待しては駄目だと分かっていてもしてしまう!の一択かと思いきや、仰々しいお礼が必要なほど距離がある相手という選択肢が出てくる不思議。
言われてみれば考えられなくもないけれども!倫太朗の態度は!もう!脈アリでしょう!?
後ろ向きすぎて苦笑ものですが、そんな律が愛おしくもあります。
ほんとにいい子なんです。
母親との関係も絶縁やざまぁがあって欲しい所ではありますが、そうしないのが律でそうしようと言わないのが倫太朗なのかなと思います。
現状維持の様で大きく変化しているさまはかっこよく律の成長に感動しました。
「ありがとう」と言われる仕事が好きから始まり、根本は変わることなく+αの感情が芽生えて終わる筋の通り具合も好みです。
何か小説読みたいなー高評価だしこれにするか!とノリで購入した本でしたがとても良い出会いでした。
母親が毒親そのものというレビューを読んで、うわぁ絶対にこれ私は消化不良になるやつだ……と積んでたのに、それをすっかり忘れて読んでしまいました。
途中で登場した母親のありえなさに、なにこいつ?となり、はっ!これは例の…と気づいたけど、時すでに遅し……。
でも読んで後悔はなかったです。
攻めはめっっっちゃ好みのタイプだし、受けは被虐待児で自己肯定感が低いなりにも「自分の人生を、自分のできる範囲でしっかりと前向きに生きよう」と一人暮らしを初める前向きな健気さがあって全力で応援したくなる子。
確かに、愚痴と当てこすりしか言わない受けの母親の口に象の糞でも突っ込んでおきたい衝動にかられるのは事実なんだけど、でも見事なまでの毒親っぷりに逆に哀れみの感情を抱いてしまったんですよね。
この女は負のスパイラルに自ら陥ってることにも気づかず、日々不平不満にまみれながら年老いて死んでいくだけなんだろうなぁ……ザマーミロ!と。
そしてきっと母親の親も毒親で、母親自身も愛を知らずに育ってしまった人間なんだろうなぁとも思います。
白いものを「黒」と言って育てるような親の元で育ってしまうと、異常さにも気づけないからどこか変だと思ってても母親に言い返せない受け。
それが、攻めと出会ったことで母親に言い返せるようになったところが良かった。
すごい成長だと思うし、一人では絶対に不可能だったと思うんですよね。
完全に縁を切って母親がのたれ死んでも構わないと思えるような子ではないので、端から見ると確かに生ぬるいようにも感じるけど、あれがベストだと思いました。
それにあの女は制裁しても自分の非に気づくどころか全力で縋ってきそうというか、死なない限り治らないタイプだと思うので制裁しても無駄というか……。
攻めは穏やかで包容力あるイケメン。
めっちゃ好みのタイプの攻め様でした。
そんな攻めが「かわいいね」「きみは本当にかわいいね」って何度も言うところが好き。
確かに受けはお料理上手で健気でめっちゃいい子で本当にかわいいんだけど、〜してくれるからかわいい、〜だからかわいいっていう意味じゃないと思うんですよね。
親って子供が素直でいい子だからかわいいとかではなく、憎まれ口叩いてこんにゃろぉぉ!とか思いつつも、無条件にとにかくかわいいんだなって自分が親になってわかったんだけど、それと同じというか。
本当は実の親から「かわいい」「かわいい」と言って育ててもらえるはずだったのに愛してもらえなかった受け。
攻めからの「かわいい」には本当は親からもらえるはずだった「そこにいるだけでかわいい」という無償の愛みたいなものが感じられて、そこがすごく良かったです。
あと攻めの弟がこれまたかわいい思春期男子!って感じで良かったです。
受けの律の心の浮き沈みが、個人的には性格と環境を表していて良かった。楽しく嬉しいことがあった後にそれに罪悪感を覚えてかき消す様に不幸な事を考えて…実際事が起こり、この感情の振ればが大きければ大きいほど自分とリンクして切なくなったりした。
律に感情移入して胸がいたくなったり…一喜一憂するのが、変な言い方だけど楽しかったし、これぞ読書の醍醐味だな〜って思ったり。
後半が律の性格を考えると個人的に少し駆け足のような感じがしたけれど、心情と行動原理は辻褄があっているので気のせい、で済ませられるかな笑
『倫太郎に自分のレベルまで降りてきてもらうのではなく、自分が倫太郎のレベルに近づきたくて』って一文にすごく恋心を擽られた!そうだよな〜って共感もするし、相手もそう思ってくれてるよ〜!って応援したくもあった。
律がすごくいい子で、今までが今までだからもっともっと幸せになってほしい。もちろん倫太郎と。
yoco先生の絵が雰囲気に合っていて、表紙も扉絵も素敵で…本当にいつも先生の絵だからと表紙買いをしてしまう。そして今回は大好きな月村先生の作品でもあるので作者買いは当たり前の流れで即購入(笑)
律の手仕事の腕前と倫太郎の弟くんの恋模様を機会があったら書きたいと作者様が仰っているので…是非とも読みたい〜!
律と倫太郎がもっともっと甘く幸せになるところが読みたかったので期待したいけど…弟くんの話がスピンオフで出ても、律の話は少なめかな〜と予想しちゃうとちょっとションボリ…(´・_・`)
そんな風にもっと読みたい、2人の話を追いたいと思うくらい大好きなお話の1つになった。
甘くて切ないお話は大好きです。
そのうえ薄幸な主人公が優しい人に出会って幸せになっていく姿を見ていくのはもっと好きです。
そんなキーワードに萌える人にお勧めしたい作品です。
主人公の律は、母親に産んで育ててくれた恩を返すためにどんな理不尽なことを言われ傷ついても嫌えない健気な子です。
毒親に虐待され賢く聡明なのに切り捨てられず、「大事にされている人は、大事にされるだけの徳を積んだ人」だから自分が誰にも大事にされないのは当然なのだと思いこんでいるところがとても悲しいです。
料理から手芸や手作り石鹸など素敵な趣味なのにそれを『あったかい家庭ごっこ』かもと自虐するところなど涙なくしては読めませんでした。
人から褒められたがり感謝の言葉が欲しくて仕事をする自分はあざとい人間で、よく思われたいがために親切にする感情を厭う律に、他者に認めてほしいと思うのは当たり前なことだよ、と言ってあげたくなりました。
倫太郎には、否定され続けてきたから自分さえも自分のことを肯定できなくなっている律の優しい心根を認め傷だらけの心を癒してくれたいいと思いながら読んでいました。
刹那的で今の幸せは長く続かないものだなんて思えないくらいに末永く幸せにしてあげてほしいです。
最後まで母親の身勝手で自分本位な性格や物言いは変わらずこれからも改善されることはないでしょうが、大人で心が広い恋人とハッキリ物言うその弟のおかげで少しずつ関係性が変わっていくような気がして安心できました。
ささやかな幸せ探しで健気に生きてきた子が、優しい年上の人と出会って、親との共依存から抜け出す一歩を踏み出すお話。
肉親だからこその、色々な葛藤やすれ違い。
律と両親とくに母親の関係は読んでいても辛いし、倫太朗と健児の関係は切ない。
そして律と倫太朗の関係は、もう最初から見え見えの甘々。
律は倫太朗に出会って、愛されることで、これからはもっと自分に自信を持てるようになるだろう。
甘いかもしれないけど、そんな、未来に希望の持てる結末で良かった。
それにしても、健児が案外あっさりと兄と律の関係を祝福しちゃうのって、この後に健児編の続編とかあるのかしらね。
あったらいいな。
作家買いをしてますが、好きな作品もあれば、読後に嫌悪してしまうような作品もあります。
これは中立。
主人公が痛々しくてかわいそう。切ないというより、痛々しい。
攻めや、攻めの弟とかかわるうちに、それまでの自分から踏み出すことができるという成長がありますが、その攻めや攻めの弟がご都合主義で醒める部分があって、わたしは乗り切れず。ただ、主人公が母親への葛藤に一区切りをつける流れは、強さを感じられてよかったです。
母親のセリフ全部がまともではない。私にはとても耐えられなくて痛かったです。一番多いのは「生まなきゃよかった」、子供(律くん)に会う度に投げかけました。律くんは毎月仕送りしても感謝ではなく不満ばかり言っています。就職のために母元から離れて暮らして、よかったと思います。そこから律くんの「生まれて初めての.......」を始まります。好きな作家に出会って、恋をして、自分のことも好きになって成長していく姿が微笑ましいです。
最後のページに「母親の性格は多分一生直らない」って律くんの未来を考えて心配になってしまいます。
イラストは顔の表情が読みづらいのですが雰囲気は切なくて小説にはぴったり合います。
スマートな人気作家×健気なメガネ店員。
yoco先生の絵柄がまさしく物語の雰囲気を語っているような、
優しく心がじんわりほどけるようなお話でした。
タイトルともぴったり。
受けはネグレクトや両親の不仲の影響で
恋愛感情に疎く、トラウマも持ち合わせているのですが
鬱々としすぎず、日々をきちんと生きている素朴で純粋な青年です。
あざとく、健気すぎると若干引いてしまうこともあるのですが、
今回はそんなこともなく受けにとても好感を持てました。
攻めはスマートで常識的な人物で、
実際にこんな人がいたら女性にかなりモテるだろうなという感じです。
思春期の攻めの弟を含め、
3人が段々と距離を縮めていく様子が丁度いい速さで
たまにドキッとしたり、微笑ましく思えたり、
幸せな気持ちになれる読後感でした。
ネグレクトをした母親とのやりとりが読んでて辛いところもありましたが、
受けの心の傷を攻めがしっかり塞いでくれているので大丈夫です…!
エロは控えめですが、2人の間には常に優しい空気が流れているので物足りなさは感じませんでした(o´∀`o)
神寄りの萌2評価です。
今回は純文学でデビューした人気作家と
メガネチェーン店の店員のお話です。
家族関係に悩みを持つ受様が
攻様との出会いによって
新しい家族の形を見出すまで。
受様の両親は諍いがなえず
父親が家庭によりつかないために
母親は受様をストレスのはけ口として
罵詈雑言を浴びせられて育ちます。
姑の死で両親は離婚し
受様は母親に引き取られますが
益々受様への当たり散らすようになり
受様は人とも距離を置くようになります。
厄介者の自分が離れれば母親も楽になるかと
受様は高校卒業して就職するの期に
家を出るのですが
世話になった親を見捨てるのかと
母親に責め立てられました。
メガネチェーン店に就職して4年、
毎月の仕送りとボーナスの3分の2を
渡し続けていますが
母親は皮肉と罵倒されてばかりです。
母親が俗にいう毒親ではと思っても
自分に非があるのでは思えてしまい
自己肯定感は低いままでした。
受様の勤務している店舗は
活気あふれるショッピングモール内にあり
仕事も楽しいのですが私生活では
母への仕送りでゆとりがあるとは言えず
料理や小物は全て手作りし
図書館通いを趣味にしていますが
大好きな作家の新刊だけは書店で
手入する事を楽しみにしています。
ある雨の日、
メガネを緊急で作りたいという
長身の男性客が来店します。
この男性客こそ今回の攻様です♪
急いでいるらしい攻様は
その日のメガネ作りを諦めますが
偶然にも攻様の処方による度数は
受様の度数にほぼ近く私用メガネを
攻様に貸すことにします。
その後に受様へのお礼にと
店舗にやって来た攻様は
受様が手にしていた文庫から
それを書いた作家本人だと判り
受様は思いがけないほど
幸せな時間を過ごします。
その後、
受様の手作りクッキーを食べた攻様に
料理指導のお願いをされた事から
攻様宅を訪れるのですが
攻様の高校生の弟に
攻様が人気作家でゲイだから
取り入ろうとしているのかと言われ
絶句していると
更なる爆弾発言をされてしまる事に!?
受様が偶然知り合った憧れの作家と
友人としてお付き合いする中で
折り合いの悪い母親との関係を見直し
攻様との恋を実らせるお話になります。
受様は母親に虐待されて育ったために
母親との距離感をうまく取れず
社会人として自立していても
母親の影響を強く受け続けています。
そんな受様が知り会った攻様は
幼い頃に父親を事故で亡くし
弟とともに母親に女手ひつとつで
育てられるのですが
高2の時に性癖を知った母親に
泣かれた経験から大学進学を期に上京、
純文学賞受賞を経て作家となります。
とひろが突然の母の死で
1人残された弟の面倒を見るべく
地元に戻ってくるのですが
高校生となった弟との暮らしは
喧嘩三昧でうまくいっていません。
そんな時に知り会った受様の
手料理が母親の味に近かったことから
弟と近づくきっかけづくりになればと
受様に料理を習う事を思いつくのです。
案の定、根が優しい攻様の弟は
兄には八つ当たりできつくあたれても
控えめで優しい受様を無下には出来ず
攻様兄弟のすれ違いは解消します。
そんな受様との付き合いで
攻様は受様の家庭事情を知り
母親との関係に悩む受様を大切にしたい
と思うようになるのです。
攻様が弟との暮しを安定させ
受様が母親との関係を築き直すまで
2人の恋の成就にドキドキしながら
楽しく読ませて頂きました♪
本作は何か劇的な変化や事件が
現状を変化させるのではなく
心の有り方というか持ち方というか
考え方を変える事で
状況が変化していくのです。
そうした心情変化は
時として主人公の苦しみや痛みでしか
表現されない場合が多いのですが
本作は優しさと労りが
変化への導線として上手に編まれていて
とても読後感が良かったです。
yoyoさんのイラストも
お話の雰囲気にベストマッチで
タイトル通り
甘くて切ないラブストーリーを
堪能させて頂きました (^O^)/
今回は本作同様切なく甘い1作
伊勢原ささらさん『嫌われ魔物の大好きなひと』
をおススメさせてください。
人外ファンタジーですが素敵なお話です。
両親を亡くし弟との仲に悩む攻 倫太郎 × 毒親に苦しめられる受 律 の話。律ばかりが助けられるのではなく、律も倫太郎の救いになっているところが高感度大でした。
眼鏡屋で働く律。ある日来店した倫太郎に、少し変わった接客をします。再び再開した時、律が読んでいた本から、倫太郎自身がその本の作家(大人気作家!)だった事がわかり、それをきっかけに2人の距離は縮まっていきます。
律は、母親が離婚する前から何かにつけ否定されたり罵倒されたりと、やる事なす事、律が悪いんだと言われてきました。所謂毒親で、離れて暮らす今でも気まぐれに愚痴だけを吐いたり金を要求したりとされながらも捨てることができません。
倫太郎は、両親を亡くし、久しぶりに一緒に暮らす少し年の離れた弟との仲がギクシャク。年齢的にもただただ反抗期かと思っているのもあり、少し距離があります。弟も、本当はお兄ちゃんが好きなのにツンケンした態度をとってしまう。
そんな3人が触れ合う事で兄弟間の緊張がほぐれたら、萎んだ律の心も癒されていきます。
毒親には嫌な気持ちになりますが、倫太郎も弟も良い子で、律は健気で、ゆっくりと発展する恋に癒されました。律が倫太郎兄弟の潤滑油になったこと、律自身が仕事を好きで頑張っているところに好感を持てました。親の問題などもあるため、ただただ甘い話ではありませんし、恋も速度がゆっくりですが、静かで暖かく、癒される話です。毒親が地雷でない方には是非オススメしたいお話です。
すいません。辛めの評価です。
題材は、すごくよかったと思います。
ただ登場しただけでイライラしてしまうくらい性格が悪い母親に対してざまあ的な展開がなく、息子に金持ちの彼氏ができたことでむしろ母親が金をゲットできる未来が待ち受けていそうだなと想像してしまいました。
攻めが何であの母親に親切にするのかあまり理解できませんでした。弟の態度は、見ていて気持ちよかったです。むしろ弟が攻めの方がよかったと感じてしまいました。
私の作家月村奎のイメージは、野球でいうと、ど真ん中ストレートです。変化球はないけれど、主人公に共感できたら心が揺さぶられる強いボールを投げられる人です。今回の話は、少しボールが雑だと感じました。だけど、本当はすごくいいボールを投げられる人です。次の話に期待します。
先生買い。めっちゃ良かった。あたりの優しい二番風呂に首まで浸かったような、癒しの一冊。インパクト!というものは感じなかったので神には至りませんですが、ヒノキのお風呂にゆったり入ったような幸せ感、ぜひぜひ。本編220Pほど+あとがき。ああケンちゃんも可愛い・・・
地方都市郊外の大型ショッピングモールにある眼鏡屋さんに勤める律。誠意のこもった接客をし、喜んでいただけることに幸せを見出している真面目な青年です。ある土曜日、雨の夜間、車で遠出するのに眼鏡壊してしまったとお客様が来店されたのですが、混んでいてお渡しするまで2時間ほどかかりそう。偶然、自分の眼鏡と処方箋がほぼ一致していたので、自分の眼鏡で代用していただくようお手渡しします。週明けの月曜日にそのお客様が来店してお礼を言っていただいたのですが、よくよく話してみると、律の大好きな作家の先生で・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
律の母(悲しい人)、ケンちゃん♡(攻めの弟)のほぼ4人です。
**大好きだったところ
受けのお母さんがとんでもなく悲しい方で、びっくり。読んでいてカンカンに怒ってしまうかと思いきや、もう悲しすぎて怒る気持ちにもなれませんでした。そんなお母さんに律ちゃんは縛られているんだけど、なんと、前向きに縛られている印象で良かった!沼にずぶずぶ沈んでいくような捕らわれ方ではなかったので、読んでる最初から暗くならずに済んだし、読後感がさらに良かったです!
そんな律ちゃんを、攻め弟であるケンちゃんが懐き、もちろん、攻めさんも最初っからロックオンしてたとしか思えないアプローチ(笑)。好きな小説家の先生に、もし会えたなら脳味噌フリーズして動かれへんでというファンの状態を、きっちり書いてくださって、そこもまためちゃシンクロ。
ケンちゃんのお兄ちゃんへの想いもめっちゃ可愛いしなあ・・・こんな弟おったら、超嬉しいと思う訳です。はあ幸せだ。小説好きな方、ゆっくり幸せになるお話です、ぜひ!!!!癒しー。
読みながら何度「りっちゃんを抱きしめてあげたい!」と思ったことか……
いや、私にそんなことをされたら律くんはとても困るだろうけど(笑)。
あらすじは既に書いてくださっているので、感想というか、思ったことを。
主人公の律は被虐待児です(もう大人になっていますが)。
これが実にリアル。
父は子どもに関心がなく、母は家族が上手くいかない鬱憤を子どもに転化するという、徹底的な機能不全家族の中で育った律は典型的なアダルトチルドレン症候群(そう言えば最近この言葉、聞かなくなりましたねぇ……ちょっと流行りすぎて拡大解釈された所為かしら?)です。
本来ならば『家族を成り立たせ、子どもを育てる』というのは親がすべき役割なのですが、親がその役割を放棄したものですから、親に代って自分がそれを引き受け、親との関係の中で必要以上に『良い子』になって、無意識のうちに家族(律の場合両親が離婚したので『母との』)関係を何とか繋ぎ止めようとしています。
おまけに律は離婚間際の両親が、愛のないセックスをしている場面を目撃しているんですね。
だから、性的な接触にも忌避感があるんです。
帯に『恋はこわい』という一文があるのですが、そりゃあ怖ろしくなるよね。
多分、律がこの経験をしたのは小学生の頃だと思うんですけれど、ただでさえ『性』というものに怖さを感じる年頃に、普段、猛烈な喧嘩をしている両親のそんな場面を見ちゃったら。
仕事でお客さんに「ありがとう」と言われるのが無性に嬉しいとか、休みの日には料理をしたり(それも『男の料理』じゃなくて『お袋の味』の料理なんだよ)ランチクロスを手作りしたり。
家族から得ることが出来なかったものを、取り戻そうとしていることなのかな、と自分でも思っている。ぼんやりとだけれど、自分が被虐待児だったって解っているんです。
でも、未だ自分にまとわりつき、毒を吐く母を捨てられないの。
そうなのよ、被虐待児の多くはこういう風なのよ。
どんなに賢い子で、解っていても、親を捨てられなくて自分が傷ついちゃう子がたくさんいる。
この辺がね、このお話はとてもリアル。
うわぁーん。切ねぇ……
「もうやめてくれー」って何度も思いましたよ。
「この子が幸せになるのなら、お話の整合性なんてどうでもいい。とにかく今の場所から救ってくれ」と思っちゃってねぇ……
いや、ちゃんとお話は整合性があります。
整合性どころか、倫太郎の律に対する接し方は素晴らしい。
彼の母を頭から批判するのではなく(これをやっちゃうと、親に対する愛を否定されたと思って離れていく子どもが多いのだそう)律が『そこに居るだけでいい』と包み込んでくれる。
かと言って『親の代り』をしようとする訳でもない。
ああ、倫太郎、良い攻めだわ。
まだ2月1日なのに、もう私の中では『2019年Best of 攻め』だわ。
私にとってはとにかく苦しい本でした。
なので余計、ラストの甘さのカタルシスは大きかった。
虐待で受けた傷はあっという間に解決する訳はないので、今後も律の気持ちは行ったり来たりするのでしょう。でも『恋は怖いものだけじゃない、優しいものだ』ということを知ることが出来て、少しずつ子どもの自分に起きたことを振り返れる様になるのでしょう。
いやホント、そうなって欲しいです。
月村さんの被虐待児に対する理解の深さに感動しました。
作家買い。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
月村さんと言えば懐の広い攻め×薄幸健気受け、ってテッパンな気がしますが、今作品もそのイメージを損なうことのないお話でした。
今作品の受け・律くんは毒親持ち。
仲が悪く、喧嘩ばかりしていた両親。
離婚後は事あるごとに息子に八つ当たりし、鬱憤を晴らしてきた母親。
その母親は、今は律が既に独立しているにも関わらず、お金の無心はしてくる、罵詈雑言は浴びせる、口を開けば文句ばかり。
そんな母親に育てられてきた律は自己評価が低く、そして「家族」や「愛」に対して価値が見いだせない。
そんな律が、ふとしたきっかけで知り合った好きな作家さんと出会い、そして恋をし、成長していくー。
月村さんらしい、優しく温かなお話でした。
が、ちとパンチが足りない。
イケメンで、人気作家というスパダリ感満載な倫太郎が、なぜ律に惹かれたのか、が分かりづらい。そこをもう少し突っ込んで描いてほしかったな、というのが一点。
そして、律の母親への感情が納得がいかなかったからかも。
展開としてはさすが月村さんと言った感じ。
倫太郎、健児兄弟の関係は非常に面白かったし、「母親」というキーポイントが非常に効果的に使われていてストーリーに無理がない。
が、肝心の律の母親、と律との関係がモダモダしているというかすっきりしない、というか。
倫太郎が「共依存」と評したように、律は母親にずっと縛られている。
愛情、ではないはず。
そして、優しさ、でもないと思う。
捨てきれないんだよね、お母さんを。
だから母親に良いように扱われても振り切ることが出来ない。
まさに共依存。
何故、母親に歯向かうことが出来ないのか、読んでいて非常に歯がゆかった。
最後はもっときっぱり母親を吹っ切ってほしかったな。
母親を変えることはできなくても、律自身は変わることはできるのだから。
ただ、倫太郎、健児兄弟がナイスすぎて悶えました。
倫太郎は大人の男。
そして健児は可愛い年下の男の子。
タイプの異なるイケメンに、悶絶しつつ読破しました。
健児に絡んでくる同級生の男の子もいたし、月村さんがあとがきで「機会があれば」とも書かれているので是非続編なりスピンオフなり書いてほしいなと思いました。
律を健気で可愛い、と思うか、
あるいは
母親からの呪縛から逃れられない男の子。
ととるかで作品の評価は変わる気がしました。
個人的には月村作品のネガティブすぎる受けさん、ってめっちゃツボなので、非常に美味しくいただきました。
あと特筆すべきはyocoさんの挿絵。
今作も美しかった…。
イメージにぴったりで、萌え度は確実に上がりました。
すでに、ぴれーねさんがあらすじなど詳しくレビューされておりますので、私は感想のみ書かせていただきます。
発売前から、あらすじ→書影アップと楽しみで仕方なかった本作。
朝からワクワクし通しでした。
先生は金太郎飴作家とどこかでご自身のことをおっしゃっていましたが、派手さはなくとも、色んな作家さんの本を読んでいてもやっぱり先生の作品を求めて王道月村に戻ってきてしまいます。
定期的にそろそろ読みたいなあと欲してしまうのです。
そして今回のお話も派手さはなく、どちらかと言うと地味。
そして包容力ありのスペック攻と自己肯定低めの受。
そして受である律の母親に終始イライラさせられます。
イライラというか、腹も立つんですが、なんか身につまされる部分もあり、読んでて「言葉の暴力」に鬱々としました。
だから、攻である倫太郎の弟が出てきた時は「救世主!」とほんとにスカッとした気分になりました。
倫太郎の弟であるケンは、理由があって始めのうちは兄に反抗的なんですが、基本はとても良い子で好感が持てました。
その後、倫太郎がとった母への対応も人としてなかなかできるものではないです。
20代後半で…素晴らしく出来た攻さんです。
最終的にはこの毒親の件はどうにもなりませんが、そういう部分でもご都合主義じゃなくてよかったです。
腹立ちますけど、こういう人間は治りませんからね。
でもこれからは、倫太郎とケンというかけがえのない存在を得たことで、黙って聞いていただけのスタンスから律も脱していくんだという意識が見えて良かったです。
飾り気ない言葉を、するりと文章に挟んできて、その言葉を輝かせる。
つい、あって当たり前に思ってるものが、すごく大切なものなんだと気づかせてくれる月村作品。
今回は、おかえり、おやすみ、でした。
ひっそり生きる孤独な主人公が、攻めのあたたかい愛情に包まれて幸せになるまでー。
そんな、ジンワリ心があたたまる、とても優しく心に沁みる作品でした。
内容ですが、人気作家の西×メガネ店店員・律による、日常系のしっとり優しいラブストーリーです。やや、痛くて切ないです。
ショッピングモール内のメガネ店で働く律。
親からの愛情に恵まれず育った彼は、人と深く関わりあう事に恐れを持っています。
そんなある日、律がファンの人気作家・西が勤務するメガネ店を訪れた事により、彼と知り合いになる律。
高校生の弟と二人暮らしの西の元へ、料理を教えに行く事になりー・・・と言うものです。
まずこちら、個人的に大好きな、包容力攻め×自己肯定感が低い薄幸受けになります。
で、キモになるのが家族との関係になると思うんですけど。
主役である二人が二人とも、家族との関係で問題を抱えています。
受けである律の母親ですが、巷で言われている「毒親」そのものだったりするんですね。
子供が自分より幸せになる事が許せず、常に言葉の暴力で支配し続ける・・・。
そんな母親に育てられた律は異常に自己肯定感が低く、人と深く関わり合う事に恐れを抱いている。
また、母親が急に亡くなり、高校生の弟の面倒を見る為に実家に戻ったものの、弟とギクシャクしている西。
う~ん・・・。
これ、同じ「家族の問題」ではあるんですけど、実はあまりに対照的でもあるんですよ。
互いを思いやるからこそ、上手くいっていない西の家族。
そして反対に、ひたすら自分を愛するが故、息子を傷付け続ける律の母親。
このへんが、とてもしっかり書き込まれていて、何だろう・・・。
読んでいて、何とも胸が苦しくなってくる。
で、そんな二人が偶然知り合い、少しずつ少しずつ距離を縮めて行き、恋をするー。
そして、結ばれる。
実を言うと、ただこれだけのお話になるんですけど。
ただ、律の存在により、ギクシャクしていた西と弟の関係が修復されるのがとても素敵なら、西の支えにより、律が母親との関係を絶ち切ろうと一歩踏み出すのに、とても心を動かされます。
テーマとして、すごく重いと思うんですよね。
正直、律の母親には、読んでいて腹が立って腹が立って仕方なかったりする。
そして、弟くんがズバッと母親に言ってくれるシーンには、めちゃくちゃ爽快な気持ちになる。
でも、西の言うように、母親は寂しい人間なんだろうとも悲しく思う・・・。
母親をただただ断罪するのでは無く、それでもこの関係から抜け出し前を向けるようになる主人公と、この落とし所がとても深い。
ところで、この家族の関係を軸にしながら、ちゃんと二人の恋愛も展開して行きます。
西ですが、かなりのいい男で包容力があるんですよ。
で、わりと策士の部分があるのも面白かったりして。
その紳士的な言動に騙されそうになりますが、結構強引に距離を縮めてきてるよね?と。
臆病な律が引いちゃわないように、言葉巧みに逃げ道を塞いじゃってるよね?みたいな。
律くらい臆病な受けには、この西のような包容力があって若干策士な攻めがピッタリなんじゃないでしょうか。
あと、弟くんも大変いい味を出してました。
ひとつ残念なのが、西視点が無い為、彼が律のどこに惹かれたのか若干分からない所です。
いや、ここで惹かれたんだろうなぁと言う印象的なエピソードはちゃんとありますが、どうせなら西の言葉でそこを読みたかったよ。
最後になっちゃいましたが、律は自己肯定感は異常に低いものの、健気でとても真面目ないい子でした。
この手の受けをうっとおしいと思わせず、逆に読者に好感を持たせられる月村先生って、相変わらず凄いと思います。