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vampire to komori koiyakou
作家買い。小中さんの新刊はタイトルからも推測できるようにヴァンパイアものです。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は吸血鬼の夜壱。
新宿の一等地にビルを持ち、吸血鬼専用のシェアハウスを運用している。彼は吸血鬼になって以来、時代の先を読み仕事をチョイスすることで収入を得ている。
と書くと夜壱は頭の回転が良い切れ者、のように思われるかもしれないが、実際の彼はかなりのぐーたらさん。夜壱がその時々に興した仕事のサポートをし、生活力が乏しい彼のお世話をしてくれるのは闇弐という男性。
闇弐がいてくれるからこそ、夜壱の生活は回っている。
闇弐はかつて夜壱が血を分け、吸血鬼にした、という存在。
かつては夜壱に熱烈な愛の言葉を囁き、そして愛してくれた闇弐だけれど、今は彼らの間には隙間風が吹く関係。闇弐は、そとで夜壱ではない「だれか」を抱いてくるのだ。それでも、夜壱は闇弐に傍にいてほしくて、彼の手を手放すことが出来ない。
そんなある日、闇弐が二人の子どもを連れ帰ってくる。
「悪い奴らに追われている」「母のもとに連れて行ってほしい」。
そう頼む良太(5歳)、良二郎(3歳)の二人の兄弟に頼まれた彼らは、二人を悪漢たちから守り、そして彼らを母親の元へと連れていくことにするが…。
というお話。
若干5歳にして弟の面倒もしっかり見て、また礼儀正しい良太。
彼らが追われているのは誰なのか、そして、何故母親と離ればなれになっているのか。
そして、二人が決して口には出さない「本当のこと」とはいったい何なのか―。
そういった謎を追いかける形でストーリーは展開していきます。
そしてそこに、夜壱と闇弐の冷え切った関係が、今後どうなっていくのかを交えて進んでいきます。
彼らは吸血鬼なので(何しろ不老不死)、二人が歩んできた歴史は長い。
夜壱視点で、彼らが出会ったきっかけ、二人が築いてきた歴史が過去の回想という形で綴られています。
小中さん作品は、基本的には受けさんに対して優しくそして深く愛している、という攻めさんが多い気がしますが、この作品の攻めである闇弐が、夜壱に超冷たい。初っ端から終盤まで、甘い空気になることはほぼありません。
それでも、闇弐を一途に想い続ける夜壱の想いがなんとも切ないのです。
が、夜壱という男性は儚げでも、ネガティブなだけでもない。
彼の天然ぶりが非常に可愛らしく、切ないけれどそれだけではなく笑いも要所要所でぶち込まれています。そのバランスが絶妙でした。
そして、闇弐が、なぜ夜壱に対して冷たい態度をとっているのか。
あれですよ。
この物語は、壮大な痴話げんか、なんですね。
深く愛するがゆえに、相手から拒絶されることを恐れてきちんと向き合うことが出来なかった。
そんな二人が、幼い兄弟をクッションにして、自分をさらけ出し、そして本音を伝えることが出来た。長い間すれ違ってきた彼らが、これからはずっと幸せでいてくれるようにと願ってやみません。
BL作品においてちびっこという存在は癒しの存在である事が多いですが、この作品の兄弟たちもものすごくキュートです。
庇護欲を掻き立てられる、というのか。
ぐーたらな夜壱が、この幼い兄弟たちのために奮闘する気持ちに激しく共感してしまいます。
良太・良二郎兄弟を追いかける「黒づくめの男たち」の存在ですが。
彼らが無事逃げ切れるのか途中までひやひやしながら読み進めましたが、そこは小中作品なので、シリアスな展開にはなりません。小中さんらしい、コミカルでテンポのいい文体で紡がれていくストーリーを、ぜひ堪能してほしいです。
吸血鬼の生態、「人外」である彼らの苦労、子連れでの逃避行。
沢山のバックボーンを回収しながら進む展開でありながら話が絡まることなく少しずつ謎が解明していく展開の仕方はさすが小中さんといった面白さでした。
出てくる登場人物たちが、みんな等しく優しく、愛情深く、そして魅力的なのも非常に良かった。最後は大団円で、気持ちがほっこりしました。
二人が勘違いからすれ違っている、というのは読者にはうっすら透けて読み取れる展開ではありますが、とにかく闇弐が夜壱に対して塩対応なので、メタメタに受けを甘やかす攻め、という関係がお好きな方にはちょっと物足りないかも。でも、少しずつ見えてくる彼らの深い愛情に激萌えしました。
今作品もすごく良かった。
文句なく、神評価です。
闇弐に冷たくされる夜壱に同情しながら読み進めました。
夜壱視点でお話しが進むので闇弐が好きで一途なのに、邪険にされ悲しむ姿に理不尽さを感じました。
戦時中にまだ人間だった闇弐に惹かれて、ずっと追いかけていたのが健気でした。いつかは自分の元を去るだろうと覚悟していたのに、闇弐が夜壱のせいで亡くなって彼を吸血鬼にするのです。
蜜月期を過ごして新宿に定住してから、闇弐に嫉妬した他の吸血鬼達から夜壱の事を聞き嫉妬して、2人は何十年もすれ違うのです。
そんな時にちびっこ達が夜壱に助けを求めて来た事から狼男達のトラブルに巻き込まれて行くのです。それがきっかけとなり2人の間に会話が生まれて、お互いに誤解も解けて2人は恋人同士に戻りました。狼男達のトラブルも解消して闇弐の元で料理を習っていたのには、ほっこりしました。
ただ過去に闇弐が夜壱を嫉妬させようと、女性とホテルに入ったけど勃たなかったからセックスしてなかったって話にはモヤモヤしました。夜壱はもっと怒って良いよ!
ええと、こちら、ざっくり言いますと、吸血鬼カップルによる子連れ珍道中って感じのお話になります。
作者さんお得意の、ラブコメテイストで。
で、主役二人がかなり拗らせてまして。
いやもう、臆病で不器用で、そして健気な吸血鬼にキュンキュンさせられましたよ。
そして、クライマックスでは萌え転がりましたよ。
内容ですが、血の隷属関係にある下僕の闇弐×血の濃い大吸血鬼・夜壱による、超拗らせの夫婦ものです。
新宿でビルを持ち、人間社会に溶け込んで暮らしている吸血鬼の夜壱。
血の隷属関係にあり、下僕でもある闇弐とは既に80年の仲であり、出逢った頃は情熱的に愛してくれた彼からの、熱が冷めた態度に地味に傷付く毎日です。
そんなある日、二人が以前やっていた探偵事務所を頼って、転がり込んできたワケ有りのチビッ子兄弟。
追っ手である黒ずくめのマッチョ集団をかわしつつ、二人は母親の元まで子供達を送り届ける事になりー・・・と言うものです。
で、こちら、追っ手に終われながら逃避行と、それなりに緊迫感のあるストーリーではございますが、実は終始コミカル路線です。
追っ手はライダースの格好をしたマッチョ集団ですし、こう、いちいち細かなギャグがブッ込んでありまして、ついついプッと吹き出しちゃう感じなんですよね。
いや、何と言っても主役である夜壱が可愛いんですよ。
吸血鬼がちゃんと住民票なんかも持っていて、人間と共存していると言う世界観なのです。
で、ビルのオーナーでありながら、クセの強い店子なんかに手を焼いてる吸血鬼・夜壱。
更に下僕であるはずの闇弐からさえ、眼鏡呼わばりされて逆に下僕扱い。
叱られつつ、サボっていた掃除をさせられたりして。
感情豊かな彼の反応なんかが、とにかく可愛いんですよ。
叱られて悔しさに身悶え、でも後から冷たい態度に落ち込んだりする・・・。
「昔は可愛かったのに」とか言いつつ。
おおおーーーーい!
母親かい!!
そんな、ある意味関係が停滞している二人の間に、転がり込んできたチビッ子兄弟。
母親の元まで送り届ける逃避行の最中、協力しながら久しぶりに共に過ごす二人。
夜壱は闇弐を血の隷属にした、過去の記憶に思いをはせ・・・と言った感じで二人の蜜月が語られます。
で、これが甘酸っぱいと共に、結構切ないのです。
吸血鬼になって300年、戦火の中、偶然出会った闇弐。
召集される彼を何度も見送り、無事をひたすら祈る。
そんな日々を繰り返し、20そこそこで出逢った闇弐が29になった頃、戦争が終わって二人は共に暮らし始めた。
夜壱が自身の正体を打ち明け、それを受け止めた闇弐と、限られた時間でも共に生きて行く決意をした最中、二人を襲ったとある事件ー。
読みながらですね、これほどの熱い想いを抱いていた闇弐が、何故現在の状態になっちゃったのか、不思議で仕方なくなる。
また、気付いた時には心が離れていた。
それでも一緒に居るために、涙ぐましい努力を続ける夜壱が、切なくて仕方ない・・・。
これ、終始夜壱の視点なのですが、二人が随分拗らせてるのが読者には良く分かるのです。
だからこそ、より切なくて切なくて仕方なかったりする。
で、読者が焦れて焦れて死にそうになる頃、ようやく解ける誤解ー。
分かってみれば、「そんな事で何十年もスレ違ってたんかい!?」みたいな。
もう、この誤解が解けるシーンで萌えはマックスなんですよ。
その後の痴話喧嘩としか思えない言い争いまで、甘過ぎて悶絶なんでよ!
人様によっては「お前らちゃんと話し合えよ!」と怒りだしそうな二人ではございますが、好きだからこそ、怖くて確かめられない事って、大いにあるんですよね~。
大人になればなるほど、臆病なっちゃうと言うのが私の持論ではございますが、それを言うならこの二人は400歳オーバーと100歳オーバー。
超臆病になっちゃのは仕方ないんじゃ無いでしょうかね。
あと、基本的にほのぼのコミカル路線であるこちらの作品。
追われているチビッ子達のオチまで、大変可愛らしいものでした。
悪人が出て来ないのも、また好みだったりします。
ところで、ページ数の都合からか、エロが超少な目。
11ページしかありません!
いや、エッチの時の夜壱が可愛すぎるんですよね。
だからこそ、もうちょっと読みたかったよ!
ご褒美ターンがちと少なすぎるよーーー!!
まぁ、拗らせてるとは言え、終始闇弐が甘やかしてるといっちゃあ甘やかしてるので、甘さが足りない事は無いんですけど。
レビュータイトルだけでなく冒頭からこういう書き出しで申し訳ないのですが、このお話は『かなり大きいお姉さん方』が読むと、また違った意味で趣深いんじゃないかと思ったんですね。
だってさ、夜壱と闇弐の2人って私には『本当は愛し合っているんだけれど今更そんなこと言えない、長年連れ添った夫夫』にしか見えないんですわ。
人外の存在が認められ、人間と共存している社会が舞台のファンタジーなんですけれど、そういう点でものすごくリアルだった。だって私、知ってるよ。こんな感じのカップル。
あらすじは今までの方が丁寧にご紹介されておりますので感想のみを。
それもかなり明後日の方向の感想だと思うんですけれど、許してください。
生きているとどんどん歳をとります。当たり前ですが。
子どもの頃は、大人になるともっと人生を上手く送れる様になるのだと思っていました。だって大人は悲しいことにも悔しいことにも、それほどダメージを受けている様に見えなかったんで。
自分が大人と呼ばれる様になってから気づいたのは「あたし、15歳の頃とそれほど変わってないわ」。
物事に対する感情とか、考え方とかはほとんど変わっていないんですよね。
唯一、15歳の頃と違うのはそれをあからさまに表に出さない様になったこと。
経験だけはたくさん積んでいますから、生の感情を出してしまえばその分傷が大きくなるということをしっかり学習しているんです。回復する力も若い頃よりは劣って来る訳ですし。
大人が上手くやっている様に見えるのは『臆病だから』ということです。
夜壱の年齢が『400歳オーバー』と書かれているのを読んで笑っちゃったんですけれど、これだけ生きてしまえば、その経験値から考えても『とんでもない臆病者』になるのも解ろうというもの。
おまけに、彼は死なないんです(まぁ『灰になっちゃう』という自殺方法はありますが)。
最愛の人が自分の下を去った後に、その喪失感を抱えたまま永劫の時を生きなければならない。
二人の間にあるのはちょっとした誤解です。
こんな、ある意味つまらないことが口に出せずに、ほぼ30年間を哀しい気持ちでビクビクしながら生きてきたのだと思うと、もうそれだけで泣けてきます。
これは私にとって『老いらくの恋(死語か?)』のお話でした。
それも『何度も何度も同じ人と恋に落ちる』お話。
ロマンティックだと思いましたよ。
薹が起った(失礼)『古の腐女子』の皆さまにお勧めしたい一冊でございます。
今回は隷属関係にある下僕の吸血鬼と
400年を生きる血の濃い大吸血鬼のお話です。
受様を頼ってきた幼い兄弟を助けつつ
すれ違っていた2人が再び手を取り合うまで。
この世には人間とは明らかに異なる
種が存在します。
受様は32,3歳の時に
血の濃い吸血鬼によって殺され
吸血鬼に生まれ変わって早400年、
受様自身も血の濃い大吸血鬼として
生き続けています。
力ある者の常として
弱者のために吸血鬼の糧である
生き物の精気・オドを回収もした為
ヤリチンの様に誤解されたり、
化物扱いされて首を切られたり、
磔にされて灰になりかけたりしつつも
元気に(!?)暮らしていました。
受様が今では受様の下僕となった攻様と
初めて出会ったのは80年以上前の上海で
攻様は20才そこそこでした。
受様は維新で渡った大陸から
日本に戻る道中にあり
オドを得るために日本兵の紛争で
潜り込んだ軍の駐屯地で目を惹かれたのが
瑞々しい生命力に溢れた攻様でした。
腹を空かす攻様のためにせっせと
芋や握り飯を差入れながら
受様は攻様からオドを摂取しましたが
殺伐とした時代を生きる中で受様にとって
攻様と共に過ごす時間は楽しみとなります。
しかし、戦争が激化する中、
部隊の移動で2人は別々の道を歩みます。
その後も何度かの再会と別れを知り返し
やがて2人は心を寄せ合うことになりますが
受様の短慮の招いた攻様の死によって
攻様は受様の下僕となる吸血鬼となるのです。
2人はあちこちの土地を見て回って
東京を棲み処と定めてからは
受様は所持する不動産を上手く転がし
攻様の手を借りて様々な職に手を出しつつ
生計を立ててきますが
いつしか2人の蜜月に影が差し、
攻様は受様の名前すらも呼ばなくなり
嫌々ながら世話されているような
扱いをされるようになっていました。
居場所のない吸血鬼のためにと
始めたシェアハウスさえも時代流れで
閉める事になった受様は
今後の攻様と2人だけの生活を思うと
悲しみしか湧いてきません。
それでも受様は
今でも変わらず攻様を愛していて
彼の手を放す事なんて出来ません。
そんな時に
攻様が受様を探していたという幼い兄弟を
自宅マンションに連れ帰ってきます。
兄弟は悪い奴らに追われていて
受様が昔開いていた探偵事務所の名刺から
受様に助けを求めていたのです。
母の元に行きたいと言う兄弟が
黒ずくめの男達に追われているのは
確かなようですが
全てを話しているようには見えません。
乗り掛かった舟と2人は
兄弟を母親の実家のある四国を
目指す事になります。
果たして2人は兄弟を無事に
母親に会わせられるのでしょうか!?
恋愛は成就した時点で終わりではなく
エンドマークの後にもある「いろいろ」を
コミカルに描いたお話でした (^-^)
吸血鬼となった2人が徹底的にすれ違っている
時点からお話が始まるので
着地点は仲直りのハピエンだろうとは
想像できるのですが
受様を頼ってきた兄弟と出会い、
追手を巻いて彼らの母の実家を目指す道中で
受様と攻様との出会いの過程が
詳らかになっていきます。
もともと受様は
あまり物事を深く考えない性格な上に
吸血鬼となって死からも遠ざかり
長い年月を気ままに思うままに
その時々で良いように生きてきます。
それは不老不死のまま生きる故に
受様自身を守る術でもあったのですが
受様の浅慮な行動が攻様の死と
吸血鬼への変転を招いた事も確かなのです。
吸血鬼となった攻様は
大吸血鬼である受様と共に暮らす中で
受様が思いもよらない嫉妬の的になり
徐々に疑心暗鬼になっていたのです。
お互いに言葉が足りなさすぎなのですよ (>_<)
すれ違っている時点からのスタートで
2人の馴れ初めが受様視点の回想なので
初恋よろしくキラキラ度も糖度も高く
現実の2人のギスギス感との差が如実です。
受様を頼りに現れる幼い兄弟と接することで
徐々に2人の間で放置されていたズレが
白日の元に晒されて誤解が解消されるまで
ヤキモキ&ハラハラさせられつつ
楽しく読ませて頂きました♪
2人の時間が有限であれば
失われる時を恐れてもっと早く
変化を求めたのかもしれません。
年を重ねれば誰でも
思慮深くなる訳ではないけれど
臆病にはなっていくのかな。
幼い兄弟達の秘密には
なかなか難しい問題も孕んでいましたが
彼らの追手達も本物の悪人じゃなかったので
こちらの決着点も安心できて良かったです。
今回は本作同様デキカプのお話で
栗城偲さん『蛍火』をご紹介作とします。
40オーバーの恋物語になります。
小中先生なので購入。小中先生、初ヴァンパイアとのことでした\(^o^)/ 小さな笑いを取り混ぜながら、大好きな「吸血鬼のせつなさ」を盛り込んでくださっていて、それはそれは盛大に泣いたので神寸前萌2にしました。人外のせつなさに弱い。本編250P弱+あとがき。
新宿通りに面した11階建てビルは、吸血鬼である夜壱(よいち)の持ち物。新宿御苑前駅まで徒歩30秒と至極便利で、建てた30年前から店子は切れず、下僕である闇弐(あんじ)と二人生活するのに全く困ったことがないのですが、今回その中にあるシェアハウスを止めて二人だけの生活に戻ることに。最初の頃は「愛している」と熱く囁いてくれていた闇弐でしたが、もう何年も前から「おい眼鏡」と呼びつけ、冷たい態度で・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
良太、良二郎の兄弟(お子様、夜壱を頼って逃げてきた)、お子様たちの両親、親族の方々。お子様はいい子たちで兄弟愛たっぷり、大活躍です。
**泣いちゃったところ
お話は、現代→80年ぐらい前、闇弐に出会ったころのお話→現代となっていて、昔のパートが泣けました。
夜壱が初めて闇弐に会ったのは、太平洋戦争が始まる前の上海。日本兵の扮装をして駐屯地に入り込み、庵二(下僕じゃない時の闇弐)に一目ぼれしたんでしょう、何回も通って身の上話を聞いていましたが、彼の部隊が移動してしまって、夜壱は日本へ。5年たって今度は呉で再会。しかし庵二はすぐに招集され、夜壱は天涯孤独となっていた彼に「また君を探すから無事で帰ってきてくれよな」と必死にすがり・・・ このあたりで涙腺崩壊1回目。だって「あんたのところに帰ってくることにしよう」なんて言うんだもん、泣くじゃん。
3回目の再会は香川。ここでようやく終戦となり、除隊となった庵二を夜壱は迎えにきて・・夏の暑い日差しのもと、無理をしてでも「約束したから」と迎えに行く夜壱に涙腺崩壊2回目。
その後、大阪に行って、そこでのプロポーズ話がたまらん!!!!!!寿命が違う、種族が違うということを全部乗り越えようという庵二の覚悟が!!!!!!と盛大に泣いていたら、とんでもないことが!もう涙腺なんてあったもんじゃないです。顔中どろどろ。
と、とっても忙しい昔話。この辺りで半分少し過ぎ。
こんなに強い結びつきだったはずの二人が東京に出てから、すれ違ってボタンを掛け違って、心がお互いの上にあるのに通わせることができずに・・・・と、後半は、むきーーーーーと悔しい気持ちが多かったです。最後、良い形になるし、何十年ぶりに闇弐からオド(精気)をもらって号泣するシーンや、最後の「寂しかったんだ」と告げるシーンは、またもやもらい泣きして良いのですが、むきーー(怒)をすっきり解消させる方法が今一つ、自分で見つけられなくて。でろ甘になるタイプの二人ではないんですが、「甘さか何かで、むきーー(怒)としたのを打ち消してよーーー」と感じてしまったのです。
二人とも好きなキャラだったんですけど、甘さ演出するタイプではないように感じたので、そのような場合、どうやってハピハピ感じさせて終わらせるのがいいんだろうなあ??と考えた1冊でした。すれ違い話や吸血鬼話(王道とはちょっと違う気がするが)が気になる方は是非。
正直、吸血鬼にそんなに期待はしていませんでした。
が、40年越しの再生愛にまさかこんなに胸がギュッとさせられるとは思いませんでした。
とっても良かったです!
ぐるぐる回ってやっとこハピエンのお話も大好きなんですが、本作のように出来上がってるカップルが好きあってるはずなのにぐーるぐるしちゃうのも大好きなんですよね。
一緒になって80年。
セックスレスになって40年。
最近じゃあ名前でも呼んでくれない。
(おい!眼鏡と呼ばれている)
吸血鬼として必要な「オド」も自分以外からもらってると、互いに誤解していて、二人の温度差は修復不可能かと思われるほど。
そんな夜壱と闇弍のもとにちびっ子二人が転がり込んできます。
突然のことで、最初こそ慣れない子供達のお世話にアワアワしていましたが、ちびっ子がいることにより、いつもより自然に闇弍と会話することができる夜壱。
(まさに倦怠期夫夫)
4人で逃避行して、闇弍と出会った頃のことを思い出す。
あんなに愛してるって言ってくれたのに、自分は今でも大好きなのに…。
夜壱と闇弍の出会った戦争時代のパートもこれまた切ないんです。
初めて出会った日から結ばれるまで10年かけたドラマ愛なんですよ。
燃え上がった当時の愛と、すれ違ってしまった今と、二つの切なさを楽しめます。
ちびっ子達のプチ家出騒動と絡んで、だんだんと家族のようになっていく4人の変化、夫夫の変化がとても微笑ましくて可愛かったです。
それにしても、これから永遠に食事の支度をしなくちゃならない闇弍。
本人は苦にならないくらい料理好きなんでしょうけど、私は目眩がしましたよ。
吸血鬼じゃなくて良かったわ…笑
神よりの萌2です!
80年連れそった恋人達が、子連れ旅行中に仲直りする話です。
あらすじに倦怠期とあったのですが、擦れ違いという感じでした。
それと子供を連れて行く目的がどうも…。要はおじいちゃんが怖かっただけだよね?というもので、子供達に内緒で大人同士で話し合ったら解決したのでは?という気もして。
まぁその分、安心して二人の恋愛模様に集中できましたが、そうなると子連れ道中が邪魔なんですよね。二人の誤解の解決に子ども達が役に立ったというわけでもないですし。
本筋のストーリーがいまひとつ腑に落ちず落ち着きませんでしたが、夜壱(受)の切なさはすごく伝わってきましたし、誤解が溶けてすごくほっとしました。陵クミコ先生のイラストも可愛かったです。
小中大豆さんの吸血鬼ものです。そして、超長年(吸血鬼なので)連れ添っている恋人同士の、壮大なすれ違いから仲直りまでのストーリーです。
過去、甘い甘い蜜月のような日々を過ごしていた2人。しかし、今や闇弐は夜壱を名前ではなく「眼鏡」呼ばわり。一緒にいてはくれるけど冷たい闇弐との関係に落ち込む夜壱の前に現れた2人の幼児。過去に夜壱達が営んでいた探偵事務所の名刺を手に、悪い「大じいじ」から逃げてきたという彼らの「ママのところへ連れて行って」という依頼から、4人での旅が始まる。というお話。小中先生らしく、テンポの良いラブコメで、スラスラと読めます。
夜壱と闇弐のギクシャクした雰囲気と言葉のやり取りは、最初から終盤まで続きます。途中過去の回想で甘いシーンもありますが、現代に戻るとツンケンしたり落ち込んだり怒ったりな2人。倦怠期で安定してしまった日常に、訳ありな子どもという非日常が放り込まれて、凍っていた2人の関係がゆっくりとですが動き出します。
子どもも可愛く、ハラハラワクワクするストーリーでしたが、恋愛面では倦怠期カップルの2人が拗らせて無意識に傷つけあっていたのが悲しかったです。あまりにツンケンしているのが長く、ご褒美タイムも短かったので評価は萌えとしての評価は申し訳ないですが中立かなーと。
大好きな小中さんなのと、大好きな人外モノということで、読むのを楽しみにしていました。
イチャイチャを期待してたのに、ずっとケンカしてて、それも寿命が長過ぎるのが災いしてか、終盤まで続くのが悲しかったです。
おまけに、長年連れ添った夫婦のような2人なのに、片思いのようなじれったさが、ちょっと自分には合わなかったようです。
夜壱の卑屈さも、ちょっと苦手で…。
まぁその分、ラストでお互いに浮気はしてなくて、ずっと一途だと分かってからのイチャイチャは萌えましたが…。
消化不良のような読後感でした。