条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
adatsubaki yugamite haguruma
いやぁ~、なぜこれを積ん読していたのか。。
好き作家さんなのですが、作品が多くないので大事にとってあったんですね。
しかし、1ページ目からの絵の巧さ。惚れ惚れする構図、きれいな線、はっとするキャラの台詞や表情、せつないストーリー。どれをとっても漫画として格段に面白くレベルが高い。もっと漫画描いて欲しいな~
訳あって今は剣の指南役をしている間宮。そこへ弟子入りしたいと一馬という若者がおしかけてくる。しかし実はその一馬も訳ありで。。
過去と現在が交錯するラブストーリー。しがらみから逃れることが非常に難しかったであろう当時(あ、言い忘れてましたが吹屋フロさんなので時代物)、運命にさからって悩みながらも愛をつらぬいた人たちのストーリー。
何回でも読み直せそうな素晴らしい作品です。
短編で、涙して何度も読み直したBL漫画はありません。ぜひ続編も見たいです。
普段は小説派なのですが歴史物であるこの作品に出会い、新たな自分の好みを知ることになりました。
とにかく、受けの鬼であろうとするが故の孤独な人生が読んでいて辛い。しかし、それを助けようとした人物を殺めて更に孤独に苛まれてしまう。
それを再び助けることになるのが殺めた人物で仇討ちに来た息子という設定に切なさと、愛の残酷さを同時に味わえる作品です。
初めて読む吹屋フロ先生の作品でした。
時代物をあまり好まないのと、絵柄のクセが苦手な方だったのですが答姐で何度か見かけて、読んでみる事に。
電子派なのでわからなかったのですが、本屋で目にした時分厚さに驚きました!
BLコーナーで見たそれは凄い存在感を放ってましたね。
題名にもあるように仇討ちの物語です。
父の仇である間宮の元に、下郎として住まわせてもらう事となった一馬だったが、鬼の様な存在と思っていた間宮が寂しそうに笑うところやさり気ない優しさに心が揺れて…といったストーリーです。
間宮と一馬の父、武雄の物語は切なくて涙無しでは読めません。
武雄の面影を遺した一馬と間宮がまた恋に落ちるのが運命的です。
仇という憎むべき相手を好いてしまった一馬の葛藤が良かったです。
「好きになっちまったよう」って泣くの可愛すぎて…時代物で年下ワンコが見れるとは思ってなかった。
仇討ちのシーンは迫力があり、引き込まれてハラハラしながら読みました。凄い画力です。
最後まで結末の読めない展開で、ドキドキヒヤヒヤでした。
結末は私的には嬉しい締めくくりでした。
苦手意識にとらわれて読まずにいたら損してたなぁ、と思える作品です。
ツイッターで、神作品、この作品の感想を述べる語彙力がない、などのツイートを見て、期待して読みました。
読み応えありまくり!!
ぶ厚さに違わぬ内容で大作。
仇討ちをする側とされる側の愛憎劇。
その過程が前半じっくり描かれ、過去が明らかになったり、お互いの関係性が微妙に変化していったり。
背景や人物の心情が理解できるにつれ、仇討ちはどうなるのか!?と先が読めず否が応でも引き込まれる、
そして、仇討ちの時がやってくる。
殺陣の描写が大迫力!
クライマックスも心わしづかみ。
お前になら斬られてもいい。
斬りたくない一緒にいたい、でも斬らねばなるまい。
お前に斬られて、これでいいのだ。
などなど、複雑な心情と鋭い剣が交わって全くもって目が離せない。
すばらしい展開。
その後〜からの終わり方もいい。
お互いの立場、武士としての誇り、お互いを思う気持ち…複雑な関係性を違和感なく、なるほど!と納得しながら次へと進む。
そこがとてもいい。
萌えもエロもあって満足。
脇キャラの、殿、真右衛門、おりうもとてもよかった。
個人的には、メイン2人の顔が好みでなく、萌えが少なくなってしまったのが残念。
ただ、それを補って余りあるストーリーに魅了されました。
400ページもある超大作でしたが、続きが気になって一気に読んでしまいました。中だるみが一切なくてすごいです。
作画がガチの時代劇的少年漫画でストーリーもハードなのにBLラブシーンが違和感なく入ってくるばかりか、どのラブシーンも最高に萌え滾るやつで嬉しい!こういうちゃんと少年漫画してるけど公式でBLですよ!!な漫画を読みたかったので!
武雄さんと刀爾の初キスシーン(3話ラストの引きの強さすごい!)と裸で抱き合う図が特に気に入っています。あぁ、萌えるわ……。
一馬にグイグイこられて困り顔の刀爾が可愛かったですし、年下ワンコ攻めなのにかなり手練れてる一馬も良かったです。
電子書籍で買ったので、最後まで読み切るまで裏表紙の絵を知らなかったのですが、読了してからあの武雄さんと刀爾がむつみ合う手前に撫子の花の咲く絵をみると、グッと来ますね……。なるほど、「撫でし子」と刀爾をかけているのかと。撫子の花言葉も二人によく似合います。
いやぁすごいページ数でしたね。非常に読み応えがありました。武士の時代、親の仇は子の仇という時代ならではの復讐劇。話の大まかな流れは大体読めてしまうのですが、それでも1つひとつのシーンにおける2人の熱い、もしくは冷たい表情だったり、感情の滲み出る台詞だったりが素晴らしく、全体を通してエネルギッシュな作品でした。吹屋先生の画力の高さがあってこそのものだとも思います。
2人揃って刀爾郎を好いた曽我親子。彼らが本当に人のいいキャラで、刀爾郎が絆されるのも無理はないなと。常に大らかで、穏やかで、相手の本質を見ようとしてくれる人。これを表面的にできる人は少なくないかもしれませんが、本心からできる人は相当限られてくると思います。そんな2人に愛された刀爾郎。恐れられつつも鬼になりきれず、かといって好きになった人を愛することも許されず、孤独を極めた人間。彼が曽我親子に見つけてもらえたことが本当に良かった。剣を交えるしかなかった一馬と刀爾郎の運命が切なかったですが、決闘のシーンは圧巻で、自分の感情を整理するには不可欠なものだったんじゃないでしょうか。同じ人の死で苦しんだ2人が、今を生きる自分と好きな人を大切にできるようになったことが嬉しかったですね。
ありきたりの言葉では言い表せないくらいガツンと衝撃を受けた作品です。
時代物BLを読むのは初めてだったし分厚いし、どんなものだろうと軽い気持ちで手に取ったのですが、ストーリーも登場人物も心理描写も作画も何もかも素晴らしかったです。
読み終わった後もしばらく余韻で動けない感じでした。
レビューや試し読みを読んで面白そうだなと思った方は是非読んでみることをお勧めしたいです。
絶対に読んで良かったと思うはず!
あらすじや試し読みでちょっとでも気になった方は買って損はありません。読み応えありです!!値段は高めなのですが、それ以上の感動があります。BLという枠だけでなく、人間物語として読み応えありますね。
時代が粋なので(衆道は武士の嗜み)
純粋に二人、いや三人の思いあいが読めて大満足です。
時代モノBLの「百と卍」も好きですが、
こちらは仇討。刀でやりあうごりっごりのやつです。
ただ、百と卍 では衆道では年上が攻め、年下が受け、ときまっていて
それも悩みポイントとして描かれていたので
お?年下攻めがすらっと描かれいてその説明とくになし・・・?
と少しだけ疑問残りました。
めちゃくちゃあっさり受け入れて、すっごく攻めるんだね☆で納得できますw
BLはファンタジーですしね。ありですねw
そういうルールはさておいて、父と息子で同じ人に惚れる、惚れあうっていうの
すごいいいです。
絵柄がすこしこう。。面長な感じがあって、受け入れられるかなあと心配しましたが
細かいことがどうでもよくなるくらい
読み応え抜群の作品です。
買って損なし。
ストーリー重視の人にオススメという紹介から読みました。大満足でした。
仇に恋するという話はあまりありませんが、とても珍しいというわけでもなく、ある意味定型でもある気がします。
オチが仇討ちを果たすが悲しみにくれるか、仇討ち失敗して死ぬか、仇討ちできずに相手と新たな生活を送るかのどれかと想像できてしまうと思うからです。
しかし、その仇討ちまでの経緯、その後の話がとてもとても丁寧で、ドラマでした。
ストーリーはさることながら、登場人物の表情が豊か。
特に、一馬(雄之進)の表情がすごくて、ニコニコ顔、眼をキラキラさせた顔、少し考えた顔、真剣な顔などなど、色々な表情がキャラの性格も相成って本当に見て飽きませんでした。
個人的に、眼をキラキラさせたわんこっぷり からの、仇討ちの相手を見るときの光のない眼とのギャップがたまりませんでした。
父の武雄が死んでしまってその仇討ちのために、いろいろ犠牲にして日々鍛錬をしていくなかで、世間を上手に渡るすべであったり、闇堕ちの影の部分が追加されたりしたんだろうなと感じました。
一馬は根が素直なだからか、父の話をしている時に思わず悲しくて泣いてしまうところや、仇討ちクライマックスの、間宮を斬りころさなければいけないときの戸惑いの涙など、涙も印象的でした。もちろん、間宮が寝刃の刀を掘り起こして一馬との仇討ち試合に備える場面での涙もとても印象的でした。
背景もよく書き込まれていて、ものすごいです。
大作、名作です。
弟子志願を装って父の仇を取ろうとする青年×伝説の刺客
時代ものなんだけど小難しくないので、ひるまずに読んでほしいです。
もうとにかく圧巻の一言。
圧倒されたし、痺れた。
本当に痺れた。
「殺めなくてはいけない男なのに、深い情を抱いてしまった」
とか、
「好いた男を己の刀で斬らなくてはいけない」
とか、
「お前になら斬られても良い」
など、とにかく心にぐさぐさ突き刺さりまくり。
読んでて何度、武者震いしたことか。
そして何度も目を潤まされました。
脇役も人情味があって、情深い人たちばかりで泣かされます。
そしてところどころ登場する「手」がとても印象的でした。
刀だけを握ってきた手、花を差し出す手、指折り数えて待つ手、今際の際にしがみつく手、そして傍に弔われる手。
もっっと早くに読めば良かったわ……。
それにしても「仇討ち」って腐心をくすぐる何かがあるのかなぁ。
梶原にきさんの「春の音」に収録されている「雪の夜」も幼馴染みながらも仇討ちする仲となってしまった二人が描かれていて、何とも言えない味わいがあってそちらもオススメです。
ーーーーーーーー
個人的覚え書き
仇討ちで長年追う、追われる間柄の末を描いたのは、池波正太郎「剣客商売 七」隠れ蓑
内容重視と評判の高評価が気になり電子購入。
少年マンガのような画が苦手だったこともあり、数ページで手が止まり寝かしてましたが、
先程再読したところ、あっという間の400ページ終了でした。
仇討ちに剣豪という時代劇の醍醐味はもちろんですが、
刀爾と愛し愛された男である武雄、その息子である一馬との愛増劇が何よりも壮絶で
交錯するさまざまな想いに重ね合わせた心理描写が秀逸で、グッと引き込まれました。
嫌な人がいない、脇キャラも含めて魅力的で、人情味あふれる登場人物に愛着が湧きます。
刀爾の愛した武雄、その息子の一馬…遺伝子の恐ろしさですかね、親子とも刀爾に惹かれ
刀爾も二人に惹かれる…刀爾の壮絶な過去を想うと、一馬の正体を知ってからはせつない><
暗殺の為に近寄りながらも武雄に助けられ恋に落ちる刀爾…誰かに殺される位なら自分がと武雄を斬る。
抗うことなく斬られた武雄が行くなと引き止め掴んだ刀爾の左腕…ずっと己を呪い生きてきた刀爾。
仇討ち試合で一馬に斬られた左腕は、武雄の呪縛から解放してくれたんでしょうか。
武雄の妾だったおりうが刀爾の左腕を武雄の墓に一緒に葬る…スゴイ!
武雄も刀爾も大好きと言っていたおりうですが、普通できませんよね…これであの蜜月が報われる。
掴んだ刀爾の左腕で武雄も満足できたのでしょうか…心に染みる場面です><
そして、一馬の母が冷血かと思いきや、おりうに犬の身の程を知れと言いながら、
刀爾の左腕を持ち帰らせる粋な計らい、その懐の深さには驚きました。
武雄を愛した女達…おりうも母も人情味のあるイイ女、武雄の人柄そのままなんでしょうね。
一馬が自分を斬ることで同じ呪いに縛られることがないようにと、
廃人になっていた一馬を救い、そして刀爾も過去から救われる…仇討ちも終結。
二人で寄り添って生きる選択ができたことに安堵ですが、刀爾の初めての男が父である武雄と知り
父に勝てるはずがないと自害しようとする…この場面は大好きです。
刀爾が首を吊ろうとして対抗すると止めに入る一馬。
とっくに父を超えて愛されていることなんて知らないですもんね…嫉妬狂いで自害ってカワイイなぁ。
刀爾に愛されている事を知った一馬ですが、それからもちょいちょい嫉妬するんですよね…
でも、かなり年上の刀爾が上手く一馬をコントロールしていく…姉さん女房的な?
それにしても、年下ワンコ攻めはかわいいなぁ~~~><
諦めずに読んでよかったです!
時代物の雰囲気を存分に活かした一冊。剣豪間宮のもとに現れ剣術見習い志願の一馬。彼は過去に間宮が愛し、刺客として殺めたひと武雄の息子だった。
仇討ちが認められていた時代、その憎しみで腕を磨き来たるべき時を待っていた一馬が探し当てた相手は 想像していた姿よりずっと優しく悲しげだった。
こんな冒頭じゃもう読むしかないでしょう!
親子丼だろうが年下攻めだろうが仇討ちだろうがもうカオスなわけです。
優しく愛しいものを斬らねばならぬ因縁をお互い抱え、抱えていた一馬と間宮。
ふたりの物語が重なるとき、終わりを迎えるのは誰なのか。
ドキドキしながらページは進みます。
400ページ超えの壮大なストーリーを堪能してください。
ちるちるオフ会で“ストーリーを重視する人におすすめ!”と紹介されて、さっそく購入したものの、その重量感からなかなか手をつけられなかったのですが…実際読んでみて、確かに重厚な雰囲気はありましたが、読後は清々しい満足感が残ります。読み始めるまで躊躇ってたなんて信じられないくらい面白くて、グイグイ物語に引き込まれてしまいました!やはり“スト重”の人におすすめです!
和田一馬(攻)は殺された父親の仇を討つために、その仇である剣の達人(間宮)に弟子入りしてその機をうかがうのですが、間宮の剣の美しさとその人柄に魅せられてしまいます。間宮は一馬の父を斬った男だけれど父に愛された男でもあったという、、親子二代で一人の受!という設定にドキドキしてしまいました。(やっぱり親子って好みが…)さらに、同じ剣に生きる者同士が相手の技量に“惚れる”ことの自然な流れ、相手を一途に恋い慕う姿に何度も心打たれました。果し合いの場面や暗殺の場面等々、流血が多いのですが、物語の流れとして必然性があるので、“バイオレンス”の印象はありませんでした。さらに攻め受けの果たしあいは、凄みと色気が同居しているなんともいえない独特の雰囲気がありゾクゾクします。
個人的には、年下ワンコ!の純情さ一途さ健気さ、そして男気にぐっとやられてしまいました。もう最高に可愛いいんですが!!師匠である間宮に対しての恋心は、親の仇なのに?とかいうツッコミを入れる隙がないほど違和感がなく説得力があります。そして間宮自身、実は切り捨てたはずの男への思慕の念にずっと囚われていたと気づく場面、さらにその息子を通して得た過去とは違うまた新たな情の自覚等、読んでいてハッとさせられる表現が印象的でした。登場人物の心情がとても丁寧に描かれています。ゆえに、全体として分量はあるんですが、無駄なところはないと思いました。彼らの周囲の人々の優しさもが物語から暗さを払拭している印象があります。
二人が互いに大きな犠牲を払いながら、過去を超えて未来へ向かうラストは本当に感動しました。読んでよかったです。
吹屋先生の作品は時代物が多いですが、本作は江戸・寛永期に生きた侍たちの話。
6年かけて執筆し、大幅加筆修正&描き下ろしをした ”渾身” の一冊(※ほぼ二冊の分厚さ)!
分厚いからこそ電子待ちをしていたのですが、ちるちるBLアワード2019のディープ部門にノミネートされているのを見て、読みたい気持ちが抑えられなくなりました。
ページ数もさることながら、ストーリーが重厚で、これは本の重みを感じながら読むのが正解だったと思いました。
剣術指南の間宮の暮らしぶりは無頓着で、周りから敬われていても全く気にかけていない。達観しているというか、どことなく生きることを半分あきらめているような気配が漂っています。
そこに一馬が弟子入り志願をしてきて、下郎(召使い)でも良いからと懇願され、間宮は一馬をそばに置くことにした。
一馬は明るく家事をこなし、間宮も主人として情がわいてきたものの、剣術はやったことがないと言っていた一馬の動きは武芸をたしなんでいたようにしか見えない。
それに一馬を見ていると、真宮はふと昔のことを思い出す…
間宮の父は謀反を犯し、一族は殺され、間宮だけは命を助けられたが、裸同然で何も持たずもう死ぬしかないような状況だった。
でも、父の遺言で家に伝わる刀を手にすると、なぜか間宮は死ぬ気が失せ、道場破りに暗殺、名刀で人を斬って生きてきた。
そして間宮は、武雄という藩士の暗殺を引き受けたが、ならず者にからまれて怪我したところを助けてくれたのが、暗殺対象の武雄だった。
武雄は朗らかで豪快で、間宮を愛しく想う気持ちも隠さず、間宮は武雄を拒めずに受け入れ…
朗らかな大人の男に訳ありな男が抱かれる、男同士の関係もさほど珍しくない時代、二人は仲睦まじい恋仲に見える。
でも、、、人を斬って生きてきた間宮は、武雄に愛おしく思われることが、自分が武雄に惹かれていくことが怖くてしかたがなく、暗殺の依頼を遂行してしまう。
もう少し時間があったなら、生まれ変わった間宮は、武雄に愛され、武雄を愛し、人らしく生きられたかもしれないのに…
でも間宮は武雄を斬った。だからって非情な人斬りに戻れるわけじゃない。
大事な者を斬り捨てた、その痛みで心に血を流しながら生きていくしかない。
そんな間宮の元にやってきたのが一馬。
一馬は、間宮が愛した武雄の息子、
父の敵である間宮に仇討ちするためにやってきた。
一馬の大きな手が武雄にそっくりで、武雄の手が自分の肌を撫でたことを、間宮は思い出す。
間宮は武雄を忘れてなんかない、武雄を斬った時に心は死んで、身体だけが生きてきたように思えて胸が締め付けられました…
でも、一馬も父同様に間宮に惹かれ、間宮はまたしても拒めない。
そうして二人は身体を貪りあうように愛し合い続ける。
一馬は武士らしく父の敵を討って、お家を再興するのか?
それとも間宮を愛して生きていくのか?
間宮は一馬に出会って、また一馬を愛し、本心では一馬と共に生きたいと願っているはず。
でも、一馬に殺されることは、間宮にとって武雄を斬り捨てたことへの贖罪。
自分を殺すことで、一馬は武士として誇らしげに生きていける。
愛し合っているのに、殺すか殺されるかの、殺伐とした選択をしなければならない江戸の侍たち…
私は現代人だから、お家のためだとか、武士の誇りとか、そんなことより命のほうが大事だろうと思ってしまうけれど、矜持のために命をもかける男達の生き様は尊くて美しいとも思う。
武雄を愛したのに殺すことしか選べなかった間宮は悲しい。
そして愛するがゆえに一馬に殺されることを選んだ間宮は悲しいけど美しい。
この物語は、一馬と間宮の話ですが、武雄と間宮の話でもあると思うのです。
愛した男に斬られた武雄は血だらけの手で、間宮を掴み「行くな」と懇願した。
それに応えるかのような粋なエピソードに、それを叶えるに至った武雄を愛した女たちの心意気にも涙しました。
分厚い本だけど、悲しくて美しい男達の生き様を勢いをもって描き出しているので、物語の世界観に引きこまれたまま、一気に読み終えました。
読後感は、ただ、ただ、この世界観に圧倒されます。
吹屋先生の本は初めて読みました。
あまり時代劇など好きではないので謙遜していたのですが、好きな作家さんがオススメしていたので購入しました。
買ってよかったです!
まずコミックスめちゃくちゃ分厚いです。値段も千円越えと普通のコミックスよりは値が張りますが
その分読み応えもありますし、描き込みがすごい!!
親子丼ものです。
オススメ!
本当に分厚い。コミックス2冊分くらいあるのかな?
すごく読み応えがあり、かなり濃密なストーリーなので私もじっくり時間をかけて読みました。
親子二代と愛し合ってしまった人斬りの人生のお話です。
以下、ネタバレありです。
本当に目が潤むくらい、骨太感動ストーリーでした。
武雄(一馬の父)の熱視線に絆されていく刀爾郎や
父の仇の刀爾郎に心を開いていく一馬の過程が丁寧に描かれていて本当にすごかったです。
仇討ちのため修業し、せっかくターゲットの懐にもぐりこんだのに、どんどん恋心に変わっていく過程が見ていて切なく心が苦しくなりました。
刀爾郎が武雄を殺した理由が悲しい。妾のおりうさんや本妻の気持ちを考えるとやっぱり良くない…。他の者に殺されるくらいなら殺す、というのは、気持ちはわかるけどちょっと…。
でも、その分苦しんできたんだなと思ったし、武雄の刀で自分を切ってほしいと願う刀爾郎がさらに悲しかった。本当に好きだったんだなあと。
刀爾郎も一馬も、殺そうと思っていた相手に惚れてしまうという描写が同じで、残酷な運命だと思いました。
内容もさることながら、とにかく画力が高い。戦いのシーンも迫力があり、本格的なバトル漫画のよう。
ラストは刀爾郎と一馬がお互いに「愛している人を殺さなければならない状況」に陥り、刀を交えます。
息をのむような描写でした。
刀爾郎の片腕がもげるシーンでは驚いて声まであげてしまいました。
最後はハッピーエンドでした。
汚い一馬が風呂屋で現れてる最中にのれんから顔出して刀爾郎を見てるシーン(1コマしかないですが)最高に可愛かったので見てほしいです。
なんだか、漫画というより長い時代劇を見ていたような気分。
刀爾郎の人生の半分を見させてもらった感じです。
そしてこれからの幸せを願うばかりです。
1回読むだけで100m走ったようになりました。絵、セリフ、モノローグが必然で、読んでいくとどんどん話の世界に入り込んでいける感じです。
話の軸となっているのは親の仇を好きになってしまい葛藤するという不幸な話なんですが、主人公二人の立場、想い、性格が生き生きと描かれていて、重たいところも正面から描かれているので、作品の雰囲気はむしろ軽くて明るい感じがあります。また、江戸時代の家や庭や門の感じや、食事の風景なども情緒があって、二人が一緒に暮らしながら好きになっていく過程はじんわりします。
クライマックスとなるのは二人の仇討ちの試合のシーンなのですが、迫力がすごいです。剣を振る体の動き、感情の熱さ、傷つく体、流れる血、交わす言葉など。。。二人とも完全に集中しています。本気になる二人はここで初めて見れるのですが、剣を振るのも腕だけではなく体全体で振っていて、また二人の流派の違いも分かるし、達人と感じさせる凄みもあり、これを絵で魅せてくれるなんてすごいです。
試合ですべてをぶつけ合った後に、最後にようやく二人が結ばれてよかったです。そして二人が旅立って、一緒に歩いていく場面が幸せそうでうるっときました。さらにイチャイチャしている二人も見れてよかったです。強いて言えばもっと見たかったです。
「すごい」ばかりの感想ですが、このような作品が読めてよかったです、ありがとうございました!
木の手触りが伝わってくるような武士の住まい、旬のものを食べるつつましい暮らし。情緒あふれる江戸の描写に引き込まれました。
そして、一馬(雄之進)と刀爾郎が刀を交えながら自分たちの心を見つめる死闘に、胸が熱くなりました。刀は武士の魂。二人は魂をぶつけ合っているのだと思いました。
父の仇を討たねばならない。でも愛しい、と迷う一馬。
向かってくる者は討つだけ。そう思っていたのに、一馬に惚れていることに気付いてしまった刀爾郎。
激しく刀を打ち合いながらも揺れ動く心を、二人の表情と刀さばきが鮮やかに伝えてきて、グッときました。(作画が本当に素晴らしいです。)
刀爾郎が一馬に斬られる覚悟を決めたとき、呼び方が「雄之進」から「一馬」へと戻ります。続く「いざおいで」に、これで武雄を切った償いができるだろうか、という気持ちと、一馬への愛が伝わってきて、何度読み返しても胸に迫るものがあります。
命がけの死闘が描かれているからこそ、共に生きることを決めた一馬と刀爾郎の愛し合う姿が、より甘く感じました。死が身近だった江戸時代、愛や情は今よりずっと素朴で深いものだったのかもしれない、と思いました。
吹屋さんの新刊ようやく読める嬉しいなーと
書店で手に取った瞬間重みと厚さに驚いたものの、
読後はなかなか世界観から抜け出せずまさに余韻に浸りまくりです。
尊敬する父の仇を討つべく身を偽り訪れた間宮の元で
機会を窺いながら下郎として働き始める一馬の愛おしいこと…。
憎しみはいかほどばかりか、
しかし間宮がただの鬼ではない事を知り辛くもあり覚悟も鈍り
強く望むのは間宮と生きていく未来。
間宮の過去回想の不幸と幸福にもまた胸が締め付けられ
一馬の身元を知った後で熱を交わしあう艶やかな姿とそれからの潔さ、
流石“稀代の剣の達人”。
己が斬った武雄とその息子である一馬の間で揺れながらも
決して勝負に手を抜くことなく真っ向から受けて立つ仇討ち試合の迫力と
後日談の感動はもう言葉になりません。
互いの人生が狂ってしまった歯車は
がちりとはまったまま外れる事はないのでしょう。
1,131円で読ませていただけるなんて信じられない程です。
本当にお値段以上!!
6年もの年月を要したとの事で
コミックス化にあたり色々大変だったでしょうけれども
時代劇BL作品の頂点に君臨するほどの超大作だと思います。
陳腐な表現しか出来ませんが
心からこちらの作品に出会えて良かった!!!
すっっごく面白かったです!
時代背景や設定的にストーリー運びに重点が置きすぎてBL味が薄い可能性を懸念しつつ読み始めたのですが、終始一貫して良い意味でBLの枠を外さない部分が非常に良かったです。殺さねばならぬ相手と恋に落ちてしまう物語は時に鬼気迫るものがあり、読み応えがありました。(400P越えで分厚いです)
作品の雰囲気はインタビュー記事のサンプルを参考に♪
背景や細部まで非常に丁寧に描かれていて、ドップリ世界観に浸かることが出来ます。
内容が内容なので血しぶきが飛び散る場面が多少あります。苦手な方はご注意下さい。
さてさて。
昔は暗殺を生業とし今は剣術の名人と名を馳せる間宮刀爾郎の元へ、和田一馬と名乗る者が弟子にして欲しいと押しかけてきます。弟子は取らないと門前払いするものの、一馬は弟子が無理なら下郎でもいいからと頼み込んで動かない。刀爾郎は根負けして下郎としてならと屋敷に入れることにしました。しかし和田一馬は偽名で本当の目的は父親を殺した刀爾郎に仇をなすこと。ですが下郎として働きながら機会を伺っているうちに、刀爾郎の人柄に触れ少しずつ情が移っていきます。
そんなある日、刀爾郎は一馬の本当の目的と出自を知り愕然。一馬こと曽我雄之進の父親は、かつて刀爾郎が恋い焦がれた相手であり、殺したのも刀爾郎自身でーーーと展開します。
あああッッ(;///;)もうね、お父さん!お父さんですよ。
出番少ないのにキャラクターの引力が強くて心が持って行かれた。
亡くなった後も慕われ愛されている人柄と豪快な笑顔がキュンとくるお侍さんでもぅもぅ…!
ヒゲ面のオッサンなんだけど大人の色気が堪らない(∩´///`∩)
妾さんの家で男妾とエッチするようなお人なんですけどね、それがスマートで。
妾さんも知っててそれを許してるのが時代ならではですかね。
(現代に当てはめるとクズ男なのに、お侍さんだとさもありなん的な)
で、刀爾郎は殺さねばならない相手だったのに惚れてしまい。。。
刀爾郎は生まれて初めて愛し愛された喜びの日々の中で、
恋しいと思えば思うほど失う恐怖が追いかけてくるようになっていくのが辛いです。
結果愛しくて失いたくないと思っている相手を、自分の手で殺めるのが何とも言えない(;ω;)
そして時は回り巡って、愛してる男の息子・雄之進が刀爾郎の命を狙う。
お家の存続と父親の命の尊厳を取り戻す為に、雄之進は刀爾郎を殺さなくてはならない。
しかし機会を伺っているうちに刀爾郎に惚れてしまって、仇討ちの気持ちが鈍り始めてーー。
殺す側から殺される側へと形はかわるけれど過去と同じ図式が出来上がるのですね。
お父さんが刀爾郎の刀を黙って受けた気持ちや、
冷淡に惨殺したように見えた刀爾郎の気持ちが、
雄之進の仇討ちのシーンとダブってきてもぉぉぉぉ感情の揺さぶりがッッ(;ω;)
仇討ちも見届け人がいるようなキチンとした場で行われるもんだから
どっちかが首を取らなきゃ終わらないような空気があってドキドキハラハラしぱなし。
本気で命の取り合いしているような鬼気の迫りように心臓が持たない。
バッドエンドかメリーバッドエンドの未来を覚悟しながら読んでました。
ほんと良かった…良かった(;///;)
雄之進の年下攻めはニヤニヤが止まりませんでした( ´艸`) スキー!
特に後日談で刀爾郎と父親の関係を知った時の反応が可愛くて可愛くて…!
年下ワンコ攻め大好きなので堪らなかったです////
刀爾郎は最初の方は雄之進に抱かれながらも雄之進の中にある父親の面影を重ね
雄之進を通じて恋した男を追っているかのような状態だったのですが、
気持ちに区切りをつけて雄之進を想う姿に変わっていったのが良かったです。
今度こそ愛する男と添い遂げて幸せになって欲しい。
またお父さんのお妾さんがとても素敵な女性でした。
描き下ろし部分、10話のラストでは粋なことをしてくれてウルリと(;///;)
本妻さんもキツそうな人だけど懐もあって、
なんてたってあの雄之進を育てた人だから素敵な女性だと思います。
お父さんは罪作りな男やで…。
お殿様を始めとする周囲も人情味があり、温かさも感じる作品でした。
本当に上手いですよね。
画面に見惚れてしまいました。
大好きな時代劇の空気がちゃんと流れてるという。
アクションシーンも素晴らしい!
しかもこの厚み!
全てが神レベルなんですが、何故評価が神ではないかというと、肝心のラブ方面が源平の時から少し思いましたが、作者さんとは合わないのかもしれません。
もう少し情緒がほしいような。
ただそこまで描くと、ページ足りなくなるのかもしれないですが、多分要因はページよりは感性の違いかもです。
おりうさんが出来過ぎた嫁……妾で泣けました。
心中エンドでも受け入れられましたが、ハッピーエンドでよかった!!!
待ってました。
前作から6年かかりました。
そこはいただけません。私は新作を待ってましたから、結構辛かったです。
陽気なストーリーとキャラクターで話が進む「百と卍」とはまた違って、こちらは殺伐としてます。愛をうたうまえに、刀振り下ろして斬り合いです。愛より憎しみです。
仇討ちで話が始まるわけですから、当然なのですが、父親を失った一馬の悲しみや、間宮と竹雄の悲恋のせいでいっそう悲壮感漂ってます。
しかし、バッドエンドでなくハッピーエンド。
ほんと心中エンドじゃなくて良かったです。
好きな相手を殺さなくてはならない、そんなことがありうる時代劇。どハマりの人もいるはず。
次回作も期待してます。