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yoake ni furu
上巻で動き出した2人の物語が、ちらばったものを1つずつ回収して形になります。
もう少し甘い2人が読みたかったな~と思わないでもないですが、ついこの間まで別の人を想っていたのに急に相手が変わったからってラブラブになったら、それはそれで現実感がないので、この距離感で収まって良かったのかな~と思っています。
ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
ちらばっていたものを回収していく下巻。とくに上巻で描かれていた、大樹の翔太への想いと翔太の星野への想いは翔太側が複雑でした
。
大樹に関しては、上巻最後で限界を向かえて、翔太へ気持ちを伝えます。”自分は伝えた”けれど答えはもらっていない。そんな状況でも翔太と関わりを持とうと頑張ります。
ところが、大樹の想いを知ってしまった翔太は戸惑い、彼から距離を置きます。そしてどんどんとやさぐれていきます。プチ不良のような感じ。
翔太にとって星野は、守りたい幸せにしたい存在。でもそれをもたらすのは昭弘の役割で、自分ではない。とくにそれが一番翔太にとっては辛いことのようでした。
この部分は昭弘と翔太がしっかりと話をし、翔太自身が折り合いをつけて成長したことで気持ちの昇華はできたのかな...?とは思っています。
そして大樹と翔太の2人の関係。友人関係からは一歩先へ進んだけれど、恋人ではないような感じ。というか、今まで友達だったのがムードもなく気持ちを伝えただけで、一気に恋人のように振舞えるかといわれれば疑問な話で...
等身大の高校生の恋のように思えて素敵でした。
成長したかなと思えた翔太ですが、大樹の前では元に戻るのかとても可愛らしい感じに...
まだまだ恋人未満な2人は、この後どのような展開を迎えるのかとても気になる終わりでした。
上巻では星野の涙に自分の無力を痛感し、
それに引き続き大樹からの突然の告白など
心を搔き乱す出来事に絶賛荒れまくりの翔太。
そんな中、父と息子がぶつかり合います。
これまで閉じ込めてきた翔太の痛み、須藤の想い、
その胸中が明かされます。
〝血のつながらない親子〟という
事実が長年翔太を苦しめ続けていました。
普段はそんな素振りも見せなかった翔太ですが、
幼い頃から周囲の好奇の目で見られ、自分を引き取ったことで
須藤に重荷を背負わせてしまったことへの後ろめたさを抱えてきました。
だけど、そんなことを須藤に言えるはずもなく、
子供なりにずっと責任を感じてきました。
須藤が自分の人生よりも翔太を優先する度に
それは痛みとなって突き刺さり、
〝自分さえいなければ〟という自己否定に行き着いてしまう。
翔太が須藤に対して素直になれなかったのには
そういった苦しい葛藤があったのかもしれません。
そのやり場のない感情が反抗心となっていたのかなあ…
守られて、愛されて、育てられる。
そんな子供にすれば当たり前のことにすら罪悪感を
感じなきゃならないのはなかなかにキツイものです。
須藤にしても、純粋に息子を幸せにしたいだけなのに、
責任だとかエゴだとか世間体だとか色んなものに
雁字搦めにされて、翔太にはそれがうまく伝わらない。
ほんと、この2人面倒くさいところがそっくりです(笑)
血のつながりなんかなくても、親子だよなあって。
ただ、星野のこととなると一転して親子じゃなくなる2人。
「惚れてんのか」「泣かすんじゃねーぞ」と、
もはや親子の会話ではありません(笑)
ただただ星野を愛するかっこいい男同士の関係でした。
1つ気になったのは翔太の「ありがと」の後に続く言葉。
ドアの音で隠れてしまっているけれど、なんて言ったんだろう?
須藤の反応からすると…「親父」とか?
そんな感じだと嬉しいな♪
結局のところ、翔太にとっての星野は
〝好き〟を超越した人なんだなと。
もちろん、目の前にすれば可愛いとは感じるし、愛しいし、
大切な人ではあるけれど、恋愛ともちょっと違うのかなって。
大樹に押し倒されたときにも
「あいつのこと そういう風に見たことなんて一度もねぇ」と言っているし、
翔太が言うように一緒に時間を過ごすうちに家族になっていたんですね。
だから、須藤を責めるのも恋敵ではなく、どちらかと言えば、
母ちゃん(星野)を泣かす親父(須藤)は許さねえ!に近いのかも?
そして、星野には自分ではダメだってわかって、昭弘じゃなきゃって、
潔く父親の背中を押す翔太はやっぱりイケメンでした。
そして、息子の応援もあって、恋人を母親に紹介しようと
心を決めた須藤もやはり男前でした。
中盤くらいまで須藤親子にもっていかれ気味でしたが、
じゃあ、結局大樹って翔太にとってなんなんだろう?
それほど大事な存在ではないの?と思っていたら
翔太と大樹の出会いのエピソードが描かれます。
複雑な生い立ちから殻になって閉じこもっていた翔太を
外に引きずり出してくれたのが大樹だったんですね。
結果的にはケンカばかりでしたけど(笑)
それでも、翔太にとって大樹の存在は大きくて、
好きだと言われて、避けたままで、通り過ぎることも、
切り捨てることもできない存在にまでなっていました。
ケガした体をひきずって、翔太は大樹に会いに行きます。
告白以来、避けられて落ち込んでいた大樹ですが、
ふっきれた彼は強かった(笑)
今までひた隠しにして、溜め込んできた期間が長かっただけに
伝えたいことがこんなにあったんだなあと思うくらいに
押せ押せで思いの丈をぶちまけまくっています。
その言葉は小学生の頃みたいにまっすぐで。
迫られて赤くなったり、あたふたする翔太がレアでかわいいです。
それでも、翔太のペースに合わせて、無理強いはしない大樹。
今はまだ手を繋ぐまで。
その指の絡め方がなんだかいやらしくはありますが…
「覚悟しろよ」と不敵な笑みを浮かべる大樹が頼もしいです。
まだまだ〝恋〟にすらなっていない途上の2人。
これから、を予感させる結末にふふと笑みがこぼれ、先が楽しみです。
カバー下では翔太と星野の会話から〝その後〟が垣間みることができます。
大樹はなんだかんだ星野とメル友になったらしいこと、大樹が最近〝翔太〟と
呼び始めたこと、母公認の仲になった大人組、そして、星野とお姑さんとの
仲が良好なこと。
ありがとう、これだけで幸せいっぱいになれました…
上巻はずっと変わらないままの時間の描写が多かったですが
下巻は色んなコトが動き出し変わっていく時間になっています。
高校生が恋にもがき苦しむ姿や、現実と向き合って前へ進もうとする姿。
親子関係の進展など涙腺が緩むシーンがありとても良かったです。
ただ…まぁなんとなくうっすら想像出来てたけれどやはり「未満」なんですね(;´v`)
ゆっくり丁寧な描写は良いけれど2冊もあるのだからもう少し進展が欲しかったかな;
ちゃんとBがLしてるんですけどね…なんか…もう少しこう…ガッといっちゃってー!
せめてチューぐらいしておくれよ~(;ω;)
片想い中の描写だけはほんと長いので恋愛未満がお好きな方にオススメです。
さてさて。
大樹から気持ちを伝えられ、大樹を避けるようになった翔太。
翔太の拒絶の態度を見て、自分は振られたんだと結果付ける大樹。
上手くいかない気持ちが混沌としていきます。
今まで翔太は行き場が無いときには大樹が居場所でした。
しかし大樹との関係が崩れ、家にも居たくなくて、フラフラと出歩くように…。
そんなある日翔太は街で絡まれ大怪我をし救急病院に運ばれーーーと展開します。
下巻は翔太の中にある感情が刺さりました。
星野先生をずっと想い続けてたけれど、心のどこかでは気付いてたんですね。
"子どもだから"相手にしてもらえないのではないことを。
星野先生を幸せに出来るのも泣かせられるのも父親である昭弘だけということを。
高校生になっても昭弘への態度がギスギスしてたのは
昭弘のことを父親である前にライバルだと認識してしまったからなんだろうなぁと思いました。
下巻ではようやく少しずつ父親として認めだしたのがジーンときます。
で、翔太が意識を改めたのは、昭弘が父親としての強さとブレなさを見せたから…!
前作ではなんかイマイチ頼りなかった昭弘でしたが、
今作では翔太を大切に思う力強い言葉が聞けてすごく良かったです(;///;)
そして昭弘と星野先生の関係を自分の中で消化して、もう一歩前へ。
今度は大樹と向き合ってくんですが、高校生の飾らない心にキュンキュンする!
すごいね、10代って。成長幅にニヤニヤがとまらないわ。
良かったねぇぇぇ大樹ぃぃぃ(;///;)
また、大樹が星野先生のところへ直談判に行くシーンがあるのですが、
翔太が絡むと少し意地悪を言う星野先生が意外でした。
恋愛ではないけれど星野先生の中で翔太も唯一無二の存在なんだなぁと。
周囲の愛情に気付いた翔太がどんな成長をするのか見たかったです。
そう、ここからが見たいんだよ、私は。
多くは望まない。せめて大樹とのチューだけでも…(泣)
主体の二人の高校生らしい男の子らしさというか、すれ違い加減にきゅんときます。
上巻を読む事は勿論、既刊の夜空のすみっこでを読んでいないと、複雑な感じは空回りするので是非読んでください。回り道を沢山してゆっくり世界が動きます。
上下ともすごいボリュームがあるのですが、恋の進退はひとまず第一歩といったところでしょうか?絶対この巻以降もひと悶着ありそうなカップリングです。
夜空の中で感じる孤独感から夜明けに向き合う子供たち。人は沢山間違えますし、その中で少しずつ進んでいくんだなと思える作品です。
既刊合わせてその先へと進んでいってほしいと思います。
星野が泣いていた原因が判明し、本編さながらに昭弘×星野の関係がもっとじっくり読みたくなるジレンマ発動(笑)
上巻ラストで気持ちが爆発し襲い掛かってしまった事で翔太との関係がギクシャクしてしまい、夜は徘徊し昼はガラの悪い奴らと絡む翔太を見ていて、ずっとそばに大樹がいたことを(私が)実感するのがもぉ心臓ぎゅんぎゅん!!!
夜街をうろついたことで怪我をし病院に運ばれた翔太が、昭弘と話し前作も併せ3冊目でやっと”親子”になれた二人にやっと安心させてもらえました!
翔太と大樹は、前作の大人二人と同じように「これから」感満載で終わりましたがこれはこれで幼馴染な二人にはぴったりな終わり方だった気がします。
「夜空のすみっこで、」のその先が見られたわけだけど、次はこの作品のその先が見たいという。で、結局大樹と翔太はどういう関係なのよ!!!翔太の気持ちはラブなの???ハヤカワノジコ先生の作品にはありがちのスッキリしなさ。
どうやら先達のレビューを拝見するに、カバー下にその後が描かれているそうではないですか!電子書籍(ebook)には収録がなく大変残念です…
表紙の爽やかさを見るに、彼らの未来は明るいものだと信じよう。
須藤父が相変わらず色気を振り撒いていて、持ってかれた感がある。しかしながら須藤父が半端をしていたせいで翔太が割を食ったのかもしれない。
さてと、上巻の最後で翔太に衝動的に告白してしまった大樹ですが、翔太のことで雁字搦めになってしまった自分の心を動かすためにと衝動的に星野に会いに行くのですが…。
翔太も大樹も、子ども達は、初恋というものの理不尽さに翻弄されて、色々とジタバタと行動を起こしてくれるからいいのですが、やっぱり問題は大人たち、昭弘と星野の方で、この二人が何かを曖昧にしたまま、家族のような、そうでないような、中途半端な形でいたことが、このお話に気持ちよく入り込めない元凶のような気がします。
絵とか画面構成は凄く好みなんだけど、
ストーリーによってはエロなしでも全然かまわない派なんだけど、
それでも萌にプラス評価が付け難いのは、やっぱり大人組の狡さのせいかな。
2人の気持ちか向き合ったのは、ようやく終盤でした。
両思いになったようですが、それも甘いものではなく、翔太はまだ青くかたくラブ手前な感じ。
あれだけ星野のことを思っていて、どうしてもダメだからと急にベタベタに大樹を好きになるのは不自然かもしれない。
なのでこの場合、これくらいの終わり方が2人にはいい気がします。
では上下巻、何が描かれていたのか。
大樹はずっと翔太が好き。でもどうしていいかわからない。
翔太は星野が好き。でも叶う恋ではない。
この2人の状況と、日常、周辺人物とのやりとり←これが上下巻の8割くらいあったのではと感じます。
つまり、かゆいところの周辺をずっとかかれていた感覚。
BLのラブの実=食べられる部分がほんの少しだったような感覚。
延々と片思いしている状況とその周辺が楽しめるといい作品だと思います。
その辺が丁寧にじっくり描かれているので。
私には熟していない部分ばかりの果物のような作品でした。
先生が描かれるラブい場面、めちゃくちゃ萌えて好きなので、そこをたっぷり読めたらどんなにうれしいか…と個人的な欲が出てしまいました。