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yuutsu na asa
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
どうしましょう…時間がたてばたつほど押し寄せる余韻の波に感覚が支配されてしまっています。素晴らしい、文句のつけようのない完結で、ここまで読むことができて幸せです。控えめに言って、最高オブ最高です!
前半は鎌倉でのゆるやかなひとときと、桂木を捉えて離さない過去のフラッシュバックが交互に描かれているのですが、ここにきてやっと桂木は過去を俯瞰して省み、囚われていた思いから、徐々に解放されていくような印象を受けます。誰か(暁人)と寄り添って過ごす時間がもたらす効果(安定)というか、心の奥にある冷たいものが溶けていく、それはきっと桂木一人では解決できなかった問題だったと思います。一緒にいればいるほど、離れがたくなる二人!
(そりゃね!)
でも、この二人は好き好きなんだけど、さらに高次でお互いのことを考えているところが本当に“尊い”です。8巻では、好き好き大好き感が駄々洩れて、ちょいちょいキスする、ちょいちょい触れ合う(手の表情!!)、現代BLに比べたら控えめなスキンシップな気がしますが、“ちょいちょい”ゆえに気品ある色香があふれ、それを嗅いで萌え転げるのです。
暁人がいなければ桂木は再生しなかった、桂木がいなかったら暁人は成長しなかった、二人がいなかったら久世家は変わらなかった、二人が変わったから周りも変わった、円のように循環する本質的なラブストーリーとして、暁人の成長と桂木の再生の物語が主軸となり、それをとりまく状況の面白さ、構成もタイトルも本当に“神”だと思います。
そして、桂木の寝顔をやっと見ることができた暁人様、おめでとー!ここは最高にニヤケます。愛する人と向き合って迎える朝は憂鬱じゃないけれど、離れ離れになる朝は来なければいいと言う甘々な桂木の姿は眼福でした。支度をする暁人を、枕に半分顔を埋めて見つめる桂木が殺人的に色っぽいです。
なにその表情!!!!!
パーフェクトな帰結ですが、描き下ろしの2Pを見たら、ぐぁ!この二人が並んで歩むこれからも見たい、、と名残惜しい気持ちでいっぱいになりました。
人生を潤いあるものに変えてくれた神様のような、抜け出せない沼に引きずり込んでくれた悪魔のような、ものすごい吸引力と存在感をもって私の中に君臨し続ける唯一無二の作品。
とうとう完結しました。
鎌倉での2人の穏やかな日々から始まる8巻。
これまでの激動の数年が嘘のように、静かに流れゆく時間。
渡英に纏わるエピソード、石崎家や桂木家の事業の行方、総一郎と小ふさの物語などを挟みつつ、暁人と桂木の互いを想い合う関係が深く描かれている最終巻でした。
1巻からはとても想像がつかない2人。
桂木の貴重なデレ(表情は微笑む程度ですが、それがまたいい)がキラキラと散りばめられていて、心踊りました。
「本音を言えば…二年は長すぎると思いました」
ああ、桂木の口からこんな台詞が聞ける日が来るとは。
そのあとのキスシーンのなんて美しいこと。
この2人のキスシーンは本当にため息もの…
シリーズ通して、暁人の成長と揺るぎない桂木への一途な想いが一貫して太い柱となっていたのが素晴らしく。
家柄や身分差など困難が多い時代の中、それを打ち破るために戦い続けた2人の姿はとても眩しいものでした。
この「憂鬱な朝」に出会ったのは約2年前のこと。
幼い頃から本が好きで、それこそあらゆるジャンルの小説や漫画を読み漁ってきた人生だったけど、BLに関してはビの字も知らぬほどに無縁であり、無知でした。
それがあるキッカケでこの作品を知り、手に取ったが最後、気付けば巨大な沼に沈んでいく自分がいました。
BLという枠をこえて、作品の方から私をこの世界に手繰り寄せてくれたのです。
美しく緻密な絵で紡ぐ壮大なストーリー。
そこに突然出てくる濡れ場。(当時は、え、突然何!?こんな綺麗な男の人たちが?え、え、キャー!って心底びっくりした…)
カルチャーショックなんて言葉では表せないような衝撃でした。
桂木ショック。桂木事変。
男性に美人という形容を使ったのも、抱かれる側の男性に凄まじい色気があるのを知ったのも、すべて桂木が初めてでした。
その愛すべきシリーズの最終巻。
それはいろいろなものに縛られてきた2人が、新しい時代を共に生きていく未来を感じさせる素晴らしい結末でした。
思い入れが強すぎて無駄に長くなりましてすみません。
最後に。
先生方、この作品を生み出し世に送り出してくださり、本当にありがとうございました。
10年という長きに渡る連載、お疲れ様でした。
「朝が来なければいいと思いました」
いよいよこの長く壮麗な物語も終章を迎え、この桂木の台詞で、タイトルの意味がようやくストン、と胸に落ちました。「憂鬱な朝」って、相愛の恋人同士が甘い一夜を過ごしたあとの「後朝(きぬぎぬ)の別れ」のせつなさを指していたんですね。
物語序盤の桂木は、昼は子爵家の家令職と暁人さまの教育係を完璧にこなしつつ、夜は男女問わず上流階級の情人たちのベッドを渡り歩く、かなりやさぐれた日々を過ごしてました。
「たった一人で…明けない夜を、ただ彷徨って 朝の光を浴びることもなく…」
美貌の芸者として数多の浮名を流した挙げ句、父親の分からない子として彼を産んだ実母に自らの姿を重ね合わせて。この頃の彼にとって朝の光は憂鬱じゃなくてむしろ救いだったかもしれない。情事の後の身体は怠く、重くても、職務に追われる日中は、底なしの孤独を忘れていられたから。
曲折の末、暁人と想いを通じ合わせてからも、桂木はいつもどこかしら身構えていた。全身全霊で恋に溺れるのを自らに禁じていた。決して寝顔は見せない。本音も言わない。まるでいつか訪れる破局を見越しているかのように。暁人の愛が信じられないというのではない。恋と当主の責務の両立も困難には違いないが、ふたり力を合わせれば、越えられない壁ではなさそうだ。それでも、末永くふたり共にある未来を無邪気に思い描けるほど、おめでたい生き方を彼はしてこなかった。「僕はお前を幸せにしたいんだ」繰り返し暁人は言ってくれたけど、誰より桂木自身が、自分が幸せになる未来を信じ切れていなかったのだ。
桂木のトラウマの根源、それはやはり、先代暁直子爵との因縁抜きには考えられない。桂木のため良かれと思って、きくが暁直氏に差し出した蓄妾届。それが彼の運命を大きく狂わせた。理不尽極まりないようだが、誰かにことさら非があるわけでもない。それでも、信じていたものが一瞬で覆ってしまうことは、確かにあるのだ。
だから今回、すべての始まりである鎌倉の地を訪れて、自分の歩いてきた道と向き合う時間が、どうしても彼には必要だった。桂木を裏切り者と決めつけて、冷たく突き放したまま逝ってしまった暁直氏。でも暁人の目を通してみると、違う一面も見えてくる。何より彼は最期に、自分の一番大切なものすべて、子爵家の全権と最愛の一人息子の教育を、桂木一人にゆだねて逝ったのだ。傲慢だけど聡い暁直氏。桂木が過去の自分の仕打ちを恨んでいて、お家を乗っ取り暁人に害をなす可能性に思い至らなかったはずはない。それでも彼は桂木に託した。桂木が結局、自ら手塩にかけた暁人を裏切れなかったように、暁直氏もまた、最後の最後には自分の育てた子どもを信じたのだ。その重みはきっと桂木にも届いたはず。ずいぶん時間はかかったけれど、自分ももう一度自分自身を、未来を信じてみてもいいんじゃないかと。
鎌倉から帰還した桂木は、いつも以上に彼らしさを取り戻していて(暁人いわく、「目が覚めた」んだそう)とても彼らしい決断をします。寂しさ半分、でもやっぱあいつならそうするよな、そういうあいつだから好きになったんだし、と納得顔の暁人。そこからは逢えない2年分を先取りする勢いで怒濤のお別れエッチになだれ込みます。ふたりきりでホテルの一室にこもって、誰か来ても追い返して(気の毒な高之氏)、残された時間のぎりぎりまで… 最後の夜明け、桂木が暁人に初めてさらした無防備な寝顔。そして冒頭の一言… そう、憂鬱な朝は、身も心も満たされた幸せな夜を過ごしたからこそ、恋人たちに訪れる特別な時間だったのですね。憂鬱だけど、せつないけれど、この朝はまっすぐふたりの未来に続いている。孤独を抱えて明けない夜をさまよう日々にはもう戻らない。新しい一日が始まる。
日高先生、そして作品の制作に関わったすべての皆さま、桂木と暁人をこの世に生み出してくれたことに感謝します。おそらくふたりは、BL史上最も美しい(その生き方も含めて)カップルとして永遠にその名を刻まれることでしょう。10年分の眼福をありがとうございました。
10年続いた物語の完結。
表紙は真っ黒だった1巻から真っ白な8巻まで、暁人と桂木の関係性を暗示するように、色が少しずつ明るくなっていくんですね。
日高ショーコ先生とタキエ先生は連載を始めた時から、表紙をこうしようって考えていたのかな?
『憂鬱な朝』の連載の重みと、完結に想いを馳せます…
私にとって、暁人と桂木のクライマックスは7巻です!
桂木は、工員を路頭に迷わせないように、縫製工場の買収に暗躍する。
そして全てを終えて桂木は暁人に会いに行き「ずっと あなたならどうするか考えていました」と…
桂木にとって暁人は爵位を奪われた忌々しい子どもだったのに、全て自分が教えたはずの暁人をお手本にして行動していたって、暁人が自分を超えたのだと、最大の賛辞で最高級の告白じゃないですか!
8巻はそんな二人の関係にエンドマークをつけるエピローグです。
「華族は消えても興した産業は残る」
未来を見据えて激動の時代を乗り切ろうとする暁人は、書生を連れてイギリスに渡ろうとしている。
この時代の欧州渡航は船で何か月もかかるから、一度旅立ってしまえば二年は会うことができない…
目指すものは同じでも、それに辿りつこうとするやり方が違うから、今まで話し合うことを避けてきた二人。
でも桂木は ”暁人ならどうするか” をお手本にし、違う考えも受け入れられるるようになり、自分の信念のままに行動することを決める、本当の意味での強さが備わったように思えます。
そして桂木は「二年は長すぎる」と本音を…
こんな本音を言えるのは桂木が暁人に甘えてるってことじゃないですか!
暁人と桂木の関係はこんな風に成熟したんだなって感慨深いです。
いままでの桂木は暁人に抱かれて感じても、どこか暁人の欲望を受け止めてあげてる風なところがあったと思うんです。
でも欧州渡航を前にした桂木は、暁人を全身で求めているように見えて、それまでの確執とか葛藤とかぜんぶ溶かされて、ただ普通に恋人同士が愛し合ってるだけに見えて、なんか泣けました。
そうして二人は共に生きていくためにある決断をする…
旅立ちの朝の桂木は、連載全巻通してスペシャルなかわいさです!
あぁぁぁ、あの桂木がこんなことを言ってしまうなんて!
過去の暁人に見せてあげたい。
あとがきで日高先生は、「暁人と桂木のことを考え続けてきた10年、これからも二人のことを考え続けていく。読者の心の片隅にも二人のことが残ってくれたら幸せ」と仰ってました。
この重みがある物語が残らないわけがありません!
プライドが高くて、それに見合う能力もある美しい桂木が人を愛せるようになるまで、子どもだった暁人がここまで桂木を変えた物語、ずーっと心に残っていくと思います。
違いがあっても受け入れ愛することができるようになった二人は、これからどんな憂鬱な朝がやってきても、光る朝に変えていけるはず。
日高先生、タキエ先生、10年の連載お疲れ様でした。
そして重みある素敵なお話を読ませてくださってありがとうございます。
また素敵なお話を読ませてください。
私に悶えるという感情を与え続けてくれた作品が遂に完結…!!
日高先生10年間大変お疲れ様でした!そして、こんなに素晴らしい物語を、本当にありがとうございました!
最終巻をやっと読み数日経ち、想いが抑えきれず、初レビューさせて頂きます。
私は4巻発売少し前から憂鬱な朝を読み始め、約6年間この作品を追いかけてきました。3巻まで一気に読んだ当時、時代背景やお家騒動もがっつり話に絡み、憂鬱感溢れるこの作品を読んだ時は衝撃的でした。
こんなに苦しいBLがあるのかと…。
いや、もうこれはBLじゃない。
2人の素晴らしい歴史物語だと思いました。
そして、4巻で桂木が暁人様に想いを告げた時は、暁人様になったかの様に歓喜しました。
周りの腐友人の多くに、今すぐ読め!と全巻セットで貸しまくり、友人が「自費で漫画全て買った」という報告を受ける度に、営業で成績を上げたかの様な満足感を感じる程、作品にのめり込んでいました。褌萌えを教えてくれたのも、この作品です。
そして、憂鬱な朝の新刊が出ると知り、調べると最終巻の文字…
ずっと、終わりに近づいているとは思っていましたが信じられませんでした。実際に購入した後も、数日ページをめくる事が出来ずにいました。1巻から読み直し、気持ちを整え、遂に8巻を読み終わりました。
今までお互いの事を想うがあまり、行動がずれまくっていた2人でしたが、お互いの為ではなく、自分の信念の為行動し、自立していく2人にじわじわと感慨が溢れてきました。
また、暁人様が桂木を渡英に誘った事には少し驚きました。
鎌倉で蜜日を過ごした後は静かに別れるのだろうと思っていましたが、私の予想など遥かに超えて2人は好き合っていました…。桂木はやはり残る事を選びましたが、銀時計を貰った時の表情や、暁人様が出立する前のベッドでじっと見つめている目から、未練というか、暁人様と離れたくないという想いが溢れていて…ありがとうございます。
海で2人でじゃれ合っている時も、外でやろうとする暁人様に手を払う桂木…その冷静さというか、つれなさ。とても好きです。日高先生もあとがきで言っていた通り暁人様好きすぎてしまった桂木ですが、どこかつれなさを残して頂ける所がとっても好きです。
暁人様の手紙読み切れてない所も好き…。暁人様のいつか外でやってやる、という台詞に期待してしまった人は私だけじゃないはず。
2年後、暁人様が帰国してきた時に2人が再会するシーンはありませんでしたが、暁人様は一直線に桂木に飛び込み、桂木は伸びた髪に苦言を言いながらも嬉しそうに抱きしめるのでしょう。妄想すみません。
あと、石崎の成長した姿、カッコよかったですね。
そして最後には、手を繋ぎ肩を並べて歩く2人…
暁人様が願っていた姿そのままな事に、感激しました。2人が明るい朝を迎えられている事が何よりの幸せです。
言いたい事は沢山あるのですが、漫画を読まなければ分からない魅力が多く詰まったとても素敵な大切な作品です。
今までこんな素晴らしい物語を届け続けて下さった事に、憂鬱な朝に関わった皆様に感謝感激です!!
毎秋の楽しみがなくなり、とてもとても寂しいですが、この作品はずっと忘れません。
まだまだスペシャルbookも発行される予定との事で、とっても楽しみにしています!
素晴らしい名作に出会わせてくれて、ありがとうございました。
連載から10年…長いようであっという間に過ぎて、いや…長い10年でしたね。日高ショーコ先生本当にお疲れさまでした!!そして、何より心から感謝申し上げます。こんなきれいで素敵な世界、私は知りませんでした。
8巻というBL作品の中では長い巻数で、時代は明治…現代とは違う制度や価値観の中ですすむ内容には正直難しさもあり、なかなか意図や考えがわからずに、何度か読み返して理解することもありました。言葉や制度の意味がわからず、調べた事も何度かありました。
だからこそ、「憂鬱な朝」という世界にどっぷりとハマり、8巻を手にした時は読む前から胸に熱いものが込み上げました。
鎌倉で過ごした日々は「憂鬱な朝」の中では驚くほどに穏やかでゆっくりとして、お互い身体だけじゃなく心に触れ、ゆっくりとしっかりと強く繋がってゆく様が温かく心地よく伝わりました…暁人さまじゃないけど、本当に夢の様でしたね。そして、私も高之さん雨宮と同様、絶対に桂木は暁人さまと英国には行かないと思っていました。夢の中では生きていけない、現実で…その言葉通り己の足で立ち歩んでいけるよう、先を見つめながらも今をしっかりと生きていくふたりが輝いて見えました。二人の選んだ各々の道は、何度も曲がりぶつかり遠くなりながらも、最後は真っ直ぐ太い一本道になったように感じました。
8巻を手にとって、表紙の銀色に輝く「憂鬱な朝」の文字と二人の手をとる姿に胸が熱くなり、読みながら暁人さまの桂木を抱きしめる手の強さに桂木の表情にぐッときて、出港前に身体を重ねる二人に顔がほころび、船内で泣き崩れる暁人さまにもらい泣き、ラストの笑顔で手を繋いで肩を並べ歩き始める暁人と智之にもう…もうもうっ、胸が痛くなりました。終始、涙で視界はボヤけっぱなしでした…心が感じて動いて感動ですもんね、本当に感動しっぱなし。
銀時計に刻まれた通り、名にも生にも家にもとらわれない、何ものにもくくられない従わない「暁人」と「智之」は本当に眩しいくらいでした!!
あと、脇勢のそれぞれもしっかりと描かれています。総一朗とこふさ…予想的中し、やはり嬉しい結末でした。
日高ショーコ先生、完結おめでとうございます!!
私の中に、ずーーーっと暁人と智之は生きております。
憂鬱とは、気持ちがふさいで、晴れないこと。また、そのさま。
憂鬱な朝とは、どういうことなのか?
憂鬱という言葉には、もう一つ意味があります…
「草木が暗くなるほどに茂ること。また、そのさま。」
暗くなるほど茂る…辛いことや苦しいことがあったからこそ、2人の今がある。
明けない夜がないように…
止まない雨がないように…
夜の暗闇が必要な花があるように…
雨降って地固まる…まさに、そんな感じの結末です。
カラーイラストも、素敵の一言。
BL云々だけではなく、一つの物語として素晴らしい。
読者は、決してこの2人のことを忘れないでしょう…
終わってしまいました…はぁ、終わってしまいましたね。
毎度のことながら8巻を手にして、既刊ぜんぶ引っ張り出して読み返しました。早く続きが読みたいはずなのに、その時間さえ至福に感じられる本は数える程しか知りません。
本当によく話が作り込まれていて、原作と作画の二人体制ならではの完成度でした。
本当に良く練られたお話で、まだ読んだことのない方にはまっさらな状態で読んで欲しいのでネタバレ的なことは我慢します。
私は4巻から読み始め、新刊が出る度に全て読み返していたのですが、今から読める方は久世と桂木と、それをとりまく時代背景やしがらみ、周りの人間の思惑や、思いやり…それを一気に読めるのが正直羨ましくもあります。
特に時と共に変わっていく桂木の想いと、大人の男へと変わっていく久世の姿が他を探しても見つけられない程に魅力的でした。
「憂鬱な朝」というタイトルも読後は染みます…。
BLというジャンルに深さ、ストーリー性を求める方はハマると思います。
桂木も久世も大好きです(*´꒳`*)
壮大な明治ロマンがついに完結しました。美しい桂木にもう会えないのは寂しいけど彼が幸せになってよかった!
最終巻で桂木の年がわかった。なんとまだ29歳!私勝手に32歳位と思いこんでました。暁人とは10歳差位で思ったよりちょっと年が近くてよかった。
桂木は帝大を卒業せずに家令になったので暁人と出会った時まだ20歳位だったのですね。少しでも年上に見せようとしてあのオールバックの髪型だったと最終巻で知り、さらに愛おしく思います。
私はこのお話の最大の萌えは桂木の暁人育成というか、狙ったわけじゃないのに自分の育てた子供が超いい男に育っちゃった!みたいな所です。将来のパートナーになるなんて完全に想定外だったと思いますよ。桂木は。
ちょっと嫌な奴になりかけてた石崎パパですがやっぱりいい奴でした。息子もめっちゃいい奴だもんね。小ふさも最後に登場。あの「優しい小ふさと桂木を一緒にするな!」の小ふさ。結局桂木の優しさのおかげで一緒になれてよかったね!総一郎。
初期には険悪な関係だった桂木家、石崎家、久世家の三家も最後には良い関係になって、日本を背負う大企業になっていった予感。暁人坊っちゃんの人徳がなせる技だったと思います。
家というものに縛られていた桂木を大きな愛情でもって解き放ってくれた暁人。出来る男桂木は暁人の後ろをついていくより、肩を並べて共に歩いて行く方が似合う。最後のイラストのように。
留学中一日も欠かさず手紙を書いていた暁人…それってもはや日記じゃん(笑)婚約指輪ならぬ婚約時計のエピソードも素敵でした。色々な名シーンが頭に浮かびますが、一巻からまたじっくり読み直したいと思います。
最後に…桂木の可愛い寝顔が見れて良かったね。暁人!
終わってしまうのが、本当に嫌で…。読んで仕舞えば、終わってしまうので。買ったはいいものの、読むのを躊躇っていました。私が読まなければ、いつまでも終わらないのだと思ってみたり。また、その終結にガッカリさせられるのではないかと、恐ろしくもあったのです。それほど、この物語は特別でした。これまで、じっくりと読み込んで来たと自負している読者のひとりとしては、やはり全てが想定内だったと申し上げるほかありません。桂木は自身の立ち位置を得、暁人さまの渡英には着いて行かないだろうし、暁人さまは、桂木の心の不安、不信の元となっていたその出自を明らかにするだろうし、直継さまの遺志を受け、その子供、直矢さまの後見をするんだろうし、未来の久世家とそれ以上の発展の為に、書生として受け入れた若者たちの指針になるであろうことは容易に想像し得るものでした。
ただ一つ、驚いたのは、総一郎の縁談‼︎ 何、このミラクル⁈ さすが、桂木‼︎ 総一郎は、自身が悔やんでいた様に、その初恋を苦い想い出として終わらせるのだとばかり思っていました。桂木が諭した様に、総一郎には暁人さまの様に選び取り、責任を取る覚悟は無いのだと。ここでも桂木の奸計と愛情深い結末に涙させられます。『あなたの味方は、この私だけです』と桂木の言った言葉。涙腺決壊です。ハリボテの身分など、意味を成さないが、それを装ってさえすればまかり通る。その馬鹿馬鹿しさを逆手にとって、一石を投じた策略だとも思いました。総右衛門殿はもちろんカンカンでしたが、この先、総一郎が覚悟を決めて進んで行きます。そして、遂には総右衛門殿も桂木とは和解するのでした。
暁人さまが桂木に贈る、揃いの指輪ならぬ、揃いの銀時計というのも素敵でした。これは、学院の首席が代々贈られるという曰く付きのものでしたが、桂木は首席であったに関わらず、先代の暁直さまに「平民出が首席を取り続けると、余計な敵を作る」と指摘され、最終学年ではワザと首席を取らず、賜われなかったもの。そして、暁人さまにとっては、やはり首席であったのに、隠遁生活を余儀無くされた為に、首席を続けることが叶わなかったもの。そして、この時計は二人の「これから」を刻む時を象徴するもの。暁人さまが渡英する際に互いの名を刻んだ時計を交換するという桂木もロマンティックです。あの律して崩すことの無かった桂木の甘い甘い願い。着替えて見送る事をせず、ベッドに突っ伏したまま、見送る桂木は色っぽかったですね♡ そのしどけなさに暁人さまも相当後ろ髪を引かれたに違いありません。
暁人さまの渡英、2年後の帰国まで描かれていたのも嬉しかった。表紙の暁人さまの髪がなぜ、そんなに長いのかと思っていたのですが、あまり整える事もなく、ただ伸ばしていたのでしょう。 epilogue で、台詞は無いですが、「髪を切れ」と言っている様な桂木が微笑ましい。私も、暁人さまは短い方が好きです。
また、桂木が先代の暁直さまに認められたいと願い、叶わなかったと思い続けて来たこと、幼ない暁人さまと過ごした『悲観的だと思って来た』状況を『今、思えば、私は…。幸せな処に身を置いていたのだ。』と思えるまでになれた事。桂木の心を救った物語にもなっていて。とても幸せな気持ちになれました。願わくば、渡英はハネムーンでは無く、桂木にとっても学ぶことがあったとも思うので、行かせてあげても良かったのに、とか。この2年の間に「時間はありません。来週には紡績工場の役員会に出るので。」と、(昔の船旅だから無理⁈ どれくらいかけて行くのかしら。)突然慌しく会いに来る桂木、とか。そういうのも見てみたかったです。二人のあまあま後日談は、来年刊行予定の特別版を期待して。やはり、読めて良かったと思うことにします。
でもやっぱり寂しいな。寂しくてたまらないよ‼︎(涙)