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konna kanashii koi wo suruhazujanakatta
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「俺の人魚姫」のスピンオフですが、そちらを読んでなくても大丈夫です。
スピンオフ元の攻めよりも本作の攻めの方が好感度がもともと高かったため、本作を読むのは非常に楽しみでした。
あれから絵柄もかなり読みやすく、美しくなってらっしゃる!
珍しく攻め目線なのも嬉しい。
ちゃんとワイシャツの下にアンダーシャツ着てるのがリアリティあってよろしい(なぜに上から?
キーワードは「擬態」。
ぜひネタバレなしでお読みください。
受けがなかなか鋭いんです。冒頭は本当に攻めは薄っぺらかったですね。いやぁ~深いなぁ。
一番最初にちょっぴり正体を明かした瞬間(ベスト姿)がカッコイイ!
<良かった点>
ARUKUさん作品では珍しく、えr表現&描写がグッときました。
なのでやっぱり本作は雪居ゆきさんの作画で本当に良かった!
<注意点>
・刃傷沙汰アリ
・受けに今カレがいて攻めに乗り換えます(その後ちゃんとお互いを紹介して了解も得ます)
・受けが脅されて↑彼ら以外のを咥えさせられる描写アリ
以上が無理な人は回れ右です。
<モヤった点>
花びらを食べる文化は普通に世界中に存在するので(もちろん日本にも)、「化け物だ!」な描写としては説得力に欠けるというか弱いというか。
(これがマイナス理由でもある)
詳しくは「エディブル・フラワー」で検索してみてください。
マグロとタコとウニがかわえぇw
ストーリーや受けのキャラクターなどにとてもARUKU先生らしさを感じました。気弱そう、触れたら壊れてしまいそうなくらい脆そうに見えて、実際は我慢強く、セックスすればいつの間にか攻めの方がずっと虜になってしまうほどいやらしい。絵は違っても、ARUKU先生の作風は十分に感じられると思います。
途中からファンタジー要素が出てくるのは想定外でしたが、今は年老いたお爺さんを単なる好き者ではなく意味を持たせて描かれていたのは嬉しかったですね。BL読者としてはこうして晩年まで続く愛を見れることほど、幸せなことはないんじゃないかと思います。もちろん、斐に感情移入すると辛い部分もあるけれど。捉え方を変えれば、たくさん愛を交わせる可能性のある人生でもある。相手さえ納得していれば、斐にも愛を受け取る権利はあるはず。今を精一杯生きる、人間でもそうじゃなくても、ただそれに尽きると思いました。
スピンオフだと知らずに読みましたが、未読でも全然違和感ありませんでした。
攻めは別れさせ屋で言葉巧みに色んな人を騙して商売をしています。
そんなある日、依頼人に受けを篭絡してくれと頼まれ受けと出会います。
しかし彼と接するうちに惹かれていき恋に落ちていきます。
そして彼の重大な秘密…花を食べて生きる不老不死だと知ります。
受けの元カレも老いていき、一人取り残される運命だと知ってもなお、愛することを誓った攻め。
元カレとご対面する時が感情のピークでした。
どこまでも受けの幸せを願う義梵。
受けを幸せにするバトンタッチのようでした。
けれど私には、いずれやってくるであろう別れを思うと、やっぱり悲しすぎる物語でした…。
幸せの二人だけれど、将来を思うと寂しさが胸に残ります。
描き下ろしに若かりし義梵×斐のお話があったのもすごく良かったです。
BLにしては特殊な設定で新鮮でした。
タイトルからして悲しくて不幸な予感がして、なのに本は薄いしどうなの?と思ってました。
これは…
すみません、やはりARUKUさんに描いて欲しかった。それか他の人。
絵は綺麗なんですが繋がりが悪くて、せっかくのいいお話が伝わりづらくもったいないです。
朽葉の正体と元恋人と柏原と。兄弟と別れさせ屋と色んな人物の思惑が入り交じって。
朽葉の擬態は完璧でしたね。本当はとても美しくて魔性で善人で。
過去も現在もとってもドラマチックなのにサラッとしか描いてなくて。
でも柏原に愛されて良かったね。自分の愛した人が老いて死ぬのを見送る辛さと、愛した人が美しくいつまでも元気で自分を覚えていてくれる幸せ。
あー、失礼を承知で繰り返しますがコミカライズがもっと上手ければ全然違ったのに。
せめて原作を読みたいです。
『俺の人魚姫』がとても良かったので、そちらに登場する柏原のスピンオフということで読んでみました。
前作は人魚姫になぞらえている話というだけで、ファンタジーではありません。
しかし、今作はまさかのファンタジー!
人間でない者が登場します。
花を食べて生きる種族の斐(あやる)は、すでに何歳かわからない美しい男。
大富豪の義凡の恋人として生き、義凡が死んでもなお年老いることなく生き続ける。
そんな斐に恋するのが柏原であり、その素直な愛情に斐も惹かれていく。
2人は共に生きていくことを決心しますが、柏原だけが老いていくことを考えると複雑な気持ちになります。
なぜこのお話をファンタジーにしたんでしょうか?
これもARUKUワールドなのでしょうね…。
ARUKUさんのファンです。
だから無条件に読むのだけれど、タイトルから悲恋もの?となんとなく怖気づいていました。
いざ読んでみて……
え〜〜こんな話!
と、度肝を抜かれつつ。
「俺の人魚姫」のスピンオフなのですが、前作と本作はテイストが全然違いますね…
以下、ネタバレ多め↓↓
↓↓↓
注意して!
↓↓↓ネタバレNGの人は回れ右↓↓↓
ファンタジー系の話とは思いませんでした。
まさか人外とは。
はじめは義梵との関係にえ〜っと思ったけど、こういう真相だったのか…と一気に切なくなりました。
『悲しいと恋しいは字が似てる きっと悲しいからこそ恋だ』…
柏原の本当の悲しさは多分50年後に来るのでしょう。ひとり、恋しい美しいひとを残していく。
そしてまた、斐はひとり…花を食べながら生きるのでしょうか。
このストーリー構成、さすがARUKUさん。
雪居ゆきさんの可愛い系の絵柄が、斐の背負った運命を美しく彩っていて、物語の本当の残酷さを和らげてくれています。
本当は恋人に『一緒に死んで』と言って欲しい斐。なのに彼らはいつまでも美しくいろと言う…こんな残酷って…
タイトルは柏原ではなくて、斐の心の声なのかも知れない。人と親しまず、奴らを利用し…そう生きていくはずだったのに。
「俺の人魚姫」のいい人過ぎた当て馬の柏原が主役でした。途中、義凡とのエピソードで号泣してしまいましたが、柏原も負けじと良い男でした。二人とも良い男過ぎて斐は永遠に生きていかなきゃいけないんでしょうか?やるせないです。柏原は、義凡のように次に斐を愛してくれる男に託すんでしょうか?優しくいのは時に残酷ですね。ARUKU先生が原作なのでしょうがないですかね。先生の前のペンネームの遙々アルク作品の「猿喰山疑獄事件」を初めて読んだ時の衝撃は忘れられません。それに比べたらまだ救いは残っているのかも?
『俺の人魚姫』のスピンオフですが、本作から読んでもストーリーはわかります。
むしろ、まったく別物なので、前作は気にせず読んだほうが良いと思います。
二転三転するストーリー展開、前半はコミカルな騙し合いが楽しかったのに、後半はヒトを愛する優しさと切なさに胸を締めつけられます…
リーマンの柏原は、イケメンルックスを活かし、別れさせ屋の副業をしている。
ある時、金持ち女から、腹違いの弟を遺産相続人から外すためのハニートラップを依頼される。
柏原がトラップを仕掛けるのは、図書館司書の斐(あやる)。
地味でダサくて純朴そうで、柏原は騙すのが可哀想になるけれど、植物状態の父の生命維持で莫大な金がかかるから、トラップをやめるわけにはいかない。
柏原が斐をデートに誘って、服を見繕うと、斐は急に怒り出して、
「俺と一緒にいるの恥ずかしいですか?話してても中身がない。薄っぺらい。」と痛いトコロをつかれてしまう。
斐は大人しそうに見えて熱くて、純朴そうに見えて芯の通った子なんだなーと思ったら、、、
斐はすべてお見通しで、柏原に協力して、ハニートラップに引っかかったフリの甘い写真を撮らせてくれる。
しかも「若い男の唇 久しぶりだから嬉しかった」「一日働いた後の疲れた臭い好き」と、みょーに経験豊富な素振りで、暗くてダサい図書館員と小悪魔男ビッチ、どっちが本当の斐なのか?柏原は戸惑ってしまう…
斐の地味ダサは、美形を隠して色恋沙汰を避けるための擬態。
そして斐は擬態を脱いで、姉を脅して柏原が金に困らないようにして、「まともに生きて」と柏原を諭す。
そんな斐に柏原は本気で恋をして…
でも斐は、金持ち・義梵の愛人の子ではなく、斐自身が義梵の愛人で、それを知った柏原は斐を力づくで奪う!それに斐もこたえる!
二人は恋人になり、柏原は、義梵を紹介され、死にゆく義梵から斐を託される。
ここまでは、イケメンと小悪魔の駆け引きめいたラブストーリーをコミカルに楽しめます。
でも、後半はシリアス調に一転します…
出会いの時、斐はハナミズキの木から降ってきた。
深草少将に百夜通いをさせた小野小町のように、斐は柏原に花束を持って毎夜訪れさせる。
斐は柏原より一歳しか年上じゃないのに、柏原を坊や扱いして手玉にとる。
前半のそこかしこに、後半への伏線が散らばっていました。
斐の辛い過去と、孤独だった人生、そしてやっと見つけた幸せ、そのすべてに胸が締め付けられます。
ストーリーはとびきりのハッピーエンドです。
でも、避けることができない悲しみがいつかやってくる。
抜けない棘のように、斐は片時もそれを忘れることはできないかもしれない。
でも、柏原もそれを知っているから、斐ができるだけ悲しまないように、その日まで愛していくんだと思う。
「50年後の今日」で、義梵と斐のことが描かれています。
義梵は自分が消えた後も、斐が生きることをやめないように精一杯のお願いと小さな約束をする。
義梵がどんなに斐を愛していたか、どんな気持ちで柏原に託したのか、義梵のイイ男ぶりに涙が止まりません…
そして柏原も義梵同様にイイ男です。
柏原と斐、生きてる限り、幸せでありつづけて欲しい。
そして斐には生きることを諦めないでいて欲しい。
生きていたから、義梵にも柏原にも出会えたんだよ?
それに想いは永遠に続いていくと思うから…
雪居先生の絵は、斐の純朴ダサさと小悪魔ビッチの変貌ぶりを楽しく魅せ、ARUKU先生の世界観を再現してくれていたと思います。
雪居先生の絵に不満はありません。ただ『スクールナイト』のあの儚げな絵柄と、本作のストーリーはすごく合うと思うので、特に後半、ARUKU先生の絵でも読んでみたかったなぁとも思います。
副業として別れさせ屋をやっている会社員の柏原。
甘い言葉でターゲットの女性をその気にさせ、数々の恋を売ってきた男。
ある日のこと、有数の資産家一族である依頼人からある男を誘惑してふしだらな写真を撮って欲しいと依頼を受けます。
一家の相続リストから、彼を外すためにハニートラップを仕掛けて欲しいと。
早速ターゲットである男・朽葉に接触してみると、資産家の一族とはとても思えない貧乏くさい身なり、そして純朴な人柄。
彼を騙すことに良心が痛みつつも、200万円という報酬に目がくらんだ柏原は、デートに誘い…。
というあらすじがどうでも良くなるくらい、途中からどんどん話が変わって行きます。
というか、これまさかのファンタジーでした。
柏原があの「俺の人魚姫」の優しい当て馬です。(攻めよりも当て馬とくっついた方がいいと思ったほどのいいキャラだったけど、こんな裏があったとは…。)
そして文具屋の社長・悠馬もバーでの飲み友としてちょいちょいっと出てきますが、道雄は登場せず。ただ柏原が「かわいこちゃんは元気か?」と聞いてるのできっと元気にやってるのでしょう。良かった。
ARUKUさん原作なので、そこかしこの台詞とか、黒髪美人受けに何とか構ってほしくて必死になる攻めとか、お互いの軽口とか、キャラとかが雪居ゆきさんの絵の向こうにARUKUさんの絵が透けて見えてやっぱりARUKUさん作品だなぁと思いました。
ただし雪居ゆきさんは絵が綺麗で絵に文句は全くないのですが、やっぱりARUKU作品はARUKUさんの絵で読みたいなぁと思ってしまいます。その方がもっと後半の透明感というかふわっと浮世離れした雰囲気が味わえた気がする。
義梵くんがいい男だった。泣けた。
そしてラスト。
私はこういうのは来たる日を想像してメ〜チャクチャ途方もなく悲しくなるので、色々想像して泣いてしまいました。
なので私にとってはメリバです。
一緒に死ぬことを柏原は許してくれないのかなぁ…。
義梵くんも超越していて深い愛を感じたけど、別れは何度も経験したからといって決して慣れる類のものではないと思うんです…。それを朽葉に味わせたくないなぁと。
私は、朽葉の名前の由来「〜川面を流れる朽葉のようにいく‥」というところが何とも哀しみを感じて切なくなったんです。だからもう柏原との恋が最後でいいと思うの…。
義梵くんもものすごーーく愛してくれてはいたけど、彼には家庭があったから完全に朽葉のものではなかった訳で、完全に朽葉のものと言い切れるのがきっと柏原が初めてですよね。
だから最初で最後の恋にしてほしい…。
ーーーーーーーーーー
超どうでもいい事で、作品の評価に一切関係ないのですがどうしても気になる点が…。
柏原がそこまで金を必要とする理由が、入院中の父の医療費に月80万円もかかるという点。
全く医療とか保険のこと詳しくないけど、保険とか高額医療請求とかなかったっけ??みたいな。
やだ…家族に80万円も医療費かかる事態になったらうちは破産しかない…とビビって怖くなったのだけど、そんな事ありえるの?
そんな事態が起きる可能性があるのか家計を守る身としてはリアルに怖くなってしまったので、そこの疑問をどうにかしたい…。
ARUKUさん原作なので購入。
あらすじだけ読むと、原作者を見落としてたら多分スルーしちゃったような、ありがちな、隠れビッチなお兄さんに、うっかりドはまりするチャラ男君のお話って感じだけど、そこはやっぱりARUKU先生、お話は予想外に切ないファンタジー展開に。
ネタバレしないで読んでほしいので、内容に関してはあんまり言えないのがもどかしい。
この作品、作画もARUKU先生だと、もっとガチなファンタジーよりになっただろうけど、雪居ゆきさん作画だと普通にチャラチャラした恋愛ものと油断させておいての…なので、切なさ倍増です。
そしてやっぱり、ちょっとしたセリフのそこここが、ARUKU風味で、ARUKU先生の作画だとここはこんな感じになったろうなとか想像するのも楽しい。
ARUKU先生のファンタジーで、花がヒントにピンと来たら、ぜひ読んでみてほしい。
私はこの結末が性癖レベルで好きなので、この本を見落とさなくてよかったです。