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amai uso
毎回繊細な心理描写や、キュンとさせられるエピソードなんかが秀逸なのですが、今作でもそれが存分に生かされてました。
ほろ苦く現実味のあるストーリー運びでありながら、しっかりトキメキも感じさせてくれる・・・。
多分、ある程度人生経験を積まれた方なんかは特に、グッとくる作品じゃ無いでしょうか。
内容です。
大学で出会ってから7年-。
密かに片思いしている親友・佐倉と、身体の関係を続けている七生。
セフレと言いつつも優しい佐倉に、自分だけは特別なのではないかと期待を抱くも、ある日突然「地元に帰る」と告げられ-・・・と言うものです。
まずこちら、素直で人懐っこい七生と、どこかつかみ所のない佐倉と言うカップリングです。
ちょっとした言い争いから身体の関係を持ってしまった二人。
実は七生は経験が無く初めてのセックスだったのに、なりゆきで経験豊富で他にもセフレがいるフリをしてしまい、そのままズルズルと身体の関係が続き・・・といった所です。
で、こちら、言うまでもなく超拗らせた両片思いものです。
受けである七生視点で進みますが、序盤は佐倉にかなりイラつきました。
元々、女の子とも付き合うつもりもなく簡単に寝るクズ男なのですよ。佐倉は。そんなだから、咄嗟に七生は遊んでいるフリをしちゃったんですね。
そして初っぱなからの「地元に帰る」発言。おいおい!!てなもんで。
ところがですね、実は彼には彼の誰にも言えなかった過去があってと分かってきます。そこでやっと彼の本心が分かるのですが、これがホント心を打たれる。こんなに切ない愛の告白があるでしょうか・・・。
また、二人は別れる事を選ぶのですが、もうこの部分が切なくて切なくて・・・( ノω-、)
口絵カラーにもなってる新幹線のホームでのシーンになるのですが、もう涙腺崩壊ですよ。互いを想うからこそ、この道を選ぶしか無いんだよな~と。
この年になると現実も分かってきちゃうから余計に切ない。
しかし、ここから胸キュンエピソードで怒濤の萌えを与えてくれるのが安西先生。
ちゃんとハッピーエンドで、二人は結ばれます!!
二人の再会シーン、そこからのエッチシーンにはとても萌えました!とてもとても萌えました!!
実はここまでが雑誌での掲載作で、この後の書き下ろしがあります。
掲載作のみだと若干の腑に落ちない部分がございますが、書き下ろしでそれもしっかり決着が付きます。
書き下ろしの方は佐倉視点になりますが、やっぱりこちらでも当たり前の現実がのし掛かってきます。
ただ、二人の気持ちがもう揺るぎない事が分かってる分、安心して読めました。
あと、佐倉が七生にメロメロなのも良く分かり、それにはニヤニヤと。攻めが受けを溺愛してるのって、何故こんなに萌えるのでしょう・・・。
安西先生ですが、ホントにエピソードが秀逸なんですよね。それと共に小道具使いが巧み。今回はスマホがとても上手に使われてました。スマホでやりとりしたメッセージには泣けた。
と、ストーリーのみならず、心に残るエピソードにもやられました。
ホント深みのある素敵な作品でした。
キャラ達をとても近くに感じて、怒ったり泣いたり笑ったり。シンクロ率が高く、安西先生のこれまでの作品の中でTOP3に入るぐらい好きです。小説DEAR+2017年掲載分の本編150P弱+本編終わりからの続き話80P弱+先生のあとがき+あとがき代わりのSS 7Pです。大きく二つに分かれてますが、連続性高く、中編2編という印象ではないです。ポイントは女子でてくることと、当て馬あり でしょうか。
大学2年の時に合コンの数合わせで知り合いになり丸6年。端整な顔立ちだが、身なりに無頓着、何考えてんだかわからないままベッドインする関係にある佐倉。今日も会おうと呼び出され、七生は積もり積もった自分の気持ちを伝えようかと思っていたのに、突然「来月、地元に帰る」と言われるところから始まります。ここ、怒りポイント1。
そもそも体を重ねることになった経緯がまた酷い。「誰とも恋愛するつもりはない」のに「誰かをハグしたくなる」という理由から、言い寄ってきた女の子とベッドインしちゃう佐倉。(←怒りポイント2)
俺とだったらそういう事情込みでベッドインOKだよという七生。(←イタいポイント1)
そういう気持ちもわかるけど結局泥沼になるじゃんよーとまあ、あっちもこっちも大変です。これ序盤戦なんで。
読んでる側は巻き込まれて感情が大変なんですが、七生がすごく前向きで強く、気持ちのいい人間に感じられて、とても読後感が良いです。佐倉も、てめ(怒)と感じていたのが、進化してとても嬉しいです。
途中、泣いて笑って怒って忙しいですが、若いお姐様も、人生経験値高いお姐様も、好きになるんじゃないかなあ、この作品。いいお話だなあ と思いました。
**************** 以下はより内容に触れる感想
本編はその後、かなりイタく切なく涙してしまうシーンがあり(←イタいポイント2)、このまま終わったらどうしようーと恐れていたら、へたれワンコ化した佐倉が「七生がいなくて俺は医者になれるのか」という爆笑セリフと共に現れて、あー良かった♡♡♡です。さあ、続きはあまあまお気楽後日談か?と思いきや。
佐倉視点のお話に切り替わります。
佐倉の従姉妹や病院関係者で、斜め上!と感じてしまう発想の方々がご登場されて、えーーーーーーーーどうなるの でした。佐倉の実家が地方の大きな病院ゆえに起こるお話なんですが、私が斜め上!と感じてしまうこと自体が、LGBTの方々の生きにくさ なのかもしれません。現実的にまだまだこんなもんだろうかと悲しく思います。こんな事しなくていいようになるといいのに。
二人で悩んで、最後の結論は王道、現実を見てないという話もあるかもしれませんが。
最後の方にある、七生の家でのエピソードは本当に本当に心に染み入って嬉しくて涙しちゃいます。へたれワンコだったのに、佐倉は躾のいいジャーマンシェパードぐらいカッコ良くなり、良くできました というハンコあげたいぐらいです。
個人的に残念だったのは当て馬の挿絵。徹夜明けのよたってる姿しかなくて、渋いスーツ姿などを見てみたかったーーくーーーーおっさんいい味だしてるのに。
長々申し訳ありません。あまりに色々ありすぎて、書ききれないぐらい好きな箇所がありました。
先生、本当に素敵なお話、有難うございました。いつでもいいので、また素敵なお話を私たちに届けていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
作家買い。
主人公は七生。
大学生の時に出会い、それ以降、6年間、親友であり、そしてセフレでもある佐倉にひそかに恋をしている。
何事においてもローテンションな佐倉に、重く思われないように、本当の気持ちを知られて引かれないようにと遊び人風を装ってはいるものの、実は佐倉が初めての男であり、そして26になる今でも彼としかセックスの経験がない。
恋人になれなくてもいい、自分の想いを正直に伝えよう…、と思っていた時に、佐倉から「実家に帰る」と告げられて―。
正直、七生の目を通して見えてくる佐倉という男の魅力がいまいちわからず。
イケメンで医者というハイスペック男子ではあるものの、誘われれば誰とでも関係を持ってしまうし、人の感情の機微というものに非常に疎い。基本的に人との関わり合いが苦手なんですね。
が、そこから少しずつ見えてくる佐倉の過酷な過去とか七生に向ける愛情の深さとか、そういったものに胸が締め付けられました。
佐倉が地元に帰るといった理由。
そして、二人両想いだったという事実。
けれど、相手を心から想っているからこそ、別れを決めた二人。
切なさと優しさのバランスが絶妙で、すごくよかった。
前半は七生視点であるのに対し、後半は佐倉視点。
体温が低く、何事にも執着することのなかった「佐倉」という男を形成したのであろう家庭環境。
そういったものが細やかに描かれている。
そして後半は結婚、がテーマになっている。
二人悩み、もがき、そして彼らが選択した道は―。
さらりさらりと進むストーリーですが、要所要所に泣かせポイントがある。けれど、切ないだけではなく気持ちがほっこりするところもきちんとある。彼らが、人生の分岐点に立った時に選択する道が、非常に男前でした。
安西さんらしい、というのか、嫌な人って出てこないんですよね。
誰もが、大切なもののために心を砕く。そんな温かい人間関係が、この作品の大きな魅力の一つかなと思いました。当て馬・工藤さんも、佐倉の婚約者のまどかも、そして七生の家族もナイスでした。
序盤、あまり魅力を感じなかった佐倉ですが、両想いだと知った後の佐倉のわんこぶりが非常においしかったです。
ストーリー展開の仕方が非常にお上手で、萌えがたぎって仕方ありませんでした。
安西先生の切ない想いが溢れるお話が大好きです。
ゲイの七生は頼まれて参加した合コンで知り合った医大生 佐倉と仲良くなるが、相手はノンケだと自分で牽制してみても好きになっていく気持ちにブレーキはかけられない。
そんな時発覚したのが『佐倉ヤリ捨て疑惑』
振られた女の腹いせかと思いましたが、なんと佐倉くん誘われたら誰とでも寝ちゃう子だったらしいんですね。事情はあるんですけど。
好きとも付き合うとも言ってないし合意の上で寝るのになんの問題もない、という言い分に想いを打ち明けてくれた女の子に対して誠意がない、と本気で怒る七生。
自分の想いもそんな風に軽く扱われるのかと思ったらいたたまれなくなる思うと同時に、こういう悪気なく酷いことしてしまう人ってどんな育ちをしているのか気になりました。
第1の転機が、誰でもいいんだったら俺でもいいのかよというやけっぱちな一言から始まったセフレ関係。『慣れたふりして本当は初めて』なシチュエーションに萌えを感じるという作者の好みと同じく萌えました。
その上本気だとバレたら引かれるとか関係が壊れると思って遊び相手の一人という嘘を重ねる苦しさに悶えました。
そして第2の転機は、なんの前振りもなく佐倉の「地元に戻る」の一言。
セフレ相手に相談する必要もないってことかと思ったら悲しみと怒りが同時に浮かびます。
打ち明けられない想いを抱えて一人で思い悩む月日を重ねていく七生の気持ちにどっぷりと浸り、別れを決意した時には本当にぎゅぎゅーっと胸が締め付けられました。
それでも、終わりにできなくて再起していく七生の晴れ晴れとした想いが伝わりました。
そしてお互い想いを口にして片思いも終わるのかと思ったところに佐倉の結婚相手の登場に、え!?
両親亡き後育ててくれた叔父夫婦への恩と結ばれない恋人がいる従姉妹との結婚話。
ゲイのカモフラージュに都合がいいしお互い利用したらいいという悪魔の囁きに、そういう結末もありなのかと複雑な気持ちになりました。
周りを騙して波風立てずに嘘の上塗りをしていくのかと。
作者の用意してくれた結末はホッとしましたが、それがいいのか悪いのかはこれからの生き方によるのでしょうし、いくつもの苦労を乗り越えていく覚悟を持って二人で生きていって欲しいと思いました。
好きですこういう話。凄くすれ違いになる訳でも、どうにも出来ない程に高い障害がある訳でもなく。いや、攻の佐倉的にはあるんだろうど。でも、時代的にこう言う跡継ぎ問題的な設定は難しくなって来てますよね。自分から地位とか財産目当ての跡継ぎなりたいとかの欲があるとか、物語の時代的にひと昔前でないと。いくら地方都市の総合病院とて親族経営では難しいですから。地方住みの実感です。だから変に登場人物達がこだわったり、ごねなかったのも良かった。七生の実家に挨拶に行ったときの、七生の妹の「やばい。くそカッコいい」にはクスっと笑ってしまった。あんなに家族から歓待されたらそりゃあ、偽装結婚なんて出来ない。
両片思いのお話なのかなと軽い気持ちで手に取ったのですが、登場人物たちの様々な紆余曲折に感情がジェットコースターのようになりました。
思ったよりヘビーな部分もあり、とにかく考えさせられます。
人格的にひと癖ある佐倉(攻め)と、そんな佐倉を好きになってしまった七生(受け)の葛藤や虚勢、弱さなどにまず引き付けられました。
特に佐倉は過去のトラウマと複雑な自分の立場に自ら雁字搦めになってしまっています。
七生との出会いで変わっていく姿は見ものですが、自らの生き方をそう簡単に曲げられない事情も理解できました。
彼の、生い立ちからくる義務感と罪悪感や社会的立場がある故のプレッシャーもよく分かるし、都会よりも保守的な地方で自分を曲げずに生きることの大変さもよく分かります。
打算的な偽装結婚などを悪だとぶった切るのではなく、みんな様々な手段を使ってなんとか社会に適応しようとしているんだなと理解でき切なくなりました。
だからこそ2人が最後にとった選択は凄く感動しました。
何を大事にするべきなのか、社会的な体裁よりも自分達の基準で幸せを選ぶことができたのですよね。
その力強い選択が大きなカタルシスになったのと、七生という太陽のような存在が佐倉の傷を癒した感動がとても大きかったです。
お互いに誤解が解けて両想いになるのはなんとなく予想はついていたけど、読み終わってみるとむしろそこからが本番だったような気がしてます。
個人的な話で大変申し訳ありませんが。
電子書籍派で本は細かくフォルダ分けしております。そしてこれが既読フォルダに入っているのに気付き。
あれ?もう読んだっけこれ?でも安西さんでタイトルと表紙で内容思い出せないなんてあるかな~?まあ、既読なら少し読めば思い出すか?とつい「確認」のつもりで見始め。しかし一向に思い出さず、おかしいなと3ページぐらい進み、やっぱりこれ読んでないよね?何かの拍子に未読フォルダから間違えて移動しちゃったのか、と思った時にはもう遅かったですね。
そのまま最後まで一気読みでした。うん、今日の予定変わっちゃったな。
確認するためだったから、「読むぞ」って構えがない状態だったからさー、やー、やられたやられた。
実はいつも安西さんの本を読む時に感じるものがある。それを改めて強く感じた本でした。
それは川面にキラキラ光が反射するさまだったり、木漏れ日がゆらゆらするさまだったり、埃に光が遊ぶさまだったり、花が風に馨るさまだったり…。そんな描写ないんですけど。
やべえ、ポエム趣味で申し訳ないけど、実際安西さんの本読むとこれらを味わったような気持になるんだよねえ。日常の中で綺麗で大切なものは沢山あるよなあって改めて感動するのにすごく似ている。
ところで主人公に結構な性癖があるんですけど、その描写は最初だけなの?
その後はしなくていいの?気持ちが埋まるかどうかと、それを必要とするかしないかを掛けてるのかなあ。
いやーでもその性癖は残してくれていいんですけど!描画してくれて全く問題ないんですけど!wそれだけ残念だわあ。
あまり他にない展開で面白かった。
パターンが異なる幾つかの「嘘」が登場する物語。
後半はリアルに存在しそうな「偽装結婚」を扱ってる。
はなからネタバレですみません。インパクトあった所をメモ。
七生は、誰からも好かれる裏表ない性格のオープンゲイ。
合コンで知りあい、嘘で気を惹きノンケの佐倉を落とし込み、付き合いを始める。
六年、セフレの付き合いを続けたある日、医大生の佐倉は、実習の為に郷里の病院を選ぶ。 そして七生に突然、別れを告げる。
ここからドラマチックな展開になり、デカイ嘘が登場する。
相談なく佐倉が進路を選んだのは訳があって 両親が車両事故で死亡したことと関連していた。トラウマを解消できずにいた佐倉だけど、七生が傍に居ることで、徐々に癒えていく。
佐倉は、偽装結婚を従妹から持ちかけられるけど、嘘を通しきれないと諦めて ダブルゲイ同士、従妹と共闘を誓い合う。
シリアスのような、コメディのような展開だけど、葛藤する佐倉が上手く描写されていて、ただの根暗じゃなかったんだと哀れになった。
佐倉が悩み抜いて、七生が幸せになることを優先した決断をしたので、嬉しくなった。だけど、佐倉は、七生を失うと多分精神のバランスを欠いてしまうだろうから、結局は佐倉にとっての最善な判断だったんだと思う。
七生、大変になるなー。
とにかく面白かったとしか書けない変な書評。だけど、偽装結婚は実際にある話なので興味深かった。
友達だけどカラダの関係有って設定大好きです。
本心を隠して慣れたフリ、自分で付いた嘘に雁字搦め、
セフレではなく友達というところにキュッとなります。
感情出さないくせに特別感醸し出してくるとか
攻めの鈍感思わせぶりににヤキモキさせられるもその実を知ると、
そうなってしまった重さに苦しくなります。
ちゃんと話せば変わっていただろうと思うけど、
簡単にいかないのが恋でもありますよね。
別れを乗り越え、ちゃんとぶつかり合えて、長年の気持ちが通じ合って感無量。
後半の偽装結婚話にはヤキモチさせられましたが
2人の思い合う気持ちがみれて良かったです。
七生にちょっかいかけてくる工藤さんの、
ちょうど良い調子良さで、苦い過去も経験した大人なところが、とても好き!!!工藤さんの恋も気になってます。幸せになってると良いな!
表向き『親友』としてそばにいるけれど
身体の関係があって、
七生は本当の気持ちを明かす気もないまま、
佐倉の本心はどこまでもわからないまま…
そんな状態で長い時間を過ごしているふたり。
でも恐らくは同じ想いを抱えているのだろうなと
予想しながら読み進めましたが
気持ちの面が見えてくるより先に
倫理観がぶっ壊れた一面が見えたり
ものすごく苦しい過去を抱えているのがわかったりと
とにかく佐倉に驚かされっぱなしでした。
でもどこか掴みどころがなかったのは
そういうバックボーンがあったからなんだなと
わかると彼への印象も変わったし、
色々なことが少しずつわかってきて
謎だった人物像が完成していくと、
自然と七生への想いも明かされていって。
当て馬的存在の工藤が登場するとわかりやすく嫉妬心剥き出しで、そんなところからも七生への愛を感じてキュン。
恋人になるまでヘタレっぽさは拭えなかったけれど、
そういうところも彼の良さだったなと思います。
健気さと少しのズルさが共存する七生の性格もすごく良かったです。
偽装結婚のあたりはかなりモヤモヤしたけれど
現実を見て悩むふたりはとてもリアルで、
即答できない部分にこそ愛を感じられたな、と。
たくさんの葛藤の中で一緒に人生を選択していくふたりを見守れて幸せでした。