それは運命の恋だから

sore wa unmei no koi dakara

それは運命の恋だから
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神132
  • 萌×282
  • 萌32
  • 中立4
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
27
得点
1088
評価数
257
平均
4.3 / 5
神率
51.4%
著者
月村奎 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
橋本あおい 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥649(税抜)  
ISBN
9784403524486

あらすじ

恋愛小説みたいな恋に憧れる拓海は、
出逢いを求めて参加したゲイの恋活イベントでカップリングが成立した細谷と付き合うようになり……?

表題作それは運命の恋だから

細谷達之,32歳,会社員
山崎拓海,30歳,自動車電装部品メーカー勤務

同時収録作品これも運命の恋だから

北村,32歳慎吾の従兄,細谷の同僚
倉橋慎吾,28歳,遊びの相手としか付き合えないゲイ

その他の収録作品

  • やはり運命の恋でした
  • あとがき

レビュー投稿数27

とてつもなく可愛い受け

きゅんきゅんした恋のお話が読みたくて、こちらにたどり着きました。
いやぁ…とてもよかったです。

1冊で2つのお話が入っているのですが、繋がっているお話なので
どちらのお話も読めてよかったです。


最初のお話は職場ではクールなキャラだけど
実際は恋愛小説のような恋がしたい拓海とノンケの細谷さんとのお話。
恋活パーティーで出会ってマッチングした二人なのですが
実は細谷さんはゲイの従弟の付き添いで参加しただけのノンケなんですね。
そんなことを知らない拓海。
本当のことを言わなくては…と思う細谷さんですが
なかなか拓海に言い出すことが出来ず日々は過ぎ去っていきー…。


拓海が健気で不憫ですごく可愛いんですよ。
そんな拓海に段々惹かれていく細谷さんなのですが
とあることがきっかけで恋活パーティーに参加した理由や
ノンケということが拓海に知られてしまいます。
この時の拓海の心を思うと胸が締め付けられる気持ちでした。
恋に臆病になっていた拓海が、勇気を出した相手がノンケって。

最終的にはちゃんとハッピーエンドなのですが
それでもやっぱり拓海の中で細谷さんは元ノンケというのが抜けなくて
体位について配慮してみたりと、色々な気配りを拓海がするんですね。
それもまた切なくて泣きそうになりました。
とても臆病な拓海。
でもそんな拓海がちゃんと細谷さんを信じられるようになってよかったです。

この二人の話を読んでいると、自然と細谷さんの従弟でゲイの慎吾の恋の行方が気になります。
どうしたものか…と思っていたら、慎吾の恋の行方もちゃんと書いてくださっていて、ありがとうの気持ちです。
※そちらがもうひとつのお話です。

どちらもとても楽しめる内容になっていました。
とてもきゅんきゅんしたし、切なくなったし、幸せな気持ちにもさせてくれて
読んでよかったなぁ…と心から思った作品でした。

0

めっちゃ好きー!胸がギュッとなった

すっごーーーーーーく面白かった!私の中での色んな感情が大渋滞でした。クスッと笑うところも、楽しさや喜び、怒りや泣き…喜怒哀楽が激しく巻き起こりました。完全に私の好みの作品で、読み終えた後はしばらくボケッとしてしまいました。余韻がハンパないです。


結婚なんか興味ないとクールで無愛想な男・山崎は、実はロマンス小説が大好き。結婚にも人一倍憧れを抱いているし、性格も真面目で繊細で不器用な男。彼の不器用な生き方が、本当に切なくて胸がギュッとなります。ゲイ向け恋活パーティーに付き添いで来ていたノンケの細谷との出会い……カップル成立となって喜びのあまりテンパる姿がとても可愛いかった。でも最初の頃は細谷にその気がないから、それを知らなくて喜ぶ山崎の姿が切なくて堪りませんでした。

マイノリティだからと、周りの目や細谷の目を気にして所々でビクつく山崎に何度胸が締め付けられたことか。読み手は細谷視点も見ているので、細谷が山崎のことを好きになっていることが分かるだけに、すれ違いや勘違いのシーンは涙をダバダバ流して読みました。山崎と細谷の会社の同僚間での飲み会のシーン!ゲイを揶揄する同僚たちに腹が立ったし、そのあとの山崎の気持ちが辛すぎて泣きました。。。


中盤はとにかく泣いた。
最悪な一夜だったけど、携帯をブロックされてもめげない細谷は良かった。今こそ山崎のことを本気で好きなんだってところを見せてやれー!と応援してました。
細谷は出来る男でした…。誤解が解けたら即エッチ突入は早いよ!と思ったけど、よく考えたら細谷は今までも結構山崎に触るのを我慢してたんですよね。抑えが効かなくなった男・細谷はグッドでした。
恋人同士になったあとの細谷の山崎への愛が深いし広い!ずっと可愛い可愛い言ってて、もうラブラブです(笑)2人が恋人同士になるまでは切なくてめっちゃ泣いていた私ですが、恋人同士の彼らにはニヤニヤしかありませんでした。山崎に惚れ込んでいる細谷の心情が面白いです^ ^


とっても素敵なカップルで、この作品に出会えて良かったと思いました。
細谷の従兄弟の慎吾と北村のカップルのお話もこれまた良くて!めちゃくちゃ面白かったです。こちらは本編に登場していた2人で、もしや…と思っていたので、カップルになって良かったです。こちらのカップルエピソードも泣きました。慎吾も山崎同様、ゲイであることで一歩引いちゃう臆病なところがあって、好きなのに好きって堂々と言えない健気な姿に心打たれました。


とにかくみんながハッピーエンド!読後感がとても良かったです。何回か既に読み返しちゃいました。心理描写がとても巧みでずっとこの小説の世界に惹きつけられました。
これからもまた読み返していきたいと思います!

1

ロマンチストで繊細な三十路受けが可愛い!

以前はモテるノンケ攻めが苦手で、さら〜っと読み流してしまったこの作品。
時間を置いて読み返してみたらめちゃくちゃ面白かった…!

受けの拓海が愛しい。
会社では「偏屈王」と呼ばれる、クールでとっつきにくいキャラだけど、実は運命の恋を夢見るロマンチスト。
(意外性がたまらん)
とても純情な受け様なのです。

すぐ泣いたり、やや消極的なところは好みが別れるかもしれませんが…
細谷とのやり取りに一喜一憂する姿がいじらしくて(涙)
わたしは全力で応援したくなるキャラでした。

拓海がロマンス小説を好む理由。
これがまた切ないし、過去の恋愛もあまり良いものではなくて。
でもその全てを細谷がきちんと受けとめ、拓海を優しく愛そうとしてくれるところが良い〜!
拓海が求めているものと、細谷が与えようとしているものがぴったり合っている感じが、読んでいて嬉しかったです。

同時収録の『やはり運命の恋でした』は恋人編。
『これも運命の恋でした』は、細谷のいとこ・慎吾のストーリー。
『やはり〜』の方も慎吾の出番が多く、『これも〜』の前哨になっています。
ネコちゃんが仲良くしてるの可愛くて好きなので、拓海×慎吾のプチ同棲は私得でした。
(もちろん性的な絡みはない)

1

幸せな気分になれる安心安定の月村ブランド

昨年、初めて読んだときも”すっごい好き!!”だったんですが、
最近読み返して”やっぱり大好き!”なお気に入り作品です。
”繰り返し読んで幸せになれる作品”というところで”神”の評価です。

隠れゲイでクールぶってる山崎の表裏のギャップにキュンとします。若くして身内を亡くしたことや、自分の性癖に対する後ろめたさから、肩ひじはって強がって生きてる分、優しいアプローチにめちゃくちゃ弱くて涙もろいところ、感受性が豊かすぎて、ついついネガティブな妄想に暴走しがちなところ、月村作品の受としてわりとスタンダードな愛すべきキャラなんですけど、読書が趣味でその世界観に夢見がち…っていうところについつい親近感をおぼえて応援したくなっちゃうんですよね。めちゃくちゃ健気で可愛いんですもん。まさかから始まった運命の出会いという展開や、優しくて紳士的な細谷というキャラが、どことなく、山崎の愛するロマンス小説に通ずるものがあるような気がしました。橋本あおい先生の絵も、とても作品の雰囲気にあっています。2人の幸せで穏やかなイチャコラにニヤケがとまらなくなります。

細谷の従弟の慎吾と細谷の友人の北村のお話もキュンキュンします。どちらの物語の受も、好きな人の前ではいつもと違う(本来の自分)を曝け出すというところに尊さを感じるんですよね。主人公が幸せになるという心地よい読後感だけではなく、運命を手に入れるためには、行動を起こす勇気が必要なんですよねという、当たり前すぎて見逃しているような事実もさり気なく描かれている素敵な作品だと思います。

2

何度も読み返している。

独身主義を装いクールぶる主人公の中身が、実は不器用で悩みがちなかわいい人…というのがこの作品の最大の魅力。無料サンプルは、思い切ってゲイ向けの恋活パーティーに参加した所主人公に欠片も興味を抱いていなさそうだった男とカップルが成立して…という辺りまでだけれど、この男の事情が明らかになった時に主人公大丈夫かなと心配してしまうのは、行動し始めた彼のひたむきさに、読み手として心動かされているからだと思う。

主人公が自分の趣味のロマンス小説を貸す事になった時、ジョージェット・ヘイヤー『フレデリカの初恋』を手渡したのもしみじみと良い(この作品が好きなあまり作中に出てくる本も買って読んだ)。好きな相手の家族や環境も愛したい/愛されたい人物像が垣間見える、夢みがちそうな彼の理想がなかなか堅実だと伝わる小道具…。だけど、秘密が暴かれひどいやり取りが起こる展開は、作中にもう1作出てきていたオースティン『自負と偏見』みたいなすれ違いとも言えるかも。終始ドキドキしっ放しで非常におもしろかった。

1

1本の白髪が運命の糸に?

まさか1本の白髪の発見から、こんなに可愛らしいお話になるなんて誰も想像が出来ませんよね。

両視点でお話が進んで行く今作。
これがまた、2人の視点どちらもがちょっと笑ってしまうほどの誤解と思い込みとすれ違いのオンパレードで、絶妙に噛み合っていないのに当人達は噛み合っていると思っているのが、読者からすると面白くも切なかったりして楽しめました。

この作品、きっと両視点ではなく拓海のみの視点だったとしたら、こんなに可愛いお話にはならなかったんじゃないかなと思うんですよ。
ロマンチストで乙女度も高いですが、ネガティブ度も卑屈度も同じくらいかそれ以上に高いですから。
私はどちらかというと細谷寄りの視点で読んでいたような気がします。
だから拓海がより可愛らしく見えたんでしょうね。

以下、印象に残ったところ。
最初の誤解が解けていないまま、徐々に微笑ましく仲を深めて行く2人ですが、細谷のパーティー参加の真実を第三者の口から知り、深く傷付いて卑屈さと絶望感に拍車をかけてしまった拓海。
ここは拓海視点でのときめきと頑張りを知ってしまっているだけにちょっとかわいそうになってしまいました。
既に拓海の一挙一動にベタ惚れ状態の細谷は、どうにか傷付けないように事情を説明してからちゃんと告白をしようとしていたんですけどね…
幸せ絶頂だった分、受けた傷も大きいです。
ところが、その後のすれ違いからの答え合わせのシーンで、自ら燃料を投下している上に、細谷からの言葉にちょっとキュンとしてしまっているじゃないですか…?やっぱり好きなんですよねえ。
そして、拓海の(細谷的には)とんちんかんな反論に、謝罪をしに来たはずの細谷が「可愛すぎる!存在が罪!」くらいの勢いで逆にブチ切れ始め、あれよあれよとベッド行きになる2人。
この流れにならなければ、この恋愛はずっと平行線のまま前に進まなかった気もします。
そんな始まりだったベッドシーンですが、いつもより余裕がない中でも細谷が出来るだけ拓海に優しくしたい、大切にしたいと思っているのが描かれていてとても◎

これをきっかけに誤解も解けて、後半のお話ではベッタベタの甘々な2人が見られました。
拓海にとっては細谷が、細谷にとっては拓海が理想的過ぎる相手なのですね。
それにしても細谷、拓海に対して尊敬してしまうくらい紳士を通り越して気配りの鬼レベルなのですが…
溺愛スパダリになる予感しかしないので、これから拓海は不安がなくなるくらい毎日たっぷりと甘やかされて欲しいですし、細谷はその反応に悶えたり癒されて欲しいななんて思います。

後半といえば、拓海と慎吾がなんだか仲良くなっているのも微笑ましくて好きでした!
家庭に恵まれて来なかった拓海の周りに心許せる人がいるというのが嬉しい。
慎吾のお話は丸々1冊で読みたかったなあ。
こちらも大変可愛らしかったです。

設定や登場人物達も、ものすごく派手なわけではないけれど、読み進めて行く内にキャラクター達に愛着がわいてしまうようなラブコメ作品でした。
健気な受けがお好きな方や、受け全肯定な溺愛攻めがお好きな方におすすめの作品です。

3

運命をつかまえに

びっくりするほど泣きました。
受の拓海が、いろいろ諦めながらも出会いを渇望していて、叶ったときの昂りとか感激とかがひとつひとつ可愛くていじらしくて、すっかり没頭。
最悪の形で達之の嘘がわかったときも、その後頑なになって信じられなくなるのもとても迫って、胸が痛かった。
意を決したパーティ参加で志向を明記することやネコの方が料金が高いこととか。あんなに大切にしていたロマンス小説に何も感じなくなってしまったところとか。
嬉しいも悲しいも、拓海の喜怒哀楽にシンクロしながら最後までとても入れ込んで読んでしまいました。
そのぶんえっちが甘くてそれも悶えました。

同時収録のスピンオフというか、慎吾のお話の方も素直でない空ドライさがいじらしく、でもぽんぽん進む分こちらのCPのほうが慣れたえっちさがありました。
近場で二組だけどどちらも幸せになってほしい二組でした。慎吾たちのほうが北村さんにとって降って湧いた感じでハラハラするので、もう少しその後も読みたい。

実はちるちるで最初にソムリエさんに勧められたうちの一冊で、表紙がほんわか可愛いなあと購入を決めたのですが、余りに感動して今までレビューもまとまりませんでした。この作品でちるちるにハマったとも言えます。
でもこの作品以降のソムリエさんと余り合わないのでwまたこういう出会いを教えてほしいです。
今は月村先生ローラー中です。

2

クールな皮をかぶったロマンチストにギャップ萌え

クールでシニカルな独身主義を演出しているゲイの拓海。
本当は運命の相手との出会いを夢見るロマンチストで
勇気を出してゲイのお見合いパーティーに参加することから物語は始まります。

雰囲気に馴染めなくておどおどと壁の花と化すしながら可愛い青年と笑顔で談笑する好みど真ん中の相手を発見。
一対一の自己紹介タイムでは会話は弾まず相手の好みのタイプとは正反対と分かり意気消沈するけれど、なぜかお互いの希望が一致しカップリング成立!

二人で話すとき笑顔で答えてくれたとき拓海があまりに嬉しくて涙がポロリの場面があります。
嫌われてると思った相手が見せてくれた笑顔に喜び、解けた緊張感に感情が高ぶった匠の気持ちがよーくわかってこちらもぐっとこみ上げてしまったくらいです。
そのあとも拓海は連絡先を聞いてこない相手にやっぱりフェードアウトするつもりだからかなあなんてどうしてそうも自分に自信がないのかすごく興味が出ました。
過去の悪い恋愛経験のせいでしょうか。
日頃の仕事上は社交的でモテモテなのに一線引いたクールさとは違う実情がなんとも愛しいです。

そんなギャップのある可愛らしい拓海くんのお相手は、なんだかワケありげ、だと思ったら…

細谷の本当のお見合いパーティーへの参加理由を知った拓海が酷く傷つきます。
すごく優しくて拓海のことも大切に思っている様子だったので何もかも演技とは思えず連絡が取れずに焦りまくる細谷に何とかして起死回生してくれ!!と応援せずにはいられませんでした。

3

受けの拓海がすっごく可愛かった。

ゲイである事を隠すために「クールで皮肉屋な独身主義」を装っている受けの拓海が、本当は過剰なまでに恋と結婚に憧れるロマンチストで、ロマンス小説の愛読者というところが良かったです。

コミックだと「腐男子」とか「少女漫画愛読者」は数人いるけど、ロマンス小説愛読者はお初でした。
しかもオースティンも読んでるとかね。
なんかいいわーってそれだけで好感度大。
拓海おすすめのロマンス小説「フレデリカの初恋」は実在する小説みたいなのでこちらも読んでみるつもり。

勇気を出してゲイ向けの婚活パーティーに出かけるも、カップル成立した相手がまさかのノンケというお話だけど、ぽろっ、ぽろっと見えてくる拓海の素顔が可愛くて、いじらしくて、同性だからとかいう言う前にこんな子を傷つけたくないなぁ、泣かせたくないなぁと思ってしまう攻めの細谷の気持ちが良くわかる。

そして人一倍結婚や家族に憧れながらも孤独に生きていた拓海の背景やトラウマを知って、大切にしよう!と思う細谷が本当に優しくて、口調も丁寧でいいなーって思えました。
時々あまりの愛おしさに抱きたくてたまらなくなるんだけど、理性を総動員させて何とか衝動を抑えている姿がこれまた非常に美味しかった。

これ以上ない最悪の形で攻めがノンケだという事実を知った衝撃。
そのあとの「宝物だった本は今やがらくたと成り果てていた」という一文が気持ちの全てを表していて切ない。

スピンオフもノンケ×ゲイカプのお話で、こっちもかわいかった。
本編の受け・拓海が本当はロマンチストなのにクールな自分を装ってたように、スピンオフの受けも実は3年前からずっと好きだったのに何でもない風を装ってたという、どっちも仮面を被ってたというところが切なくも愛おしいキャラだなぁ。

あと「受けちゃん同士が仲良くする」というのにちょい萌えがあるので、拓海宅で慎吾と仲良くしてる姿、和みました。
ぎゅーぎゅー抱き合ったり、一緒のベッドに寝たりする姿、こいつら二人まとめて可愛すぎだろ!みたいな。

6

その時、ロマンスが舞い降りた⁈ ロマンティックが溢れて止まらない‼︎

「BLアワードにノミネートされなきゃ死ぬ」リストで、「恋のゴールがわかりません!」を読んだら、本作が好きな人はきっとこれも好き、リストに挙がっていたので、買いました。
表紙の右側、眼鏡を掛けた方が拓海、かと思って読み始めたので、(だってクールビューティって。)アレレ⁈って思いましたが、橋本あおい先生は大好きなんですが、こと本作に関しては描き分けが甘い様な。ちょっと自分のイメージとは違くて。 月村奎先生 × 樹要先生のコミックは好きなので、そっちのイメージと混ぜたりして、何だかほんわりイメージが固まらないまま読んでいました。

他の方も触れてますが、婚活ならぬ『恋活』でのタチネコ表記⁈ もちろん、ゲイの恋活がそれなくては話にならないと思いますが、どこで見た記事だったか、『深刻なタチ不足』というのを思い出してしまう。男女のお見合いパーティでも、医者や弁護士など、安定した高所得の男性を望む女性の参加費は高額で、女子大を出たばかりという様な若い女性を望む男性の参加費は高額と聞く。どちらもそれは欲が介在しているのだが。「ネコ」であるというだけで、高い参加費を支払わなければならないという、いたたまれなさ。自分の性癖を大っぴらにしなくてはならない、いたたまれなさ。
ただでさえ繊細で、そんな「晒し」には耐えられない拓海が勇気を振り絞って書いた相手、細谷。
単なる付き添いで来ていた細谷はノンケの筈なのに、拓海のその美しい外見と、繊細さ、臆病な可愛らしさに、程なく魅了されてしまう。そして、この関係を壊さないように、傷付け無いように。
まるでお姫様の様に。大切に大切にと、取り扱う。
両親を早くに亡くして、自分の性癖も隠してきて。友達と呼べる人も少なくて。
会社では、彼女を作らないクールキャラを演じて来た拓海は、家族愛や恋や結婚に焦がれていて、
趣味はロマンス作品を読むこと。ジェーン・オースティンの「自負と偏見」も愛読書の一つなんだそうだが。エリザベスはもっとヒステリックだし。(大体ジェーン・オースティンがヒステリーじゃないか。)けれど、高慢な筈のダーシーが、ことエリザベスに関しては必死に頑張っているという中盤からは細谷の頑張りに近いものを感じられて。拓海はヒステリックでは無いが、臆病過ぎて、卑屈過ぎる。その描写がしつこ過ぎて、読み手側としては若干引いてしまうのだが、彼が家族を亡くしてからずっと独りで寂しい思いを抱えて生きてきたことを思えば、細谷にだけは引いて欲しくない‼︎ と、勝手に思ってしまうのだ。
もちろん細谷は引かない。絶対に、絶対に、引かない。
ノンケであること、従兄弟の付き添いで参加したことなどは、拓海を傷付け無いようにタイミングを見計らって告白しようと思っていたのに。同僚の悪意の無い不用意な言葉から思いがけずバレてしまい、その事で拓海を深く傷付けてしまう。
結果的にはその事があって、ふたりの仲は一線を越える事になるのだが…。
何があっても揺るがない、細谷の愛情と優しさ。いつも拓海が望む以上のロマンスを与えてくれるその素敵さ。ひとつひとつ、ロマンティックが溢れていて。
細谷の拓海を想う愛おしさ、にはため息ものです♡
エチシーンもそう。拓海は恥ずかしさのあまりに身をよじりますが、甘あま過ぎて読みながら身をよじりそうです‼︎

スピンオフも同時収録されていて。細谷の従兄弟の恋とそのドキハラが描かれています。
一冊でお腹いっぱいロマンティック♡ 読み応えあり過ぎ‼︎

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