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僕のこと好きならキスしてよ
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
なんか好きだなぁって思います。
新井煮干し子さんの絵、「因果の魚」や「渾名をくれ」は凡人にはちょいと理解が難しい不可解な二人の関係性を増長させるかのような絵がなんとも不気味でちょっと怖い‥と思ってしまったのだけど、この「GATAPISHI」は新井さんの絵がとってもいい方向に作用していて、絵で魅せるといった漫画ならではの表現が楽しめました。
まず表紙に惹かれました。
それから攻めと受けが初めて出会ったときの見開き2ページがとても好きです。何とも奇妙な出会い方だけど攻めがストンと恋に落ちてしまった瞬間、きっとこれからの一生、何度でも思い返す瞬間、といったものが印象深く描かれています。
攻めは直球しか投げることができない、気持ちや感情を隠すこともできない清々しいほどに真っ直ぐな男です。
受けが寺の息子であることを知って「お坊さんに興味を持った」と言うも、その直後に「お坊さんになりたいなんて嘘」「(受けと)一緒にいたいから。一目惚れしました、好きです。」と自らすぐに明かしてしまいます。
それに対して受けは、自分に惚れたという攻めの気持ちを利用して、自分の抱えるドロドロとしたものに巻き込んでやろうと企んでいるような捻くれ拗らせ系です。
だけど読み進めるうちに、彼の寂しさみたいなものが透けて見えてくるので嫌悪感は感じません。
御本尊である観音様の前でキスをねだる受けに対して、驚き戸惑いながらも「ベロチューでもいいか…_」と聞く攻め。この子の真っ直ぐさには敵わないなぁと感じさせるここのシーンがとても好き。
やましいところがないというよりも、やましい気持ちすらも隠しておけないような真っ直ぐな彼の正直な熱さが、少しずつ受けの心を侵食して受けの黒い気持ちが溶けていく展開が本当に良かった。
最初は誘惑してやろう、翻弄してやろうと思っていた受けが、最後のほう攻めに触れたい、密着したいと自ら望むようになってる姿に萌えたし、描き下ろしの最後のページのデレが結構な破壊力があって萌えた!
エロも挿入していないんだけど、二人の熱量が感じられてすごく好み。
仏教の教えも時折絡めて描かれるのだけど、説教くさくなったりすることなく読めます。
一回読んで、ああ面白かった!と終わるお話ではなくて、何度も読み返したくなります。
最高でした。
2人のリアルな掛け合いと言いますか。
漫画なんですが漫画でないような2人の少年のリアルな会話と言いますか。
リアルではありえないテンポなんですが、漫画の台詞ってこのセリフはなきゃいけない、絶対必要かものとして扱われがちですが、わざわざそれ書く?といったような会話も書かれていて非常に親しみやすかったです。
個人的に絵のタッチも好みでした。
そして黒髪美人。でました、私の大好物です。
2人とも個性的なキャラで王道とは言い難いキャラクターですが、それがまたいい味を出していました。
ストーリーも面白かったです。
友人に勧められた一冊のうちの一つだったのですが、読んだ後もう一度読みたくなって買ってしまいました。
買って損はないです。
この作品が異常な程に好きです
流れ星のときに固く抱き合う二人には前の場面を見てたら分かる匂いがあるんですけど、その場面には匂いが必要な気がするんです
そんなのの一つ一つに堪らない気持ちにさせられます
阿野の涙目に瑞泉が一気に持っていかれたところもグッと来ますし、瑞泉の傷の話に阿野が強く興味を持ったことに満足した顔を見せたりする瑞泉はとてもとても可愛いです
そして阿野がその傷に唇を寄せる場面もとても美しく描かれています
最後に瑞泉が「もうわかった」って言いながらあの松からぶら下がった場面を思い出していたことにじんわり胸が熱くなりました
この作品のことを話そうとすると興奮してしまうくらい好きってことしか伝わらなかったら申し訳ないのですが、たくさん読まれて欲しいと願っています
相変わらず、新井先生の文学的な雰囲気が漂うストーリー。思春期の恋や家族や将来に対する、言葉にするのが難しい感情を表そうとしたような。この作品は作者の他の作品に比べて、主人公二人がしっかりくっついている感じなので読後感がよかった。
仏教系の高校に通うちょっと気難しい部分のある瑞泉くん(受)とそんな瑞泉くんの事が大好きで素直で純粋な阿野くん(攻)の青春物語です。
作中に「お互い触り合いたくて、お互い生きていたくて、それだけでいい」という言葉があるのですが、ただそう思えるだけで、どうして好きになったのか、どういうところが好きなのかを明確に説明できなくても「好き」は成立すると阿野と瑞泉が教えてくれました。
瑞泉が最初のほう「阿野」と呼んでいたのではなく「あの(感動詞)」と言っていたのが発覚した時は大爆笑してしまいました。「初めて会ったのにスゲー名前呼んでくれるなって…」と照れていた阿野が非常に可愛かったです。
すごいなー
こんな作品あるんだ!というのが第一声です。
男子高校生同士の阿野と瑞泉のお話です。
寺の子・瑞泉に一目惚れした阿野。
突然、瑞泉も阿野と付き合いたいと言い出し…
なんとも難儀な瑞泉と、
どこまでも真っ直ぐな阿野が対照的なのですが、
惹かれあっていくのがよく分かります。
寺の跡取りなのにゲイである瑞泉は、
父との関係を含め、とても悩んでいるのです。
その父との間にも入ってくるのが阿野であり、
とても一途で真っ直ぐないい男です。
色んなところがガタガタピシピシ歪んでいる瑞泉に、
心から惹かれ、支える阿野。
この二人がどうなっていくのかは分かりません。
ただ、瑞泉はもう阿野から離れられないんじゃないかな?
と思います。
不思議な気分にさせてくれる作品であり、
この独特な世界観は、唯一無二だと思います。
新井先生の絵って、なんかいいなぁ、
ちょっと青年誌の劇画っぽい線でありつつ、白バックで人物のみのコマと、背景入りのコマのバランスとか、背景の描き込み具合とか、更に言うなら、枠線の縦の隙間と横の隙間の幅の違いとか、すごく見やすくて好き。
お話は高校生が初恋にジタバタする話なんだけど、このジタバタ、バタバタ具合と、オーバーアクション気味な人物絵が、とってもベストマッチしてる。
分かり辛い瑞泉の行動も、この年頃ゆえの分かり辛さを描くための話だと思うので、これでいいのだ。
まっすぐな攻めと闇のある美人好き~~~~先生のリアルよりの絵柄大好きな者にとってこれはご褒美ですよ。えっちシーンもめちゃ身体の線綺麗なんでエロイですよ。ほんと。絵がうめ~~~~~~~~~出会いもわかりやすい。ちょっとしたコマの顔の角度がえろい。ありがとう。絵を描いてくれてありがとう。そんな気持ちになります。段々受けが攻めにほだされていく系話好きな人にはきっと刺さる。瞳の描き方が天才。照れた表情がかわいい。
最初は攻めの阿野の言動の読めなさや大袈裟なところがちょっと苦手でした。相当な直情型とでもいうべきでしょうか。ただ、過去に野球で故障し、手の握力がなくなりボールを投げられなくなったという経緯が明らかになった辺りからは、彼のへらへらした表情の裏に潜んだ感情が見え隠れするようになり、キャラの面白さがぐっと増したように感じました。
この作品は、阿野と受けの瑞泉の恋愛ももちろんメインではあるのですが、瑞泉が父親とどう折り合いをつけるのか、というところにもかなり重きを置かれていたと思います。住職の息子として生まれ、父親には仏教について学ぼうという姿勢を見せなければ、何も干渉されることのない人生を送ってきた瑞泉。親に怒られないということは一見楽に思えるけれども、それって実はとても寂しいことでもあるんですよね。私は息子をお坊さんにするために、父親があえて息子の寂しさに見て見ぬふりをしていたのかと思いましたが、それを阿野に指摘されて「考えたこともなかった…」と呟く父親に、ああ、本当に息子の機微が分からない人なんだなぁと思い直しました。親子の縁があっても所詮は他人。誰もが子供を持ったら無条件に親としての資質を兼ね備えられるわけじゃないんですね。残酷だけど、それも真実。
阿野は能天気なようで、ここぞという時に瑞泉の感情を鋭く見抜く。なるほど、瑞泉には阿野がぴったりなのかもしれません。瑞泉も、住職としては立派だけど親としては未熟なところもある父親を、責めることなく割り切って考えられるようになり成長が見受けられました。阿野と瑞泉の恋愛の過程は、青春らしい勢いや憤り、瑞々しさに溢れていて、型にはまらない恋だなぁと感じました。父親への苛立ちの捌け口として阿野を利用していた瑞泉が、意外と聡い阿野に頑なな心を溶かされていく、そんなストーリーだったと思います。なかなかない題材で面白かったです。
読み始めて1コマ目で笑わせてもらいました。
妙なテンションのまま読み進めたら
タイトルの“ガタピシ”がしっくりくる主人公・阿野、
やかましいだけじゃなくとても純粋な心の持ち主でした。
バカなのかななんて思ってごめんね。
一目惚れした瑞泉は何を考えているのかいまいちわからなかったし
阿野を好きになってくれるのか心配にもなりましたが
理屈じゃない感情が押し寄せてくる様子が伝わって切な甘くなりました。
悟りは開けなくても、誰かを好きになって一緒に生きていきたいと思えることが
人生にはやっぱり必要ですね。
もちろん恋愛感情だけじゃなく色んな愛が。
教えを乞われた時以外かける言葉はないと言った瑞泉のお父さんは
自分の息子には不器用なだけかもしれない。
親子でもいい意味で他人、これは本当にそうだと思います。
描き下ろしでも未挿入でしたが
二人なりのペースでゆっくり進めていってくれればいいかな。
でも瑞泉は思い立ったらすぐの人っぽいから
今日いいよとか言って準備してきて阿野を驚かせてくれそう。