nanao77
いくつかの断章からなるイエスノーの潮と計の物語の番外編という感じです。
エピソードとしては
・計が潮の新居に引っ越す朝のはなし(導入部)
・潮が生まれる前の話。イエスノー第3作で登場する潮の父親の秘書が、新婚である潮の父母の新居(後日潮と計が同棲をはじめる場所でもある)を訪問した日の話。
潮が違和感を感じた「政治家の妻」とは程遠い、夢見る少女のような母親の姿とそれを愛する父親の様子、父親が潮という名前を思いつくまで。
・計が生まれる前の国江田家の話と計という名前の由来について。
計にとっては最高に居心地の良い両親だけど、その両親が実は親との縁が薄いこと、その上で夫婦がしっかりと結びついている様が描かれています。
・計と潮のエピソード。
二度目のクリスマス直前のある夜の散歩→クリスマスイブ→第3作の出来事が解決する直前の計1人の夜→新居での最初のクリスマス(「OFF AIR2」のクラクラダイアリーとちょっとリンク)、と断章を繋いでいます。
ちなみに計はクリスマスイブの日のお仕事で、若手女優さんに対して最高の王子様ぶりかつ優秀なアナウンサーぶりをみせるのですが、そのエピソードは同人誌「NEW SPRING」のとあるエピソードに続いています。
潮と計のそれぞれの両親の話が同人誌「Ribbon」とリンクする感じです。
タイトルのflagは、各エピソードでそれぞれ意味を替えて登場していて、なるほど!と思いました。
本編では、優等生の仮面を被り、出来ないと弱音を吐けない計と、そんな計に、あふれる包容力と鷹揚な明るさで寄り添うナイトのような潮、という関係性でしたが、本編第3作を経て、少しずつ、潮の複雑で暗くて弱い面を描くエピソードが増えているのかな?という印象。
それによって、絶対に負けない、強くあろうとする国江田さんが、潮にとってどんなにか眩しく頼りになってかけがえのない存在であることが浮き彫りになっていくようで、まだまだこの2人の物語を追いかけ続けたいなと思わせられました。