はつこいの死霊

hatsukoi no siryo

はつこいの死霊
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神39
  • 萌×218
  • 萌18
  • 中立7
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
23
得点
328
評価数
89
平均
3.8 / 5
神率
43.8%
著者
草間さかえ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784902671087

あらすじ

母親の浮気に嫌気がさしていた智はアパートの隣人である裕一と仲良くなる。誰かを好きになることはない、無意味だ、という智に「それでもきっと誰かを好きになるよ」と慰められた夏休みのある出来事。それが10年後に初恋の死霊となって息を吹き返すとは思ってもいなかった…。全ての不幸の元は初恋の祟りである。(カバーより転記)

表題作はつこいの死霊

学芸員,かつての裕一の隣人
建設会社員

レビュー投稿数23

呪い上等

 10年前かなり後味の悪い修羅場に居合わせて会わなくなった2人が、再会してどのように拗れた距離を詰めていくのか、わくわくしながら読み進めました。結論から言うと、菅谷は当時三峰とどんなやりとりをしていたか、詳細までは思い出せないんですよね。一方にとっては鮮烈な思い出でも、相手にとってもまったく同じ温度で残るとは限らない。そういうところは非常に現実的だなぁと。でも、やっぱり何か心に引っかかるものはあって、再び共に過ごすうちに徐々に相手に侵食されていく。そういうじわじわと雨が土に浸み出していくような2人の関係性の変化が面白かったです。

0

水子よりは

草間先生の作品の初期から変わらぬミステリっぽさ。

この作品の何が好きって、結局菅谷は智のこと最後まで完全には思い出してないところなんです。菅谷にとって忘れていった隣人との邂逅…それが智には完全に呪いとなっているところがたまらない。大方のドラマチックな運命を演出した作品は双方が強い執着を持っているとか思い出すとかするものですが、この一定あるドライさが好きなんです。

社会人の菅谷と、大学生菅谷のギャップもいい。本当に本人か?とあとがきイラストを見て思う。

0

エロさ薄めかと思ったけどエロかった

先生2冊目の単行本なんですね。
見れば見るほど絵がいい。線も構図も。どのコマを切り取っても一枚の絵やイラストとして成立する。
お話も繰り返し読むほど味わいが出ると思う。
1話と2話以降の時間の流れ、落差が意外で引き込まれる。
エロさ薄めかと思ったけどエロかった。

気持ちをセリフで言わずとも手にとるようにわかる描写がすごい。
最初はわかりにくかったけど前後を何度か行き来するときっとこういうことかな、くらいの理解だけど。
コマの流れ、アングルのつけ方とか絶妙に気持ちいい。
その流れがパタっと転換することも多いけど。それも味なのだなと。

仕事の描写が専門的でかっこいい。
背景や部屋の内装がとてもステキで好み。線もトーンも最高。
人物も見ているうちどんどんイケメンでかわゆく見えてくる。
手書き文字もすごいタイプで好き。
取引とは言え抵抗できない裕一がエロい。トモの触り方もエロい。
話の展開、タイトル回収が鮮やか!
かきおろしのおまけがいい(後日談いちゃいちゃ大好き)オチが効いている。
カバー下のあとがき、漫画も楽しい。

1

初恋の呪いは人を呪えば穴2つ?

個人的な感想ですが草間さんのお話は全てを書いてくれないような、読み手に考えさせるような気がします。

こちらの作品を読んで思ったのは、淡々と話が進み二人が再会して、致してくっつく?

しかしそこには初恋の呪いの話が根底にあって、相手にかかるはずの呪いは本人を10年も縛り。
再会しても相手は全く覚えておらず、やっと思い出したのは攻めの母親と浮気したことくらいで。

攻めが飄々としてて、初恋に囚われてるのに相手にはきっかけも何もかも忘れられてて気の毒でした。
数日間相手を言いなりにして解放するときも、まだ呪いは穴2つ状態で。

受けも振り回されましたが、最後まで思い出さず残念でした。

受けも義理の母で好きだったんですね。あの時は義理の母の浮気現場に居合わせたのでしょうか?

因縁めいてますね。

0

ナイスほだされ

胡散臭い祟りの元に、受けのせいで拗れてしまった攻めのトモと等閑な愛情しかもてなかった受けの裕一の話なので、なにかと結構ややこしいです。
まずは序盤で語られる初恋の祟りのルールをしっかり理解しておくことが大事でした 笑
フワーっと流し読みしていると、途中「ん?どんなだったけ?」と何度も戻ることに。
草間さんと言えばメガネ受け、そしてこの裕一のほだされっぷりが最高。
十年前も、十年後も自分の状況をきちんと理解しないままにイロイロやり、やられるのを受け入れちゃう。
トモの愛情拗れ具合もよいです。強気粘着なのにちょいちょい細かい優しさ潜ませるあたりもぐっときました。
復讐陵辱なのにリットル単位のローション用意とか、きっちり仕事したりとか…大好きじゃないのさ。
あと大人になったトモの住んでいる家がかなり良い味出してます。こういう場所良いなぁ。
2004年の作品ですが味わい深く、何度読み返しても楽しめます。

1

初恋の呪縛

何度読んでも、もっと何かが隠れているじゃないか、もっと細かく読めるんじゃないかと思ってしまいます。
一読しただけでは、正直、全容を把握しきれなかった。(読解力のある方なら一度でわかるんだと思いますが。)
繰り返し読むことによって細部が結びついてきて大きな一枚の絵になりつつある感じ、というんでしょうか。

初恋のたたりという全ての不幸の元は初恋の祟りで、振った相手が祟られるという実際にある(!)宗教の話が元になっています。
よくこういうものを見つけてきて、これをそうだBL作品の材料にしようっ!と思われたという事がとにかく凄いです。

智は10年前に、アパートの隣の住民だった裕一が自分にしたことをずっと忘れられないでいます。
しかし裕一は義母の浮気相手だったことがバレて以来、音信不通。

10年後、偶然仕事場で再会した二人。一目で裕一に気づいた智に対して、祐一は顔を覚えていない様子。
智は金曜日の夕方から月曜日の朝まで自分の言いなりにしろ、と裕一のことを強引に犯ります。これは過去の智の母親に関する復讐だと思う裕一ですが・・・。

強引なほぼレイプ展開がありますと事前に注意を頂いていたけど、智は、目の前に転がってきた再会のチャンスを何とか使って裕一に思い出して欲しいんだ、この数日間に賭けているんだと思えたので大丈夫でした。

祐一はきれいさっぱり忘れてしまっているけれど、その出来事は、智の性的嗜好やその後の職業にも影響を与えるほどの痕跡を残す、そこがまさに初恋の呪縛というんでしょうか。

その智がいう「この先あんたが被る全ての不幸の原因の俺のことを忘れるな」が、いい!
それと「・・・だめか。それでも やっぱり・・・」のくだりもいい。

攻めの智の目つきの悪いこと!この目つきの悪さが執着心を表しているようでこのお話には実にぴったりはまるなと思いました。

書き下ろしで、根底から覆される種明かし(笑)があって、ええっ!?って思いましたけど、片方にとっては何気無い行動が、片方には人生を変えるほどの出来事になる。
残酷だけど現実って結構、そういうもんかもしれないな・・・と思いました。
書き下ろしの中で初めて祐一がくったくなく笑っていてホッとしました。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews

で教えていただいたのがこちらの一冊。
教えてくださった方は「心の琴線に触れる、という方向性ではない気がしますが・・。心に突き刺さった作品」という事でオススメいただきました。
神か萌萌かで一週間悩んだのですが、同じ草間先生の作品で神にした「マッチ売り」&「やぎさん郵便」と、「どこにもない国」「夜道を歩くとき」が好みにドンピシャリでして、そちらに比べると萌えの要素が2割少ないので、神よりの萌萌にいたしました。(死霊を初恋と土地に絡めた二重構造といいストーリーテラーとしては文句ないし、萌えを求める作品ではないと思うんですが・・・)
教えてくださり本当にありがとうございました。

3

“初恋の祟り”

約10年前の作品(初出)だから絵は全然違うけど、話の面白さは流石草間さん(*´∀`)
作中に出てくる“初恋の祟り”…実際に存在する宗教の教義が元なんですね~…創作かと思っていたので読了後に何となく調べてみて吃驚しました!
※“初恋の祟り”…全ての不幸の元は初恋の祟りである。振った相手が好かれた分だけ呪われる。振られた方も呪う気なくて…なのに失恋の感情が独立して本人の意志と関係なく呪う。(作中より)

ってか真面目に遺物の大切さを語っておきながら次ページ開くと「埋蔵金が出たら山分けにしましょう!(勘違い)」と意気込む受けに噴いたwww

裕一は父親に殴られたから忘れたんじゃなくて、“智”に見られてしまったことが嫌だったんじゃないのかな?
だから丸ごと忘れてしまったんじゃないのかな?って思ったり…(´・ω・`)

しっかし攻めにとって大切なファーストキスをwww
裕一ってば罪づくりだなwww

1

漂う色気を楽しむ

最近マイブームの草間さかえ先生の本です。

このお話はよく考えてみると割とシリアスなストーリーでしたが、独特の雰囲気のおかげか読んでいて心が荒むようなことはありません。
カサカサとした温度の低そうな絵柄は、むしろ読んでいて心が安らぎます。
そして、表紙から漂う色気は勿論本の中にもちゃんと漂っています。
特に大好物の年上受けが!撫で付けた髪が崩れる様子が堪りません!
かきおろしの部分では、本編ではあまり見る事の出来なかった年下攻めの智の可愛らしさを垣間見る事ができます。
ただかきおろしのページ数はそう多くなく、もっとこのお話の続きを読みたいような物足りない気分を感じてしまいます。
しかし、購入後何度も手に取り読み返してしまう作品の一つなので萌え2にさせていただきました。

先生の作品には大好物の年上受けが多く絵柄も好みドンピシャの為、見つけるとつい手に取ってしまいます。
好みの別れる絵柄かもしれませんが、年上受け年下攻めがお好きな方は是非一度手に取ってみるべきだと思います!

3

目つきがセクシーな強気年下攻め

草間作品のマイベスト更新。またまた鼻息が(*゚∀゚)=3

◆あらすじ◆

叶わなかった初恋の想いは、成仏できない霊のごとく振った相手を祟る――
中学生のトモにそう教えてくれたのは、隣りに住む大学生・裕一。
或る日、裕一に唐突にキスされたトモは、初めて恋を知ります。
ところが裕一はなんとトモの継母の不倫相手だということが発覚。トモの家は一家離散、裕一も消息を絶ちますが、10年後2人は偶然再会します。
裕一の仕事上の弱みに付け込んで、「取引」と称し関係を迫るトモ。
しかし、裕一はどうやらトモのことを全く覚えていないらしく――そして、裕一もまた初恋のトラウマを引きずっていることが明らかになります。
果たして2人の抱える初恋の死霊は成仏させられるのか?
建設現場の地底に眠る忘れ去られた無縁墓地の掘り出しに絡めて、掘り起こされた失恋のボーレイと向き合っていく、エロくも切ない再会ものです。

◆レビュー◆

草間さん定番の年下攻め。
ただ、この作品の攻め・トモは、草間作品の中ではかなり甘さ控えめ、かつ執着度は最高レベルかと。
表紙右がトモ。このポーズだけで、彼の執着キャラっぷりが十分伝わってきます。
表紙絵のトモの眼ヂカラも印象的で。
10年前、自分に不完全燃焼な想いを植え付けて目の前から姿を消した男・裕一に対する愛憎を湛えたトモの眼…すごくセクシーで、萌えました(*゚∀゚)=3
正直トモの眼付きが悪くなければ、「はつこいの死霊」がマイベスト草間作品になることはなかったかも。そのくらい、トモの眼はこの作品の目玉かなっと思ってます。(シャレじゃないですよ☆彡)

エロもかなりの充実度。
蕎麦屋の個室で祐一の手首をネクタイで縛ってB地区攻め、電車の中で裕一のYシャツの上からB地区攻め…など、素敵シチュエーション満載。
ノンケと言い張る裕一がやたらB地区で感じてしまうトコがポイントです。

一昔前の失恋の復讐というメインのストーリーに、古寺の隠居を長年苦しめている「無縁仏の骨」の話を絡めて展開させるあたりも面白い。どちらも死霊がらみ。
もっと無縁仏掘り出しのエピソードを厚くすれば、2時間ドラマが作れそうですね。
ちょっとこのエピの絡み方が弱いかなという気もしたのですが、ラブストーリーがメインの作品だし、無縁仏エピは物足りないくらいがバランスがいいのかもしれません。

さて、10年前トモにキスしたことをどうしても思い出せない裕一ですが、これについては最後にとっても納得できるオチが用意されています。
・・・たしかに。思い出せない理由って、それしかないですよね。
トモにとっては残酷な真実。でも、初恋らしいほろ苦さを残したこのラストは、とても好きでした。
現在進行形の2人は幸せなわけだし、「はつこいの死霊」もきっと成仏できたはず。

ちなみに、最後のオチのほかにもこの作品にはハズシのモチーフがいくつか仕込まれています。
一度めは、蕎麦屋の個室での濡れ場シーン。足音が近づいてきて、ガラッと襖が開き――あわやホモ発覚の大惨事?!…と思いきや、襖が開いたのは隣りの部屋、なシーン。
二度目は、トモが裕一をラブホに連れ込む…のかと思いきや、ラブホの裏口へ抜けたところにオシャレな古いアパート=トモの家が…なシーン。(バリバリ違法建築~w)
そしてラストの、そもそも論に遡る盛大なオチ。
こういうハズし方、軽妙で楽しいです。全体に重い話を、抜け感を作ることで程良くライトに見せていく――というのも、いつもながらの草間作品の魅力ですね。
10年近く前のコミックスですが、古さは全く感じませんでした。まだまだ旬です。

7

こういう乾いた雰囲気もいいですね。

初恋の死霊に取り憑かれた二人の話。
流石、草間さん。
「地下鉄の犬」や「真昼の恋」のようなあまあ間もいいのですが、こういう乾いた雰囲気もいいですね。
最後に行き着くところは同じなので安心しましたが。
「この先あんたが被る全ての原因の俺の事を忘れるな」って、もしかしてものすごい熱烈な告白なのではありませんか?

お話もさるとこながら、装丁も素敵です。
タイトルの入れ方や、使用するフォントがたまらないです。
表紙の背景も若冲のようで素敵です。

4

初めて読んだ草間作品

絵柄が正直あまり好みではなく、敬遠しがちだったのですが…いやぁ、勿体無かったです。

切な系、悲恋の上結ばれる系が好きな私にはストライクでしたね。
こちらの作品をみつけて以来、草間先生の漫画を発掘しては買い漁っております。
選り好みはよくないですよね。

大人の恋愛、なんだけれどきゅんきゅんして愛おしくなります。

2

ぞくぞくする擦れ違いのストーリー

草間さかえさんの作品を初めて読ませていただきましたが、
これがびっくりするほど私のツボど真ん中を押し捲りで、好き過ぎてどうしよう・・・と悶えてしまいました。
何度読み返しても面白く、ますます深みにはまる自分がいます。

過去を忘れたかった男と、過去を大事に胸にしまっていた男の再会のストーリーで、
お互いの記憶と認識が違う為、最後まで気持ちがすれ違い続けます。
しかけた側である智の裏に隠された純情が端々に見て取れ、たった3日間で祐一との関係をどうこうしたかっただなんて、泣かせられるほど可愛い・・・。
彼なりの必死さが、読むたびに胸をついてきます。

祐一としても、かつて可愛がっていた弟分に対し償いたい気持ちと、無理やりでいて優しくも接する智に逆らえきれない心情との揺れがあり、
さらには過去に捕らわれ続けて、今を流れるように生きている現状がある。
そんな彼の心に問いかけるような智の言葉が印象的で素敵。

振り回してるようで振り回されてる。
そんな二人の関係性が見ていてぞくぞくするし、最後にやっと彼らの”今”が重なったかと思うと、じーんとしてしまうのです。

追加の話で、なんだ彼は天然だったのか!というオチがいい。
さらに表紙裏ではあっさりオヤジ化してて落してくれる(笑)
本編でもシリアス展開ながら、所々くすっと笑わせてくれるところがまた好きです。

画面の使い方も非常に巧みで、多くを語るドラマチックなシーンが満載です。
たったこの1冊の中に、彼らの過去と未来が表されている。
凄い才能だと思い知らされました。

7

いい!!そして霊は出てこなかった!!

知っている人からすると「は?」ですよね。
ホントに馬鹿、自分でも呆れます・・・、
読む前は、初恋の人が死んじゃって霊になって出てきて、
表紙に沢山動物の絵が描かれているので、動物に輪廻もあり~~みたいな話かと。
だから評価が割れているのかと(今考えたらアリエナイ・・・)。
読んだらもちろん全然違う。
そして読んだら、
今までそんな訳分からん理由で回避していた自分を殴りたくなるくらい、かなり好みの本でした。


初恋の相手に振られたら、その振った相手は呪われる。
この本は、そんな眉ツバっぽい話を聞いた15歳の中学生の、10年後のお話。
少年はその話をしてくれた大学生に、それこそ初めての恋をする。
しかし衝撃的な事実が発覚し、想いは叶わない。
10年後お互いに大人になり、その初恋の相手に再会して・・・

10年後も初恋の相手を想っているなんて、とても一途。
でも、15歳だった少年は一途なんて言葉は全然似合わない、冷めた目をした男(攻め)に成長。
その無愛想な外見と、内に秘めた情熱のギャップがいい。
無理にヤっている様に見えて、ちらほらと優しい一面が顔を覗かせるのもいいなぁ。

受けはヤられながら何を思うのか・・・
自分の方がずいぶんと年上で、10年前は弟みたいな男の子だった。
それが今ではすっかり成長して、
冷静な目で自分を見下ろし、
未使用のケツをゆっくりと指で広げ、
触られると痛くなるほどまでに執拗に乳首を弄ってくる・・・

官能的な描写の合間に、説明されすぎない過去が見え隠れ。
そして、初恋の呪いの話が思い出され、
読者の思考と想像力を刺激する。


簡単明瞭なストーリーではないけれど、だからといって難しいばかりでもないと思う。
描き下ろしで明かされる、
「全ての根底に関わる重大な何か」には笑える。
そうくるのかーーーとw
でも、恋ってそんなものかもしれない。
呪いでも死霊でもなんでもいいから、とにかく自分を覚えていてほしい、
そんな強い想いが十分すぎるくらい育ったら、もう始まりなんてそんなに重要じゃないのかも。


このふたり、更に10年後も気がついたらきっと一緒にいて、きっと幸せだ。
そう思わせるような最後の穏やかな余韻が心地よく、とても読後感のいい一冊でした。


10

大人になって振り返るはつこい

 大学生の裕一と中学生の智はアパートのお隣同士の住人という関係です。さらに、智の父と交際している女は、裕一とできていて、智はその現場を目撃してしまいます。 
 十年後、建築会社に勤める裕一と、文化財センターに勤める智は現場で再会し、そこから智の復習とも言える下克上が始まります。
 初めて好きになった相手に再会して、自分は忘れたいのに、相手には忘れて欲しくないだなんて、それは都合のいいこと、いいわけじみて聞こえるかもしれません。全体的にハードボイルドのような描き方で、その中で「はつこい」を入れた発想が、大人のBLといった感じです。

3

死霊が息をふき返す

短髪・理数系・メガネ・スーツ・受け 大好物じゃい! 素敵男子 万歳!!

これは 初恋をずーっと忘れられなかった 粘着な攻め様の物語であります。
愛しさと刹那さと心強さと~ by篠原涼子 を歌う私もどうなのか?
攻め様もすごくいい男です。 仕事出来るし すっごい強引にSEXしちゃう所も たいへん美味しく頂けた。ご馳走様でした。
小さい時の初恋かあ?よっぽどの人じゃないと覚えてないよねえ。えっ?私だけ?
覚えてないなあ・・・。
草間作品は 言葉のチョイスがとても素晴らしく タイトルなんて 圧巻ですよ。
『はつこいの死霊』
なんということでしょう!!言葉のマジックではないですか?
好きです こうゆうぴしゃりと当てはまる所は さすが!!! 先生 お見事です! 

1

え!?この作品ってこんなに評価分かれるんだ・・・

草間先生の漫画を数冊読みましたがこれは嵌りました。
評価をみたら結構微妙で驚きました。
何回も読み返すほど私には合いましたが・・・
草間先生の絵って独特なので最初は苦手でしたが、木原先生のノベルのイラストで
好きになって漫画も読むようになったらいつの間にか嵌ってました。
読後感がいつも良くて、この作品に関しては凄く純愛に感じました。
攻様が凄く受様が好きなのが行動の所どころにでていて幸せな気持ちになりました。

5

評価まっぷたつ作品

面白かったです。
読んでる最中、ずっと胸がチリチリしてました。とても心地いい感覚でした。
合うか合わないかという観点でいうと、私には「合う」作品だったんだろうなと思います。
で、みなさま言ってますが、この作品は「合うか合わないか」が非常に重要な作品なんだろうなと。

初恋がトラウマになっちゃった二人の男の再会です。
死霊うんぬんの話はこじつけ的な部分が大きいから、あんまり深読みしないほうがいいんじゃないかと。突き詰めて考えると矛盾にぶつかって余計に悩むんじゃないかなと思います。
惚れた側は相手のことを鮮明に記憶していて、惚れられた側は忘れている。
忘れた理由は、濃密な週末を過ごすなかで少しずつ明らかになっていきます。
彼もまた、初恋にトラウマを持っていたのだ。さらに、そのトラウマが元となったつまらない情事のせいで、後悔してもしきれない罪悪感まで背負うことになった。忘れたい出来事を都合よく忘れてしまったけど、罪の意識だけは残る、という形で。
絡み合う過去を週末セックスするなかでジワリジワリと炙り出した手法、見事だったと思います。

しかし、すさまじい「行間」でした。

4

肌に合えば病み付き

この作品に向けられた高い評価には二種類あるの
ではないか、と評者は勘繰ります。
心底からの高評価と付和雷同の高評価と。

ぶっちゃけ申し上げますと、この作品は読む人を
選ぶでしょう。この作品を気に入る人は試し読みの
段階で既に魂を引き摺られている筈です。
その代わりそりが合わない方には多分徹底的に
合いません。でもそれはあくまで嗜好の問題であって、
センスの問題ではないでしょう。

この作品は本当に煙草の残り香の様な作品です。
だから、嫌いなら嫌いなままで差し支えないのです。
好きな人は好きなのですから。

7

全ての不幸の元は初恋の祟りである

そんな無茶な!というこの言葉と智の何年越しの執着がたまりません。

草間作品はとりあえず三回読みます。
噛めば噛むほど味が出るというか、一回だとよく理解できなかったりすることもしばしばで、単純にこれは私の理解力の問題なのかもしれないけれど。
だけど、ふとした瞬間にぐっとなるというか、空気感とか言葉の間とか静かな世界観とかセンスとかが大好きなのです。
好みが別れる作品だっていうのはわかってるけれど大好きなんです!!(2回言う)
今回の表紙とか扉絵もいいなあ。

義母と関係していた裕一との関係を自分の手で壊して、でも執着し続ける智と、思い出せないままなしくずしにされちゃってる裕一の微妙な関係性がたまりません。

6

死霊の意味

親(義母)が浮気をしていて、喧嘩が絶えない。
ただの主人公のよくある設定で終わらないんです。

全ての不幸は初恋の祟りにあり、好かれた分だけ祟られる…。
そんな恋、素敵じゃないですか?
自分の想いが祟りでも相手に伝わるなんて。
そして自覚なしなんてw

草間さんの描く人間くささが堪らんです。
文学的で読み応えも充分です。

2

初恋とは誰にとっても特別で、思い入れの強いものです。

「初恋の祟り」という実際にある教え(この宗教は現在もあるそうですよ)に、過去と現在がミステリアスに交差しながら、最後は綺麗にオチて、私はとても満足しました。
登場人物にあからさまに心情を語らせず、読者に想像させ、
余韻を与えてくれる作品だと思います。

行為の最中に唇へのキスを避けていた智。
初恋に囚われてしまった彼の心情が切なくて、胸がキュンキュン。

ただこの独特の絵とセンス・世界観は万人受けはしないでしょう。
賛否両論があるのは納得です。
私は草間さんの描かれる太い線と、淡々とした空気に
なんとも言えない艶を感じるので。かなり好きです。

3

言い表しにくい作品。

アパートのお隣さん同士の10年後の話。
初恋ってやっぱり特別で、他の恋とは比べ物にならないぐらいものだったりしますよね。初恋を死霊に例えるって凄い。

一度読んだけど難しい。
面白くないと思ってしまうのが悔しいと思ってしまう。
簡単でないのは、あまり受け入れられる事はないけれど、そこは草間先生。独特の世界観とキャラ、一つ一つの動作はまるでサイレントムービーを見ているようでした。
ですが非常にレビューしにくい作品です……。
他のレビューサイトは、かなり賛否両論でした。
耽美・大人向けと言った感じです。
BLでは満足出来ない人達が絶賛しているのかも?
私はちょっとまだ把握出来ないので中立に。

7

これってそんなに面白い?

いろんなところで高い評価を見るけど、そんなでもなかった。その一番の原因は絵かも。好きな人は好きなんだろうけど、ただ単に下手に見えちゃうのはわたしだけ!? まぁでも話の流れ自体はいいかなぁって感じですが。

9

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