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官能小説家と俺の“言えない”お仕事
indigo no kibun
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
恋愛以外の特別な関係について淡々と描き切った傑作。説明のできない微妙な関係がいい。はっきりとした恋愛にはならないとお互いわかっているけど特別な関係、なんともエロい。直接的な表現以外での男同士の関係性のエロさが淡々と描かれていてたまらん。木島さんと官能小説の師匠との関係もいい。木島さんと城戸さんが肉体関係になだれ込む流れが、それまでの描写が薄く薄く積み上げてきた二人の間の関係と感情に裏打ちされていて唐突感がない、こうなるわな、と納得できる。はっきりしない関係だけど二人とも大人の男性でドロドロしすぎない、が、間に流れる絶妙な感情のもつれ合いははっきりと読み取れる。最高。そしてこの先生の作品の締めくくり方が見事すぎる、大好き、一生消えない燻りを淡々と見事に表現されてて参りました。
「ポルノグラファー」も素晴らしい作品でしたが、こちらもまた引き込まれました。
前作の前日譚で、木島と城戸のお話になります。
前日譚ですが、「ポルノグラファー」の後に読む方が良いと思います。
前作で2人の間には何かあると匂わせていましたが、こちらの作品で過去に何があったかが描かれています。
木島が拗らせ嘘つきおじさんになってしまった理由がここにある気がします。
まあそれまでもたいがいな性格だったんだけどね。
蒲生田とのエピソードから、城戸とそういう関係になる流れが自然というか、前作の前からずっと実際そうであったかのように馴染む。
また木島が父親へ抱いていたわだかまりを、大学の恩師の葬式へ参列したエピソードや、蒲生田を看取るエピソードにきっちり落とし込んでるのがスゴイ。
父親の存在も拗らせおじさんを作った要因だと思うので、この部分をしっかりと描いていただけて良かったです。
城戸はちょっとズルイかな。
自分の都合で木島を蒲生田の世話係兼弟子として充てがうわ、彼女とヨリを戻したのに木島とヤルわで、ちょっとどうなの?ってイラッとはしましたが、城戸も結局不器用な男でしたね。
ずっと木島に対する種火みたいな想いを燻らせて生きて行くんだろうな…。
ちょっとした攻めザマァな感覚でした。
根は悪いやつじゃないから、切ないですけどね。
前作の補遺其の一、二も木島が幸せそうで何よりでした。
レビューみて初めて知りましたが、これ木島くんの過去編なんですね。
木島くんの未来がわからないまま読んだ人のレビューです。
読み終わって一言、
城戸くん…後悔してるのかな…という感想。
彼の最後の表情が、それこそ『インディゴの気分』って感じで、見ていて辛かったです。
未練タラタラのくせに、なんで結婚したんだよ…城戸くん…。あんなに想い合ってたじゃんか…。
こっちが裏切られた気分だわ…。
まあ本人が辛くても、全て彼が自分で選んだ道ですからね。彼にも色々あったのでしょうね。
彼が結婚に至るまでがとても簡潔にしか書かれていなくて、木島くんと何があったのかはわかりませんが、ちゃんと話し合って別れを選択したと信じています。(…まさか2度目の裏切りはないでしょう?)
木島くんは最後幸せそうでよかったです。
ここで出てきたハルくんがポルノグラファーに繋がるのかな…?
木島くんが城戸くんへの未練がなさそうな所が良かったし、そういう人に会えていて良かった。
神評価が多いので、きっとポルノグラファーを読んでからだと印象が全然違うんでしょうね。
でも前知識ゼロで城戸×木島だと思って読んでいた私には、ちょっと耐え難いつらさでした…。
ハピエン大好き人なので、物語の終わり方も、官能小説家の先生の死も、ちょっとつらい…。本当に…つらいです…。
大変素晴らしい話ではありましたが、どうしてもモヤりました…。ごめんなさい。とっても辛口評価です…。
全然悪い作品ではないです!本当に!
神評価でもいいくらいなんだけど…。
でもやっぱりもう見返したくはないなと……。
……大人しくポルノグラファーを読んできます。
遅ればせながら「續ー」を購入して、この作品は読み返すかどうか悩みました。
木島の「今」を読んだ後に過去の思いや関係を知るのは結構つらい。
「彼氏の元カノの話を聞いてもいいことなんてひとつもない」のと同じ気持ち。
意を決して読み直しましたが。
純文学が書けなくなって、落ちぶれていた時期の木島。
大学の恩師の通夜で偶然城戸と再会して、一緒に暮らすようになり、官能小説に転向することになる頃の話です。
結婚を考えていた彼女やその両親から言われた世間体。
官能小説の出版社からビジネス書の出版社への転職の条件として、官能小説の大御所の最期の作品の版権を獲得しなければならなくなった城戸と、それに巻き込まれる形になった木島、それぞれの変化が描かれているのですが…。
なんだろう。
木島の気持ちがよく分からなかったです。
城戸にとって木島は猛烈に妬み、憧れた、忘れようがない存在で、その木島を「世間体の悪い官能小説」の世界に落とす快感も、木島から求められる快感もどちらもしっかり伝わって来ました。
木島にとってはよーく思い返してみないと記憶の片隅にすら残っていなかった城戸を、どうしてそこまで焦燥的に求めることができたのか。
落ちたからこそ、今まで誰にも言えなかった父親との確執の話ができて、表面上は自分を現状から救い出そうとしてくれているように見える城戸を「いい奴」と言えるくらいになったのは分かるのです。
でも。
でもですね。
そこからが分からない。なぜ肉欲に飛んでいったのか。
蒲生田に弟子入りする条件で「口でイカせろ」と言われてやってのけ、帰りのタクシーでわっさわっさなってホテルに雪崩れ込み…。
分からない…。分からないのだよ…、パトラッシュ…。
城戸の熱に当てられて?興味?
勃ったから入れるだけだったマグロ男が、初めて欲情したのが城戸だったわけで、でもその欲情の根底にあったものが分からない…。
その先は分かります。
からだから入って、そのときの熱が忘れられずにもっとあの熱に触れたいと思う気持ち。
熱に触れたからだからこころにまで熱が届いて、衝動的に相手を求める気持ち。
そこは理解できたけど、最初のアレが…。ここで引っかかってるのはわたしだけですか?それとも木嶋の過去の恋愛話を読みたくないというブロック機能が脳内で作動しているのか、何か嫌なんですー、あの流れ。
あれが「性への開放」儀式だとしても、城戸は嫌だ…。
あれ?城戸が嫌いなだけでしょうか、わたし。
ラストは城戸が置き去りになった感じでスカっとするけど、うーむ。
久住の若くて真っ直ぐな想いに救い上げられる木嶋を読んだあとで、この最初の挫折から救われた城戸との話を読まされるつらさ。
しかも久住と出会ったときの停滞状態は城戸によるもので、それだけ城戸の存在が木島には大きかったわけで…。
ふつうでずるくてまともな城戸。一般的なしあわせは手に入れたけど、枠を抜けて、こころの底から欲しかったものは手に入れなかった城戸。
同情はしないぞ。
ほんとは分かってます。
底辺まで落ちていた自分に救いの手を差し伸べてくれた城戸。
唯一、落ちた自分を見てくれた城戸。
そんなん、惚れるじゃん、と。惚れたら何もかも欲しくなるじゃん、と。
分かるけど分かりたくない。
だからこそ、シリーズでは読み返したくない作品なのです。
あー、いや。この作品でこんなにもこころを揺さぶられる自分がいや。
前作で久住×木島がよかったので木島と城戸の過去の話は正直複雑だった。けど納得させられた。
木島は孤高だけど実は寂しがり…愛情に飢えているのかなと。
城戸は良き理解者でありお互い惹かれていた。城戸からしたら木島は自分にない才能があり羨望と愛憎の存在。
城戸が木島を利用したことは最低(自分で言っている)だけど木島のような生き方ができない大半の人間はここまであからさまでなくとも似たようなことはしていると思われ(主観)
しかし城戸はあんな簡単に結婚できちゃうのがね。それまであんないろんなことしといて。すごい変わり身の早さだわと感心w
自分に嘘をつけず自分がやりたいことしかできない木島、まっすぐで裏表ない久住…のような人間の方が希少なのかもね。
で、対女性にはマグロ男だったのに対男性(受)になるとあんなエロくなるんですね木島。そっちの才能があったってことか。表情とか体とかセリフとかエロすぎる。自分で開発とかw
蒲生田先生が情があり木島との師弟関係がよかった。豪快ながら自らの死期を悟り人生をまるっと受け止めてかっこいい。さすがエロや官能小説についても含蓄がある。
木島は自分の父親にできなかったことができてよかった。蒲生田先生も孤独が癒されただろうし木島も敬意を持って誠実に仕えた。
本編ラスト、タクシー内で木島が居眠りし城戸の肩にもたれかかったのは誘っていた?
直前に木島は久住のことを大切だと言っていたので誘ったりはないと思ったけど、城戸にごめん…と言われた時の表情とか別れ方から気になり。昔を思い出した?とか。
そして思いを抱えたまま城戸は家族の元へ帰るんよね。
私はポルノグラファーシリーズ3作品の中で、このインディゴの気分が1番好きです。
もうなんというか、作品世界が深い。小説を読んでるような深さです。
以下、ネタバレ含みます。
ポルノグラファーで、木島の担当編集として登場した城戸と木島の過去編。この作品は城戸の人物背景が綿密に設定され、心の揺れを丁寧に追うことで物語が成立しています。その緻密な心理描写、木島の人生に大きな意味を持つことになる蒲生田先生の存在感、愛とも恋ともなんとも言い表せない関係性で締めくくるラスト。すべてが圧巻。本当に素晴らしいです。
木島の作家としての才能に圧倒され、完膚なきまでに叩きのめされ、まさにインディゴの気分になり作家になる夢を諦めた城戸。
自分には作家としての才能もなく、このまま凡人として生きていくなら、結婚したり落ち着いたりしなきゃいけないと漠然と考えていて、でも釈然としない自分もいる。
物語の中で城戸の転換点はいくつかありますが、大きな転換点は、蒲生田先生の原稿を取るために、木島を行かせたところです。それがきっかけとなり、城戸の木島に対するある種の征服欲が引き起こされ、木島とのセックスにおよぶ。この城戸と木島の関係性の変遷の描き方がすごすぎて、ここからさらに作品世界にどっぷりハマります。
ポルノ小説家デビューをすることになった木島との社屋での打ち合わせの際、自分の将来のために木島を利用したことが明るみになり、階段で言い合いをする場面。木島のセリフがあまりにも的確で、真理を突いていて、もう、すげー…しか言えなかった。
でも、そんな選択をしてしまった城戸には城戸なりの複雑な感情もあって、城戸が今まで面と向かってさらけ出さなかった本音を吐露する場面はゾクゾクしました。
木島の作家としての才能に、また、小説家として生活が成立していない状況にも関わらず、妥協して安易な道におもねらない確固たる何かを持つ木島への嫉妬心。そんな木島に対する憧れと、それに比べて自分の小ささを味わう屈辱感。城戸のリアルな人間感情が描かれ、城戸と木島の人間性と関係性を深く掘り下げています。
蒲生田先生が亡くなり、お葬式での木島と城戸の会話が、この作品の中で1番好きな場面です。
中でも木島の城戸評の中に出てくる『まともってつまりまわりの人間に優しいってことさ。美徳だよ』のセリフ。丸木戸先生、天才ですか…っていう、すごいセリフだと思います。木島というキャラクターが才能豊かな作家であることがこのセリフ1つで容易に分かります。その表現力、洞察力、語彙力。すごいとしか言いようがありません。
その後、喪服のままセックスにおよぶ木島と城戸ですが、それは恋愛とは違う大人の関係。
木島は城戸の結婚と子供の誕生をきっかけに大スランプに陥り、それがポルノグラファーに繋がっていく。この完璧なロジック。木島の心理描写にも無理がなく、ほんとにすごい!
最後タクシーでの別れ際、木島の『またね』が切ない。城戸の中には一生消化することのない、木島への複雑な想いが残り続ける。愛だ恋だとジタバタできなくなった大人の中で燻り続ける小さな火。最後までお互い大人の距離感を保ったままの二人にジーンときました。
物語の進行に文学的アプローチが感じられ、それが作品世界をより深くしていて、圧倒的な心理描写と綿密な人物設定、的確すぎて驚愕するようなセリフ、すべてがすごいの一言です。本当に小説を読んだかのような読後感です。
連載で読んでましたが、単行本で、ポルノグラファーの補遺が読めたのが収穫でした。
木島と城戸の過去編。やはり関係があったので、その編は最初に久住くんの話を読んでいるとショックですが、ストーリーがしっかりしているので読めました。
自分も作家をめざすも、木島に圧倒され編集の道に入った城戸。官能小説を扱う会社ということで、婚約者に逃げられた。そんな城戸が、大物作家の遺作をとってこいと新たに担当になる。
この作品をとれば、普通の書籍を扱う会社に転職でき、結婚もできると意気込む城戸。しかし原稿をとるために、また勉強になるからと、木島を弟子として作家先生の元へ送り込む。
転職の話が木島にばれて争うも、木島に憧れていたことを伝える城戸。そして転職の話は断って、木島の担当を続ける城戸。
最初は大物先生に強要されてですが、自分を再生させようとする城戸を慕う木島の気持ち、あこがれだった木島をサポートし愛する城戸の関係が自然に描かれていました。
木島は先生の元でHの研鑽を積んでいたのですね。そして城戸に”受け”にしてもらった。城戸も、結婚した今でも完全燃焼できなかった木島への想いを抱えている。
お互いに、かけがえのない人ということでしょう。
父とうまくいかなかった木島が、作家先生との共同生活で父子のような絆を結ぶところもぐっときました。
どうやら久住くんと一緒に住むことになりそうな、今の木島。幸せそうでよかった。城戸の哀愁もせつない。
ポルノグラファーを読まずに、間違ってこちらから購入してしまいました。
でも、とても良かったです。こういう長い時間を一冊にまとめた二人の人生の一部みたいなお話、すごく好きです。
気だるげなたれ目が好きなので、城戸さんとっても好みです。
世話焼きなところも、ちょっとクズなところも含めて大好き。
性描写は少ないですが、二人の微妙な関係が最高にエロいです。
蒲生田先生に強制させられて始まった身体の関係ですが、結局最後までしてしまう。
挙句の果てには先生の遺影の前で、喪服のまま…。
読み終わった後結構喪失感があります。
切ない…。
城戸さん、結婚しちゃうんですね…。
城戸さんの「元気でまたな」が切ないんですよね…。木島さんの「またね」とはまた違うニュアンスだから…。
書き下ろしで、木島さんが今の彼氏とラブラブそうで良かったです。
さて、ポルノグラファー買いに行かなければ。