ポルノ作家と俺の“代筆”のお仕事 「ねぇ 勃ってるよ」

ポルノグラファー

pornographer

ポルノグラファー
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神244
  • 萌×2112
  • 萌68
  • 中立17
  • しゅみじゃない9

--

レビュー数
41
得点
1889
評価数
450
平均
4.3 / 5
神率
54.2%
著者
丸木戸マキ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
ポルノグラファー
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784396783822

あらすじ

大学生の久住は、ポルノ作家・木島の腕を
骨折させてしまい、口述筆記で代筆することに。

仕事をはじめて数日。
淫らな文章を読み上げる木島の声は
久住の耳を責めたて、疼いた下半身は完勃ち状態に…。
「抜いてあげようか? 口でしてあげる」
からかわれた久住は、その日から木島で
“エロい妄想”をするようになってしまい――?

純情大学生×思わせぶり官能小説家の
お子様厳禁セクシャル・ワールド。

特設サイト(お試し読みが1話分読めます)
http://www.shodensha.co.jp/pg/

表題作ポルノグラファー

久住春彦 大学生 受に怪我をさせてしまう
木島 官能作家鬼島連二郎

その他の収録作品

  • エピローグ(描き下ろし)
  • あとがき

レビュー投稿数41

ねぇ勃ってるよ

丸木戸さんのデビュー作とは思えない程のストーリー構成でした

自転車事故の被害者で右腕が折れたポルノ作家の鬼島
加害者で善良な大学生久住

お金のない久住は慰謝料代わりに、鬼島の口述筆記を買って出ます
官能小説とは知らずに....

健全な肉体を持つ久住は鬼島の口から繰り広げられる
猥褻な世界に書き取るのも絶え絶えでまさかの完勃ちにww
そんな久住の反応を弄ぶ鬼島

そう、この鬼島という男は一癖も二癖もあったのです
嘘に嘘を塗り固め、折れた右腕は利き腕ではなく
口述筆記も必要ないし、書取らせた作品は以前発売した作品をなぞったものでした

久住はそんな事とはつゆ知らず懸命に口述筆記のお手伝いに励みます
そして
鬼島の作品を見て、聞いて、翻弄され、徐々鬼島を作品の主人公に当てはめて妄想してしまうまでに
そうです、鬼島に惹かれ始めます

そんな時に鬼島の友人で担当編集者の城戸がやってきます
彼もまた、鬼島に翻弄された一人でした

その後鬼島の嘘が露呈し
懸命にお手伝いしてきて久住の怒りは頂点に達します
もう既に彼を好きになってしまっていたから

この事が原因で疎遠になる二人

そんな矢先に城戸から久住に連絡が
鬼島の様子がおかしいと

会って話した時に城戸も鬼島にちょっかいをかけられていた事を知る久住
そうです、挿入こそはしてませんが、久住も鬼島にちょっかいかけられてました

城戸と鬼島の距離の近さを勘ぐっていた久住
その勘は当たっていました

城戸は鬼島の才能に惚れていました

そして、鬼島も悪友城戸に親愛を寄せていたが、城戸が結婚をしたことがきっかけで自分の孤独を強く感じ、執筆ができなくなってしまったのです

純文学で目が出ず、官能小説では多少売れたが、本当に書きたかったのか?誰の為に?何の為に?と自問自答しだして筆が止まりました

城戸の結婚はきっかけに過ぎなかったと思います
志し半ばで方向転換した自分を蔑む自分がいたのでしょう
ずっと

そして、城戸は鬼島を愛していたが、鬼島と添い遂げる程の覚悟が出来ず、鬼島は友情の延長の親愛で恋しいとは違う感情だったのではないかと思いました

しかし、久住は違います
好きだと、全力でぶつかります
書けなくなり田舎に引っ込むと決めた鬼島の元に駆けつけ
鬼島への思いを伝えます
俺の為に書いて下さい、貴方の作品が好きだと
ここが巧いなと思ったのですが、城戸はそんなにまでして書かなくてはいいんじゃないか
と以前鬼島に言ったのです
久住はもう一歩踏み込んだのです 書いてくれと
これが、恋した覚悟の違いかなと

ここまで、思われてようやく素直になれる鬼島
鬼島も作家に未練はないと思い込もうとしていた自分を認め、書けないでも書きたいと誰にも言えなかった心情を吐露します

久住をもっと知りたいと初めて体を重ねる二人
貪りながら、気づく久住
鬼島はアナル処女でないと
またしても騙された久住
こういう、センスのいい笑いがこの作品のバランスの良さと読みやすさだと思います

僕は嘘つきだけど、約束は守るよと
作品を発表する鬼島
書くと約束した久住へと

2年半後にようやく再開した二人のこれから始まるであろう恋が想像出来る素敵なラストでした

多分初めて誰かと為に何かをしたのではと思わせる鬼島
彼をそこまで動かした久住の真っ直ぐな想い
ストーリーもしっかり土台が組まれてて文学の様な出来栄えのお話でした

深くて、でも読みやすく、クスッと笑えて、胸にジーンときて、ラストでキュンとするとても素敵な作品でした

丸木戸さんの次回作が楽しみです仕方ないです
大人のBLを求めてる方にはバッチリじゃないかなぁと思います

何度も読み返したい作品でした

15

官能小説家の矜持に胸熱デス

実はほぼ毎回思っているのですが、レビューを書くというのは難しいものですね。特に「いい!これ!」と神評価1個どころではないぞ!と思った作品の場合、ハイテンションになりがちで、どこからどう書けばいいのやら困ってしまいます。こちらの作品は正にそのパターンでして、あんまり気に入り過ぎて書きにくい感じなのです☆

この物語は久住春彦の視点で展開していきます。久住は大学生。自転車で歩行者の男を骨折させてしまうのですが、この男が鬼島蓮二郎のペンネームでエロ小説を書いているポルノ作家の「先生」です。
骨折の代償に先生が要求したのは口述筆記。
端然とした男の口から飛び出す隠語のオンパレードに引き気味の久住でしたが、気がついたら先生を好きになっています。が、先生はなかなかのくせ者で、しかも事情があって、というストーリー。
「先生」鬼島と久住の会話がもう、ハイセンスです。口述筆記の場面はもちろんですが、彼らの普通の会話がいいんです。
携帯についてのところなんて秀逸だなぁ。
ストーリー自体は特に派手なエピソードが盛り込まれているわけではなく、淡々と進んでいきますが、ぐっとくるのがラスト間際に鬼島が本音を吐露するところです。
一人の官能小説家としての矜持!
胸熱になったところで迎える、余韻あるラスト。
この一作で「丸木戸マキ」の名はバッチリ記憶しました。いわゆる作家買い、決定です。
そして、文脈の乱れを失礼して、オススメポイントを一つ言います。えっとですね、読む前は文字量が多いのではないかと、従ってコミックとしては読みにくいような気もしたのですが、とても読みやすかったです。
内容があって、無駄な台詞がないんですね。
普段、小説を読まないという方も楽しめるとは思いますが、視覚的にくるものを読みたい方には適さないかもしれません。
あともう一つは、カバー下見返しの手書き原稿が味があります。丸木戸先生の字なんでしょうか。
結局、興奮丸出しレビューとなってしまい、失礼しました。初読からそれほど経ってはいませんが、もう何度か読み返しています。それくらい私にはどストライクだったのです。

14

すべてに意味がある

どちらかというと"萌え"や"エロ"に特化した作品だと思っていたので(当方、それだけしかない作品はNGな部類に入るタイプの人間です)、なかなか手が出せずにいたのですが、実際に読んでみると……

タイトルの『ポルノグラファー』、この言葉の絶対的な必然性がわかりました…。この設定だからこそ描かれた作品のテーマがとてもよかったです。官能小説家、という"作り手"であるからこその深い熱をとても感じます。キャラクターの職業がその職業たる所以をとてもうまく描かれた、これぞ物語、という気がします。時代錯誤な官能小説家を攻めるのも、年下の大学生であるから成立するのではないかと……色々と考えれば考える程緻密に計算されていて感嘆。

結局のところ…この作品を手に取る前に勝手にイメージ付けした自分を殴りたくなりました…。
今後も追いかけたい作家さんです!

8

楽しかった!!

もしかしてドシーのビバリさんかなと思いましたが、違うかな。
マルキ・ド・サドからのお名前でしょうか丸木戸マキさん。
朝田ねむいさん路線かと。
楽しかったー!しょーもない嘘ばっかつく先生に翻弄されてる久住青年。
騙されてることにも気づいておらず、素直に育ったのねーこの子。なんて微笑ましく読んでたら、私も騙されてた!
編集者との関係も、宅飲みのときにチラチラ垣間見えるあの感じが、すごくリアル。
終わり方も余韻を残しててすごく良かったし、カバー下もおしゃれです。
祥伝社さんのツイートによると、カバーの手書き文字は販売部の男性が実際に書いたものだそうですね。
こういうどうでもよさげな細部にこだわってる作品は、だいたい素晴らしい作品ですよ。うむ。

7

独特のテンションで紡がれる官能

絵柄が好みで気になっていた丸木戸先生。
お話も面白く、今後が非常に楽しみな作家さんがまた増えました!

色っぽい絵を最大限生かした官能小説家という受け。
卑猥な言葉で攻めが思わずボッキしてしまうのも頷ける!
とにかく読んでみて、ストーリーのおもしろさを味わっていただきたいです。

にしてもonBLUEさんは毎回デザインにお金をかけてていいですね…。
一冊一冊が分厚く装丁も拘っているので手元に置いておきたい感が増します。
ポルノグラファーもカバーの細かいギミックが色々楽しいので、ぜひ!

6

繰り返し読みたくなる面白さ

丸木戸マキさん、初読みです。
実写ドラマ化されると聞き、読んでみました。

大学生・久住は、官能小説家・木島を自転車ではね、けがをさせてしまったことから、口述筆記で手伝うことになるのですが…。

面白くて、何度も読み返してしまいました。
木島が口述する超絶エロい文章を久住が原稿用紙に書き取る状況だけでもシュールで可笑しいのですが、なんといっても、いつも薄く笑っている木島が時折見せる素の表情に、彼をもっと知りたいと思わされて。
特に、学生時代からの友人かつ編集者の城戸との関係は、とても興味が引かれます。木島はゲイで、城戸のことを好きだったんじゃないでしょうか。ひょっとして、木島のスランプの原因は、城戸への片思いに疲れたからかな…。明かされていない過去が、想像力をかきたて、読み返すたびに、いろいろ妄想してしまいます。

深酔いした木島が久住に「一緒に寝よ」とベッドに誘ったのは、城戸が家に帰ってしまった寂しさからなのでしょうけど、これが二人がグッと近づく大きな転機だったと思いました。恋って、はずみで生まれてしまうんですね。でも、それは、久住が今どきの学生らしくなく読書家で、木島の元に通ううちに木島の作品を好きになっていったから。木島も素直な久住と一緒にいるのが楽しくなっていて。二人の気持ちの変化がとても自然でした。

久住が城戸に、「(木島と)キスとかそれ以上とか したことありますよね?」と問う場面が、すごく好きです。城戸は家庭を持ちながらも、木島の一番の理解者という位置が好きだったのですね。だから、合鍵とともにその立ち位置を久住に譲って、「やな気分だ…」と。城戸の痩せ我慢の表情と久住の迷いない表情が対照的で、勝負あったなと思いました。

久住の「最後に俺のために何か書いてくれませんか」という願いに、木島が小説を書いて応えるラストにジーンときました。本を手にとった久住が泣きそうに「俺にとってそれは…」と呟くところで終わっているのが深い余韻を残して、とても良かったです。木島がこれまで書かなかった一人称の小説には、木島の想いが込められていたのでしょう。

再会した木島の「君の文字が好きなんだ」、久住の「あなたの声が好きです」。素直でいいです!木島の表情も以前よりずっと明るくて、これからの二人の未来も明るいだろうなと思いました。

それにしても、たくさん隠語ってあるのですね。まだまだ知らない日本語があるなあと、日本語の奥深さも感じたのでした。テレビドラマで、どこまでセリフに取り入れられるのでしょう…。気になるので、必ず見ようと思います。

6

エロ度少なめなのに”いやらしい”良作

好青年×癖のある小説家のおはなしです。
好青年の好青年っぷりも、小説家の癖のあるっぷりもすごく魅力的に描かれていて、するするとストーリーにのめりこんでいけます。
あらすじなどからかんがみて「ドエロなのかな?」と思いましたが、エロ描写自体はそれほど多くありません。ただ、エロいなと思う場面は多々あります。そういった日常の”いやらしさ”を表現できているBL漫画はあまりないので、普段エロばかり求めている人間でも楽しむことができました(笑)

今後”買い”になる作家さん決定の一冊でした!

5

“エロ”ではなく“淫猥”と表現したくなるエロティックさが素敵

奇をてらった題材勝負の作品かと思いきや、さすがはオンブルー、読ませてくれます!
かなり好みの作品でした。

ポルノ作家〔木島〕の存在そのものがなんともエロティックなのです。
…といっても別にビッチとかそういう意味でのエロではなくて。
木島にまとわりつく空気が淫猥なのです。
例えば、木島が煙草に火をつけ煙を燻らすシーンが全体を通して何度も効果的に出てくるのだけど、そのコマにいちいち色気が漂う。
かなりエグい内容の官能小説を木島が淡々とした表情で読みあげ、それを純情大学生の〔久住〕が必死に書き取っているという空間もなんともエロい。
そして、久住曰く、木島の声は「いい声」らしい。
読んでいるだけで、視覚だけでなく、嗅覚、聴覚までをも刺激されるような、そんな1冊。

ストーリーもしっかりとした読み応えがあります。
自分の内面と向き合う話が多いこのレーベルの作品は、現実逃避するために漫画を読んでいるわけじゃない自分にはリアリティさが心地良いんです。
この作品もストーリーの焦点は、ラブではなく、木島の再起。
純文志向だった木島はお金のためにポルノ作家に転向し職業作家として生きて行く道を一旦は掴むのだけど、当然そこにはいろんな葛藤があって、ある日突然自分は何のために書いているのか誰のために書いているのか分からなくなり、一行も書けなくなってしまう。
「何のために」
「誰のために」
真摯に生きようとすればするほど、生きている限り延々つきまとう問い。
答えが出ないと「孤独」が深くなる。
木島もそんな悪循環の真っ只中にいた。
そこで出会ったのが久住。
真っ直ぐに木島の書くポルノを好きだと口にする人物。
久住の真っ直ぐさがすごく良い。

ラストが巧いんですよ。
木島の書いた小説の一文をダブルミーニングにしてある。
ぐわぁぁぁぁぁと一気にきてやられました( ; ; )

例えベタなフィクションだとしても、こういうお話が私はやっぱり好きだなぁ。
読みながら、自分も日々こうして楽しみを貰ってるたくさんの作家さん達にちゃんと言葉にして伝えなくちゃいけないなぁなんて思わされました。
丸木戸マキさん、今後楽しみな新人作家様です!

5

お見事!の一言です

なんとなく気になって電子書籍の数ページの試し読みを見ましたが
絵がなんとなく青年漫画みたいな感じだし、購入をためらっていたところ
特設サイトで1話分まるまる無料で読めることを知り、読んでみたら面白かったので購入しました。

ポルノ作家の木島は、あとがきで丸木戸先生が壇蜜さんの男版のような色気のある男性が・・・と書かれていらっしゃいますが
本当にその通りで、視線の運び方、煙草の持ち方など所作も美しく、影のある色気を含んだ捉えどころのない人物です。

そんな木島がなんともリアルな官能小説を読み上げて、それを久住が原稿に起こしていきます。
淡々とした口調ながらも次々と木島の口から出てくる卑猥な言葉の数々にどぎまぎする久住。

久住はすくすくと真っ直ぐに育ったいかにも好青年ですが
対する木島は喰わせものといますか、一筋縄ではいかない男といいますか
しょうもない嘘から大きな嘘までつく。
そんな彼に久住はもちろん 私たちもまさかの一杯食わせられます。

喰わせものの印象が強い木島が言った
「書きたい・・・書きたいんだ・・・!ずっと・・ずっと・・・・・・!!」
という叫びは、嘘偽りない真実で私の心に突き刺さりました。

最後に木島の出した新刊を久住が手に取り、音読する様子が二人の声と世界が重なった感じで良かったです。

原稿による手書きの口述筆記というアナログさや、
なんだか昭和っぽい雰囲気と独特のしっとりとした湿度を帯びた独特の世界を作り上げていてお見事!の一言です。

5

受けとか攻めとかいう概念を忘れて読破!

まごうことなき神作品かとっ!!!

ただ私…受け攻めを完全に誤解しながら読破しました。

…だって、肉体的な受け攻め関係よりも、言葉攻め的には…あ、はい。
そういうわけで、受けなのか、攻めなのか、とかどうでも良くなるほどに
非常に萌えさせられた作品でして!(個人的に!)
むふふが止まらん展開が満載!最高であります~^^

装丁も絵柄も話の展開も…何もかもが過不足無くぴったりちょうど良く!
大変私好みでありました~^^なんという幸運。素敵な出会いに感謝。

実写ドラマ化も発表されましたし!また注目される作品になるかとっ!!!
未読の方は是非ともお手に取ってくださいな~!

5

この作品が収納されている本棚

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