スティグマタ─聖痕捜査─ 1

スティグマタ─聖痕捜査─ 1
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神27
  • 萌×26
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
159
評価数
33
平均
4.8 / 5
神率
81.8%
著者
高橋秀武 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
集英社
レーベル
ヤングジャンプコミックス
発売日
価格
¥655(税抜)  
ISBN
9784088901251

あらすじ

事件は、“殉職"より始まる…。
警視庁特命捜査対策室第六係の黒岩警視と朝子巡査。被害者の残留思念に“感応"する特異な捜査方法で、不可解な事件の真実に迫る! 鬼才が描く“異能"刑事ドラマ!!

表題作スティグマタ─聖痕捜査─ 1

レビュー投稿数8

特殊な設定の刑事もの

『雪と松』が発売になったのに合わせて再読。ドラマ化されたこともあって『トクボウ』の方が有名かな?でも個人的にこの作品、超が付くほど好きです。

という事で感想を。ネタバレ含んでいます。ご注意を。




高橋さんらしい、と言っていいのかこの作品も刑事もの。

主人公は朝子。
朝子、はファーストネームではなくラストネーム。「朝子南」がフルネームの男性です。

朝子くんは、亡くなった人の残留思念を感知し、亡くなったときの状況を「スティグマ=聖痕」として彼の肉体が再現してしまうという特殊能力を持つ。
その能力を生かし、未解決の事件の捜査を行う警視庁第6係の署員。

そして朝子くんのパートナーが6係のリーダーであり警視でもある黒岩さん。
朝子くんは死にゆく人の体験をしているので、その様を見て犯人を推理し追いかけるのが黒岩さんの役目でもある。

という、ちょっと特殊な設定。

彼らは刑事という事で、追いかけるのはもちろん殺人事件。なのでちょっとショッキングな描写はそれなりに、というかかなり出てきます。苦手な方もいらっしゃるんじゃないかな。

が、朝子くんにしても黒岩警視にしても、熱血刑事ではなく淡々とした青年たち。なのでストーリーも暑苦しくなく、粛々と進んでいく感じなので読みやすい。

黒岩さんは自身でも他人の気持ちが分からない、と評していますが、あまり感情を表に出すタイプではなく飄々としている。のだけれど、決して冷たい人ではない。むしろ、朝子くんは彼がいなければそこで生きていくことすらできないのではないか、という「割れ鍋に綴じ蓋」な二人なんです。

被害者の痕跡を感じるたびにスティグマが現れ流血するという特異体質。
それゆえに友達もおらず家族からも疎まれ続けた子ども時代。
被害者に感情移入しすぎてしまうために精神的にも追い詰められる。

そういった朝子くんのすべてを理解し、的確に接することができる、いわば「取扱説明書」の面を兼ね備えている。朝子くんが出血しすぎて危ないときは止める強さもあるし、朝子くんの気持ちを慮った行動もとる。

そして、とある事件に巻き込まれ出血が止まらない朝子くんのお世話をする黒岩さんが…!かいがいしくてナイスすぎる…。

そしてその時の朝子くんの姿も、キタコレ!
もう君たち付き合っちゃえよ!的な。
BL作品ではないのですが、匂い系に分類されるんじゃないでしょうか。

残酷な事件が多く流血し放題な朝子くんのシーンが目立つ中、最後の朝子くんの笑顔とセリフに救われます。

タイトルに(1)と付いてるので続き物だと思うのですが、これ続編の情報が全くないんですよね…。『雪と松』が連載されてるからかなあ。落ち着いたらぜひとも続きを描いていただきたいと切望しています。

絵柄がちょっと独特なこと、流血が多く殺人事件を取り扱っていること、など読み手を選ぶ作品かもしれませんが、間の取り方、画力、そしてストーリー展開。どれをとっても神評価しかつけられない。
主要キャラの二人以外の脇キャラもいい味出してます。6係の綺子さんはナイスアシストしてるし、一緒に捜査する所轄の刑事さんたちも素敵でした。

萌えという点での評価ではありませんが、一つの作品としては文句なく神作品です。

9

この表紙で非BLとか嘘でしょ

「この捜査は殉愛」とデカデカ書かれた帯を巻いて、この表紙で青年漫画だと言われましても。説得力…w
中身もたいへん腐女子が楽しめる内容です( ´艸`)
ただ、少々血描写が多いのでそこは注意。

刑事のバディもの。
「警視庁特命捜査対策室第六係」という異能を捜査に活用する試みで設置された部署に所属する〔朝子巡査〕が、死者の残留思念に感応してその者の「死の記憶」を追体験することが出来る、という自身の特異能力を活かして上司の〔黒岩警視〕と一緒に不可解な事件を解決していくお話です。
ストーリー自体は青年漫画らしい明快な刑事モノで、腐女子目線で読まなくとも純粋に面白い作品です。
ドラマ化されてもきっと楽しい感じのノリ。
高橋さんの作家力でぐいぐい引き込んでくださいます!

が、ここはちるちるなので^^
腐的に堪らなかったポイントをシンプルにひとつ書き残したい。

あのね、
黒岩警視の役割を簡潔にお伝えするとですね、
“朝子くんにとっていなくてはならない人”です!ただの上司ではありません!!(鼻息)

死者に感応すると朝子くんの身体には聖痕(スティグマ)が現れるんですね。で、そこから吹き出るように大量の血が流れ出すんです。そんなに出たら死ぬだろってなもんですが、まぁそこはマンガなのでさておき、ここで黒岩警視の出番です!
黒岩警視は朝子くんがスティグマから血を流すたび、朝子くんの身体に優しく触れて出血を止めてあげてるんです( ´艸`)
黒岩警視じゃなくとも止めることは出来るんですが、そこはね、読者的にはやはりいつも黒岩警視でないと。
めっちゃイチャイチャしてます!!!!!
「その設定青年漫画で要る???」「それ青年が読んで楽しいのか?」などという無粋なツッコミをしてはいけません。

最終的には、手を離すと血が止まらなくなってしまった朝子くんのためにずっと手を繋いであげてます。
もちろん仕事が終わったあとも離すわけにいかないので自分のお家に連れて帰って、家の中でもずっと自分にくっ付かせて、寝る時は一緒のベッドで手繋いで寝てたり。(その時の朝子くんはブリーフ一丁。スーツで寝る訳にはいかないもんね!)
「このシーン青年漫画で要る???」「これ青年が読んで楽しいのか?」「黒岩、朝子くんにパジャマくらい貸したれよ」などという無粋なツッコミをしてはいけません。

表紙の構図から抱く期待を裏切ることないイチャイチャっぷりで軽く死ねました。

完結してないんですけど、打ち切りっぽいんですよね…青年漫画誌は世知辛いね。。
「雪と松」連載誌の『.Bloom』とは同じ集英社グループなんですし、誌面を移して再開の機会が出来たりとかしないかな。
もっと読みたいです。

お話的にも、萌度的にも、文句なしの神です!

7

非BL…?

『スティグマタ -愛痕-』がすごく良かったので、前作にあたるこちらも購入しました。こちらは一般誌での連載ということで、ブロマンスにとどまる非BL作品となっておりますが、漂う雰囲気は耽美なBLでした。

一般向けのあらすじとしては、いわゆる心霊捜査をテーマにした刑事物です。朝子巡査は死者の最期を身体に再現する『体質』を持ち、それをヒントに事件解決へと導いていきます。オムニバス形式で五つの事件が収録されています。

朝子くんがスティグマを発動するシーンはかなり強烈なのですが、ハードな絵柄がマッチしていて画面に引き込まれます。死者の悲しみ、苦しみさえも再現してしまう朝子くんは、自分自身の所在さえも曖昧になることがあり、行き過ぎることのないよう上司である黒岩さんが監査役としてそばにいます。

死者の心情や記憶だけでなく、スティグマの発動条件、消失条件などから犯人や殺害場所、死体を捜査していくのですが、人の心の闇や悲しみの描写がストーリーに深みを持たせ、読みごたえのある作品となっています。

続編では簡略化されていたスティグマの詳細がわかり、二人の関係が徐々に近づいていくのを感じられました。他レビューにもあるように、ここまできたらBLとして完結を見たい気持ちがよくわかります。数年越しではありますが、そんな読者の願いも叶えられた続編もとても素晴らしかったので、こちらと合わせてぜひ読んでみてほしいです。

1

刑事ものと聞いてワクワクされた方は是非。

作家インタビューでスティグマタ-愛痕-の記事を読んで、驚きました。
続編が読めるという事は震えるほど嬉しかったのですが、まさかまさかBL版で帰ってきてくれるなんて思ってもいなかった。
慌てて続編を注文し、スティグマタ-聖痕捜査-を読み返しました。

刑事もの、黒岩さんと朝子くんのバディものなのですが、朝子くんの「スティグマ」という異能があってこそのストーリー。
この異能がおもしろい。
死者の残留思念に同化し、自身の体を使って事件を再現するのです。ですので、刺殺体が発見された現場に朝子くんが行けば、朝子くんの体からは血飛沫が…という具合です。
いたるところから、たびたび血が飛び散りますので、苦手な方はご注意を。

物語の中では、黒岩さんと朝子くんの関係性を説明するわけでもなく、ましてや、突き詰めるわけでもない。親密ではないがただの上司と部下とも言いがたい関係。
事件捜査のストーリーを楽しむと同時に、関係性の不明瞭さもドキドキさせてくれるものがあり、とても印象に残っている作品でした。

基本的に1話1事件。5、6話のみ2話を使って1事件。複雑な事件は無いものの、どの事件をとってもお粗末な話は無い。偉そうな言い方をしますが、素晴らしい出来だと思います。

また、特徴的な美しい絵柄やシンプルなコマ割りには一見懐かしさを感じるのですが、時代遅れという意味では無いです。新しくすら感じる不思議。
背景も必要最低限といった感じなのに、場所の把握は容易。凄いです。

スティグマという能力設定に、キャラクター、加えてストーリー。どれをとっても面白い。
大満足。

0

バディもの

「雪と松」から入ったクチですが、こちら非BLといっても作者さんが腐女子と言っておられるだけあって、そんな雰囲気がじわじわと感じられる良作です。

スティグマとは、殺された人の魂に感応する特異体質で、これを活かした特殊捜査班のコンビが主人公。特異体質を持つ朝木(美人の方)と、感情がないというクールな黒岩。特殊捜査班で、トクボウを彷彿とさせる設定ですが、お話運びのテイストは全然違っていて、あちらが少年誌だとすると、こちらは女性誌でもいいかなという感じで、サスペンスとバディものがどことなく不気味にミックスした不思議な雰囲気です。

まだまだこれからというところで1巻は終わりますが、なんとBL誌で続編再開ということで、ご本家があれこれHなこともさせてくれるおつもりみたいで楽しみ!

1

オカルティック刑事もの(非BL)

ちょっとホラーちっくな香りもある刑事モノ、非BL。
こういうのは非常に好みなので、とっても面白かったです。

舞台は警視庁特命捜査対策室第6係。
警視と巡査と女性署員の3名で、捜査方法は朝子巡査の特殊能力を使っての心霊捜査。
朝子(←苗字)の能力、それは殺害現場に残る被害者の残留思念に感応し、殺害の被害を追体験して内側から被害者そのものとして被害者の記憶する犯人を見る、というもの。
つまり…
朝子は被害者となって犯人に殺される体験をする、ということ。
記憶/映像の体験ではありません。正に殴られ、刺され、首を絞められ、血を吹き出して「死ぬ」のです…!
こんな話読んだことない。非常に引き込まれました。
ただし、血液描写は「粒」のように描かれていてグロさは少しやわらいでいるように思えました。
そうして数々の事件を解決していく特捜6係ですが、同時に子供の頃からこの能力のために悲しい子供時代を過ごしてきた朝子の救済がテーマでもある。
上司の黒岩、同僚の岡本は朝子の能力を理解し信頼している。そのことがどれだけ朝子を救っているのか。
本作は非BLで、全く恋愛要素はありません。ただし黒岩への信頼関係や感謝は何かしらの「愛」に変容する余地はある。この作品の続編がBL誌で連載されることになっていくのも必然かと。
BLとしての「スティグマタ」も大いに期待です。

1

愛痕の前に

愛痕→聖痕捜査の順で読んでしまいましたが、断然「聖痕捜査」を先に読むことをおすすめします。「愛痕」だけだと2人の関係性の深まりが唐突に感じてしまいますが、「聖痕捜査」の下地ありきだと彼らの信頼感の高まりにより納得できます。

秀武先生の絵柄と血しぶきの派手さで目を引くものの、犯人逮捕の流れが全部面白い!ってわけではないのが少し残念。南くんの派手さに比べて犯人特定から自白の流れが地味な話もチラホラ。

黒岩さんが自分を冷たいと評するけど、冷たいとも少し違う気がする。熱い男だよ。

1

「スティグマタ‐愛痕‐」を読む前に読んで欲しい

「スティグマタ‐愛痕‐ 上下」巻を読んで、こちらが気になったので購入しました。

BLではないけれど黒岩と朝子の間に漂う空気感が何とも言えず萌えます。

こちらの作品を先に読んだ方が、より「スティグマタ‐愛痕‐」の理解が深まるし面白くなると思います。

残念ながらこちらの作品は一冊で止まってるんです。テンポの良い独創性溢れる展開がとても癖になります。

「スティグマタ‐愛痕‐」の方はじっくりと1つの事件を通して黒岩と朝子の恋愛にまで発展させていました。

ただ恋愛要素の無いこちらの作品も捨てがたいのです。

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