桜吹雪は月に舞う

sakurafubuki wa tsuki ni mau

桜吹雪は月に舞う
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×213
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
8
得点
130
評価数
34
平均
3.9 / 5
神率
35.3%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
華は褥に咲き狂う
発売日
価格
¥710(税抜)  
ISBN
9784796410267

あらすじ

高位旗本 統山家の跡取りで永崎奉行・統山鷹文の一人息子・好文は、
家出をしてごろつきに狙われた所を、金眼の男に助けられた。
異様な存在感を放つその明星という男は一目見て好文に惚れたという。
好文を甲斐甲斐しく世話し、甘やかす明星。
共に過ごすうちに、愛情だけでなく快感までも与えてくれる男の存在は好文の中で大きくなっていった。
しかし明星には、好文の知らない裏の顔があり――?

表題作桜吹雪は月に舞う

明星・好文を助けた謎の男
統山好文・旗本 統山家の嫡男・17歳

レビュー投稿数8

桜吹雪に込められた想い(*´ω`*)

小説Dearプラスにてこちらの続きになるお話を読んで、俄然興味を持ち手に取りました。
なんちゃってとうやまのきんさんストーリー。
とはいえ、とてもきちんと調べられて書かれたものだなぁ、と納得の世界観。


受け様は、旗本の統山家の跡取り息子である好文。
何くれとなく世話をやいてくれている母親変わりの守り役の実醇と、敬愛する父鷹文の閨事を見てショックを受け屋敷を飛び出してしまう。
狼藉者に襲われていたところを、一人の偉丈夫に助けられる。

この訳アリの偉丈夫こそ、攻め様の明星。

行くあてのない好文は、錦次と名乗って明星の世話になることに。

基本好文視点で進むのだけど、ちょい明星視点も挟んであるので、無垢でおぼこい好文にムラムラしつつも手を出さない明星ににやにやしちゃう。
しかも1年もかい(☉。☉)!
素晴らしい忍耐力!
でも、それだからこそ明星の思惑通り、好文は明星に心を許し、特別な男となり得た訳だしね。


家に戻った好文は、"統山の錦さん"として活躍していく。
そして、明星の背負った壮絶な過去と、"百人斬り"という二つ名を持つ大罪人としての今。


あの有名な桜吹雪が、こんな哀切や決意を秘めるものになるなんて。
今は「百人斬りの情人」の証でも、いつかは「正義の紋所」にしてみせよう、という好文の覚悟が男前でよかった(*´ω`*)


好文を手中に落としたい明星。
掌中の珠として好文を溺愛している実醇と鷹文。
これからが楽しみで仕方ありません。


イラストは笠井あゆみ先生。
2人のお初まぐわいシーン。
あの構図、キャー♡(> ਊ <)♡
どのイラストも美しゅうございました。

1

美麗なトーヤマのキンさんだった

BL版娯楽時代物
江戸町奉行・遠山金四郎景元/北町奉行遠山の金さんと、暴れん坊将軍のパロディだから、面白くない訳ない、
物凄く面白かった。
時代物が嫌いじゃ無ければ、是非読んでみてください。面白いから。

BL版のキンさんは、紅梅の精のように美しくて、華奢で可愛らしい。
統山鷹文の一人息子・好文は、父に溺愛され、実母が早世したあと、母代わり(メンズ母性)の美麗な剣客・実醇(サネアツ)に育てられる。
父親と情人の現場を目撃して家出。街で輩に絡まれているところを助けてもらったのが明星。
明星から溺愛を受けて、恋をする。
明星の勧めで、好文は、体温が上がると色絵が浮き出る桜吹雪の入れ墨を入れる。
対の梅の入れ墨を、恋人の明星が入れている。
好文は明星に「親子の愛」を諭される。考え直した好文が家に戻ると、好文暗殺計画が待っていた。好文を明星が助けて落着するが、一件は好文の手柄として扱われ、好文は北町奉行に就く。
その後、二人は、事情があって会えなくなってしまうが、明星は陰からずっと好文を守り続ける。

架空の国名や地名を使っているけれど、
江戸時代の武家言葉、町民の江戸言葉、武士や幕府の江戸統治の様子など、資料を良く調べて書かれているなーと思いました。金さんの家については、ほぼ史実。
でも、金さんと暴れん坊将軍は、時代考証曖昧のパロディ組み込み。

新書館ディアプラス文庫から続編が出る予定があるらしいのですが、まだ出ていない。残念。
違うシリーズは、あるみたい。笠井さんのイラストは、この1巻だけ。
この本を読み終えたら、関連するシリーズ全部を読むつもり。

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★吉宗は、隠居後も勢力を持っていたから、金さんの奉行の任期中と少し被るかな?

遠山の金さん:江戸町奉行・遠山金四郎景元
1793年9月27日〈寛政5年8月23日〉- 1855年4月15日〈安政2年2月29日〉)
幼名は通之進、通称は実父と同じ金四郎(きんしろう)。官位は従五位下左衛門少尉。

暴れん坊将軍:徳川吉宗 - 江戸幕府の第8代将軍
(在職:1716年 - 1745年)
幕府権力の再興に務め、増税と質素倹約による幕政改革、新田開発など公共政策、公事方御定書の制定、市民の意見を取り入れるための目安箱の設置などの享保の改革を実行した。徳川家重に将軍の座を譲った後も大御所として権力を維持

1

シリーズになる?

神にしたいですがまだまだ続くようなのでこの評価でした。

父親と育ての親に溺愛されて箱入り息子である好文は李発な子だとは思うのですが、余りにも外界と遮断されていて気の毒でさえあります。

そして幼いが上に父親と育ての親の2人の関係にショックを受けて、勝手に誤解して屋敷を飛び出してしまうのです。

ごろつきに狙われて明星に助けて貰うも、隙の無い明星からは既に逃げられないのです。それでもいつかはという思いと親への反発から明星の元に留まります。

明星は好文の正体を知りながら嘘の身分と名前をそのまま受け入れて、何でも願いを叶えて守って行くのです。好文にとって初めて家族以外に甘えられる人間になったのです。そして1年経つ頃には身体も繋げる間柄になります。

そんな中で好文を狙った暗殺事件があり、明星の凄まじい剣技で助かるのです。明星の注意を聞かず屋敷に戻った好文は義叔父に命を狙われる事になります。覚悟を決めて戦おうとした好文の前に、明星が現れて義叔父や義祖父やその家臣や雇われた剣客まで皆殺しにするのです。

そこに育ての親である茨木が駆け込み、明星の正体を告げます。明星は去りますがこの時に好文は騙されていたと怒るんですよね。相変わらず幼いんです。

それでも時間が経って自分が知っている明星を考えてみたりしています。茨木が明星の元に行ったら腹を切って死ぬと脅すのです。そして父親と2人で画策して暗躍して好文を北町奉行所の奉行にするのです。

明星が何故罪を犯してしまったのかを知った好文は一緒に居られない道を進みながら、背中の明星の物である証の桜吹雪の彫りを正義の紋章にする為に動き始めました。

好文と明星は一緒にいる事がいつの日か叶うのか?父親と茨木の好文に対する囲い込みはいつか無くなるのかとても気になります。

物語はまだ始まったばかりです。
光彬の孫の将軍光護はどんな政をするのかもとても気になる作品でした。

2

つづくのかな・・・?

宮緒先生の小説をすごく久しぶりに読みました。笠井先生のイラストが美麗すぎて気になってはいたのですが、宮緒先生の作品は当たりはずれがあるので、少し慎重になりながら読みました(笑)
内容としては、華は褥~シリーズ構成と同じ世界観で、(華は褥~がシリーズものだというのも最近知ったのですが) 遠山の〇さんをモチーフにされているようで。私も全然気づかず、他の方のレビューで気づきました。
受けの好文が世間知らずの坊ちゃんすぎて、最初はアレ?だったんですが、だんだん世間を知ってマシになってきてよかったです。攻めの明星は宮緒先生らしい攻め様で途中二人はくっつきますが、最後別れた?ことが新鮮でした。
私は最後はハッピーエンドで終わる作品ばかり読んでるからか、まさかこうなるとは!という感じでした。多分、続きますよね・・・?これで終わりなら、少し消化不良のような。終わり方が私的には斬新でした。

そして、公式カプより気になったのが、好文の母親代わりの実醇。彼は好文と好文父のことをどう思ってるのか。
好文父も実醇のことをどう思っているのか。
二人は関係を持っているようですが、実醇は好文父の命令に従っているだけですし、好文父も実醇を駒と言っているし・・・。また、好文父は好文も交ぜよう発言があったりして、好文父は好文のことを性的に愛しているのか、はたまた家族愛が行き過ぎた結果ああ言っているのか・・・後者だと思いたいのですが、わかりませんでした。

最後のページに笠井先生のイラストで好文父のイラストがあり、スーパー攻め様と書かれてました。たしかに好文父、かっこよかったです。しかし、スーパー攻め様から生まれた子供はスーパー攻め様にならず受けになり、容姿も父に似ず、母に似たからあんな可愛い子になるんだなと思いました。

最終的な評価としては、正直あまり萌えませんでした。内容だけでは中立ですが、新鮮な終わり方と、好文と実醇の今後が気になったので萌評価になりました。

3

俺の桜の花

華は褥に咲き狂うシリーズの少し先の恵渡のお話ですね。華褥シリーズの世界観が生きていてあの方がこの方に受け継がれたんだ!などニヤリとします。

好文の甘やかされっぷりがすごいですね。家出をしたのが17歳だと思われるのですが、それまで茨木や父上に抱かれたり(親愛の意味で)膝だっこされたり、一番に自分が愛されてると信じていたところに二人の情事を覗き見し、父上と母親がわりの茨木が!とショックと、二人がお互いを愛し合ってるなら自分は一番じゃないんだと家出してしまいます。

お話は面白いし攻めと最終的にくっつかずでも繋がり続けるのは新鮮でした。明星もスーパー攻め様ですし。なのになぜか萌え切れず。なぜだろう。
明星もやはり保護者っぽいからかなあ。俺の桜の花と愛でて大切に囲いこみ、父上と茨木への複雑な気持ちを交わいで身をもって教えてくれたり。その後は毎日交わってたようですが。

好文の恋心もはっきりしないまま、明星の情人の証の刺青も意味を知らぬまま入れられ、色々となんだかすっきりせず。

恐れながら言わせてもらうと茨木と好文のカップルが読んで見たかったです。

2

箱入り息子が桜吹雪を背負うまで

華は褥に〜のシリーズが大好きなので、購入しました。
同じ世界観ではありますが、時代が違うので前作を読んでいなくてもあまり問題ではないと思います。

時代小説好きな為、『あっぱれ!!』なストーリーと『これにて一件落着!』というラストに興奮しました。登場人物も皆個性豊かで魅力的です。私も実醇は気になりました。刀の腕前は相当なものなのにオカンってww
あと、ワンコな桃若も。
今回はまだ序章で終わった様な気がします。恋愛の面においても北町奉行としての役割も、これから本格的に始まるよってとこですかね。

多くの人に支えられながら成長する好文はとても健気で可愛らしいのですが、うーん・・・脇キャラの方が気になって、明星に対しては“なんか危ない奴”という印象しか残らなかったのが残念です。この作品も、続きがあるんですよね?
こちらの続編も気になりますが、私はどちらかといえば華は褥〜シリーズの方が好みなので、そちらも是非まだまだ続いて欲しいです

3

犬とか蛇も出るけど、それだけじゃない

お恵渡を舞台にした、これはまた別の話(こっちも続編を是非!)。
光彬さまご夫婦の活躍した時代から二代後のお話です。そして、今度はお白州ですよ、お白州。お白州と言えば「あの人」と決まっていますよねっ!

「華は褥に~」のシリーズ(まだ二作しか出ていないけれど、シリーズ化するはずだと勝手に決めている)の皆さんより、主人公の好文はちょっと若くて世間知らず。おぼこい印象です。登場する皆さんもあまり裏表のない人たちが多い。明星も裏世界の人だけど、陰謀術作を駆使するというタイプではなく、自分なりの価値観を守っているタイプの人だし。そういう設定であるからこそ、好文の「成長物語」的な要素を強く感じます。話は血飛沫も舞うし、身分差だとかのやりきれない部分も多いのに、読後感が爽快なのは、様々な困難に向かいながら好文が真っ直ぐ生きようとしているからでしょう。

宮緒さんはデビュー作からずっと読んできましたが、この恵渡を舞台としたお話は語り口がとても上手くて感心しちゃいます。相変わらず、犬とか蛇とかいっぱい出てくるんですが(笑)。でも、犬や蛇そのものを書いているという感じじゃなくて、お話の中にそういう登場人物がちりばめられている、という感じなんです。(鷹文の好文に対する盲愛ぶりに「え?父×子っていう話じゃないよね?」と思ってしまったのは「蜜家族」の所為だと思う)良い素材をふんだんに使って、超絶調理法を駆使した料理を食べた様な気分になっています。

3

宮緒さんらしいストーリー

作家買いです。ネタバレ含んでいます。ご注意を。







宮緒作品の『華は褥に咲き狂う』と同じ世界観のお話。
絵師さんが違うので、んん?どこかで読んだような設定だなあと思いつつも少し気づきませんでした。名前だけですが光彬もちょびっと登場します。
時系列でいうと八代目将軍の光彬の孫が現将軍、という設定になっています。

主人公は旗本 統山家の長男・好文。
ほぼ彼視点でストーリーは展開していきます。

好文は母親似の美しいビジュアルに、素直で勤勉な性格。
父親と、母亡きあと母親代わりに世話をしてくれている実醇を中心に大切に育てられています。

彼の家庭環境はちょっと複雑で、父である統山鷹文は彼の父(好文からすると祖父)とは血がつながっていない関係。跡取りとして養子として迎えられましたが、鷹文が着々と出世していく最中に祖父に実子が生まれます。

跡取りとして自分の息子・俊一郎を鷹文の跡に据えたい祖父。
自分が家督を継ぎたい俊一郎。
放蕩息子の俊一郎ではなく、実子の好文を跡継ぎにするつもりの鷹文。

この三者の思惑が、ちょっと複雑に絡んできます。
俊一郎は好文を蹴落とすために、鷹文と実醇が閨を共にする関係だという事を好文にばらしてしまいます。そのことを知った好文は、父親と母親とも慕っていた実醇の『一番』の存在が自分ではないと思い込み、ショックを受けて家出をするのですが、そこでならず者に襲われることに。

そこを助けてくれたのが明星と名乗る男。
家に帰りたくない好文と、好文に惚れたという明星の思惑が合致し、そのまま明星の元で暮らし始める好文ですが…。

この明星という男が何やら秘密めいた男性で、好文に惚れているのはまごうことなき事実ではあるのですが、いかんせんミステリアス。

好文はいいところのお坊ちゃんなので、人を疑う事を知らず、明星の言った言葉を信じ切っていますが、基本いい子なのでそこで暮らしている人たちにも愛される優しい子。なので明星の正体を知った時にどうなってしまうのかハラハラしながら読み進めました。

ただ明星は宮緒さんらしいわんこ攻め。
好文のためなら何でもしてしまう、忠実な、そして執着心いっぱいなわんこちゃん。
個人的に宮緒作品のわんこ攻めってとってもツボなのです。

一方の実醇も、好文を心から大切にしている、やさしい人。
実醇と鷹文の、好文への愛情は本物で、なので実醇と鷹文の元に帰るのか、はたまた明星のもとに残るのか、そのあたりも含めて、面白くて一気に読んでしまいました。

表紙の絵柄とタイトルからも何となく想像できるように、これ、「遠山の〇さん」をイメージしてるんでしょうね。
色々な要素が絡み合って、終盤、好文は北町奉行に命じられます。
明星のもとにいた頃に、背中に桜の入れ墨を明星の希望によって入れられますが、もうまんま「〇さん」です(爆)。
ちなみに『華は褥に咲き狂う』は「〇れん坊将軍」だなあと思いつつ読んでいたのでちょっと笑ってしまった。

様々な伏線を回収しつつ、二転三転と進むストーリーはさすが宮尾さんといったところか。
個人的に実醇がとってもツボだったので、鷹文とのスピンオフも出してほしいな。鷹文は、ぜったい実醇にべタ惚れだと思うんだけど。

人を殺めるシーンもあったりするので苦手な方もいらっしゃるかなと思いますが、基本的にドシリアスな展開ではないのでさらっと読める作品でした。

面白かったのですが、これ続き物なのかなあ…。
明星と好文の関係が、良いところに着地してほしいと願っています。

9

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