条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
wander vogel
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
読者の読み取る力に委ねられているのでピンとこなければスッキリしないまま終わりますが、ピンときた時には「面白い!」と手放しで絶賛したくなるような1冊です。
そして、登場人物達の色気に当てられてBLとしてもしっかり満足度◎でした^^
草間さん惚れ惚れするなぁ。
「見えない友達」と「ワンダーフォーゲル」という2つのお話が入っています。
これらは相互に絡み合っていて、「ワンダーフォーゲル」を読むと「見えない友達」の側面が見えるようになっていて、一方で「見えない友達」は「ワンダーフォーゲル」を読むための布石のような位置付けになっています。
誰をメインの主人公に据えて読むかで印象がカメレオンのように変わる1冊かもしれません。
ここから先少しネタバレし過ぎかもなので、未読の方は読み飛ばしてもらう方がいいかもです。
「見えない友達」は、子供の頃に遊んだ「友達」が実在していたのかイマジナリーフレンドだったのかよく分からない、という体裁で始まります。
話が見えない最初のうちは「得体の知れないぞわぞわ感」が付いて回る不思議なお話という印象なのですが、解ってしまうと実はもっと直接的に背筋がゾワっとするような事実が隠されている(かもしれない)…というあんばい。
隠されている(かもしれない)ものは「ワンダーフォーゲル」の番外編まで読み切ってもう一度本作を読み返すことでぶわっと浮き上がってくる。
「ワンダーフォーゲル」内のセリフをそのまま引用するなら、
「父親は彼を連れて逃げた/おじいさんは閉じ込めて/君がやっと外に放した」そんなお姫様救出劇。
本編では巧妙にヒントだけばら撒いて真実は何も明かされないのですが、
「しろう君は(中略)ずっと俺のヒーローだもん」
このセリフの意味が解った時に襲いかかってくる、背筋を凍らせるような破壊力ったらありません。
(かもしれない)としつこく括弧書きするのは、推理小説のようにラストに何もかもが明らかになるわけではないから。
読んだ者の頭に浮かんだであろう「真実」は、あくまでも作者によって誘導された読者の推察にしか過ぎないのです。
と、そんなレビューを書くに至らせるのが、次のお話。
「ワンダーフォーゲル」は、他人の頭の中が読めるという小説家のお話。
これがさてうまくレビューを書けるだろうか…という感じのお話なのですが・・・
あらすじなどはさておいて、ここは自分の感じた「面白味」を書き残しておこうと思います。
冒頭で“「見えない友達」は「ワンダーフォーゲル」を読むための布石”と書いたのは、「見えない友達」が「ワンダーフォーゲル」で描かれていることを理解するために用意された解り易い事例の役割を担っていると思うから。
ある側面を見聞きして何かを知ろうとする時、そこにはたいていの場合多くの思い込みや推察といったものが加わるんだけど、そのことに本人はなかなか気付けないもの。
そんな教訓めいたものを面白く肉付けして「物語」に昇華させたのがこのお話なんじゃないかなと自分なりに着地しています。
ここに出てくる小説家の〔伊武〕は、人の頭の中にある物語を読んで代わりに自分が文章に起こしているだけ、だからこれらは自分の生み出した物語ではないという。
読者はそれまでの話の流れで伊武が人の心を読むシーンを見せられているから「ああ、そういう話か」と伊武の主張をすんなり受け入れて読んでいく。
それを沖津が「目を覚ませ!」と言わんばかりに真っ向から否定する。
「あんたの書いた本はあんたの頭から出た話だ」
最初よく分からなかったんですよ。結局どっちなの?って混乱するんです。
そこでもう一度読み直してみると「ああ、そういう話だったんだ…!」って気付くことがある。
〔沖津〕という俯瞰的な視点が、作者の意図的なリードによって一方に寄せられてしまっていた読者の視点の偏りを矯正してくれるんです。
沖津の「閉所恐怖症」という設定は、「広い視点から見る」というのを暗喩しているのかな?なんて思いました。
で、ん?待てよ?それじゃあ…とまた「見えない友達」に戻って読み直していくと、先に書いたような感想に最終的に行き着くわけです。
いかに「それ」が事実っぽくても推察は推察でしかない。本当に本当の真実は当事者にしか分からない。
そしてその当事者達はすでに亡くなっているか記憶を失っている。
真実はもう誰にも分からない。
全部がハッキリと明かされないのはきっと“敢えて”なんだなと。
軽く鳥肌が立つような仕掛けのある、読み甲斐も読み応えも十二分な1冊でした。
…という私のこのレビュー自体がそもそも私の勝手な思い込みの加わった考察かもしれませんよね。
やー面白かった!
そして「ワンダーフォーゲル」のおねショタみあるカップリング、萌えでした♡
【電子】ebj版:修正○、カバー下○(1p)、裏表紙×、電子限定特典(4p)付き
大好きな草間さんの最新作!
読み手の理解力が試されるような、伏線などはちょっと難しいですが、
読み返しに堪え得る良作だと思います。
(「分かりやすい」のが好きな方にはお勧めできませんが。。)
伊武さんの能力が本当なのか思い込みなのかはっきり書かれていません。
でも、稜が「妄想でもあんたにとっちゃ真実なんだろ」と
自分は信じてなくても相手がそう思うならそれでいい、と許容するところに
大きな愛を感じました。
登場人物の4人とも皆かわいくてニヤニヤ。
最近はエロ濃度が高い作品には胸やけ気味なので(定期的にこういう時期がある)、
そういう意味でも今の気分にぴったり。
上半期一押しです。
草間さんの新刊という事で楽しみに待っていました。
『みえない友達』と『ワンダーフォーゲル』の2つの話が収録されていますが、それぞれ独立した短編かと思いきや草間さんらしい、というのか、絶妙にリンクした関係の2組の恋人たちのお話。
草間ワールド満載。です。
序盤、まったく意味が分からない。
前半は『みえない友達』。
自分しか知らない、ほかの誰も存在を知らない「みえない友達」と探しているという一人の大学生・平坂くんが主人公。
平坂くんが子どもだった頃に一緒に遊んだゆうとくん。
ゆうちゃんが見知らぬおじさんに連れていかれるところを目撃した平坂くん。
けれど、そのことを大人に話してもだれも「ゆうとくん」を知らない。
「ゆうとくん」は実在した男の子だったのかー。
後半(というか表題作)の『ワンダーフォーゲル』では、人の考えることが読めてしまうという不思議な能力を持つ作家さんが登場。
ホラー要素はバリバリあるのですが、おどろおどろしさはほぼなく、「ゆうとくん」は本当にいるのか、いるのなら今どこにいるのか、を軸にストーリーは展開していきます。
「ゆうとくん」の存在のために今現在もトラウマに悩む青年たち。
一体だれが「誰」で、人間関係がどうなっているのか、というのが非常にわかりづらい。
分かりづらいのだけれど、そこかしこに撒かれた伏線が少しずつつながっていき、パズルのピースがぴたりとはまるように答えが分かる。読んでいるときは意味が分からなかったところが、後々「あれはそういう意味だったのかな?」と分かる。伏線の張り方、そして回収の仕方。そういったストーリー展開に仕方はさすが草間さんといったところか。
けれど、本当はどうなのか、というのは読者にゆだねられているのかも。読んだ人それぞれが、好きなように、感性のままに「こうなんだろう」と思ったのが、その人なりの正解なんじゃないかな、と。
草間さんの絵柄って、綺麗なのですがちょっとレトロっていうのかな。
なので不可思議なストーリーですが、和の雰囲気に満ち溢れていて、ホラーというよりも「夏の夜の怪談」といった雰囲気のお話でした。
なかなかわかりづらいお話ではあるのですが、個人的にはとっても面白かった。草間さんらしい、複雑で、でも優しい想いに満ち溢れた神作品でした。
みな様レビューで書かれているように、とにかく難解(笑)設定も状況も人物の名前さえも分かりにくい〰‼
さりげなく名前とか年齢など冒頭には置かれているものですが、全くそんな優しさなどなく「えっ、これってもしかして何かの続編なのかな…」っと『ちるちる』で確認してしまいました(笑)
さらには『みえない友達』と『ワンダーフォーゲル』の二部構成なのですが、あんた誰?って人がいきなり出てきて明らかにされることもなく前半終了とか、とにかく行って帰ってちょっとわかって、また行って帰ってちょっとわかるというのを繰り返し、最後まできてなんとなくわかったようなわかんないような…で、再度冒頭から読む。と、いうことを繰り返していくうちになんでだろう…すごくよくなってくる!恐るべし、草間マジック(笑)
萌えシーンとか熱い想いをいっぱい書きたいのですが、あまり情報を入れてしまうとせっかくの謎解きの面白さが半減してしまうので、難解なところしか書けませんでしたが、わかりづらくて、行って帰ってするのもこの作品のよさだと思いますので、ぜひ一読されることをオススメします。
私は大人のイブさんにたまらない萌えを感じました(うっとり)後半の『ワンダーフォーゲル』にはご褒美シーンもありますので、途中で投げずに最終ページまで到達して下さい!
ミステリー調の作品が多い草間さかえ先生の中でも、初っ端から謎だらけの作品です。
◾︎みえない友達
難解との前評判ではありましたが、初読のとき先生の新刊が嬉しくて異常な集中力だったため、すんなり読めました。しかし、暫く経って軽い気持ちで読み返していたら途中道に迷いました笑
登場人物の名前をきっちり噛み砕きながら読む事をお勧めします。
◾︎ワンダーフォーゲル
「みえない友達」ありきのお話です。「みえない友達」はBL的萌が薄めですが、こちらは沖縄の空気感と、イブさん(受 小説家)の色気と、沖津(攻め 閉所恐怖症)のエロさが相まって草間先生らしい濃厚さです。ストーリーの構造や脇キャラも好き。
※電子書籍 カバー裏漫画有り
電子限定おまけ漫画4枚(ネタ系 面白いです)
読み終えて〜すっごく満足の内容でしてた。
話の内容が、深くて〜めちゃくちゃ集中して読んでしまった。
これは、ネタバレ無しで読んで欲しい・・・
ってか、ネタバレを簡潔に伝える自信がない・・・くらい、深い。
神作です!
ストーリーがしっかりしていて読み応えがあってとても好きでした!出会ってくっついて終わりなだけではないというか。しっかりと登場人物の過去や人となりが描かれていると思いました。ミステリー要素もあって面白かったです。
最初に登場するしろう君とゆうちゃんがメインの話かと思いきや、途中から稜とイブさんがメインの話になっていきます。
イブさんは魔性な感じがするけど、稜が自分のことを大好きだと信じて疑わないところがかわいい。
稜は最初は少し嫌なやつとして登場したけど、どんどん優しくて人間らしい面が見えてくるにつれてとても魅力的に見えてくる。
二人が幸せそうな様子が読めて最高です!
しろう君とゆうちゃんの話ももっと読みたかったな!
表題作である『ワンダーフォーゲル』、そしてそのスピンオフである『みえない友達』から成る1冊です。
でもスピンオフというよりは、その2作でひとつの作品というほうが正しいかも。
時系列で古いほうの『みえない友達』が先に収録されていました。
一読しただけでは意味がわからない出だしです。最後まで読んで、その後『ワンダーフォーゲル』まで読んでようやく理解できるような、でも完全には理解できないような感じです。
わからないなりにパーっと読み流してしまえる人ならいいのですが、意味がわからないと何度もページを戻って確認するタイプの読者が読むとキツイかも、と思いました。個人的に私がそうで、えっマルチの勧誘って何? とか、どのキャラが何て名前? とか、冒頭の10ページくらいを何度行きつ戻りつしながら読んだことか…。
わざとそういう謎解きを仕込んでおられるのでしょうが、ちょっと不親切な印象を持ってしまいました。意地の悪いミスリードは、伏線とはまた違うと思うので。
謎解きタイプのお話なので、ストーリー展開などのネタバレは避け、簡単なあらすじの紹介のみに留めます。
『みえない友達』
主人公には小さい頃、女の子のように可愛らしく、懐っこい同年代の友達がいた。ある日主人公は、その友達が誘拐されるのを目撃してしまう。親や警察に訴えたが、誰もその友達のことを知らず、そんな男の子は存在しないとされた。
しかし大学に入ったのち、事態は進展を見せ…。
ソワッとするようなストーリーが、読んでいるうちに謎が解けていき、でも最後に主人公が脇役の友人のみに告げるセリフにまたソワッとします。
終わったあとにもう一度、そしてスピンオフの『ワンダーフォーゲル』を読んだあとにもう一度読むのが必須な作品。
『ワンダーフォーゲル』
奄美大島が舞台の、閉所恐怖症の攻めと、人の心が読めるという小説家受けの話です。
年齢表記はありませんが、攻めが年下だそうです。
背筋がそわそわする『みえない友達』と比べると、サスペンス調ではあるけれど、可愛らしくほのぼのしたお話でした。受けは謎が多いけれど天然、攻めはあまり深く物事を考えないスカッとタイプ。閉所恐怖症で、屋内で眠ることさえできないのに、必要以上に卑屈にならず男前でサッパリした攻めがかっこよかったです。
発売初日に読んだきりで放置してました。
まず初っ端からつまずきました。いきなりお話が始まった感じでこれ、何かの続きものだったっけ??と思ったほど。会話の中の誰が誰で、何のことを言ってるのか判らない。頭の中が?マークでいっぱいになりながら読み進めないといけない。
とりあえず最初のあたりは、誰でも混乱すると思いますので細かいことにこだわらずに読み進めましょう!
久しぶりに読んだ二度目ですら、冒頭部分はあれ、何だったっけ?となったので。(私だけ?)
挫折しそうになりながら忍耐強く読み進めていくと、一冊読み終わった時にあぁ、あれはそういうことだったのかと判るようにはなってますけど、それでも隅々まで明確に判るというものではなく、読み手の想像の任せる部分もあり、一度目では到底把握しきれないでしょう。だから何度も何度も読んだほうが面白い類の作品で草間さんらしいなと思います。
でもその何度も読みたい!という意欲を起こさせるか、もういいや…と思ってしまうかという点で人を選ぶかと。
私は三度目くらいで面白いと思い始めました。
最初のお話 【みえない友達】
しろうは小学一年生の頃、遊び友達のゆうちゃんがある日、誘拐されるのを見てしまう。
警察や親に訴えるも、そんな子はいないと言われ…その子がイマジナリーフレンドだったのか実在したのかというところから始まります。謎解きのようなお話です。
しろうが最後、友人にだけ打ち明けた「…昔キスしたって〜」のくだりがぞっとします。
そんな幼い子供がそういう行為を知っていて友達に行ったという事実の裏には、とんでもない背景が隠されていたのではないか?
当時を知ってる人たちは死んでしまっている。本人も当時の記憶を消されている。(祖父が催眠療法に長けた精神科だった)消したほうがいいと判断された過去は何だったのか、は読み手の推測に任されていますが私の予想通りなら無理に思い出さないほうがいい気がする。
【ワンダーフォーゲル】
人の心が読めると自分で言っている小説家とみえない友達にも登場していた重度の閉所恐怖症の男という組み合わせ。この小説家のまとっている雰囲気が好きです。魔性です。
沖縄のざわざわとした木々やら風やらの自然の中で重度の閉所恐怖症と妄想症持ちのいわば心の病持ちの二人が少しずつ開放的になっていくところが良かったな。海の匂いを含んだ風や草いきれが感じられる。
電子版の特典 「イブ先生のなんでも相談室」
イブさんが先生に扮してゆうちゃん、南くん、しろうくん、沖津がそれぞれの悩みを相談するというやつです。全部で4ページあります。
これが作品の中で一番ほのぼのとしていて、それぞれのキャラが際立って描かれていて面白かった。
これが一番素直に面白い!と言えるかもしれない。
元々草間さんのお話は難解な雰囲気があったのですが、これは特にミステリアス!
皆さん思っているように、最初の「みえない友達」は初っ端からややこしく、
ページが進んでも、キャラクターの言動、感情が理解できなくて、
どうして今こうなっているのかが分かりづらい。
私も理解しきれないまま最初の作品を読んで、?マークを飛ばしつつ次へ。
最後まで読み終えて、
なるほど、もしかしたらこういうことだった……のかもしれない
……と、色々ぼんやりと理解。
しかし、不思議とまた読み返したくなる。
理解したい欲求、謎解きしたい欲求なのかな。
そう思ってしまう、草間作品の不思議と魅力。
何度も読み返して、自分の中で消化できたら、多分神評価になりそう。
でも、まだ不完全なので、「萌×2」!