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aka no theater
初めて書くのでレビューの書き方を知りません。
ごめんなさい
最高によくできている作品だと思います
赤い靴をしっかりオマージュしていて
丁寧に話が組まれて描かれている
耽美的で狂気に縁取られた美しい
プロの作品だと感銘しました
結局、アダム ユーリ カルロスもミハイルも
誰もが自分にとって大切な1人の人を
愛し続けている。そんな素敵な作品です。
読み始めは、痛々しくもあり
私は引きましたが
読みきってみると泣けました。
カルロスとミハイルの話もぜひ見たいです
作家買いです。緒川さんの新刊はちょい痛い系のお話。ネタバレ含んでいます。ご注意を。
童話『赤いくつ』を下地に、それぞれの欲望を満たすため奮闘する男たちのお話。
女性靴ブランド「アバルキン」の若き経営者・ユーリ。デザイナー兼広告塔を務める美しい青年。
そして、ユーリに忠実に尽くすマネージャーのアダム。マネージャーとは仮の姿で、彼の実態は「アバルキン」のゴーストデザイナー。
貧しい過程で生まれ育ったアダムは、清掃夫として働き始めた劇場で見かけた踊り子の靴に魅せられ、そこからユーリの母親であり「アバルキン」の経営者だったユリアにデザインを認められ雇用されたという経歴を持つ。
「靴」のために全精力を注ぎ、そして、靴を「魅せる」ためのミューズとして、はじめはユリアを、そしてユリア亡きあとはユーリを利用している。
「靴」のためにユーリに枕営業させてもへっちゃら。
そんなシーンから始まっていて、ユーリが気の毒で…。
けれどユーリはというと。
アダムのつくった靴を世間に認めさせることだけが彼の希望。
そのためならキモいオッサンに抱かれるのも気にしない。
高いヒールをはき続け、自分の足がボロボロになっても厭わない。
という健気さん。見方を変えれば豪胆な人、ともいえる。
そしてもう一人。
ユーリの叔父・ミハエル。
この人は「アバルキン」存続のためならユーリに枕営業させることも、必要ならそんなユーリをあっさり切り捨てることもできる。
登場人物たち全員が、それぞれ大切なものを抱え、そしてそれを守るためなら何を切り捨てても構わないと思っている人たちばかり。
なので、読み始めたときはなんとも痛く、もの哀しいストーリーだなと思いつつ読み進めたのですが。
話が進んでいくうちに彼らが「大切にしているもの」への愛情が透けて見えてくるようになると、なんとも切ない純愛のお話なんだと分かってくるんです。
ユーリとアダムの出会い。
そしてお互いへの愛情。
そういうものをあけすけではなく少しずつ見せながら、アダムが本当にとらわれていたのは「靴」ではなく…。
というストーリー展開が素晴らしかった。
本当は好きでもないオッサンたちに抱かれるのが嫌なユーリ。
アダムの靴を売り込みたいという気持ちだけで踏ん張っている彼が、少しずつ心を病んでいく描写がなんともお上手。
ちょっとしたことで泣いてみたり、怒ってみたり。
そんなユーリを解放してやりたいと思いつつ手放せなかったアダム。
緒川さんの、繊細で少し病んだ感じの絵柄が良い感じに絡み合って、綺麗、でもちょっと病んでる。という雰囲気がなんとも淫靡で、哀しく、そして美しかった。
終盤に叔父・ミハエルと、ミハエルに執着し、それゆえに「アバルキン」を追い詰めていくガルシアのお話が。
ガチムチです!
緒川さんのガチムチはちょっとレアかな?
ミハエルのしたたかさ(「アバルキン」を守りたいが故の気持ちゆえですが)と、ガルシアのミハエルへの純愛がねえ、これまたとっても良かった。
ユーリを守ったときに負ったけがのせいで靴は作れなくなってしまったけれど、彼だけの「ミューズ」を守り、得ることのできたアダムが幸せそうでよかった。
欲を言えば、この二人のバカップルぶりがもう少し読みたかったな、と思うのだけれど、シリアスと、ダークさと、純愛が良い感じでミックスされている神作品でした。
Pixivコミックで1話試し読み出来ました!
華やかなスポットライトと、闇をはらむ裏側。
攻めと受けの歪な関係にハラハラする序盤となってます。
今回は黒い方の緒川さんかな?とドキドキしたのですが
気持ちが暖かくなれるラストで安心しました(﹡´◡`﹡ )
また、番外編は気品のあるおじさま×おじさま!!!
もちろん(?)足元はピンヒールで、とても素敵で眼福です。
緒川さんの描く男の色気が詰まった1冊でした。
受けは、経営者兼靴のデザイナー。
アンドロジナスな容姿に、オートクチュールのスーツを身につけ、自社のパンプスを履いて歩く。
スーツにパンプスが一見アンバランスかと思いきや違和感がなく、むしろ色っぽいです。
自ら広告塔となり宣伝し、夜は靴を売るのに有益な人物の相手をする娼婦となり…。
デザイナーというのは表向きの肩書きであり、実際は側近である攻めが靴のデザイナー。
受けがどんな苦痛な思いをしようと娼婦になるのは、全て攻めの作る靴のため。
表の顔と裏の顔を使いこなす根底には純愛があり、遣る瀬無い切なさが込み上げてくる…。
攻めは靴の魅力に取り憑かれた印象。
受けは自分の作品のミューズであり、受けを見てるとインスピレーションが湧く。
本人が望まない枕営業の最中も、ずっと側で受けを見てて、苦しがる受けを見て微笑む。
受けの好意を知った上で
自分が思うような靴を作り続けるために受けを操り人形だと揶揄するような人です。
最初こそそんな思考を持っていたけれど、次第に露呈していく自覚のない本心にグッときました。
「靴を作るためのミューズ」ではなく「ミューズのために作る靴」だったんだ、と。
次第に歪な関係が剥がれ、最後に残ったのは互いを思い合う純愛(∩;///;∩)
着飾った偽りは消えても本物は残るというのにキュンときます。
後日談はただただ心があったかく感じました!ああ、良かった…。
番外編はおじさま×おじさま+゚。*(*´∀`*)*。゚+ 受けたちの会社に横槍を入れて潰しにかかったガルシア×受けのオジであり副社長だったミハイルです♪
2人の因縁は30年前から続くもので、長年恨み続けたガルシアの執着も中々萌えるものがありますが、淡々と対応しながらもガルシアから貰った万年筆を今でも持ってるミハイルにもニヤニヤが止まらない!!!
気品のあるおじさま方の色気や拗らせ具合にメッチャ萌えました(∩´///`∩)
最後まで踊り続ける宣言したミハイルがカッコよかった!
ガルシアの手助けなく生き残りそうだなぁ。
で、ガルシアの未練がますます強くなってると美味♡
『赤いくつ』といえば薄気味悪さと後味の悪さがなんとも言えず、それだからこそ印象的な童話ですが、緒川先生にかかるとどんな風に読ませてくれるのかな?とドキドキしながら手にしました。
出だしの葬儀のシーンから、最後の修道院に関わるあたりまで原作にわりと即しているにも関わらず、「う~ん、さすが…」という程の病みぶりに笑ってしまいました。
登場人物各々、赤い靴に踊らされているのですが、中でも群を抜いて病んでいるのが靴職人件デザイナーのアダムで、母親、息子と二代に渡って踊らせてきた強者。
恋人かどうかは別としても嫌がる相手に脅しともいえるやり方で、酷いSMプレイをするような人間に奉仕させ、それを傍らで見てるとか、普通の感覚ではありえないなぁ~「この人の闇、どんだけ深いんだろう…」とため息つきました。病んでる人大好きな私でもさすがにちょっとムリかなぁ…。
そんな病んだ男に惚れてしまったユーリの一途な健気さと美しさはこの作品の救いながらもやっぱり病んでいて、アダムに一服盛るシーンではなかなかの迫力。でもその迫力以上に、アダムの箍が外れた姿は恐ろしかった…。緒川先生の病んでる攻めの絡みはゾッとする程で本当にゾクゾクして大好きです…。
そんな激しい絡みのあとだからこそ、アダムがユーリに対して独占欲剥き出しのキスからの絡みはハードながらもきゅんときました。
赤い靴をはいて踊り続けた少女が足を切り落としたように、人生を狂わされた二人が大切な一部を失ない華やかな舞台からは転げ落ちながらも、穏やかな人生を歩んでいる姿にはとても優しい気持ちにさせられました。
そしてもう一人、赤い靴に踊らされているミハイルおじさま…まぁ~素敵‼
赤い靴もオジサマにはコロコロと手のひらで転がされ手懐けられちゃうんじゃなかろうかとばかりの大人の余裕と魅力。う~ん、たまらない!オジサマお二人の話だけで十分、神評価‼でした。
このお二人で続編出ないかなぁ〰。
はじめて読んだ緒川先生の作品でした。
友人から勧められ読みましたが、定期的に読みたくなる作品です。
はじめとてもディープな印象がありました。読み終えると歪み、の印象が強くなりました。
ユーリもアダムもやんでいる部分があると思います。特にユーリ。
ですが、最後に2人が並んで歩いている後ろ姿を見て、とてもあたたかい気持ちになりました。
ハッピーエンドで終わってよかったです(´˘`*)
そして、同時収録されているカルロスとミハイルのお話ももっと深くまで読みたくなりました。
表紙がお洒落でかっこいい。
金の長髪に黒いスーツ、そして画面の真ん中にくるこの話のテーマ(?)でもある「赤のハイヒール」が映えます。
このカバーのそでを捲ると、ユーリの手をとって跪いているアダムがいます。素敵!
ユーリの母親がアダムを利用したように、アダムもまたユーリを利用しているのでしょうか。
登場人物全員歪んでいます。でもそこが良い…!
アダムと会社の為に、好きでもない男に抱かれ資金を調達するユーリがどんどんと悪い方向に向かって行くのでハラハラして見てました。
枕営業にスキャンダル、世間の中傷、マスコミからの責め苦など。芸能人のユーリにはつらい描写が多い…。スキャンダル写真を撮られてしまったときの「なんでもするからデータ消して」と泣いてるシーンや、アダムにしかられて「怒った?」とびくびくしながら泣くシーンなど、ユーリが病的で痛々しい。
けど、内心ボロボロなのにマスコミの前に立って気丈にふるまうユーリがすごく好きです。プロだなあと思います。
ユーリが母親の「赤い靴」に執着しているのはわかったけれど、アダムにあそこまで惚れこんでいるのは何故?その靴のデザイナーだからでしょうか。もうちょっと好きになる過程が欲しかったです。
いろいろな事件があったりして波乱万丈でした。アダムも殺されかけたりしましたが最後はハッピーエンドでほっとしました。真実の愛に気づき、あれだけ執着していた「靴」という概念をふたりとも捨てることができたのです。まるでおとぎ話みたいですね。
靴と会社に執着しいろいろ醜い世界を見てきたユーリですが、子供のころの建築家になりたいっていう夢がかなって良かったなぁ…。
番外編はユーリの叔父で、ユーリが退任したあと社長になったミハイルの話。
親父受けはあまり好きではなかったのですが、カルロス×ミハイルのカプはすごく色っぽくて大好きです。ラストがかっこいい…。ミハイルはこのままずっと誰のモノにもならないんだろうなと思うし、カルロスはそのミハイルのことがこれからもずっと好きでいつづけるだろうなと思える最後でした。
大人同士の駆け引きって感じで甘すぎず、苦いけれど耽美なところが最高でした。
神評価はやはりカルロス×ミハイルの番外編が大きい。
"下を脱いで足を開く"ミハイルの倒錯的な様よ。
アバルキンという舞台を用意したミハイルが最終的に踊り続けるという展開は、最高でした。ミハイルは演目が終わってもなお踊り続けている気もしないではないですが。
この役割をユーリが担わなかったのは納得できる。ユーリが求めたのはアバルキンという舞台ではなく役者であるアダムでしたし。
正直アダムが一番腰が引けてたというか、信念貫けてなく思えてしまった。結局ユーリにビビってただけじゃないか。最終的にはアダムも決意して、または自分の望むものに気づいて、このラストは納得。アダムの告白と、その靴が血で赤く染まるシーン、演出に痺れる。
エピローグで明らかに太っているユーリを見て、緒川先生への好きが増した。でもやっぱりアバルキンの舞台の上で足を血まみれにして闊歩する男のユーリは美しかったな。
非常に雰囲気あって良かったです、出てくる物すべてが美しい。強がってる美人がグズグズになってくのは良いものです。綺麗なラストだけどそこで終わりなんだという気も、続編どころか後日談も無いのは少しさびしい。