荒天ブラザーシップ

kouten brothership

荒天ブラザーシップ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×216
  • 萌10
  • 中立9
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
6
得点
198
評価数
57
平均
3.7 / 5
神率
33.3%
著者
加藤スス 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784199607172

あらすじ

優しくて大好きだった義兄が、アロハシャツが一張羅のダメ男に変貌!?大財閥の妾腹の子だったナオ。息苦しい親戚達から逃れ、幼い弟・リツと二人で暮らすことに。ところがそこに現れたのは、5年前に失踪した血の繋がらない兄・国永??「やぁ、ナオ。おっきくなったねぇ?」呑気に語りかけてきた国永に慕っていた昔の面影はどこへやら…今や弟よりも手のかかる破天荒な義兄に、振り回されっぱなしの日々が始まって…?

表題作荒天ブラザーシップ

雨宮家次男
17歳,大財閥の妾腹の息子

その他の収録作品

  • 好天?ブラザーシップ
  • あとがき(カバー下)

レビュー投稿数6

期待させる冒頭と尻すぼみ

読み始めたときは「面白そう」と思ったのですが、期待感がどんどん萎んでいってしまいました。
説明不足が多くてよく分からなくなって、最後は描き下ろしの能天気さにちょっとイラっとくるくらいに…。

本編は【スコールは屋根の下】と【荒天ブラザーシップ】の2パートに分かれています。
「スコール」の方はお妾さんからの後妻になった母親が死んで、弟と家を出て行くナオ目線。
おばあちゃん(母方)を頼っていくのですが、よく分からないのがおばあちゃんと一緒に住まないこと。
高校生と幼稚園児の2人暮らしってありえない。
そこに5年前に突然姿を消した国にいがいて…、という感じで結局3人暮らしにはなるものの、金持ち気質が染み付いた感じなのは最初の朝だけで、あとはふつうのぐうたら兄貴と真面目すぎる弟、おしゃまな幼い弟という感じの生活が続きます。
あらすじで国にいとナオは「血の繋がらない兄弟」と書いてありましたが、父親は一緒です。半分血の繋がった異母兄弟でした。
5年前に突然国にいが姿を消した理由に父親が絡んでいるようなのですが、何だかよくわからない。
異母兄弟で出来てることに関して、日本では完全アウトなのに父親も長兄も寛大すぎる。
この辺りで既に目玉が飛び出して迷子でした。

「荒天」の方は国にい目線で、姿を消して何をしていたかとか分かるのかと思いきや、はっきりしないままリゾート開発の話になってました。そして知らないうちにナオ目線とごっちゃに。

全体的に国にいとナオの気持ちが伝わってこないんです。
お互いにどうしようもなく好きっていう感じがしない。
半分血が繋がっていることへの躊躇いもゼロ。
キスするシーンも、えちぃシーンもあるのですが、どちらも感情の昂りを感じられないので色気がない。
突然取ってつけたように雨を降らせて、ぶっちゅう!とか、合体!がありますが、雨が印象的ではなくて、むしろ何とかタイトルの「荒天」に繋げたいだけに見えてしまったのが残念。

母親のエピソードがちょこっと出てきたり、おばあちゃんのちょっといい話をコメディタッチに描いていたりしますが、まず主要人物たちに魅力が乏しくて感情移入できていないから、母親にまで手を広げられても何も響いてこなかったし、おばあちゃんのところも笑えなかったです。
たぶん「ナオの母親は芯が強くて情が深い女性だったので、ナオも母親に似ている」みたいな流れに持って行きたかったんだとは思うのですが、わたしには伝わってきませんでした。
実は国にいは最初はナオのお母さんのことが好きで、そのひとに似ているナオを手に入れようとしただけだったのが、ナオの真面目さや健気さに惹かれてナオ自身を好きになっていた、とかの設定ならもう少し理解できた気がします。

大風呂敷を広げすぎてしまったのかな。
全体的に「薄い」という印象で終わってしまいました。
スイカ割り大会を描く以前に、国にいが父親への対抗心だけでナオを自分のものにしようとしたんじゃないと説明してほしかったし、ナオが「唯一頼れる異母兄から裏切られたけど、恋愛感情として好きになった」経緯もしっかり描いてほしかったです。

2

義兄弟4人のドタバタコメディ

財閥の長男次男と、妾腹の三男四男が出てくる、コメディ調のお話です。
カップリングは次男×三男で、母親が亡くなり家を出た三男が、5年前にすでに家を出ていた次男と再会するところから話ははじまります。

次男攻めがかなりふざけた感じのキャラクターで、かつて自分に懐いていた三男を置いて家を出たことを謝るでもなく茶化したり、それでもまだ三男に好かれていると思い込んでいるのが痛い人でした。飄々としたキャラは好きだけど、ふざけたキャラはあまり好きじゃないなぁと思ったりしました。三男受けは、そんな攻めを始終罵っていて、なかなか見所があるなと思っていたのに早々にデレる。攻めの態度が改善されないうちにデレてしまって、チョロすぎると思いました。
あと、ギャグとはいえ、もう少し設定や説明をしっかりして欲しかったです。四兄弟の父親は訳わかんないし、親戚にやいやい言われるだけで幼児(四男)連れて家を出る三男も疑問だし、幼稚園児な四男が途中で小学生くらい育ってきたり、5年前に家を出た次男が5年前遊び暮らしていたのにもドン引き。あと長男が身体が弱いから跡が継げないっていうのも、結構元気そうなので、どこが…? みたいな感じでした。身体が悪くて跡が継げないから弁護士をしているそうです。弁護士も激務だと思うけどなぁ…。

四男坊は可愛いし、ノリは楽しいお話でしたが、謎やツッコミどころが多く、何も考えずに楽しむには難がありました。あと長男と四男が…という番外編も、余り物を適当にくっつけた安易さを感じました。

0

いろんな意味で中途半端…

前作「5時にはおワンナイト!」が振り切れたコメディなのに、恋愛部分もしっかり描かれていて作家買いを決めたのですが…

財閥の次男と、愛人の子供(三男)、腹違いの兄弟。
一緒に暮らしてた頃、次男が寝ている三男にキスしてたのを父親に見られ、次男は引き離され、それ以来音信普通に。それから5年、愛人だった母親が死んで高校生の三男は弟(四男)を連れて財閥家を出て、祖母の家に行く。
すると祖母宅にはチャラい次男が居座っていて、三男達の生活をかき乱していく…

次男が5年の間なにをしてたかっていうと、父親の金で引くくらい遊びまくっていたそうで…三男の事情を知って戻ってきたようですが、少しでも気持ちがあるならなぜ連絡しない?

三男は次男に捨てられたと思ってるから、いきなり現れた次男に最初は反抗的。
でもアッサリ次男に落ちてしまうのが…もう一波乱あってもいいのに。
あと一緒に暮らしていた頃の二人のエピソードがちゃんと描かれてないから、三男が子供の頃から次男を恋愛的に好きだったっていうのが納得できない。
母親が恥をかかないように品行方正に勉強も頑張り、弟の面倒もみて、背負ってるものが大きすぎる三男くんは幸せになって欲しいけど…チャラ次男に魅力を感じない。

兄弟愛の背徳感のようなものはありません。
ギャグはそこかしこに散らばっていておもしろいのはおもしろいのですが、兄弟愛、財閥跡継ぎ、閉鎖的な村人との付き合いって重くなりがちなテーマなのに、そこを掘り下げず、ギャグを入れながらサラッと進んでしまって、キャラの行動理由も納得できない点が多く、いろんな意味で中途半端な気がしました。

2

受けは頑張り屋さんの良い子なのですが。。

ライトでポップで楽しい反面、終始兄である攻めにイライラしてしまい、残念ながらあまり感情移入できませんでした。。
大変な時に5年も姿を消しといていきなり現れて何も言わないのも嫌だし、事件が起きた時もそれと同じことをまた繰り返して、相談もせずに勝手にいなくなって物事進めていたのが本当に嫌でした。
弟の受けの気持ちをちゃんと考えているのでしょうか?
どうにも自己中に思えてならなかったです。
手を出すくらいなら最期まで責任もって大切にしろー!と言ってやりたかったです。
跡取り問題の解決も若干拍子抜けでした。
最終的にハッピーエンドなので良いのですが、ヘタレダメダメな兄のどこが良いのかがあまり分からなかったので中立で。。

3

あらためて惚れ込んでしまった

まるごと表紙のお話。カバーは裏と一枚の絵でつながっていて、これがまたいいんですよねぇ。読後の今見ていると、雨降りのあとの土の匂いがしてきそう。家族、跡取り、義兄弟ラブ、田舎暮らし。自然に感じられる練られたストーリーラインに、愛着の湧くたくさんのキャラクターたち。そして、読者を楽しませようという作者の心意気が各所にみえる一冊でした。ぜひあらすじだけ見て読んでほしいと思った作品です。※以下ネタバレ含む

たぶん数ヶ月間の出来事なのに、表紙のふたり、そして彼らの育った家・大財閥「雨宮家」の物語を何年か追ってきた気がします。なんて書くとちょいヘビーっぽいですが...やはりめっちゃ楽しかった!! 読んでる最中これだけ楽しかったらもう!! 愛があり、笑いもたっぷりあり、それから表紙の義兄弟には予想以上に萌えました♡ この作品は、複数人が登場し賑やかな場面が多いんです、だけどふたりだけのシーンになると一気にムードが高まる。キスシーン、Hシーン(&みんなで楽しいお風呂も)最高でした。頑張り屋さん・ナオがふたりだけの時に見せる、弱い部分、天然な魔性っぷり。それに読み進めても、まだふたりだけの秘密がある気がして...私はこれにけっこう煽られましたね。幼い弟もいつもすぐ近くにいて、この子がまたいいのですよ~、子供好きな方はこのリツくん、たまらないと思います。

家や父との確執がそこまでシリアスな方へ持っていかれないところも、この作品に合っていると感じました。それに表紙のふたりは過去にとらわれてはいないから、思いっきり応援しちゃうんだろうな。描き下ろしの番外編は、後半にあんなのが用意されてるなんて…。私はこういうのにホント弱く、長男の心境を思うとちょっぴり泣いちゃいましたが、同時によいオチ、素敵すぎるエンディングでもありました。

そしてもう、なんでまた泣く・・・な、カバー下。
ここで、ああ、ホントに読めてよかったなぁと思いましたね。

最後に兄・国永について。一見ヘラヘラしてて、ちゃんと考えている男、よかったです。ふだん年上攻めイイな~とはあまりならないのですが、どうやら自分は作者の描く年上攻めがかなり好みだと気づきました。もちろん、相手が意地っ張り受けだからコンビとしても好きだったんだと思います。

『じゃあナオには誰がいるの?』
国永がこれを言うので...実はすでに序盤でホロリ、だったんですよね。


メモ「装丁:カナイ綾子(ムシカゴグラフィクス)」

3

楽しいドタバタライフ

初読みの作家様です。
購入しようか迷ったのですが、手にとってみて大正解でした。
破天荒な義兄が五年振りにフラッと受けの前に現れる再会ラブなのですが、御家騒動があったり長兄が現れたり本当最後まで楽しかった。
相思相愛なのに上手くいかないけど大好きが駄々漏れ…最高です。
なにより受けの義弟が可愛すぎます。素直じゃない男子がデレる瞬間は何ともたまらないものがありますね。
初エッチのデレ具合はそりゃもう破壊力がありました。
お金だけある(途中から無くなりますが…)ダメダメな義兄ではありますが、受けのことを本当に大好きで大切にしたい思いも伝わってきて、気付けばユーモアセンスあるこの義兄を応援してあげたい気持ちが芽生えました。
末っ子ちゃんも最後は成長して可愛いだけではなくなったし、もっとお話の続きを読みたくなりました。
海の見える田舎でいつまでも幸せに暮らして欲しいですね。

3

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