陰と日向のボーダーライン

kage to hinata no border line

陰と日向のボーダーライン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神31
  • 萌×250
  • 萌15
  • 中立6
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
13
得点
406
評価数
104
平均
4 / 5
神率
29.8%
著者
大島かもめ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784796409834

あらすじ

ゲイであることを必死に抑え込んで生きてきた新人サラリーマンの柴村。
憧れているのは会社の出世頭である上司の丸山課長だ。
スマートで仕事ができて格好いい大人の男。
そんな完璧な丸山が夜の公園で行きずりの男とセックスしている場面を目撃してしまう。
お互いゲイであることがわかり付き合うことになるが、
逢瀬を重ねるごとに会社での丸山と違う顔を見せるようになる。
人前でいたずらされ、冷たい言葉に辱められ、乱暴なセックスを要求され…。
柴村の歪んだ顔を望む丸山に、心は乱されてしまい――。

表題作陰と日向のボーダーライン

受けの上司
新人サラリーマン

同時収録作品街角のプロローグ

勤勉なイタリア人,25才
ロベルトの家に下宿中の留学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし「雪の夜」

レビュー投稿数13

心にグッと来た…!

シリアスな表題作と、心温まるもう1作。
2作とも読み応えがあり、とても面白かったです。


「陰と日向のボーダーライン」
新人サラリーマン・柴村(受け)は、憧れの上司・丸山課長(攻め)が行きずりの男と夜の公園でセックスしている所を目撃します。互いにゲイである事が分かり、付き合う事になりますが…。

受けは、自分がゲイかも…と悩んでいる、まっすぐで周りを穏やかにするような部下。
攻めは、仕事も出来て性格もいい完璧な上司…を装った歪んだ性根の持ち主。親との関係でトラウマ持ちです。

憧れで惹かれていた上司に自分の性癖を受け入れてもらえた事で、受けはすっかり心を許し、二人は付き合い始めます。しかし、攻めはその穏やかな仮面を徐々に外し、冷たい言葉で傷つけ、乱暴なセックスを強要し…という展開。

受けが辛い思いをしていると攻めにイラッとくるのですが、こちらの作品は攻め視点で進み心情がよく分かるので、なんとも切なくて胸が締め付けられます。
攻めがですね、親に捨てられたも同然なので、捨てられたり必要とされない事を恐れてるのです。
受けにわざと酷い事をしては、どこまで自分を許すのか確認してるのですね。そして、愛されてると安心しては、また傷つけ…の繰り返し。次こそは捨てられるかも…と怯えながら…。かわいそうな人間なのです。
しかし、受けが離れてしまった事で、やっと本当の気持ちをさらけ出し…といった所。
更に、真っ直ぐで太陽のようだと思っていた受けが、仄暗い執着心を見せてくれたりするシーンには、かなり萌えました。

エロは2回ですが、ちょっと受けがかわいそうな感じ…。痛い系では無いです!

ラストシーンでは、二人が寄りそって眠るのですが、やっと安住の地を見付けられたのかな…と思うと、かなり胸にジーンと来ます。二人、それぞれの表情がとても素敵なので、ぜひ見てみて下さい。

「街角のプロローグ」
イタリア人なのに真面目で勤勉な攻めと、明るく人懐っこい日本人留学生(受け)の同居もの。
受けが攻めの家に下宿する事になるのですが、最初は面倒に思っていた攻めが一緒に過ごすうちに、受けのひたむきさや一生懸命さに惹かれていくのが自然に描かれています。
一緒にテレビを見ているうちに受けが眠ってしまい、攻めの肩に寄りかかって…というシーンに萌えました。「石鹸の匂いが…」というやつです( ´艸`) エロはなし。

2作ともテイストは違いますが、それぞれ読み応えがあり、面白く読めました!

13

心の奥まで愛して

表題作、大島さんの作品がシリアスというギャップ!!
これに尽きるのではないでしょうか…!!
会社ではスマートな物腰で人格者の課長が
まさかの歪みっぷり…意外です。
それこそ誰も想像していない事でしょうね。

課長の裏の現場を見てしまった部下の柴村が
憧れていただけではなくてソッチだったと
疑惑からいっぺんに覚醒させられる姿がエロかったです。
課長の強引さと薄暗い支配欲、
普段との差があればある程萌えます。
柴村の望むように恋人らしい事だってしてあげて欲しかったものの、
歪んでるから普通の恋愛にはたどり着けなかったのもわかります。
幼い頃手に入れられなかった愛情、
普通なら当たり前にあってもいいはずなのに切なかった…。
自分への気持ちを確かめずにはいられず、
柴村まで離れていきそうなシーンがツラかったです。


『街角のプロローグ』前後編
イタリア人でありながら全くイタリア人らしくないロベルト、
冒頭からもう面白くて「やっぱりコレだ…!」となりましたww
ロベルト母ちゃんの威圧感!
日本人なのにやたら陽気なユースケ!!

他人と時間を楽しむことを知らないロベルトが
ユースケの人柄に触れていくことで
豊かな気持ちになっていく展開、すごく好きです!!
生真面目なイタリア人にとても好感を持てましたし
頑張ってるユースケを素直に応援したくなりました。

お互いノンケだったのかな、
それでも、ずっと変わり映えの無かった日々に
鮮やかに色をつけてくれたようなユースケの存在、
情以上の感情が芽生えるのも不思議ではありませんでした。

別れ際の車中キス!!!!
その前後の表情や雰囲気が最高!!!!
何度読んでもドキドキしてしまいます!!

描き下ろしの『雪の夜』、
柴村の愛が深くて、課長おめでとうと言いたいです。
もう気持ちを試す必要もなく、
お互いを見つめながら生きていけますね…。

贅沢を言わせていただければ、
ロベルト×ユースケの描き下ろしも読みたかった…!!
…ユースケ×ロベルトなのかな…
いや、全然アリです。むしろアリです!!

8

できる上司の裏の顔は…

偶然、憧れていた上司がゲイだと知ってしまった柴村は、自分もゲイなのではと悩んでいたことを打ち明けて、その勢いのまま付き合うことになったのだが…、
付き合おうって言ったなり、いきなり初回でセックスになだれ込む展開だと、性急すぎてなんだかなぁって感じることが時々あるのだけど、この作品はここまでの展開の前に、朝、通勤電車の中で妊婦さんに席を譲る、その対応の違いっていう導入が描かれていて、そこでこの二人の心の中で考えていることが理解できるので、この展開に無理なくついて行けて、うまくできているなぁって感心しました。
その後の展開も自然で、絵もお上手だし、同録作も含めて、かなり神寄りの萌2です。

5

一冊で二度美味しい

大島さんのシリアス
でも、欲望解消のためのお相手とのアオカンシーンでは攻め様の引いちゃった感じに笑ってしまいました
表情筋が死んじゃってます でも、頭の中じゃいろいろ妄想したり悲しんだりしてます
受けくんが正反対に心の中がダダ漏れです
こんな屈折した人にはわかりやすいこんな人の方が受け入れやすいのかも
まっすぐに自分を思ってくれる恋人を得て、攻めさま心の雪が溶けますように

もう一つのお話もとても好きです 攻めさまはこっちの方が私は好みでした

甲乙つけがたい

3

クールに見えて、実は臆病。未熟だけれど、きっと物凄い大器。

大島さんの作品だからと迷わず手にしたのですが、
なにやら不穏な表紙。
そしてタイトルも、『影』と『日向』。

「仕立て屋ー」を読んだ時にも、
微かにどこか物悲しさを感じたのですが、
今回はそこを前面に押し出した感じ。

試しながらも、終わりを恐れる。
それはきりきりと痛いけど、理解できる心理。
そしてそれが分かるから、なおさら胸の奥が痛くなる。

相手が柴村君で良かったね。

肉体的には丸山×柴村なんだけど、
精神的には柴村×丸山なのかな。


もう一作も好きなお話。
派手ではないけれど、とても、とても印象に残る作品。


暗いイメージなんだけれど、
読後感はじんわり幸せ。
なので、評価は神よりの「萌×2」!

3

ギャグ封印で、なおかつトラウマ絡み、しかも年上○○ですと…?

去年の10月に読破。
表題作は全編ギャグ封印シリアス路線、しかもちょいダーク系なので、かもめさんのギャグが大好きな私には合わないかと思い、買うつもりはありませんでした。
でも「恋ときどき、焼きサバ定食」よりもこちらの方が評価が高かったし、2日間限定半額セールだったのでポチリ。
下記2作品が収録されています。

①表題作、107ページ+描き下ろし:
リーマン同士「トラウマ持ち上司x健気ワンコ新人」(えrは他著作よりやや多め)
みなさんのレビューを読んで攻めはどんなひどい奴なんだと構えていましたが、全然大丈夫でした。
それに受けが本当にいい人!
自覚があるのかないのか、攻めよりも一枚上手で、結局は攻めをうまく手のひらで転がしてめでたし。
毒親のせいでトラウマを抱えた攻めの凍り付いた心を、描き下ろし最後のページで受けの「俺が溶かす」。
これがすーーごく良かった。

②短編:「イタリア人x日本人留学生」(えrなし)
私もたまたまこういう「マンマミーア!」って絶対言わなさそうな(というか言わないw)物静かで真面目なイタリア人(しかもイケメン)が友人にいるので、すごく親近感わきました。
かもめさんの絵柄は白人さんに合う!
語学あるあるも日本人あるあるも「そうそう」と頷きながら、たっぷりと堪能できました。
てゆーかDVDが進撃ー!ww

<こんな方にオススメ>
・かもめさんのギャグ封印シリアス作品にご興味ある方
・年上攻めお好きな方

0

シリアスで陰があって好き

『陰と日向のボーダーライン』
他人に優しさを差しのべられる清らかな柴村。
その柴村が憧れる丸山課長は、実は柴村を組み敷いて好き放題する妄想をして興奮している。
最近セッしていないから欲求不満もあるので、一夜限りの相手を適当に見繕ったら公園で青姦を求められて、萎えながらセッしていた。
しかし相手の喘ぎ声をうめき声だと思い、親切な柴村が大丈夫ですか!?と心配して声をかけてきて───あの丸山課長が男と青姦...!
でも柴村は幻滅なんてせず、自分も多分ゲイだと告白してきて。
認めるのも怖いし、田舎ですぐ噂が広まってしまうのもあり誰にも言わず抱えてきたという柴村を慰めて、お持ち帰りした丸山は、組み敷いた柴村の反応が妄想以上で付き合おうと言う。
晴れてお付き合いした2人。
青姦を萎えると言っていた丸山が、柴村相手では自分から提案してるのが恋は盲目だなと。
あと、ヤるだけとかヤってばっかりは柴村じゃなくても不安になるし不満にもなると思う。
モテるだろうしお付き合いも手馴れてそうなのに、感覚の違いなんだろうかと思ったけど、違うわ、丸山は柴村を試したいんだ。
そんなにまでして自分を受け入れてもらいたいのは、家庭環境や生育環境のこともあって...。
きっと心に穴があるんだろうな、それを埋めてくれるような相手を求めていて、柴村がそうだったんだろうな...だから試してしまったんだと。
これからも丸山は柴村を試してしまうんだろうけど、柴村のお陰でいつか安心できる日が来るんじゃないかなと思う。来ればいいな。

『街角のプロローグ』
イタリア人ロベルトの孤独で心地よい生活は、母親が勝手に語学留学している日本人のユースケを下宿させることを決めてしまったことで崩壊しようとしていた。
陽気でお喋りでルーズで女好き...イタリア人のイメージとは真逆に仕事熱心で女より1人で音楽や映画を楽しむのが好きなロベルト、一方日本人と言えば勤勉で静かなイメージなのにユースケは明るくて声がデカい。
アパートは親の持ち物で格安で借りている立場なので、ユースケが帰国するまでの半年間我慢するしかない。
嫌々だったけど、ユースケの一生懸命仲良くなろうとする姿勢に絆されて食事に行くように。
ユースケがイタリア語を学ぶ理由は映画で、2人とも趣味が被っているんだなぁと。
夜遅くまで勉強するユースケに、「さすがやっぱ日本人だな、勤勉で」と褒めると、ユースケは日本人だからじゃない、俺が頑張ってると訂正してきて。
怒ったんだろうか?と思うのだけど、なぜ怒ったのかロベルトには分からない。
話を聞いてみて、ロベルトは嫌われたのではないとホッとしている自分に気づく。
ユースケがロベルトのことを好きそうな描写があって、ロベルトもユースケに別れ際キスするので両思いじゃん!となるのだけど、イタリアでは別れの挨拶でも口にキスするのか?という問いに少し迷ってそうだけど?と返したので、それ以上発展することはなく。
しかしユースケが帰国したあと、快適だったはずの1人が落ち着かない。
メールしてねと言われたのに、1か月後にようやく「挨拶で口にキスなんてしない」とメールをしたあたりがロベルトらしい。
返信は来たのだけど、どんな内容が書かれているのか恐ろしくて読めずにいたのは振られたらと怖かったんじゃないかとなんだか愛らしくて。
今までは返さなかった日本語の挨拶を返すのも、最初の日本語が「オカエリ」だったことも、じわっと幸せな気持ちにさせてもらえた。
あの笑顔で「タダイマ」と言うユースケが素敵。
メールの返事の内容が想像出来た。
因みにエロはなかったです。

『雪の夜』
陰と日向のボーダーラインの描き下ろし。
丸山課長の雪解けの春は近い。

Kindle→修正なし(濡場はあるけど修正不要な描き方)

0

まず与えるべし

タイトルにある "陰と日向" は主人公自身の中にもあるし、丸山と柴村を表しているようにも感じます。そして同時収録『街角のプロローグ』(舞台はイタリア・前後編:約60頁)にも当てはまるのかなぁと思ったりしました。ボーダーを引いて、あなたはあっち、私はこっちというふうにばかりしないで、向こう側を知って、それを理解してみようとする。いつでも自分が与える側になれるのではないか。恋でも愛でも、カフェで隣の席になっただけの人でも、他国間においても、永遠のテーマだよなぁなどと考えてしまった読後でした。

表題作に関してですが、頭の中が整理できていないときに読んだためそのままに読めなかったかもしれません...穏やかなハッピーエンディングなのに、自分には読後もどこか辛い気持ちが残ったままな一冊でした。トラウマのある丸山課長(表紙)の感情の描かれ方やセリフが、とてもリアルに感じられます。彼のような環境で育っていなくても、自分にとって特別だったり大切な人にはわざと酷いことを言うorするなどして、相手を試すっていうのは実際けっこうあると思うんですよね。甘えといえばそうなのかもしれないけれど。それを、こうやって客観的に眺めるのはかなり辛かった。

柴村が彼のことを本気で好きで、
どうかこの先彼といる時間を幸せに感じてくれますように。
ーと、柴村の心配ばかりしてしまうのです。

9

現実的にはこんなに上手くはいかないのかな…

初読みの作家さん。シリアスっぽい表紙のものをあえて選んだのですが、思った以上にシリアスでした。

デキる上司を演じながら、仕事中、純朴な部下を脳内で犯している攻めは、最初はちょっと変態チックなキャラなのかと思っていたら、その部下と付き合い始めてから、どれだけ酷い仕打ちを受け入れてもらえるかで相手の愛情の深さを推し量る、という更にその歪さが垣間見えてきます。でも、それと並行して、攻めの育った環境…実の両親に突き放され、養子先では成績のみで評価され、あげく再び接触してきた実母に金の無心をされ…も明らかになっていき、攻めの歪んだ愛情表現がすとんと腑に落ちました。結果的に、同情されたくないと思っていた受けからもらったのは、これまでずっと欲し続けていた愛情で、それでようやく、攻めが救われるんですね。
そんな攻めを受け入れる包容力を持つ受けはたいしたもんだと思いますが、ゲイかもしれないという悩みをずっと一人で抱えていて、その悩みとゲイである自分自身を受け入れてもらって救われたのは、彼も同じだと思います。
漫画なのでそれ程酷い描写はなかったですが、現実的にはDVなどに発展しかねないケースで、こんなに上手くはいかないのだろうなとは思いました。

もう一作は打って変わって恋のとっかかりの爽やかなお話で、一作目が重かっただけに余計に癒されました!

5

心重い系攻で2作品

◾️影と日向の〜
『最後まで手放せないものになりたかった』

表題作は、重めの社内恋愛

一見完璧だけど、相手を試して愛を確認しないと安心できない上司と、明るくて人好きのする部下(自分はゲイかもしれないと悩む)。憧れの上司には暗い過去があり、今は今で実の母親に金を無心されている

一応ハッピーエンド?だけど、最後の最後まで仄暗い。そもそもメンヘラ系のキャラクターが得意でないので、ちょっと好みとは違いました

◾️街角のプロローグ
イタリアの真面目リーマンと、イタリアに語学留学に来た大学生(?)がルームシェア(というか居候)する話

日本人だからではなくて俺だから、イタリア人だからじゃなくてあなただから

カタコトのイタリア語で一生懸命に話しているのがこちらにも伝わってきて、思わず脳内変換しながら読んだ(伊語はわからないので英語で)

真面目なイタリア人のメールが可愛い

2

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