ばらの森にいた頃

bara no mori ni itakoro

ばらの森にいた頃
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神76
  • 萌×246
  • 萌20
  • 中立4
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
18
得点
628
評価数
149
平均
4.3 / 5
神率
51%
著者
雲田はるこ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784396784041

あらすじ

雲田はるこ、最新BL短篇集
吸血鬼と少年。数百年ごしの恋。

[ばらの森にいた頃]
食用ばら農家を営む
吸血鬼の正宗(まさむね)は、
人間の恋人・陽(ヨウ)と暮らしている。

数百年前に恋人を亡くした
不死の吸血鬼・正宗は
長い時をずっと孤独に生きてきた。
猫や虫や、植物に生まれ変わる
恋人を見つけ出しても
言葉は交わせぬまま、時は過ぎた。

そして、はじめて人間の姿で
転生したのが陽だった。
年をとらない吸血鬼と、ただの人間。
2人は数百年ぶりの蜜月を楽しむが、
正宗には秘密があって――。

表題作を含む計4本を収録。
[モンテカルロの雨]
海外スター×おじさん俳優

[ヨシキとタクミ]
ライバル同士のヤンキー×ヤンキー

[Be here to love me]
ノンケ先輩×魔性の美脚後輩

表題作ばらの森にいた頃

同時収録作品モンテカルロの雨

ジャン・人気俳優
レン・売れない俳優

同時収録作品ヨシキとタクミ

ヨシキ・高校生
タクミ・高校生

同時収録作品Be here to love me

先輩・サラリーマン
町田・先輩の後輩のサラリーマン

レビュー投稿数18

素晴らしい短編集

すごーく素敵な短編が4話収録されてます。
それぞれの個性が光る作品たちでした。

表題作は切ない吸血鬼のお話です。
吸血鬼が転生を繰り返す恋人と過ごすお話で、この度やっと人間に生まれ変わった恋人との蜜月。
甘い二人の暮らしに突如変化が…。
残される者の辛さを大切な人に味わせたくない、というのは永遠の命を持つもの共通の苦しみですね。
何度生まれ変わっても、何度も巡り合う、切なくてあったかいお話でした。

「モンテカルロの雨」
日本の落ちぶれ気味の中年?俳優レンさんと外国人俳優ジャンのお話。
映画の撮影のお話なのですが、この作品自体が短編映画のようでした。
ジャンの色気が半端ない。
そしておじさん受け。作者さんの濡れ場、擬音とか局部描写がなくとも、表情も過度のトロ顔じゃなくても凄くセクシー。

「ヨシキとタクミ」
わーい、ヤンキー×ヤンキーだぁ。
二人がホントに可愛い。タクミのHの時とツッパってる時のギャップも愛おしい。
こちらは他のよりちょっとエロ度高めでした。

「Be here to love me」
足フェチ先輩と美脚後輩。
これは良い魔性受けであります。
後輩君の足がホントすべすべで柔らかそう♡
カップルになるべくしてなった二人でした。

書き下ろしはヨシキとタクミ番外編でイチャイチャな二人が見られます。可愛すぎ!

0

一風変わった短編集

「この珍奇なる本」とあとがきにあり。BLネタは果てなく浮かぶとか。すごい。
以前の短編集より更にバラエティに富んだ内容!
「モンテカルロの雨」
「ヨシキとタクミ」
「Be here to love」
どれも趣が異なりよかった。
これまでと比べて大ゴマが増えた印象。

0

余韻にひたれる話たち

雲田ワールドに連れていかれた!
どのお話もとても素敵でもっと読みたい!お願いします!

「ばらの森にいた頃」
正宗さーん!切ないです。
やっと恋人が人間に生まれ変わったのに。
二人の生活、バンパネラの生活、陽に少しずつ秘密を教えていく。でも同じバンパネラにはしてくれない。だってこんなことになるとは思わなかったんだもの!
残されて狂わないでねって正宗が涙を溢れさせて陽に噛み付き消えてしまって。

でも今度は正宗が猫に生まれ変わったようですね。何百年かしたら今度は人間に生まれ変われるかも。
切ないのに読後感はほっこりしました。

「モンテカルロの雨」
不思議なジャン。廉さんに憧れてとうとう共演。廉さんに男同士のラブシーンへの抵抗を無くして欲しかったのかな?謎の美形フランス人人気俳優です。
撮影ではなんと廉さんがいかされてしまって。
素晴らしい作品が作れたようですね。ジャンの表情を引き出せたのは廉さんだからですね。この先はどうなるんだろう。

「ヨシキとタクミ」
ヤンキー同士でケンカばかりですがタクミの実家の銭湯では仲良しです。ヨシキはタクミにムラムラしてるようで、あれよあれよとエッチしちゃって。
雲田さんの相手があれれ?という間にエッチにもちこんじゃうのが好きです。

「Be here to love me」
こちらもどうも後輩が最初から先輩を狙ってたのかな?先輩が後輩の体にメロメロなうちに言質も取って先輩を逃がさない感じで。いいですね!

とっても読みごたえのある短編集でした。

独特な感じがとても好きです。

0

まるで魔法にかけられたようでした

あ〜もう!雲田はるこ先生大好きです!
前から先生のファンですが、この短編集を読んでますます好きになりました。
吸血鬼、映画俳優、ヤンキー、足フェチサラリーマン。
毛色の違う4つの物語。

どれひとつとっても、読後に「あれ?どんな話だったっけ?」「登場人物どんな人だっけ?」「本を閉じた瞬間に忘れちゃった」なんて事態にはなりえません!と自信を持って言いたい。
非常にクオリティの高い短編集だと思います。

切なくも官能的な表題作。
たくさんのばらと、血と、精液と。
視覚効果が高く、美しいファンタジー。
いかにも名手のショートストーリーといった、読者の想像力を利用した余韻の残し方には唸らせられます。

美しい舞台を背景に描かれた映画俳優たちの物語「モンテカルロの雨」

「ヨシキとタクミ」
敵対するヤンキー同士がどう恋に発展していく?と思ったら、銭湯で一時休戦をして裸の付き合いをする2人。
あーもう!これはビックリの可愛さ!
可愛い!エロい!なんなのこの子〜??
可愛すぎてこっちが逆上せそうになったよ。

足フェチサラリーマンと美脚で美しい後輩の、ちょっぴりアブノーマルな一夜を描いた「Be here to love me」
後輩の色っぽさに攻め同様悩殺されました…

ふんわり優しい雰囲気と少しレトロで可愛らしい絵柄に目がいきがちだけど、実は結構奇抜だったりするのが雲田はるこ流だなぁ。
舞台の作り方、小道具の使い方、表情の描き方、台詞回しの妙。本当にうまい。
その優しい雰囲気の裏で、1ページに、1コマに、たくさんの情報が詰まってるんですよねぇ。
1話なのに2話分くらいは読んだような、そんな錯覚に陥ってしまう不思議。

満足度の高い作品でした。

2

私の「ポーの一族」への造詣がもっと深ければ…と悔やみます。

表題作の理解に関してはfandesu様のレビューにも助けていただきました。
そうか「ポーの一族」なんだこれ。根底にあるものの正体。
吸血鬼を指す“バンパネラ”が萩尾望都さんの造語だったことも本作を読んで初めて知りました。
萩尾望都さんは竹宮惠子さんや山岸涼子さんと一緒に、大学生の頃に漫画愛好者の友達に教えられて読んだのですが、萩尾望都さんだけ解らなかったんですよね、私にはちょっと難しく感じて他のお二方の作品に比べるとスラスラとは読めなかったんです。
雲はるさんの本作のおかげで、「ポーの一族」に20年振りに再チャレンジするいいきっかけになりました。


4つのお話が入った短編集です。
吸血鬼、おじさん、ヤンキー、足フェチとこれでもかってぐらいにバラエティに富んだ1冊で、ご自身では「珍奇なる本」などと形容されているのですが、読者としては色んなタイプの雲はる作品が読めて非常にお得感があります♪
描かれた時期も2011年〜2016年と開きがあります。
猫っ毛と落語心中をずっと描いてらっしゃったイメージの強い数年間ですが、こんな短編作品もポツリポツリ描いてらっしゃったのですね。

「ばらの森にいた頃」
数百年生きる吸血鬼と、転生を繰り返す彼の恋人のお話。
冒頭にも書いた通りで「ポーの一族」はほぼ通っていないに等しいので、私は私なりの捉え方ですが・・・
これはどう書いたらいいんだろうな、伝わるように書けるかが難しいんだけど、正宗が数百年かけて陽に渡し続けた愛情がしっかり結実したのがこのラストシーンだと思うのです。
作者の「昭和元禄落語心中」を読むと、雲はるさんが持っている孤独とか孤高の美学がなんとなくうかがい知れるんだけど、孤独は敵じゃなくて味方だよと優しく教えてくれるようなお話だと私は思いました。
何度も巡りあえることが約束されているのなら、「お別れだね」じゃなくて「また逢えたね」を大切にすればいいんじゃないかな。
陽の最後の笑顔を見ているとそんな風に思えてきます。

「モンテカルロの雨」
前途有望の若手俳優と、最後のチャンスにかけるおっさん俳優のお話。
表題作の円(輪廻)とはまた違うけど、これもまたぐるぐると回る人生の円(縁)のお話だなーと思いました。
人はこの世に生まれ落ちたら例外なく何処かで誰かに繋がってその誰かに何かを残しているのでしょうね。
作者持ち前の洒落たセンスが光ります。

「ヨシキとタクミ」
ヤンキー×ヤンキー。
これは持ってかれた〜〜〜萌萌萌
この作家様のセンスがにくいったらない!
喧嘩が終われば彼らも人の子。拳のライバルは恋愛に変換されないわけないのだ!(腐女子の持論)

「Be here to love me」
変態の域に達している足フェチの先輩と、先輩が女神と崇める脚線美の持ち主が後輩だったお話。
『ダメBL』に載ったお話らしいんですけど(2011年当時は女体っぽいのがダメだったそう)、今なら全然ダメじゃないですね。
ほんとこの数年でジャンルの幅が広がったと思います。イイコトダー(*´ー`*)
雲はるさんのあっさり描写なのにお色気ムンムンなエッチシーンもたっぷり堪能できる1編。
しっかりとオチもついてます◎

色んなお話が読めて、どれもがそれぞれに良い。色んな萌えが詰まってる作品集。
即断の「神」評価です!

【電子】シーモア版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし

3

幅広く楽しめる短編集

不思議な雰囲気の表題作。
番いというか、定められた運命の相手同志というか、BLという枠組みを超えて楽しめる純愛ストーリーですよね。
ストーリーそのものは暗い要素が多いのですが、どこか楽観的で穏やかな雰囲気を漂わせています。ラストも不思議な感じのハッピーエンドで終わります。
というか、この物語はある意味終わらないストーリーですが、またいつか二人が人間同士で幸せに暮らせることが信じられる、幸せな読後感でした。

他の短編も合わせて、この作者様はいろいろな世界観でストーリーを描ける方だなあと感心しました。

1

クオリティの高いオムニバス

 短編が4本も収録されていますが、一つひとつの作品に温度差がなく全ての短編がしっかりストーリーを練ってあるなぁと思いました。表題作はちょっぴり切なく、『モンテカルロの雨』『Be here to love me』はセクシーな攻め受けにノックアウトされ、『ヨシキとタクミ』はケンカの時と2人きりの時との関係性の変化に萌えました。どの作品もちょうど良い切り方で纏まっていたのですが、これからの話をもっと読んでみたいなぁと思うくらい素敵な作品ばかりでした。最後にまさかという展開を持ってくるのが上手いですね。特に好きな人を手に入れるために着々と外堀を埋めていくタイプの人間が大好きなので、2作品もそういうストーリーがあって最高でした。

1

「言葉は交わせぬまま」傍に居続ける…

文句なしの表題作と、ヤンキー受け好きなので昭和っぽい雰囲気がただようヤンキー二人を描いた「ヨシキとタクミ」が好きです。
ヨシキとタクミはライバル同士のヤンキーなんだけど、タクミの実家である銭湯ではポカポカのんびりいい気分♪てな訳でひとまず休戦状態になっちゃう二人。
リーゼントのタクミがお風呂では下ろした普通の髪型になるところが可愛いし、性格もお風呂の中ではなんだか可愛らしく変化しちゃっていて普段の突っ張った様子はいずこへ?


そして表題作。

歳をとらない吸血鬼の正宗と恋人のお話。恋人は輪廻転成を繰り返して虫になったり、木になったり、花になったり、犬になったりしながらもずっと正宗のそばに居続けている。
数百年ぶりに人間の姿になれて、自分も吸血鬼になりたいと正宗にずっとお願いしているのだけど…。
二人の結末よりもあらすじにある「言葉は交わせぬまま、時は過ぎた」というこれが胸にきます。

ある程度意思疎通のできる犬猫ならいいけど、草や木などになった日には…。でも二人の間には愛があるからずっと永遠に生まれ変わって傍に現れ続けるのだろうと思うんです。

でも木になんか生まれ変わっちゃった日には、どうやって愛情を示すんだろう。愛情なんか示さなくてももういい次元なのかしら。でも示したいよね。でも示さなくても二人の間に愛は存在する訳でそれが一番重要よね。それに言葉を交わすことがそんなに重要なのか、いや、でもやっぱり意思疎通はできたほうがいいよね…と何だかグルグルと考え続けてしまいます。

3

うらえりたん♪

雲田さん久々のbl短編集。

表題作も良いですが特にお気に入りが
「Be here to Love me」

町田くんの妖艶さにうっとりメロメロです…
町田くん生まれつき染色体の異常とやらで女性らしい体つきで、脚はキレイだし毛も生えない。その美脚ぶりたるやブログで女性になりすましても気付かれない程。

普段女体物とか好んで読まないですけど、雲田さんの絵が上手くて…町田くんの体つき確かにしなやかでキレイなんですけど、このくらいなら男性でもいそうかもと思える程度で抑えいらっしゃいます。

脚フェチの先輩が性別に戸惑うのは一瞬で、好物を目の前に欲望が爆発するのが変態みがあって大変素晴らしい!股に顔挟んでもらったりヒールで踏んでもらったり(SMぽいプレイはこれだけ)幸せそうです(笑)
付き合ってあげますよ的な町田くんも先輩が興奮してるのが嬉しそう、おやおやもしや?うーん、やっぱりね〜なラストも良かったです。益々町田くんが可愛いく思えました。

先輩は「俺はどうすればいいんだ?」とか相手に委ねるズルそうな男だから、町田くんもこの先もっともっと罠を張り巡らせてどう足掻いても逃げられないようにすればいいと思う(笑)

2

まてまてこれでは、切なすぎるでしょ

えーっ、この吸血鬼のお話の結末はどうとればいいの? ずーっと昔は正宗の恋人として、その後はいろんな植物、動物、昆虫とか生まれ変わって、やっと人間として巡り合えた陽。 この陽も吸血鬼となってハッピーエンドを予想してたけど、血を吸うとまさかの…?! 正宗と陽の立場が逆になったのはわかるけど、この2人は人の姿のままでは永遠にいられないってこと? 血を吸うと相手は吸血鬼になるけど、吸った本人がああなってしまってはねぇ。 人間として巡り合えても、人間としての寿命の間でしかいられないってことだよね? 幸せになって欲しいのに…

1

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