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ある日、ひとりの僧が子供を助けた。それは雪の夜に生された呪縛──
hari no hana
一度さらさらと読み進めただけでは到底理解できないほど、登場人物達の関係性は複雑に入り組み、物語の展開も気を抜けるシーンがほぼなくて、かなり重厚な作品でした。藤原道長が生きていた時代。栄華をさらに極めんとする藤原家に、果敢に対抗していく天皇側。宮とは切り離されてしまった瑞慧の記憶に関しては、正直この巻だけではよく分からず、なぜ彼が記憶を失ったのか、どこからどこまでの記憶がないのか、次巻で理解できるといいなぁと思います。BLとしての萌えを感じる余裕がないほど忙しかったですが、次巻ではロマンスももう少し感じられることを期待します。
めちゃくちゃ面白かった!
美しい表紙に惹かれて選びましたが、ここまでの歴史ものとは思いませんでした。
ちょっと難しいところもあります。
ただ、平安時代の藤原道長・頼通が活躍した時代の話だし、歴史の流れがわかっていれば落ち着いて読めると思います。
だって、歴史通りだとしたら道長は今後摂政となって政治の実権を握るわけだから、ここで滅ぼされるわけがない。
とすれば、主人公の道満とスイの運命は……!?となる。
でも、まさか続きものだと思ってなかったから驚いた!
これ一冊でもボリュームあるんだから、かなりな大作ですね。
続きも絶対に読みます!!
青年コミックばりの迫力のある絵に平安時代の呪詛の話なんて読まずにはいられないとばかりに即、購入。『紅蓮の章』まで一気読みしました。
とにかく絵がキレイ‼
悪代官ばりのおっさんから子どもまで描き分けが素晴らしくて、なかでも道満の仲間達は少年雑誌で連載できそうなレベル。
だからといってエロさがイマイチかというと、こちらも鼻血レベルで、性的な意味合いはなく、ただ着物を脱いだだけのシーンでさえ匂い立つ程の色気があり、うっとり。
話もよく練られていてすごく惹き付けられる内容なのですが、とにかく場面展開が多く、さらに過去と現在をも行き来するし、時系列がバラバラなので、一度読んだだけではなかなか理解できませんでした。
おもしろそうな伏線がいろいろ張り巡らされているのにほとんど回収されず、あれあれ〰っと終わってしまったのがとても残念。
『紅蓮の章』を読まないと謎が解けずもやもやしてしまうので、二冊手にしてから読まれることをオススメします!
個人的にはかなり面白かったが、神評価でないのは、やっぱり難解すぎるかな、と。
平安モノに親しい人であれば雰囲気を掴むのはそう難しくないと思うが、そうでなければかなり読みづらいと思う。というのも、そもそも上下巻で収めるには話が壮大すぎるんです。登場人物も多いし、勢力図が頭に描けなければ訳分からんと思う。それぞれがどういう立場なのか、それを説明するにはページが足りない。ので、あの辺の時代をある程度知っておくか、平安貴族社会についてなんとなく理解があるかしないと、読めないでしょう。
となんだか批判のようだけど、私はとても楽しめました。やっぱり稲荷家先生は絵が美しい!作中に陰陽師バトルシーンもあるのだが、独特な感じで、かっこいい。というか、よくこれだけ書けるなあという感じ。稲荷家先生はカラー絵が特にいいな、と思っていたけど、もちろん漫画もかっこいいし、読みやすい(コマ割りとか)。稲荷家先生の受けは本当に綺麗だなあと思います…。
大好きな先生なのに…
とにかく意味がわからない。
今が過去なのか今なのか、この人が誰なのか
文字もとりあえず漢字ばっかりで読めたかったり。
急に話が飛ぶので全くついていけない!
2巻とも読んだけど最終イライラ…
しかもエロなし…
先生の絵が好きじゃ無かったら
完全に買ってないかなー。
百日の薔薇の続きがよみたいな…。
百日の薔薇が大好き。また先生の描かれる「おっさん」がすんごく好き。
で、get。
神にしたいんだけど、
おばさんちょっとついていけなかったところがあったので萌2.
レビューを拝見していて、ちょっと覚悟していたのですが
やっぱり難しかったーおばさん、少々ついていけず。
時系列がぽん と飛んで、その飛んだのがどこに飛んだのかがわからず
また私がわかっていないだけなのか、
(受けさんの意識内のお話もパラレル進行しているのか・・・?)
登場人物も多く、把握しきれず あんた誰、いまどこ 状態発生(泣)
今から読まれる方は、まじで他のお姉さまのレビューを拝見され
メモと付箋を用意してからお読みいただくことを推奨します(笑)
ああ、ほんとに誰か解説して。
でーもー!すべてを吹き飛ばす絵の美しさ!!!!!
最初受けさんが脱ぐ(脱ぐの!)シーンが圧倒的にう・つ・く・し・いっ!
もうそっから、どんどん抜け出せず、妖?怨念?鬼?が出てきて、
受けさんがずるずるずるーてな感じで襲われるのですが、
読んでるこっちも、書き込まれている世界にずるずるずるー
脱出できず といった感。
読み終わって どひゃー現世に帰ってきたー と一息つく気分です。
すごく続きを読みたいのだけど、1巻の調子で2巻も進むと
訳わかんないうちに終わってしまいそうー ついていけるだろうか私・・
先生の絵が大丈夫 かつ 平安時代の陰陽ものがお好きな方には
たまらんお話なのではと思います。
そのような方はぜひぜひ私と一緒に頭をぐるぐるさせましょう(爆)
そして解説してーお願いー
稲荷屋先生の作品はこの『玻璃の花』が初読み。今回漸く手を出した理由としましては、平安時代に貴族と陰陽師と、私の好きな要素がてんこ盛りだったからです(笑)同じく平安おたくの方々には冗長かと思いますが、平安にそこまで詳しくない方々にも是非読んで頂きたいので登場人物の関係性を下にまとめておこうと思います。
*ネタバレも少々含みますので読了後に読まれることをおすすめします
☆三条天皇&小野宮実資グループ
〈内裏〉
・三条天皇…当代の天皇。目を患い政治の実権を藤原道長に奪われ退位まで迫られる。道長は先代の天皇と自分の娘の子を早く天皇にしたいので二人の確執は深い。
・敦明親王…一本式部卿。三条帝の息子。三条帝は彼を東宮(=次代の天皇、皇太子)としているが、道長はそれさえも先帝と娘の子にすげ替えようと目論んでいる。なお当の本人は別の道長の娘である女御の寛子にぞっこんで、中宮(他の妃)の怒りを買うほど。
・小野宮実資…右大臣(藤原実資)。三条帝の執政を助ける稀有な存在であるが、三条帝が東宮だった際に生まれた彼の子供が双子であり、双子は凶事の先触れであるため本来は片方を殺さねばならなかったところ、その片方を殺めることができず連れ出したという罪を背負っている。
〈高野山〉
・瑞慧阿闍梨…小野宮が逃した敦明の双子の弟。高野山で隠されて育った。現在は"玻璃の堂"に幽閉され、敦明の形代として、道長に組する術師達が敦明にかける呪詛などをその身に引き受けている。それはその昔、彼を"スイ"と呼び心を通わせた少年"イツ"の命を助けるために引き受けた役目であるよう。しかしその当時の記憶は失われている。
・座主や高野聖…高野山の僧。小野宮の命により三条帝方の切り札である瑞慧を秘密裏に匿い、"殻"として利用している。蘆屋道満一味の雇い主。
〈蘆屋道満一味〉
・蘆屋道満…獣の刻印を持つ下法師。小野宮や高野山に従って道長方の術者を始末しているが、その正体はかつて瑞慧と共にあった、獣の血を引く少年"イツ"。かつて自らの命の恩人である"スイ"を連れ高野山から逃亡を図るも失敗した模様。
・壮年の坊主…大きな数珠を首から下げている。道満の腹心的ポジション。いつも子供と一緒。
・子供…かつて坊主に拾われた。口がきけないが行動力に富む。
・白菊…白拍子(男)。一味の中では色仕掛け担当なのか道長に近付く。
・隻眼の男…黒髪に眼帯。白菊と行動を共にする。彼とは浅からぬ仲のよう。
・髪色素薄めの若者…"金さえたんまり貰えりゃ文句はねぇ"そう。二振りの得物を持つ。
・盲目の黒髪の男…琵琶法師(?)の様相だが術師。若者と組んで動く。
☆藤原道長グループ
・藤原道長…左大臣。今の栄華に満足せず、皇統を己が血で染め上げるためなら手段は厭わない冷酷な人間。安倍晴明を使って三条帝方を苦しめる。
・藤原頼通…道長の息子。美青年であり、道長の政敵である小野宮とは政治や学問において師弟関係にある。
・保憲…安倍晴明の師、加茂保憲と思われる。為政者のために手を汚す晴明を案じている。
・安倍晴明…道長に仕える陰陽師。道満よりも常に一枚上手。保徳のことを大切に思っており、道長の手先となっているのも彼のためと思われる節がある。犬神の宿禰・忌寸を使役する。
☆???
・道満の師…鬼人。晴明似の真白い長髪の男。(本編だけでは全く分かりませんでしたので作者様インタビューを参考にしております。素人には最初晴明かと^^;よく見たら服が狩衣ではありませんでした)
・丑の刻詣の女…術により道満一味への罠に仕立て上げられた敦明の中宮。
かなり長くなってしまいましたがこんな感じでしょうか…推測で書いたところもあるので違うところがございましたらコメント等頂けますと大変有難いです。作者様の仰る道満の師あたりがイマイチよく分かっておりません。分かり次第随時訂正させて頂きます。
ストーリーに関しては他の素晴らしいレビュアー様がお書きになっている通りですので割愛。本当は晴明の術についても色々描きたかったのですが既に長すぎるのでこの辺りで!来月発売の次巻への期待を込めて評価は神とさせて頂きます。
評者です。
完結巻を読むと全てが見えました。(当たり前ですが)
道満の師はこの巻では登場しておらず、"晴明似の鬼人"と記載しました男はどうやらそのまま晴明でした。読解力が足らず、いいねして下さった皆様には申し訳ございません。謹んで訂正させて頂きます。他にも訂正したい箇所はございますが、今巻を読んでの解釈ということでお許し頂けますと幸いです。
稲荷家先生のひさしぶりのBL新刊、楽しみにしていました。一般紙で描かれていた安倍晴明が主人公の物語は『眠れる刻印~「黎明の花」断章~』という同人誌に収録されていて既読済みです。『玻璃の花』はその続きに当る物語です。
平安時代が舞台で登場人物も多く、名前も覚えるのも関係性を頭に入れるのも大変で、一見するととても難解です。その上、時間軸や場所があちこちに飛ぶので混乱します。だけどあまりに美しい絵で表現された世界観に、やっぱり隅々まで理解したいとゆっくりと丁寧に何度も何度も読んで、そしてふと気が付いたのです。これは単純に愛の物語だったのだと…。
帝を中心に右と左。道満は右側、清明は左側です。道満は東宮(双子の兄)の厄災を引きうけるヒトガタになった瑞慧を守るために戦い、清明もまた想う人のために東宮を狙う。道満と清明には似ている過去があり、どちらにとっても想い人は、この世でただ一人手を差し伸べてくれた人で、彼らが生きる理由そのものなのです。
別れを繰り返した瑞慧と道満の過去が、現在の戦いの中に挿入されて、道満が大人だったり子供だったりするので謎が深まるのですが、1月に発売の『玻璃の花 紅蓮の章』ですべて明らかになって行くのだろうと思います。
獣の血を引く道満は心とは別に体の疼きは止められないようで、とてもいいところで終わっているので続編が待ち遠しいです!
時系列でわかりやすく描いて行けばもっと万人受けする作品になると思うのですが、圧倒的な画力の美しい絵で複雑に絡ませて描くのが稲荷家流。その複雑さも大きな魅力の一つなのです。
稲荷家さんの久々の新刊は、平安時代の陰陽師もの(下巻は来年1/6発売予定)。
悪役として描かれることの多い蘆屋道満に焦点をあてた作品です。
尚、本書は稲荷家さんが別名義で出された安倍晴明シリーズ(『未明の獣』『黎明の花』)の関連作とのこと。
この2冊は既に絶版ですが、道満の出ているエピソードは同人誌に再録されているそうです。
あらすじ:
外法師の蘆屋道満(攻め)は、右大臣・小野宮の依頼で帝を呪う術者を始末するも、帝の眼病は悪くなる一方。
何かを察した彼は、高野の奥の「玻璃の堂」に封じ込められている僧都・瑞慧(受け)に会いに行くが…
なぜ瑞慧は「玻璃の堂」に閉じ込められているのか?
道満と瑞慧の関係は?
様々な謎を、時系列や場面を前後させ少しずつ明らかにしていく群像劇風の構成。
事実関係が整理されていくにつれ、物語に引き込まれていきます。
時の人・藤原道長に仕え、春宮(皇子)に呪いをかけようとする安倍晴明と、訳あってそれを食い止めようとする蘆屋道満。
二人の呪術合戦の絵の迫力、独創性はさすが稲荷家さんという感じです。
そして、鍵となるのが瑞慧の存在。
春宮の双子の片割れで、彼の災厄を肩代わりする「ヒトガタ」として生かされている瑞慧。
清明の呪いを受け苦しみ続ける姿は大変痛々しく、忌み子の運命の儚さを感じます。
そんな瑞慧が昔拾った、鬼の血を引く少年「イツ」が現在の道満なのですが、瑞慧は道満の記憶を失っている状態。
そんな瑞慧に会いに行き、彼を災厄から守ろうとする道満の献身にグッときます。
幼少期の道満と瑞慧の過去も挟まれることで、かつての少年が逞しく成長し、瑞慧を守るまでの力をつけたことが強調されており、年下攻めの魅力を感じます。
道満が「獣の刻印」を刻んだ経緯は?
瑞慧が道満を「二度捨てた」とはどういう意味なのか?
など、謎はまだまだ山積み。
清明の術中に嵌った瑞慧と、負傷した道満は再会できるのか、という点も気になり、下巻の発売が待たれます。
呪詛の仕組みや、既刊で出ていたっぽい脇キャラたちの関係など分かり辛い箇所もありましたが、それでも美しい絵柄とストーリー展開に引き込まれ最後まで面白く読めました。
下巻では二人の幸せな結末と、道満×瑞慧の甘いシーンが拝めることを祈ります。