17 生徒

17 seito

17 生徒
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神94
  • 萌×264
  • 萌30
  • 中立7
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
24
得点
823
評価数
200
平均
4.2 / 5
神率
47%
著者
木下けい子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
シリーズ
17 生徒
発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784813031291

あらすじ

有岡敬広。17歳。高校三年生。
要領がよくて、見た目がよくて、だからいいかげんにやってもうまくやれてきた、これまでは。

三島 真。26歳。高校教師。
真面目に、誠実に、言えない想いを抱えて、暮らしてきた。

ただの生徒と教師だったはずなのに、気がついたときには、好きになっていた……
生徒×教師のイノセント・ラブ!

表題作17 生徒

高校3年生,17歳
攻の高校の地学教師,26歳

その他の収録作品

  • 夜空(描き下ろし)
  • カバー下:イラスト

レビュー投稿数24

心にずっと残る作品

心にずっとずっと残る作品。素晴らしい

作者様買いです。
最後まで読んで本当に良かったです。

コンビニ前で先生が泣き崩れて、2人で星を見に行く場面がとても印象に
残っていて、大好きな場面です。
途中の有岡くんが涙を流してヘッドホンをしている絵も、素敵です。

先生の人生に対する諦めが、特に重くて、苦しかった。
それでもその先生の気持ちを動かした有岡くんは、素直で健気で。
取り返しのつかない間違いをして、後悔して、そこから
先生への愛と頑張りが実って良かった。

心情の描写が自然で、秀逸。
ずっと心に残る素晴らしい作品でした。

0

大人は言い訳が多すぎる

17生徒シリーズ、3巻完結まで読みましたがなんとなくこの一作目が1番好きかもしれません。

特に何も興味がなさそうで、何にも熱を持つこともなさそうな無気力な有岡くん、たまたま興味の対象に刺さったのが三島先生だったんでしょうね。
そこからの攻め攻め具合は真っ直ぐで猪突猛進な男子校生。
どちらかというと自分の年齢的にも三島先生の立場で読んでしまうので有岡くんに対して一時の感情だよと諭す気持ちも分からなくないです。
ただ子供だからといって否定し決めつけるのは何事に対してもよくないですよね。
立場、過去、日常が壊れることへの恐怖、もろもろ大人はほんとずるいですね。

0

表紙デザインがシャープだわ

表紙デザインがそれまでの木下先生作品と雰囲気が違うなぁという印象で、中身も違うのかしらと思いながら読み始めました。
シャープなデザインでこちらも好きです。

中身の絵も、線、構図、コマ割りが洗練されていて、あれ?先生ってこんな感じでしたっけ?と既刊本をいくつかパラパラ見返しました。
極端には変わっていないけど、やっぱコマ割りがシャープに感じます。

教師とDKモノって禁断だよってのが先に立ってしまいあまり萌えなくて(卒業してからくっつけばそれでよし、となりますが)
表紙デザインの印象もあり、ちょっと構えて読んだんですよね。

そしたら、やっぱりきましたね。
レイプ…。
そこまで悪質ではないからまだよかったけど、でも流血してたし…。

有岡が三島先生に惹かれてどうしようもなくなっていくのがかわいいけど。
若い分、怖さもあって、それがこんな風になっちゃうのが説得力あって、さすが木下先生です。

有岡が自分でも怖くなるくらい反省したのがまだ救いだし、それでも諦めきれなくて、三島先生が好きなもの全部好きになりたい、というのは純粋でかわいいなと思います。

この先、2人がどうなるのかドキドキ楽しみに続編読みます。

0

17歳、子供で大人で…

ずっと読みたいと思っていた本作。
まずは1巻目のこちらから。

生徒×先生ものは好きで、割りと読む方ですが、好きになった人にはすでに好きな人が居て、叶わない恋に胸が締め付けられる…みたいなヤツは久しぶりに読みました。
その切なさを3巻かけてじっくり読めると思うと、胸がチクチク痛むと同時にめっちゃワクワクします。

今まできっと好きかもって思った子には好きになってもらえて、人生イージーモード勉強もそこそこ、大学はどこか受かればいいっしょ、みたいな有岡が初めて思い通りにいかない恋に対峙して悩んで苦しんでる様が切ないです。

そんな有岡に自分の高校生時代を重ねて、拒絶しきれない三島の恋愛の方も切ない。
いつまでも恋心を燻らせたまま親友でいるのって辛さしかないのでは。
それでも望みを捨てられない悲しさよ…。

早くこの恋愛の成就が見たい〜〜って思える作品です。

1

あんバター

17生徒→17教師→17初恋

木下先生とはぶっちゃけそこまで相性が良くなく、ぐっとはハマらないことが多いです。こちらは続刊もあり、続きにワクワクしている自分がいて嬉しい。

行間を勝手に読むのが好きなんですが、先生が買っためっちゃいいカメラのレンズについて考える。津田は飲むと毎度よく家に泊まりにくるのかな。三島はそれに合わせて高いレンズ買って、津田と一緒に星を見ようとしたのかな。そんな夜に有岡が来て、あんな事になったのかな。とかね。

0

交わらない片思い

まだわたしが友人から借りた数冊を読んだだけで、「BL道場」の門の前で入門するか悩んでいた頃、辿り着いたこのサイトで話題になっていたのが、この作品でした。
あのとき、「レビューランキング」の上位を独占していた本を、今手に取っていると思うと、何だか感慨深いです。

そんなわたしのノスタルジックな気持ちは置いておいて。

バイト先でのトラブルを解決してくれた、小さい背中をした大人。
それまで大きな悩みもなく過ごしてきた有岡の心の中で、三島との出会いはどんどんと大きな意味を持ち始めて…。

高身長でイケメンで、大人っぽく見えたってまだ社会に出ていない17才。
小さくて頼りなく見えたって、自分の足でしっかり立っている26才。
このくらいの年齢のときの差って大きい。
昔、頭でっかちだったわたしが考えた「10代は親や周囲の大人の価値観を借りて分かったようなつもりでいる時期、20代は広い世界に自分の足で立って、自分の目で見て、周囲の価値観も柔軟に受け入れながら自分なりの価値観を作り上げる時期、30代からは自分が作り上げた価値観を軸にブレずに生きる!」というのがありまして。
まだ狭い水槽の中にいる10代と、大きな海原に出た20代の差って、ちょっとやそっとで埋まるものではなく。
限られた人間の中から選んだ1人と、たくさんの人に出会った上でそれでも「この人がいい」という気持ちの差も大きい。
だけど年というのは、一朝一夕で埋められるものでもなくて、もどかしいですね。

有岡は大人っぽいけど、自分の気持ちだけで突っ走る若さもあって、そういうアンバランスさが10代の魅力。
対する三島は、子供っぽいふわふわしたイメージがあるものの、すごく強い。
しっかりと軸になる自分というものがあって、そこからブレない。
イケメンなDKに言い寄られたら、高校生だった自分の叶わない恋と重ねていただいてしまうのもアリかもしれないのに、流されません。

「生徒」では有岡の中に初めて芽生えた気持ちと、それをどう扱っていいか分からずに相手を傷つけてしまう青さが描かれていました。
有岡の友人の表情から、この子の気持ちも察知できるし、ずっと親友を続けている三島の友人が今後どう絡んでくるのかも気になる。
「教師」ではどうなるのだ…。
行ってきます。

2

まっすぐ視線をぶつけ合う二人

教師と生徒ものは学生を卒業してからはどうしても教師目線で見てしまいます。教師に迫る生徒は迷惑に思えてしまったりで、100%楽しめないこともしばしば。でもこれは先生の倫理観がちゃんとしてて面白く読めました!

ちょっとしたきっかけで先生が気になる有岡君。勢いで突っ走ったり泣いちゃうほど好きをぶつけたり、高校生だなあ。もう、甘酸っぱくて応援したくなる!w
先生は片思いが切ない。あんなに有岡君にはきっぱり言えるのにね。
お互いすごくじぃっと相手をまっすぐ見合うのが良かったなあ。青春まっさかり高校生と嘘がないんだろう性格の先生っていう感じが出てると思います。

アレなシーンは本気で痛そうでちょっとびっくりしましたが。ここからしっかり挽回していって欲しい!

描き下ろしの「夜空」の有岡君はカッコ良すぎてきゅんきゅんでした!次も楽しみ。

1

シリアスな内容だが。。

地学の先生に恋したDK。
いつもひとりで、表情が変わらない先生、三島と、イケメンで人生お気楽モードの有岡くん。内緒で有岡がバイトしていた先で、トラブルを颯爽と解決したことから、有岡は三島先生が気になり始める。

一方、三島は同級生に永遠の片想い中。それをひた隠して生きている。

だんだんと先生への気持ちが抑えられなくなった有岡は、先生を無理矢理。。

という1巻でした。

高校生と先生で、こういう問題が起こるとかなりシリアスですが、絵や台詞のタッチのせいか、そこまでダークな印象はありません。でもちょっとすっきりしない。。

0

はじまりは低温

新刊『17 初恋』が気になって調べてみたところ、こちらシリーズだったんですね。
というわけでまずはこちら、1作目の『17 生徒』を。

17歳の高校生・有岡は、新任の地学教師・三島に恋心を覚える。
ところが三島には、高校時代から思い続ける男がいて…

全体の雰囲気が非常に低温です。
いわゆるリア充で、見た目もいい有岡。
でもどこか大人びている17歳。
一方教師の三島は寡黙で冷静、学者的な雰囲気が漂います。

そんなタイプが正反対な2人だけど、不思議と纏う温度が似ているのです。

授業中ちょっと体調を崩して、一人で保健室にいくときのような…
校舎内にたくさんの人がいるはずなのに、まるで今、自分一人だけが、学校に存在しているかのような、あの独特な不思議で静かな時間…
そんな雰囲気を作品全体に感じました。
そして、私はそんな空気感がとても好きです。

有岡くんは、本当に突然に三島先生に恋をします。
何故、どこに惹かれて恋をしたかわからないけれど、インスピレーションで突然始まる恋。
(自分はゲイなのかな?先生を好きなのかな?)と自問はするものの、その気持ちを自然に受け入れていきます。

しかしそんなある日、三島が片思いしている元同級生の津田と一緒にいる場面に遭遇した有岡。
そして、津田に対する三島の想いを知った有岡は、我を忘れて強引に三島のことを抱いてしまいます。

レイプまがいのことをした有岡に対し、冷静に淡々と先生と生徒の枠を超えない接し方をする三島。
反対に先生への好きをますます深く感じる有岡。
この低温な2人の間に、果たして熱は生まれていくのか…
まだまだ序章だと思うので、続巻が楽しみです。

ハイテンションな高校生ものもいいけど、子供と大人の間のアンバランスな17歳を静かに描くこんな作風もいいですね。
心惹かれました。

4

キラキラと切なさと。

17シリーズ全三巻を購入して、こちらの「生徒」を初めて読みました。
有岡くんの先生への恋。有岡くんが先生のことを気にしはじめてから、偶然寝ていた先生に思わずキスしてしまう…後日、地学準備室でそのことを打ち明けるシーンがとても好きです。
「先生、童貞?」からはじまって、有岡くんは若い、17歳らしい、台詞をぽんぽんと投げる。自分が傷つくこと、相手を傷つけてしまうかもしれないこと、そんなことは恐れずに向かっていく有岡くんはホントにキラキラしてます。
でも、実は先生には好きな人がいて、有岡くんのことは好きにならない…、有岡くんが先生を抑え込んで無理やりに近い感じで先生を抱いてしまったのは、けっこう予想外の展開でした。先生が同情?で許したのかもしれないけど、有岡くんは深く深く反省します。先生のことを考えて胸がつぶれそうになる…読みながら涙してしまいました。
先生はかなりキツい言葉で有岡くんからの気持ちを受け入れなれないことを伝えてるんですよね。だけど有岡くんは好きになることをやめられない。
ああ、こんなことってあるよね、うんうん。続きが気になりすぎる!有岡くんの友達、蓮くんも絡んでくるのかな?
電子おまけは先生と、その想い人津田くんのエピソードに有岡くんの行動がかぶって…と。こっそりキスしてしまうのは、やっぱり恋だと思います。

3

17歳の特別感

敬広が三島をどんどん好きになるのが早い!と感じました。
興味から始まったのでしょうか。
木下さんが17歳の特別感を描きたいと書いてらっしゃるのでこれがそうなのかな?
視野が狭くて思い込んだら止まらなくて一方的にぶつかっていって。
敬広が切ないし苦しいですね。
家庭にも満たされてなさそうで無気力だし。

三島の高校時代が何度か挟まれています。友達が好きで今も好きで。でも絶対にかなわなくて。三島も切ないです。友達付き合いは続いてるんですね。
きっと高校時代も今も数少ない友達なんだろうな。

敬広が三島を好きで好きで。もう理由なんてわからなくなってますね。三島の好きなものになりたいって。あんなことになってしまってこの二人に結ばれる結末が想像できないです。
結ばれずに終わるのかな?

それにしても絵がキレイですね!昔の作品と比べてもかなりスッキリとしてます。昔の絵も味があって良かったですがますます好きになりました。

1

2つの恋の終着点を見守りたい

 生徒×先生ものとして王道的展開を辿りつつ、先生自身の叶わない恋愛も交えながら、ちょっぴり切なさを漂わせる物語となっていました。生徒である有岡が気持ちを打ち明け、先生である三島が「思春期特有の勘違いだから」と一蹴するのはベタ中のベタですが、三島もずっと見込みのない恋に悩んできて、そんな自分と有岡を重ねながら2つの矢印の狭間で葛藤する姿が印象的でした。

 有岡がぐいぐい攻めるタイプなので、三島もちょっと強引に押されれば絆されてしまうのではと思っていましたが、そう簡単に突き崩されるわけでもなくしっかり有岡に対峙して、彼を子供扱いせずに厳しい言葉もかけるところがとても良かったと思います。ただ、一度有岡が暴走して合意なしに三島を犯してしまうシーンがあるのですが、のちに三島がその時のことを「最後は同情で受け入れた」と発言していて、そこだけ疑問が残りました。同情で受け入れたと認めるなら、有岡が100%悪いと言えなくなってしまうのでは?と思いました。続編でどのようにもう一度関係を構築し直すのか気になりますね。三島が好きな星空に例えながらのモノローグは素敵でした。

2

あなたが、どうしても好きなんだ :生徒サイド

木下けい子 初読み

カバー装丁が綺麗ですね。
生徒サイド:有岡敬広でお話が展開していきます。

友への密かな気持ちを秘め、
あきらめの気持ちで、静かに生きてきた教師。

本気で誰かを好きになったことがない、
平凡な日々を送る、高校生。

そんな二人に、恋がはじまる。
一人見上げる夜空の星に、去来する気持ち。
二人の関係は、まだ、少し触れあった程度にすぎない

■攻:有岡 高校生 17歳 × 受:三島 高校の地学教師 26歳

 有岡のバイト先トラブルを、回避してくれた小柄な男、三島。
 意味ありげな言葉を残し、三島は去っていく。
 後日、有岡は、校内で三島を見かけ、自分の高校の教師と知る。
 
 特に夢もない、女にも困らない、流されるように過ごす有岡、
 最初は単なる好奇心だった。
 地学の教師 三島への好奇心と共に、彼に対する気持ちが芽生え、
 三島が愛する星空にも興味を抱く様になる。
 三島と接するうち、淡い気持ちは有岡を動かし、
 そして、寝てる三島にキスをした。

 近づき、話し、触れて尚、先生を独占したい気持ちが止められない。
 津田を思い続ける、三島に嫉妬し、身勝手な欲望は加速する、
 「先生が好きすぎて、おかしくなる。」
 有岡は強引に三島を抱いてしまう。
 自分の愚かさに謝罪する有岡だったが、三島は冷たく拒絶した。
  
 津田への気持ちを秘めながら、友人関係を続ける三島。
 目立たず、静かに生きてきた。これからもずっと…と
 
 自分を慕う、有岡は生徒の一人に過ぎない。
 涙を流す有岡に、半ば同情し抱かれたが、気持ちは頑ななまま、
 子供の我がままだと 冷めた視線、冷淡な言葉で有岡を切り捨てた。
 「君と僕は、ただの教師と生徒にすぎない。」
 
 それでも、先生を一番好きなことに変わりはない。
 一人訪れたプラネタリウムで買った星空の絵葉書を、三島へ渡す有岡
 「俺はこれが一番好きです」の一文。
 それは、三島も好きな、同じ星だった。

 有岡の気持ちが最後に綴られ、お話終了。 

 エッチなシーンは、ほぼありません。
 有岡はイケメンですが、三島はネクラ地味メンです。

 17歳の真っすぐすぎる行動は眩しく、危うく、自分勝手でもある。
 若いね~、と思わせる。その世代でしか抱けない気持ちだ。
 
 台詞少な目ながら、惹きつけるストーリー構成、
 シーンコマ割で、何度も読み返してしまい、
 胸がキュンと痛くなり、くせになる、せつなさ。

 少しずつ動き出す二人の気持ちと、関係の変化は

 次巻、「17 教師」へ続きます。

1

1コマの破壊力

良かった~。

そして2018.3.1現在ですが、電子書籍でも2巻にあたる「17 教師」が出てますので2冊ともあらかじめお買いあげになって頂くのがオススメです!
それが無理、アンタの言う事信じられない!(^O^)なら読後、すぐに買いに行ける状況にして頂きたい!
それぐらいに2巻が気になりますよ!




。。。ココからややネタバレです。。。

あらすじ見てコレはいつもの木下先生の高校生モノはドキドキピュアピュアが鉄板ではないぞ、とは思ったけど、ここまでとは!
こんなにグワーンと鉛を飲まされるとは思わなかったので読後しばらくの今はビックリしている状況です。

タメがあるコマ割り?のせいで2人の息が詰まるような空気感がこちらに波及して息が浅くなって口を半開きで読んでました。

しかし、過激エロ描写なんて全くないんですよ!本作。
ですが、触手、過度なショタ、過度なSM、救いのないり◯かん物以外はほぼ耐性が出来てる私でもたった一コマの破壊力に息を飲んでしまいました。

当初は木下先生の描く絵でキレイだし、高校生主人公だし、エロ描写ないし、初心者も行ける作品に違いないと思ったけどこの私がこの一コマに動揺してしまってるのである意味つらい、でも初心者にも上級者にもぜひ読んでもらいたい作品だし…とココロが乱れまくっております。

しかし、2巻の表紙袖部分?というのかなそこに木下先生が「有岡くんも先生も気を抜くとすぐに庶民顔に…」と書かれていますが、なるほど、いつもの木下作品より硬質なタッチですよね。それが2人の意思の強さを表してるというか、三島先生なんてパッと見は小柄なので典型的なウケちゃんかと思いきや、この硬質タッチのおかげで有岡くんをはねのけパワー&バリアがよく表せてますもん。

そして他の作家さんだと、顔の書き分けと表情が出来てなくて、三島先生と友人津田の過去の高校生シーンと現在の高校生シーンがごっちゃになったりする事が多いのですが全くそんな事ないですもんね。

改めて木下先生の底力と作風の幅を知った一作になりそうです。

6

若ければ何でも許されるってもんじゃない!

今のところ、攻めにも受けにも萌え要素がほとんどなく、評価は中立です。

受けの高校教師は、口煩くないし物分りもいい方なのにどこか生徒との間に一線おいていて、チャラい系の高校生攻めが興味をもつ、というのはまだわかりますが、ノンケの高校生男子がいきなり恋心を抱くには、あまりに地味で見た目も平凡すぎるなと思ってしまいました。
受けが昔から隠してきた友人への恋心を知り、力技で受けを自分のものにしようとした攻めについては言語道断!若ければ何でも許されるってもんじゃない!
今後の攻めの頑張りによっては、一段階くらい評価が上がるかもしれません。

1

戻ることのない この時を

「とっておきの誰か」が心に住んでいる人に振り向いてもらうには、どうすれば良いんだろう・・・
巻数はふってありませんが続きモノになっています。

それまでは その人の存在なんて気にも留めなかったのに、ふとしたきっかけで出会い、そこからは寝ても覚めても考えてしまうのは三島先生(受け)のことばかり…
有岡君(攻め)、17歳。顔と愛想の良さでなんとなく、うまく過ごしてきた彼の戻れない恋の始まり。
三島真、26歳。学生時代からの友人(津田)に言えない想いを抱えている。それでも真面目に、誠実に今までは暮らしてきた…
津田と共に過ごした 通り過ぎていった、かけがえのない時間。これから先 何が起ころうと、どうなろうとその日があった事を振り返れば大抵の事はどうにかなる、大丈夫。そんな風に感じさせる、彼の事を思い浮かべている時の はにかんだ三島先生の表情がとても印象的だ。

昔も今も津田と「友達づきあい」を重ねつつも、高望みをしないよう絶えず注意深く自分を制御している三島先生とは反対に、自分のパーソナルスペースに遠慮なく入ってきて思いがけない言動と行動を繰り返す有岡。
ある日とうとう、三島先生の津田への想いを知らされた有岡は・・・

有岡がとった行動の詳細は省きますが、先生の心の冷たい場所に消えない傷跡を残してしまったことは確かだと思う。でも「その瞬間」、先生が見せた揺らぎに私は希望を見出だしたい・・・
傷を負わせた立場の彼には誠実さと思いやりを持って、本当の先生を知ることから始めて欲しいなぁ。
そして有岡君と関わったことで、一人ではどうにも出来なかった どうにかしようと思わなかった津田への想いに先生がどんな答えを出すのか。

誰かのことを強く想って“自分の知らない自分の姿”に戸惑い、苦しんで、もどかしい思いをこの先するであろう、17歳。
彼の課題は「津田と三島が過ごした時間」を受け入れ、先生が抱えているものごと全部抱きしめてあげられるか、かなぁ…と私はぼんやり考えている。
やっと動き出した二人の物語を、最後まで見届けたい。

10

17、危険な季節

胸キュンの大家、木下けい子先生のシリアス系作品ときいて、少し構えて読み始めました。
だって、木下先生って時々ゾクっとするほど不穏で不吉な黒雲を漂わせるから…。(←称賛です!)
読んでみたら、不穏というよりもヒリヒリとした焦り、のようなものを感じる。
以下ネタバレ含みます。


主人公はちょっといい加減に生きてる高校3年生、敬広。
そんな敬広が、普段は全く接点のない地学担当の教師三島とひょんな事から知り合って。
三島は小柄で物静かで優しいけれど、どこか他人、特に生徒とは一線を画していて、距離を縮める事が出来ない。
大人しい印象の三島に対してはじめは上から目線的に近づく敬広だけれど、近寄らせてもくれない三島に苛立つような、すがるような。
同時に、三島にも高校時代から好意を抱いている同級生がいる設定が描かれます。
「来年卒業したら…」と告る敬広に『想っている人がいる』と拒否する三島。激情にかられて三島をレイプしてしまう敬広。

とここまでがこの1巻め。
後悔して、でもかえって余計に三島への恋を深める敬広と、顔も見たくないと静かに拒絶しつつもどこか敬広と自分を重ねてみるような三島。
これから2人に何が起こるのだろう…と期待を持たせる展開です。

私的には、敬広が三島に恋をしていく過程が少し納得いかない感がありました。ゲイじゃないのにすんなり好きになる?という。
三島の片想いの相手津田、敬広の友人蓮も、もしかしたらみんなゲイのBLあるあるではないか、と思わせる節もあり、この辺のモヤモヤが2巻目では解消されるといいなぁと思ってます。

4

詐欺られたような気分

攻めのバイト先のいざこざを助けてくれた客が、攻めが通う高校の教師だった、というお話です。
高校生×高校教師の年下攻め。

攻めはいざこざを助けてくれ、禁止されているバイトを見逃してくれた教師に興味を持ち、つきまとうようになります。顔が良くてチャラいめの攻めに対し、受けは地味で平凡気味のキャラ。派手なエピソードや大きな事件もなく、興味しかない時点で付きまとっているうちに、攻めは受けにだんだん惹かれていきます。
受けのほうは、攻めに恋愛感情による好意はありません。普通の生徒に対するよりは気に入っているみたいな雰囲気はありますが、付きまとわれ、好意を寄せられてちょっと困っているような感じ。
そんなバランスが、受けの片想いしている高校時代の友人の存在を攻めが知ったことによって崩れます。

端的に言えば飄々とした攻めが地味な教師にハマり、暴走する話で、作者さんがくっつかせようと思えばいつでもくっつけられるような展開です。
でも以下続刊でした…。個人的に、続き物は巻が出揃ってから読みたいタイプなので、続き物を「1巻」と銘打たずに売られるとすごくイラっとします。こんなに明らかな続き物なのに、故意に単巻のように売る姿勢が気に入らない。気分的にはしゅみじゃないをつけたいくらいでした。

20

一番綺麗で、一番好きな星。

二色使いのカバーがとっても新鮮で、かつ好物の高校生ものだったので、しっかり予約してました。読み始めてからお話の進み具合が見えず、残りのページ数が少なくなってきた頃、皆さん同様ホント焦りました。一体どーやって決着つけるの?…ハラハラしてたら、to be continued...

高校生の有岡は禁止されているバイト先で、ある客に窮地を救われる。その客が有岡の通う高校の教師・三島と一致したのを機に、今まで存在すら気にも留めていなかった地学の教師に俄然興味を持ち始めます。

有岡は三島へ抱く思いが何なのか、三島の準備室に通いつめて確かめようとする。同性なのに先生のことが気になって、振り向いて欲しくて、自分の中だけで一気に盛り上がって、…暴挙に出てしまう。恐れを知らない若い青さのせいだけではなく、恋に落ちてしまった者特有の焦燥感が綯交ぜになっているところが切ない。

対する三島は有岡に自身の姿を重ねて哀れみつつ、その場は不本意ながら受けとめてやります。教師として冷静な対応を見せているけれど、彼の胸中がいかなる方向に変じていくのか、この段階ではまだ読めません。

三島のキャラがツボです。親友への思いを胸に秘めて、側にいられるささやかな喜びを励みにして…はみ出したものも、持ちきれないものも全部自分の中だけで抱えながら、平穏に日々を送る。性根が強くて何事にも動じなさそうだけれど、見えないところにヒビ割れが潜んでいそうな三島。彼の担当教科がそう思わせるのかも知れません。というのも、鉱石や天文ってどうしてもわたしには少年趣味のイメージがあって、なんとなく彼の中の無垢で傷付きやすい部分を象徴しているような気がするんですよね。

三島が触れたくても触れられなかった領域を、性急に飛び越えてぶつかって来た有岡。この先どういう展開になっていくのだろう。続きが楽しみです。

8

恋に迷え、高校生

初めての恋、自分の恋愛感情だけに目が眩んで突っ走る17歳のお話。
要領がよくて、見た目がよくて、だからいい加減にやってきた、まだ何も考えていない有岡が、
9歳年上の教師の三島に恋をして、自分勝手な激情のままに欲望をぶつけてみたけれど、、、。

これって、一応続きはあるのかな?
泣けば何でも与えてもらえると思っている、ほしがるだけの子どもだった有岡が、三島に拒絶されることで、これからどう成長していくのか、
果たして二人の未来は、また交錯することはあるのか、ないのか、

木下先生、連続で高校生が主人公のコミックスを出されたけど、こっちの作品は随分とひりひりした味わい。
2作品、全く違うようでいて、思春期の子どもが、不慣れな恋に右往左往するっていう根幹は一緒なのかな。

8

雀影

セルフツッコミ
で、これと「あさはら~」をたまたま続けて読んだのだけど、「あさ~」は私好みの年上受け、こっちは私好みじゃない年下攻め。
高校生と年上社会人っていう、似たような設定で、見事に年上受けと年下攻めのサンプルが揃ったのな。

子どもでも大人でもない

些細なきっかけで好意を持ち、恋に落ちる。
十代のエゴイスティックな気持ちを全面に押し出し、愛される期待に満ちる眼差しを眩しく感じてしまいます。
好きな人の好きな人も同性。
かなわない気持ちを告げる三島に、それならばと。
自身の気持ちを受け入れて欲しいと強引に踏み込んでしまう有岡。
展開のバッサリ感に戸惑ってしまいましたが、無知で傲慢な振る舞いの結果、後悔の念に駆られる姿が痛々しく感じられました。
そして、それでも諦めきれない気持ちを持て余す大人びた表情を見せる有岡に、ぐっと引き込まれ…。
あっという間に読み終わってしまい一瞬放心状態。
すぐには見つけられなかった「To be continued」の文字に安堵しつつもどんな展開になるのか。

最近の作品ではゆるふわな展開が多かったせいか、油断してた所に思わぬ鋭さが突き刺さり、本当にずるいなぁと唸ってしまう読後感となりました。

11

青白い焔のような

作者らしい日常的な出来事が柔らかく描かれる中
静かに激しく進む物語に、これ収集つかないよね?と
読みながら残り頁を思わず見てしまったが、やはり続き物。

作者のコミカルで暖かでキュンとするような作品群も好きだが、
こういう胸を締め付けるような痛みを描かせると上手いと、再確認。

                ☆

有岡敬広、17歳、生徒。
タイトル通り、物語の主人公。
母親から「顔と愛想がいいのは別れた旦那にそっくり」と言われるような
なんとなく要領よく生きている高校3年生。

彼は、バイト先のレストランで、クレームをつける客に対応している時
間に入ってくれた小柄な眼鏡の男性と、学校で再会する。
今年からやってきた地学の教師・三島真。
禁止されているバイトの件を叱るでもなく淡々とした三島に興味を持ち、
やがて自分の気持ちが「恋」であることを自覚していく。

初体験は中1という彼だったが、実は心を揺らされるような思いは初めて。
三島が高校の同級生である親友(男)に、
長い報われない片思いをしていると知った有岡は、
思わず三島を組み敷いてしまい……。

悔やんでも悔やみきれない思いを抱えて謝りながら、
一方で自分の想いを言いつのる有岡の幼さ。
17歳という年齢の持つ未熟さや熱さ、情熱、行方の分からない焦り……

三島の中にも揺れがあり、拒絶しながらも
三島が有岡との些細なふれあいの中に、
かつての自分の17歳の想いを重ねている描写が秀逸。


この二人がどんな風にそれぞれ成長して歩みよっていくのか?
作中に出てくるシリウス、その光のように冷たく静かに激しく、
続きもじっくりと描いて欲しい作品です。

                ☆

キャラクターの持ち味が違うし、コミックスという媒体の違いはあるが
教師と生徒、凪良ゆう先生の『未完成』を彷彿とさせるテーマの作品でした。




*二巻のタイトルは何になるのかな?
 「26先生」とか?(笑) 少なくとも「17生徒、2」ではなさそうな。
 続きって分かるようなタイトルにして欲しいなぁ。
 

11

クリボウ

snowblackさま

こんばんは~(*´-`*)ノ
すごいすごい!!
続巻、タイトル違う説、素敵です!!
思いもよらなかった~。
うわ~ホントにありそうですね。

今作品、切ないです~。
いろいろ切ない←貧弱語彙丸出し!!

この穏やかな冷たさはなんだ…?

ふわふわとコミカルで可愛い話が続いていた木下けい子さんの今作は表紙と帯から不穏な切なさが漂っているな~とドキドキしながら開いたら、ほのぼのとした描線から紡ぎ出されているのはひりひりズキズキするような痛みと喪失感だった~!!

薄めの本だな~と思ったら続き物でした。
この巻だけでは終わりません。

有岡敬広:高校3年生。
「顔と愛想がいいのは別れた旦那にそっくり」と母に評される要領のよさで過ごしてきた彼はとある偶然から地学教師:三島真に興味を抱くようになります。

同級生:蓮や母のように何かと自分にアドバイスをするわけでなく、常に一定の距離感を保つ三島の考え方に物足りなさにも似た戸惑いを感じていた有岡はあれこれと理由をつけては近づくように。

そのやりとりの中で生まれた三島への気持ちを「初恋」として自覚した有岡は、これまで自分と向き合ったことのない不安定さに揺れるようになります。

そんななか三島が自身の同級生:津田へ片想いをしていることを告げられた有岡は一方的に想いを遂げてしまいます。
有岡の半分大人で半分子どもの孤独に満ちた暴挙には思わず眉をひそめてしまいましたが、三島は有岡に押し倒された時、野蛮な行為を受けとめます。

これは有岡の涙の中に、津田への恋心を封印している自分を重ねて見ていたんだろうなぁ…と。
自分が声にできなかったことを目の前で涙をこぼしながら言われて…抵抗しなかったのではないかと。
三島の片想い歴も長いから思うところがあったのかも。

でも、行為は受けとめても想いを受け入れたわけではない三島は謝罪に訪れた有岡を拒絶します。
すごくまっとうな先生なんだ…激情にかられることもなく静かに拒否をすることで相手にとりつくしますら与えない。

有岡の孤独が両親の離婚が陰を落としているのか、思春期の不安定さが膨れ上がってるのかはわかりません。
好きだからといって三島に対して行った蛮行は許されるものでないことは彼自身、既にわかっています。

自分のせいで傷つけてしまい距離があいてしまったことはとりかえしはつかない。
でも自分本意なだけでなく「先生と同じものを好きになりたい」と有岡には前向きな意志も感じられる爽やかさが残されています。
その気持ちの変化はパンドラの箱の中に残る希望になるか…。

有岡の話しかけ方とか態度がイヤな子に思えてしまって読むのがちょっとツラい箇所がありました(笑)
自分に思い当たる部分があったんだろうな~と思うくらいめんどくさい子ども風味が丁寧に描かれていますが後半、自分と向き合うことを始めた頃から印象がかわり始めます。

生徒:有岡と教師:三島。
この時点では到底、結ばれるようには思えないですよねぇ(泣)

登場人物たちが好きだと語るシリウスは、ギリシャ語で「光り輝くもの」以外「焼き焦がすものを意味するそうです。

有岡も三島も互いに胸を焦がしている相手がいます。
マイナスから向き合うふたりが「互いに隠したい事情」を抱えたことで逆に寄り添えるようになるか次巻を待ちます。

蓮、津田、と彼らの同級生たちがとぼけたり意味深だったり良い味を出していて、これも楽しみです!!

【夜空】
巻末収録の描き下ろし。
この10ページ足らずの小編に本編の切なさや寂しさがギュッとつまっていて胸がしめつけられます。

17

いろいろ予想外

木下先生の高校生ものってことで、ラブラブきゅんきゅん甘々な感じを想像してたら、予想外のシリアス展開でした。

かっこいい攻めの高校生と、かわいい受けの先生。
先生を好き過ぎて、自分の気持ちをコントロールできず暴走しちゃう高校生ならではの不安定さが、読んでて胸が苦しかったです。先生には高校時代から実は好き人がいてふり向いてもらえない。
だからといって!って感じの展開。ネタバレになるので書きませんがほんとに予想外でした。

ページ数がだんだん少なくなってきて、でもいっこうにくっつくどころじゃないし、いったいどうやって終わるの?ってハラハラしてたら、なんと!まさかのto be continued ‼︎
続きものでした。いや〜、良かった。無理やりな終わり方しなくて。

ここまでは、甘さはかなり低めです。エロも少な目ですが、痛いのが苦手な方にはちょっとというシーンもあります。
最近の木下先生の甘々でちょっとコミカルな感じを期待して読むと裏切られるかもですが、私は昔の作品で『幾千の夜』とか『今宵おまえと』あたりのなかなかくっつかない重めなお話しも大好きなので、今後の展開を大いに期待します。

すれ違ってすれ違って、ようやくカップルになった後の甘々ラブラブが早く読みたい!


10

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