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tokeru hakoniwa
お兄ちゃん’S(´;ω;`)ウッ…
今回の見どころは2点ですね。
一つは、受が屋敷に来てからの周囲の人間の変化。
攻は優しくなり、少しずつだが外に出るようになった。
使用人にお礼を言ったり、社交の場に顔を出したり。
明らかな変化はほほえましくて良い。
恋愛的に話が進んでいるかといえば、まだその段階ではない。
ではないのだけれど、目に見える変化はすごく良かった。
リンゴのお菓子が美味しそう。
もう一つは、攻兄と、受兄の過去ですね。
理由も知らされないまま寒い冬の日亡くなった受兄。
実は拾われてきたのには理由があって・・・
その謎が少しずつ明かされていきます。
第一印象がよろしく無かった攻兄ですが、
なんだろうな、本当はもっとかわいくて、本当はもっと優しい。
頑張りすぎちゃってる感じがなんだかかわいそうになってしまいました。
少しずつ少しずつ。
どう決着をつけるのかが、まだ見えない感じですが
気長に待とうと思います。
1巻は、章生と久世の出会いから心を通わせるまで、でした。
2巻は、家の当主である総司郎と、その補佐となった章生の兄、貴成のターン。この二人の出会いと、心を通わせるまでが描かれます。
久世は家から見れば妾腹の子。正妻であった総司郎の母は久世を疎んじ、あまつさけ体の関係を強要します。それを知った総司郎は母を遠ざける。
そんな総司郎を、貴成が支えます。そして恋人としての愛情を通わせる間柄に。
しかし、家族の車に総司郎の母親の車が突っ込み、父と貴成を失ってしまう。
総司郎の心中、察して余りあります。
そして、2巻では完結しない。。。
3巻が待ち遠しいです。
章生の兄、貴成は総司郎の仕事の補佐をしていた。
彼は何故、死んだのか。兄の死に総司郎は関わっているのか。
本作では、気難しい総司郎に焦点を当て、過去に遡り謎を解き明かしていきます。
久世は総司郎の父の妾の子だった。父の愛人は、幼い総司郎にも優しく、日向の様な女性。
総司郎は、久世とその母が住む別邸で過ごす事が多くなっていった。
ところが、久世の母が亡くなった事で、久世は本邸に引き取られる事になる。
本妻は久世の存在を認めず、辛く当たる。そして、久世は引きこもる様になってしまう。
父の事業を手伝い始めた総司郎に、父は貴成というアンダー(貧民層)出身の青年を補佐として付ける。貴成は大らかな男で、するりと総司郎の心に入って来る。
そうして、いつしか二人は愛し合う様になる。
貴成が、ちょっとタレ目の人懐こいイイ男で、私は登場人物の中で一番好きです。
実の母の俗っぽいところや、父のいい加減さに、心を閉ざして来た総司郎の唯一、温かな優しい恋の想い出。それを失ったことの辛い想い出。
亡き貴成が大切にしていた弟、章生の存在を知っていたからこそ、総司郎は、章生を探して屋敷に迎え入れたのでした。それは、心を閉ざして引きこもってしまった、大切な義弟、久世の為でもあったのです。
貴成がそうであった様に、総司郎もまた、たった一人の弟を愛していて。
久世もそんな兄を思いやっている。
側にいて、章生はそれを感じていくのでした。
何かと世話を焼く、総司郎の友人、栗須も。総司郎を愛しているんじゃないかな、と私は思っていて。彼もまた好ましい人物なので。総司郎がまた、新たな恋を見つけて生きて欲しいなと思います。
本作では、久世と章生はそれほど進展していないので、次は彼等の話に戻るかな。
きっとそれぞれが、喪失を乗り越えて再生していくお話だと思います。
素敵なラストを期待して。次巻を待ちます。