解ける箱庭 (3)

tokeru hakoniwa

解ける箱庭 (3)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×27
  • 萌2
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
96
評価数
23
平均
4.3 / 5
神率
52.2%
著者
三池ろむこ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
シリーズ
解ける箱庭
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784344846098

あらすじ

〈アンダー〉の街で身体を売って暮らしていたところ突然〈アッパー〉の大きな屋敷に招ばれ、主である総司郎から風変わりな弟・久世の世話を命じられた章生。戸惑いつつも屈託なく接する章生に、久世は子どものように無垢な愛情を寄せていく――。たった一人の家族である兄・貴成の愛、そして死に総司郎が深く関わっていたという事実に酷く動揺する章生だが、久世に支えられて真実に向き合っていく。久世もまた、自らの足で立ち「ずっと章生と共に在りたい」と強く願い……? 二組の兄弟・二組の恋人達の因果と愛情の物語、ここに完結。

表題作解ける箱庭 (3)

久世(上層階級の青年)
章生(久世の世話係)

同時収録作品解ける箱庭

貴成(章生の兄、総司郎の世話係)
総司郎(久世の異母兄)

その他の収録作品

  • あとがき(描き下ろし)
  • epilogue(描き下ろし)

レビュー投稿数2

硬い氷の塊が融解していく様に。記憶はいつか昇華する。

ここまで来るのに11年という歳月を経たという。事実、あまりにも完結から遠かったので。
この作品の終わりが読めるとは思ってもみなかった。半ば諦めていた。
ここまで描ききってくれた三池先生には感謝したいと思う。
11年という歳月は確かに長いけれど、そしてそれをパパッと読み切ってしまうんだけど。
物語の中に生きる、息付いている、久世や章生、そして総司郎にとって、それはそのまま必要な時間であったと言うより他に無いとも思うのだ。

完結編が発行された事にあまりにも驚いたので。私はまた最初から読み返す。
1巻から読み返す事に、あまり時間は要さない。特に1巻は謎が多く散りばめられてはいるものの、
その謎に引き込まれて行くので。するすると読めてしまう。
アンダーと呼ばれる下層階級で、家族を亡くし、ウリをやりながら日々を費やしていた章生は思いがけずアッパーに拾われ、久世の世話係を仰せつかる。その兄、総司郎には敬遠されるものの、不自由無い暮らしだけでは無く教養を身につけさせて貰う。そんな穏やかな生活を共にする事で、章生は自分の居場所が温かいものだという事と、生きる意味を見出して行く。それは母を亡くして以来、引きこもってしまった久世も同じく。2人の心が近づいて行くに連れて、また総司郎の哀しい恋の記憶も柔らかく昇華して行くのだ。

章生の亡くなった兄、貴成がイイ男過ぎて。(いや、ちょっと手が早過ぎる様な気がしないでも無いけども。)絵面的にも、大きなタレ目で。快活で背も高く。弟想いで。とにかく、何でこんなイイ男が、呆気なく不慮の事故で亡くなってしまうのか。
かつて総司郎が愛した彼の想い出が。2人で過ごしたかけがえの無い日々が。どんなにか美しく煌めいていた事か。うう。泣けます。泣けて、泣けて、涙が止まりませんでした。
もう生きてはいないのに、完結編はどちらかと言うと貴成と総司郎の恋の記憶が昇華されるまで。
喪失と再生の物語に重きを置いていた様に思います。
愛する兄を亡くした章生、恋人を亡くした総司郎。久世という恋人を得た事で、それを乗り越えて行く章生の明るさとは対になる様に、いつか貴成とこの広い世界を見たいと思っていた、と旅立つ総司郎の未来は寂しいものでした。けれど台詞の無いepilogueにて。いつか旅を終えて帰る場所はやはり、家族の居る場所。それが温かいものである事が分かって、私はまた涙するのです。心が癒えた頃、総司郎にもまた、恋をして欲しいなと切に願います。
親友という位置に居て、ずっと総司郎を支え、久世や章生を見守って来た栗須が、BLらしく簡単に総司郎とくっ付く、みたいなラストじゃ無いのも良かったです。いやー、栗須でもいいんだけどね。彼ももの凄いイイ男だと思います。
旧家らしく祖父の代から仕えていたという姉妹、由利香さんと愛理さんも、おしゃまなお嬢様、ありすも。女性キャラも出しゃばり過ぎず、良きスパイスになっていたかと思います。
シナモンの効いたアップルタルト、食べてみたい。作ってみたい。
甘い香りは、リンゴのものか。久世や貴成が愛した花々のものか。
作品全体が甘く香ってくる様な。そんな優しい時間でした。
温かい11年間をありがとう。

12

3巻で何度も涙した。名作

(全3巻まとめてのレビューです)

攻めの名前が「久世」なのでちょっぴりあの超有名作を思い出しましたが、まさしくあの作品の雰囲気を漂わせるような架空の場所・時代設定で、2組の兄弟にまつわる話、2CP出てきます。

ろむこさん、今はすごくキレイな絵柄になられてて、「兄さんの友達」は私的神作なんですが、1巻の頃(2013年)はパースが・・・なので、普段なら絶対に手に取らない絵柄なんです。
でも30%オフでもうダメだった、買っちゃうよね~、まんまと出版社の策略にハマるわたくし。
2巻からは今の絵柄に近くなるのでご安心を。

・1巻:
攻めは引きこもり、受けはホームレス同然で売りセン生活してたところを、弟(=攻め)の使用人になるために、攻めの兄(の代理人)に屋敷に連れてこられます。
1巻だけじゃあ何が何だか謎だらけ、って感じで、ゲイとかノンケという概念すら皆無でいつの間にかキスしてるし、え、ユーいつ好きになったの?って唐突感パネェんですよ。
(なので1巻だけは☆3)

・2巻:
2CP目をメインに描かれて、謎も解け、不愛想な攻め兄がかなり優しくて良い人だということが判明します。
ていうかメインの受け攻めよりこっちのCPがめっちゃ好き。
ろむこさんこんな受けキャラも描かれるんだ・・・?
嬉しい驚きです。
(☆5)

・3巻:
涙、涙です。まさかこんなに泣かされるとは・・・。
めちゃくちゃ良い話でした(←語彙力激貧でスミマセン)。
心に残ったフレーズ:「この世界の 全てのものに 存在する意味がある」
(☆5)

ただ1点、"様呼びと呼び捨て" や、"敬語とタメ語" が発言者も相手も同じなのに混在してるのがめっちゃ気になります。
「距離が近い使用人」感を醸し出したいのはわかるんですが、やっぱりどっちかに統一してほしい・・・。

あ~それにしてもアップルパイが無性に食べたくなる作品ですねこれ。
そして旅行したくなる。

あと知らない単語がいくつか出てきて勉強になりました。
てゆーか ろむこさん、絶対頭を洗ってあげる描写好きですよね?w えぇ私もですw
1巻だけ読んで「ようわからん」と断念した人にこそ、3巻まで読んでほしいです。

1

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