日の当たらない場所(1)

hi no ataranai basho

日の当たらない場所(1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神41
  • 萌×247
  • 萌21
  • 中立2
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
15
得点
458
評価数
114
平均
4.1 / 5
神率
36%
著者
たつもとみお 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(メディアファクトリー)
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
日の当たらない場所
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784040684109

あらすじ

故郷の島を出て15年。ベンチャー企業を立ち上げた寛也の元に、一本の電話が入る。それは、忘れたくても忘れられない、初恋の男の声だった。押し殺していた二人の思いがぶつかりあうエロティックストーリー!

表題作日の当たらない場所(1)

磯崎拓斗,島の観光協職員
大島寛也 ,イベント企画会社,社員

その他の収録作品

  • 日の当らない図書室
  • 第4話 濡れ場プラス。
  • カバーイラスト ラフ案 A、B、C
  • 電子書籍特典 1P

レビュー投稿数15

多感な10代

分冊版では他の作品を読んだことのある作家さんですが、単行本では初めて読みました。
おそらく30歳前後と思われる主人公の寛也君ですが、15年帰っていなかった地元の小さな島に仕事の関係で訪れることになります。
少年の頃、日光アレルギーで外に出るのが困難だったり、ゲイである事を自覚し始めて悩んだり、家庭環境が難しかったりと、島では常に疎外感を感じていた寛也君。
同級生の拓斗君に対する気持ちが瑞々しくて、切ないです。
拓斗君と再会することで、少年の頃の思い出も描かれるのですが、こういう流れは個人的には好きです。
その拓斗君も厳しい環境で頑張っているのに、一緒に頑張るべき島の人々が二人に対して非協力的で意地悪なのが腹立たしい…。
島を出て行って帰ってこなかった寛也君に対して、多少冷たい態度をとるというのは予想出来るのですが、島を出たのは寛也君だけじゃないし、苦しい島の財政をなんとかしようという時に、「こんなんじゃ、なんとかなるものもならないよ…」と思わず思ってしまいました(汗)。
自分達しかいない二人ですが、なんとか頑張ってほしいと応援したくなりました。

0

暗いタイトルですが大丈夫!

1巻だけなら萌2評価ですが、これは3巻通してぜひ神評価をしたい!
すごく感動するシリーズでした。
角川だしイマイチかも?という先入観で、買ってもあまり手にとっていなかったのですが、これは読まず嫌いしていたらもったいなかった作品。

タイトルは、何か暗いイメージがしますよね。でもこれには訳があって、実は主人公が日光アレルギー。いつも皮膚を隠していなければならないという体質なのです。
そして、父との確執、小さな村でゲイであることの生きづらさなど、鬱屈した子供時代の暗い影のことも暗示しているのかも。
しかし、です。(2巻の評価へ続く)

0

閉鎖的

サラリと進んでいくのだけど、重たいテーマのお話でした。
過去とも現在とも向き合う必要があって、それぞれに違う苦しみがあり。
安らげるシーンが無かったのは読んでいてツラかった。

寛也の久しぶりの帰郷を喜ぶこともなく、とても冷たくて閉鎖的な島民たち。
拓斗の為というのもあったと思うけれど、よくこんなところに帰ってこようと思ったなと苦い気持ちになりました。
小島に渡った寛也のボートを隠した子供たちも、大人の影響とはいえ許せないなと思ってしまった。

久しぶりに読み返しましたが、1巻ってこんなに胸クソなシーン多かったかな?と戸惑ってしまいました(汗)

0

淡々と進む堅実な復興物語

先のない島の復興に勤しむ二人の再会もの。まだ1巻で、島の雰囲気も悪く、二人の関係もこれからってとこですね。状況の厳しさがビシバシ伝わってくる空気感で良かったです。
過去回想を挟みながらお仕事頑張ってる二人は、両方の家庭が酷いことになってて辛いです。寛也と父の確執は、ラストでちょっと修復されるフラグかな。拓斗の家はもうどうにもならなさそうで、寛也への依存傾向が見えるところが切なかった。
「おかえり」って言う子供に戻ったみたいな拓斗と、冷静な大人になった寛也との対比も良いです。島に残った拓斗と外に出て行った寛也との違いというか。
作風なのか、表情が大きく崩れないのもシリアスさを増してくれてて、作品の世界に浸れました。淡々と進んでいく、この堅実さがテーマに合ってて好きです。
おまけの図書館の話だけは謎…。なぜアンタがそれを!?っていうのもだし、描き文字でのあのオチの付け方は笑いました。寛也の思春期の扱いが雑…笑。
次巻も楽しみです。

0

疎外感と焦燥感

初読で結構こころを削られたので、読み返すにはかなり勇気がいる作品でした。

人口2000人ほどの小さな島。
漁業で生計を立てる者が多い土地で、日光アレルギーを患っていることで父から疎まれ、ひとの輪に入ることもできなかった寛也。
浮気性の父と、そんな父を待ち続ける従順な母に苛立ちを感じ、性的なものを嫌悪するようになった拓斗。
同級生だった2人が15年の時を経て再会する話です。

観光や地域復興のイベントプランナーとして友人と起業した寛也に、島の観光協会をひとりで切り盛りしている拓斗が町おこしプランを依頼したのがきっかけで、寛也が島に戻ってくるのですが、小さな島特有の横の連帯や、部外者を拒絶する態度が「島に嫌われている」と感じながら育った寛也には相当きつい。
自分が生まれ育った場所なのに、自分を生み育ててくれた親なのに、「自分は嫌われている」と思い続けなければならないなんて、こんな不幸なことがあるでしょうか。
そんな寛也目には、いつもひとに囲まれてキラキラ輝いていた拓斗が「愛される者」に見えたんだろうな、と思うのです。

表面上は輝いて見える拓斗の方も両親に失望して、こころの中に暗い部分があるわけで。日に焼けていない真っ白な寛也が汚れのない綺麗なものに見えていたんでしょうね。

再会してからの拓斗はひたすら寛也に縋るようで、痛々しくさえ感じました。
触れることでそこにいることを確かめて、つながることで引き止めておきたい、というような。

未来のない島と、そこから出ていくこともできない拓斗。
寛也に両方を救うことができるのでしょうか。

0

いろいろな人間の立場と思いが交差する離島のラブストーリー

初めて読んだ たつもとみお先生の作品です。
たつもとみお先生は絵が丁寧なので読みやすいです。

野師島観光協会職員の磯崎 拓斗とイベント企画共同経営者 大島 寛也のお話。

本島から観光船で約35分の野師島。
それは、15年前に高校進学で島を出た寛也の故郷です。
当時は、日光アレルギーで家業の漁師を継げないことや自分のセクシャリティのことで悩んでいました寛也。
今は、東京で同じゲイ仲間とイベント企画会社で頑張っています。
ある日、そのイベント企画会社に野師島観光協会から電話がありました。
その電話の声に、寛也は動揺します。

しっかりとストーリー構成を組み立てられていて、映画やドラマを観ているように作品に惹き込まれました。
また、離島の人口減少、経済停滞、本島への閉塞感など暗く重いテーマですが、たつもとみお先生の丁寧な絵柄と心理描写で、明るい未来を感じさせる作品になっています。

1巻は、野師島を出た寛也の会社に、故郷の観光協会から連絡が入るところからお話が始まります。
寛也は中学生の頃に同級生の拓斗が好きでしたが、寛也と拓斗は正反対のタイプで接点はありません。
しかし、あるきっかけで、2人は小屋で漁網の修理をするようになります。
少しずつ距離を縮めていく毎日でしたが、寛也が父親に海に放り込まれたことで、激怒した拓斗が寛也の父親を殴ってしまい…そこから2人は疎遠になりました。
今回、観光協会から連絡をもらったことで、両親や拓斗、島の助けになりたいと同僚の城下と視察に向かう寛也。
そして、15年ぶりに拓斗と再会します。

島民たちの島外に対する冷遇で、観光産業を通じて地域振興をする難しさを考えさせられました。
寛也たちはこの問題をどう解決していくのか?
ラブストーリーだけではなく、離島振興の課題も一緒に追える作品になっています。
そして、島に残った拓斗と島を出た寛也のそれぞれの考えと想いがせつなく心に沁みてきます。
過去の回想シーンも絡めているので、2人が抱える家庭問題にもフォーカスしています。
最後は、寛也を拓斗が抱くのですが、その本心はわかりません。
戸惑う寛也に拓斗が告げた言葉は「東京へ帰れ」でした。

Hシーンは、1回だけですが、他にもゾクゾクするシーンがあります。
個人的には、小屋の中で寛人が拓斗の名前を呼びながら1Hしているのがエロくて良かった(笑)
あと、描き下ろし『第4話 濡れ場プラス。』は、本編とは違った拓斗が見られて面白ですよ。

描き下ろし『日の当らない図書室』
寛也は、中学1年生の時に本島で雑誌を万引きしようとしたことがあります。
しかし、拓斗の父親に止められました。

描き下ろし『第4話 濡れ場プラス。』
初Hシーンの一場面。

ようやく島へ戻った寛也ですが、父親を含めて島民には受け入れてもらえません。
そして、自分を抱いた拓斗の気持ちもわかりません。
いろいろな要素を上手く取り入れて物語が進むので、中だるみをすることなく最後まで一気に読めました。
絶対に続編が気になるので3巻まとめてお読みになることをおすすめします(笑)

5

多感な10代の頃の、今までの人生の中で最高にエロティックな記憶。

最初に一読した後、そのトーンの暗さにどうにも耐えきれなくて、しばらく放置したままだったのですが、久々に読み返してみたら大丈夫になっていました。描き下ろしのオマケのせいか、ちょっとだけホッとするところもあって。(あんな所にある自分の黒子を寛也は誰に教えて貰ったのか…?拓斗が気にするのも無理はありません。)
過疎化著しい島の復興の為に、仕事として15年ぶりに訪れた寛也。漁師の家に生まれながら、日光アレルギーでひ弱な寛也は友達と活発に遊ぶ事も出来ず、漁師の父には疎まれ、苦しい記憶しか無かった。そんな彼が一つだけ。今までの人生の中で最高にエロティックな記憶の共有をした、初恋の相手、拓斗と再会をする。学校が終わると、日光を恐れていつも暗い小屋で漁の網の補正をしていた寛也。彼は太陽の光の下で遊ぶ拓斗に憧れていた。ある日、ほんの興味本意で小屋を覗きに来た拓斗は…。人の来ない薄暗い小屋の中で、拓斗はその白い肌に初めて触れる事になる。その蒸し暑さが伝わって来そうに息苦しくなります。この時、拓斗はそれ以上のことをする事は無いのですが、ホントにとてもエロティックなシーンです。お互いに想いあってはいるんだけど、自分ではあまりその事に気付いてはいない。寛也は気付いてはいるけれど、多分自分の性癖に悩み始めた頃でもあるので。何か行動する事もしない。(あ、自慰はしますけど!)
15年も経っての再会になるんだけど、想いは15年前の続きみたいに始まるんですよね。何ともロマンティックです。
島の復興について、拓斗は危機感を抱いて、寛也の居る会社に依頼をしているんだけど、この閉鎖的で年寄りの方が多い島の住民たちの理解がなかなか得られない。社会問題も丁寧に描かれています。次巻はちょっと胸が痛む展開になって行くのだけど…。再読してみようと思っています。

3

発売当時から面白いと聞いていたこの作品。
2巻が発売されると聞いてようやく購入(*´∀`*)ノ
もっとシリアスめな作品だと思っておりましたが、
地元復興、再開、初恋再び~からなお話でした。

受はひどい日光アレルギー。
漁師の父親はそんな受を責め、ひどい扱い。
攻の父親は浮気性で家に帰ることが少なく、帰ったとしても。。
そんな少年時代を過ごした二人。
淡い気持ちを持っていたものの
受は島を出て空白の15年。

運命なのかどうなのか。
島復興を目指したところで運命の再会を果たした二人の行く末はーというところ。

思っていたよりもテイストが重くないのが良い。
地味に見える受が意外と経験値高いのがちょっと萌える。
恋愛が主軸ではなく、物語が主軸にあるところも良い点かなとおもうのです。
次回楽しみ。

3

日の当たらない場所でゆっくりと育む。

再会ものが好きなので、うはうはしながら読みました。
過疎化が進んだ海辺の街が舞台で、日光アレルギーという身体的弱点を抱えている登場人物がいる。この辺りが、私にBLへの道筋を示してくれた一般小説に通じるものがあり、不思議な懐かしさも感じました。

中学時代、自分にはどうしようもない問題を抱えている者同士、人知れず寄り添い合ってお互いを拠り所に支えていた寛也と拓斗。拓斗がいるから、寛也がいるから、日々を過ごせていた。けれど、ある出来事がきっかけで離れてしまい、寛也は故郷までも飛び出してしまいます。15年後、故郷に残った拓斗が街おこしのために仕事を依頼したところ、その会社に寛也がいて……。
仕事をきっかけに、全く帰省していなかった故郷へ足を踏み入れる寛也。おそらく、仕事を依頼したのが拓斗じゃなかったら、行く決意はできなかったんじゃないかな。久々に帰省しても、寛也の抱える問題は何も変わっていなくて、打ちひしがれながらも、拓斗が故郷のため懸命に活動している姿を見て、仕事として故郷にしばらく残ることを決意します。
昔、拓斗が寛也のために寛也の父を殴ったこと、寛也かもしれないと思いながらも気付かない振りをして仕事依頼の電話をかけた拓斗、電話の声と名前で拓斗だと気付くもあえて自分だと名乗らなかった寛也、等々。お互いの中にあるはっきりと言葉にできない恋慕。お互いの間にある相手への確かな思い遣り。そういうものが少しずつ少しずつ伝わってきます。じれったく、もどかしくも温かく、続刊が待ち遠しいです。

2

眼福のイラストです!

フルールのサイトでずっと追いかけてました。
書き下ろしも付くということで迷わず購入。

とにかく絵が美しいです。
舞台が島ということで背景もとても美しい…。

中学生の時にお互い意識しあいながらもそれぞれの道に進み離れた二人が大人になり再会します。
特に攻めは島を出て行った受けに懐かしさや愛情といったプラスの感情ばかりではなく複雑な気持ちを持っています。
この大人になってからの複雑な感情を持ちながらの再会に非常に萌えます(≧▽≦)
徐々に気持ちが通じ合いますが、まだまだお互い探り探りの状態。
ここに寛也の同僚が当て馬としてからんでくれると面白いんだけどなあと希望を抱きつつ(笑)
ジレジレしますが、次巻を首を長くして待ちます!

5

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