ラブラド・レッセンス

Labrado-rescence

ラブラド・レッセンス
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神76
  • 萌×230
  • 萌21
  • 中立10
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
23
得点
573
評価数
143
平均
4.1 / 5
神率
53.1%
著者
ymz 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
電子発売日
価格
¥639(税抜)  
ISBN
9784813030997

あらすじ

目が覚めると病院のベッドにいた写真家の藤代春次。
どうやらカメラをかばって階段から落ち、意識不明のまま搬送されたらしい。
担当医の日賀睦は、偉そうな態度で何かと春次をイラつかせる。
だが、なぜか春次の創作意欲も刺激するのだった。
そして、睦もまた自分にないものを持つ春次が気になって……。

表題作ラブラド・レッセンス

医者
写真家

その他の収録作品

  • after story①,②
  • カバー下漫画

レビュー投稿数23

2人の間に漂う優しい愛情に触れて幸せな気持ちになりました

ymz先生の他作品を最近、2冊入手し、温かく優しくきれいな空気感が好きになりました。
全作品揃えて行こうと感じた作家さんの約10年前の作品です。

迷いのあるカメラマン、春次が仕事に行き詰まり、ある日、骨折をして入院。仕事をしなくていい免罪符を手に入れたけど、すっきりしない日々。
同じ歳でため口をきく主治医の睦の距離感と言葉の選び方がおもしろいです。

写真展に来てほしいけど、来てくれたのに気づいた瞬間の微妙な表情が、それからの対話、2人の不思議な距離感が味わえました。

医者と患者でもなければ友達でもない、でも、なんとなく気心知れた感じの2人。気に入った写真が同じ、という感性が近いところ以外は全く違う2人だけど、一緒にいるときの空気感が自然で素敵です。

恋愛じゃなくて、情と情の交わしあいが深まっていく感じ、情緒が素敵でした。

お互いのことが好きなのだけど、その好きをうまく自分で扱えていない感じが、少し切なく、そして甘酸っぱく感じました。

そして自分の気持ちがだいぶわかってからの2人がゆったり会話を交わすシーン、動きがほとんどなくて、睦に至っては座っているだけですが、穏やかで情がいっぱいで、欲がない、2人の対話がとても心地よく胸に沁みました。

そんなとき、春次に、睦の昔の交際相手がいきなり声をかけ連れまわし、ほぼひとりごとのような話をたくさんします。
これまでの2人の対話は、動きや変化はあったものの、静かで穏やかな感じが強かったのが、急に活動的で激しい人が介入してきた感じがしました。邪魔をしたいのかと思ったらそうではなくて。彼女も自分で何をしたかったのかよくわかっていなかったのかもしれません。春次と睦の間にはない、執着や欲の残滓のようなものを感じました。

時間が経ち、すごく自然に一緒にいる2人。
そして、好き、だと言葉にして伝える関係。
とても素敵で、読んで、見ていて、多幸感がありました。

0

大切なことを思い出させてくれる

BLではあるけれど、大切なことをそっと教えてもらいました。

睦は親が医者で自分も医者になる事に対して疑問も抵抗もない、そして人に優しくすることに対して当たり前だしそういうものだと思っている。

対して藤代は自分に素直で明るい子です。

お話の中で2人がちょっとすれ違うところがあるのですが(睦が藤代の言葉で拗ねる)
藤代が過去にカメラの不調で近所の方の写真をとれなくて次に会った時に撮ってあげようと思ったけどその方が亡くなってしまい、次の機会がなかったことがありそれを思い出して睦に会いに行きます、

今は今しかないんですよね、
あたりまえすぎて気付きませんでした

そんな些細だけど大切なことを教えて貰えた漫画です。

豊かであれ

というセリフもあるのですが日常の中で思い出すくらい素敵だなと思います。

幸せな気持ちになれる作品だと思います。

0

些細な心理描写がいい

表紙が美しくて好きです。
遠景や色のトーンが好みです。
前作の表紙も好きでした。

中身は、前作よりは楽しめました。
お話もキャラも前作より大人で。
文字サイズも少し大きくなり、年寄りには助かります。

日常によくあるような人間関係における心理…うん、そうよね、わかる…と共感できる描き方がお上手だなと。
特に大きなドラマがあるわけではなく、下手したら退屈しそうなところをほぼ2人の会話劇で読ませるところが。

小洒落ていて、日常の人間関係の心理描写がメインで繊細で…絵津鼓先生お好きな方はハマるタイプなのかなと思いました(違ったらすみません)

個人的には、医者と写真家の仕事面がもうちょっとリアルに感じられるような絵や描写であればなおよかったかなと思います。

睦が好きでした。


完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆
面白い ☆☆
内容が好き ☆☆
絵が好き ☆☆
キャラが好き ☆☆
萌える ☆

0

何かしてやりたいっていう気持ち

ymz先生初読み。
で、何も知らず勝手に子供/中学生くらいの話かな、と勘違いしてました。
読んでみたらちゃんと大人の話で、しかもなかなか深かった。

写真家が頭を打って倒れ、その上手を怪我する。
悲劇から始まる?と恐る恐るだったけど、病院の主治医とのやり取りから全てが始まっていくこの感じ…

結論から言うと、エロなど無いです。それどころか恋愛の空気感も薄い。
写真家の怪我は大したことなくてすぐに退院。(←よかった…)
なんとなく言葉を交わした医師。第一印象は逆に悪かったようでもあり。
でも作品展に誘う。
そこから友人付き合いが始まるわけだけど。
お互い別にゲイでもなんでもない、それどころか普段から愛だの恋だのから遠い感じの2人が、ぼんやりと特別な存在になっていく感じ?
ぼんやりとした特別…って何よ?とも思うわけだけど、すごく日常的な交流から始まる2人がいい。
地味な黒い石、だけど光の当て方で微妙ないろ、輝きが見える…見ようとする人にだけ。

絵もさらりとラフな感じ、だけど意外と書き込みは細かい。そんなところも作品の空気感とあいまっている。

(しかし、睦の自称元カノはウゼーな。私も春次みたいにイラっときたよ)

0

優しくて暖かくて眩しい

ymzさんの「ハイ·ファイ·ランデブー」と一緒に購入させていただきましたが、本作「ラブラド·レッセンス」は大人の中にある少し子供のような純粋な部分を描いた作品です。

主な登場人物は、写真家の春次と医者の睦の2人です。

ある日、春次が目を覚ますとそこは知らない場所、病院でした。前日、春次は仕事の疲れなどが積み重なり階段から落ちてしまい、その弾みで落ちてしまったカメラを庇って手を動かせなくなってしまいました。春次は写真を撮らなくてもいい理由が出来た事に安心感すら感じていました。そんな中、春次の担当医である睦は、タメ口で接してくる上、態度も偉く、「なんでタメ口なの」と聞けば、「同い年だったから」と当然のように返ってきます。睦の態度に少しイラつく春次でしたが、睦と接しているうちに写真を撮ることの意味を見つけ出していきます。また、睦からみても春次は休憩中にタバコを求めてきたりと、少し困った患者のようでしたが、春次と一緒にいる何気のない時間がお互いに大切なものとなっていきます。

二人の間にある暖かくて何気のない空間がそこにあるどんなものよりも心地の良いもののような気がして、読み進めていくうちに、漫画を読んでいるという感覚よりも、二人の日々を覗いているというような感覚になっていました。

本作品の二人も登場する、ymzさんの「ハイ·ファイ·ランデブー」も一緒に購入していただくことをおすすめします。「ラブラド·レッセンス」に描かれた後の二人についてが描かれています。悩める青年たちに手を差し伸べる存在となっておりますので、是非本作とセットで読んでいただきたいです。

1

二人の会話ずっと聞ける…

語彙力がないのが申し訳ない~…とても良かったです。
ymz先生の絵、好きなのですが、植物(主に木かな)が多く描かれていてそれがただの背景なんだろうけれど意味のある存在になっているというか。モノクロなのに光と影がきらきらしているように見えて綺麗。
あと背景の描きこみ方もすごい好みです。

今作は医者と患者設定で出会い、始まるストーリーなのですが、そこから始まる2人の関係がとても自然。真逆なようでいてとても相性の良いふたりの会話は無理がなく心地良いです。
恋と自覚してからもたもた…みたいなのはほぼ無く、好きだって感じた瞬間が2人同時にぱちっと合わさったラストはあまりにも自然で、後から「男同士とかの葛藤はなかったんかな…」と思ってしまうほど。
こんなに心地良い相手、見つかったら幸せだなぁ〜

しかし、なんでBLに出てくる元カノとか女の人ってこんな気が強い人が多いんだろ。なんか意味深な言葉残してさってく、みたいなのは(大事な役割なんだろうけど!)むむ〜っとなってしまいました。個人的にBLに女性の当て馬とかいらんタイプっていうのもありますが…

コマも多めなので1冊なのに凄い読後感。漫画って言うかほんと読書感覚でじっくり読みたい1冊です。^^

0

ラブラドライトの煌めく

うーん。好きだなぁ…
やっぱりymz先生の作品と世界観は、良い。
エロじゃない。だけど、好きの先にはセックスは有るんだろうなとは思う。
作品中には、セックスの場面はないです。
だけど、互いが愛しくて、生きている意味さえ変わったり、生きる価値を見出だしたりする。
とにかく、相手に吸い寄せられるように近づくのが読み手としては堪らないわけです。

ymz先生の作品は、逆順読みです。新しいものを読むと、更に過去作を読みたくなる。不思議な居心地が良い話と、作画が本当に魅力的。

睦と春次が、吸い寄せられるように出合って、始めから遠慮なしで話したり、会ったり、ご飯食べたり。
あまりにも自然過ぎる。ガツガツした焦りは有るかも知れないけれど見せない。
人に頼れない睦が、素を出せる春次。春次も、頼られたり甘やかしたりはいやじゃない。
ただ、夕食を作るのだったりしても「作る間に寝て良い」なんて春次が優しい。
春次がラブラドライトを、睦に送るんです。石が、悪い方にいきそうになると戻してくれる。いつも側にいられないから。お守りって。
この場面を読むと、じわじわ気持ちが揺り動かされる。
ああ、自分だったらやっぱり春次と同じように思うだろうなと考えるんですね。

もう、読んでいると自分が浄化されていくような気すらしてきますね…
ymz先生の世界観は、やっぱりymz先生の作画有ってこそ。
木漏れ日とか、夜の灯りとか明るい日中の風景は、はっとするほど美しいなぁと思いました。

この作品が好きすぎて、ラブラドライトの購入を真面目に検討しているところです。

1

キャラクターの個性が光る

先に『ハイ・ファイ・ランデブー』を読んでしまったのですが、
私はこちらの方が好きでした。

医師の睦と写真家の春次が出会い、
恋人になっていくまでのお話です。

誰にでも優しくて、少し不器用で素直になれない睦が、
天真爛漫で素直な春次と出会い変わっていきます。
後から考えてみると、
春次は終始全然ブレていなかったように思います。
睦の事をよく理解し、受け入れる春次は、
とてもいい男だと思いました。

睦が言った、「不平に対して不満に思っている」という言葉が、
睦の性格をよく表していると思います。
どういうことかというと、
要するに〝嫉妬している〟という事らしいです。
素直になれず周りくどい言い方しかできない睦の不器用さが、
よく現れていると思いました。

告白も春次に言わせましたね^^
少しずるいけど睦らしいと思いました。
お互いを理解し、一緒にいることが自然な二人に癒されました。
とても優しくて温かい気持ちになれる作品です。

0

「見ようとする人にだけわかる光」

ymz先生の作品についにハマりました。

「さよなら、ヘロン」と、"2人の人間性が相対したときのストーリー展開"が全然違ってますね。こちらが断然好きです。

写真家の藤代は入院した先で医者の睦に出会う…というストーリー
ストーリーをもう少し書こうと思ったのですが、なんとも書くのが難しいです。2人は変化しているようで、変わっていないようでもある。出会った時からそれぞれが特別だった節もあるんだよな。
モノローグより、会話で展開していくシーンが好きでした。藤代と睦の会話に限らず、佐藤(睦の同僚)と睦とか、睦の元カノと藤代とか。藤代と睦の会話なら告白シーンがいっとう好き。名告白シーンです。

決してくさす気持ちはないのですが、神評価にするとしてやられたって気持ちになっちゃうと思って萌2にするか迷いました。なんだろう、ハメ技使われた気分というか笑

1

ほんわか

明るい写真家の春次と無愛想な医者の睦、一見対象的な二人がなんとなくお互いに惹かれあって恋だと気付くまでのお話です。
甘さがあんまりないからかじれったい感じはなくて、気付いたら一緒にいると心地よくてあれ?なんかあいつのこと優先してるぞ?という流れになっています。
現実ロマンチックな事とかそうあるわけじゃないし、この流れが自然に感じます。
もうちょい切なさがあってもよかったな。でもそうするとこの作品の世界観は失われるしなぁ。

0

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