蒼穹のローレライ

soukyu no Lorelei

蒼穹のローレライ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神168
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
16
得点
869
評価数
183
平均
4.8 / 5
神率
91.8%
著者
尾上与一 

作家さんの新作発表
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イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
レーベル
Holly Novels
シリーズ
天球儀の海
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784883864416

あらすじ

「敵機を墜として俺も死ぬ」
浅群のその願いを、三上の整備魂は許せなかった―――。
要保護の軍神・浅群塁と、整備に燃える三上の青春の日々。


戦後十八年目のある日、三上徹雄のもとを病死した旧友・城戸勝平の息子が訪れた。
彼は城戸が亡くなる直前に、三上へ一通の封筒を預かったという。
封を開けると、中には戦死した零戦パイロット・浅群塁に関する内容がしたためられていた……。

―――時は太平洋戦争中期。
ラバウルに向かう途中、三上が乗っていた一式陸攻は敵の攻撃に遭い、不思議な音を響かせて戦う一機の零戦に助けられる。
着任後、命の恩人を捜していた三上は、「ローレライ」という二つ名を持つ、声の出ない、碧い目の搭乗員に出会う。
彼こそが三上たちを救ってくれた、零戦乗りの浅群塁一飛だった。

表題作蒼穹のローレライ

三上徹雄・整備員・24歳
浅群塁・零戦搭乗員・21歳

その他の収録作品

  • 幽き星に栄誉あれ

レビュー投稿数16

「聞け。ローレライの声を。」





新版が出るということで、とても楽しみです。

どうか塁に芽生えた気持ちを大切に、三上と育むために帰ってきてと祈らずにはいられませんでした。

塁にとって三上との日々はかけがえのない日々となっていくのを読んで行きながらめくるページが少なくなっていくのがもう苦しくて。 最後は名誉のためにでは無く、三上を守るためにあの選択をしたことに三上が気づけた、これだけで救われます。

読後の『月と懐中時計』
三上の心が届いていたことを嬉しいと思えて、いつかの再会に想いを馳せる月夜の一幕。
辛くて悲しいだけじゃない、塁の生きた証が刻まれてました。

『蒼穹のローレライ』には辛くて悲しいだけじゃない、塁の生きた証が刻まれてました。
三上を大切な人を守りたいと願ったローレライの声が読了後も響いてます。
いつかのふたりの再会に想いを馳せて。

1

毎年夏に読みたくなる…

購入してから数年、夏になると何度も繰り返し読んでいます。
この物語に触れてから、人を心から愛する思いに真剣に向き合う事ができたような、そんな思いです。読んで数日は余韻が凄すぎて立ち直れませんが、価値観を変えてくれる愛しい物語です。

個人的に、ですが、Aimerの「RE:I AM」を聴きながら読むと感動が2倍になります。

0

切ない、、だけど優しくてあたたかい。

1945シリーズは中々怖くて手が出せませんでした。シチュエーションは好ましいけど、時代だけに悲しい結末ならいやだなと。気持ち落ちたら中々立ち直れないので。しかし読んでみると前3作は安心な結末でした。
が、しかし、ついに今回は死ネタでした。
他とは違い表紙が1人だからおかしいなと。レビューで確認していたのでなかなか読む迄覚悟がいりました。手元にはあるし読みたかったし、不思議と皆様納得の様子だったので勇気を出して。


感想です

泣く方が多い中、私は涙腺がかなり固い方なのでこれも泣かないかと終盤手前まで思ってましたが、最後の最後で崩壊しました。
最後の「幽き星に栄誉あれ」で最後まで零戦に金具をつけていたのは三上を信用してない、家の為、三上の気持ちを裏切ったわけでなく、ただ三上を守りたかった塁の気持ちが三上に伝わった時、誤解が解けた時(小野さん、心からありがとう!!)いっきにきました。そして冒頭の三上が城戸息子から塁の電報を受け取って涙するシーンに戻って、三上、城戸、塁の其々の気持ちを考えては泣き、SSペーパーの「月と懐中時計」みてさらに号泣。また頭から全部読み直して号泣。シニタクナイと電報を打った塁の気持ちを何度も考えてしまったりして。また三上の気持ちを思うと。はぁ、きついですね。。帯の通り、読後私にしっかり浅群塁の名は刻まれてしまったし、魂ももっていかれてしまった。あー、、これはまずいな、やっぱりしばらく戻って来れそうにないなぁ。というか、戻りたくない。まだ三上と塁の世界にまだ自分もいたい、が正しいかも。

不思議です。痛くても、こんな気持ちなのに読まなきゃよかったなんて少しも思わない、むしろ読んでよかった。これを読まないなんて!!とすら思う。この、引きずり方はよくあるBLモヤっと感とはまた違うんですよね。2人への思いや好きが増すというか。

塁はシリーズの誰よりも強烈な人生だっただけに戦後2人で幸せにくらさせてあげたかったな。
でも、こうだったから1945シリーズの中でも読んだ人の心の中で三上と塁は別格に位置付けする方が多いんなんだろうな。どのカップルも大好きですが、私にもやっぱり塁は特別ですね。
塁を死なせたくなかったなぁ。でも、塁が命張ったから三上や基地が守られたわけですもんね。。切ないな。。けどとても優しい物語。


もし、これからこのシリーズを読まれる方は一冊に1カップルなのでどこから読んでも大丈夫ですが、前作カップルが脇で登場したりちょいちょい皆んな繋がってるので順番に読まれる方が楽しめるかと。

それと、作者様も順番はちゃんと考えてらっしゃるのかも、というのは1番最初に蒼穹のローレライを読んだらなかなか抜けられなくて、戻ってこれずに他が読めない危険がある気がします(私だけかもしれないですが)4作目であえてズドンとくるのをもって来られたのかなと。違ったらすいません。

叶うならもう売っていない同人の「青空のローレライ」が読みたい。1人暮らす三上の元を一夜だけ塁が訪れる話があると聞いたので。
この際ファンタジーでもなんでもいいですよ。死に別れだけに2人が一夜でも再会できて幸せならなんでもいいです。あー、よみたい!!



レビュー数日後のつけたしです。
皆さま朗報です(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
尾上先生が1月15日のツイッターにて呟いておられました。同人の青空のローレライの再販あるかもらしいです!再販があるなら春のJガーデンとコミコミさんらしいですよ。情報違ったら怖いのでツイッターで確かめて頂けるとありがたいです。
現実になるならかなり嬉しい(><)

2

死ネタちょっと...って思ってた

『死ネタはちょっとなぁ〜...苦手なんだよ...』と大好きな尾上与一先生の作品にも関わらず買ったわいいものの読む勇気が出なかったこの作品...。私と同じことえお思う人もいるのではないでしょうか。

だがしかし!!!!!!!

思い切って読んでみて下さい。
正直、私はシリーズで一番と言っていいほど泣きました。
死ネタではあるものの不思議とハッピーエンドではないか
と思えてくるのです...。

この作品はこれまでの作品と違って
整備士×搭乗員なんですね...。
2人とも搭乗員なら戦闘中も一緒だけど
整備士は搭乗員が生きて還ってくることを
地上で待ってなくてはならない。
これがまた...。

読後心にぽっかりと穴が空いたような感覚になったこの作品、
買うことを、買ったはいいけど読むことを躊躇している人には是非
読んでほしい。死ネタちょっと...は読み終わってから言いませんか?
私は言えませんでしたが。

5

「孤独から、三上へ。」

ああ、塁。。。やっと孤独の闇から抜け出せたのに。。。
そして三上には、塁の戦う意味が変わったことにもっと早く気づいて欲しかったなあ。。。
でもそのもどかしさがこの小説の味わい深さなのだと思います。
話の展開のわからない冒頭から、三上の号泣とともに涙し、クライマックスの場面では涙が止まりませんでした。

1

たしかにあれは、紛れもない恋文(ラブレター)だった

刹那的とも言える時間の中で、こんなに深い情愛を感じる小説は今まで読んだことがありませんでした。
これまで、「泣けるbl小説」という触れ込みの小説をいくつか読みましたが、せいぜいが少しうるっと来る程度で、こんなに心揺さぶられて、堪えても堪えても涙がボロボロと落ちてくる小説は読んだことがありませんでした。同じような題材の「永○のゼロ(一般小説)を読んだ時も泣くことはなかったのに…

この作品を読んで1週間が経ちますが、作品の余韻からなかなか立ち直れなくて、次の小説を読むことができません。

最初は、城戸が、何故三上に塁の辞世の句をその場で伝えてやらなかったのか憤りがありました。
確かに、その言葉は城戸の思う通り、『三上を冥府に引きずるには十分な言葉』であり、それを聞いた三上が、自ら命を絶つ可能性もあったと思います。
というより、三上の塁への並々ならぬ情愛を思うと確実に命を絶っていたでしょう。
けど、それでもよかったじゃないですかと思ってしまうんです。
「僕の時間はあのとき止まったままで … …あの頃は 、何もわからなくて 、どうすればいいか 、彼が死んだかどうかすら 、悲しむのが正しいのかもわからなくて 」
と零した三上。塁が生きているかもしれないという可能性を信じて、止まった時の中を生き続けた戦後の18年の三上の苦悩を思うと、あの場で終わらせてやってくれていればと。
けれど、ある意味、三上が塁が生きていると信じ続けた18年間、塁は三上の中で「生きて」いたんですよね。
そうして18年経って、初めて塁のために涙を零す。やっと三上の時が動きだすわけです。
あーーー、もうだめ、思い出してまた泣けてくる…

全てのシーンが愛おしくて、何度読み返しても何度でも涙が溢れてきます。

「俺はここに名誉の戦死をしに来た 。」と、「敵機を墜として墜として墜としまくって いつか爆散して死ぬ 」と、何のためらいもなく言っていた塁が、三上と出会って少しずつ変わっていく。
三上は塁の心をもらい、塁は、三上に会いたいと、「○○○○○○」と、最期に願うことができて、魂の部分で繋がることができた。きっとこれはこれで、形を変えたハッピーエンドなんだと信じます。
できることなら生まれ変わってでも幸せになってほしいですが、それは妄想で補完することにします。

8

「聞け。ローレライの声を。――恋しいと鳴く魔物の歌を。」

冒頭おあらすじから、生きているのぞみはないのだろうとわかってはいましたが、読んでいるうちに、もしかして……と期待してしまいました。
傷付き、頑なな塁にまっすぐ向き合い、ぶつかり、信念を貫き、生かそうとした三上。
彼に救われ、癒され、生きたいと思いながらも死んでいった塁。
生きたいと思いながら死んでいくことの怖さ、苦しさ、つらさ、寂しさ、悲しさ、色々な想いが溢れて涙が止まりませんでした。
塁を桟橋で待ち続ける三上の姿にも、胸を打たれました。
戦後18年目、ようやく塁の本心を知ることができてよかったという思いと、叶わなかったことへの悲しみで、ただただ涙するしかありませんでした。
塁の最期の願いは叶わなかったけれど、三上が塁の最期の言葉を聞けて、彼のために初めて泣けてよかったと思います。
三上が、塁に出会えてよかった、塁は確かにいたと、そう言い切ってくれたことが本当に嬉しく、切ない。
二人が確かに一緒に生きて、塁が最期にそう願ってくれたことが嬉しく、切ない。
きっとこの時代、この場所でしか出会えなかった二人が、一緒に戦後を生きられなかったことは悲しいけれど、塁が最期にいい人生だったと思えたことは、幸せだったと思います。同じように三上にとっても、塁と出会えなかったら、きっと寂しい人生になったと思えること
塁に出会えてよかったと思えることは、幸せということでしょう。
二人が今生で過ごした時はわずかでしたが、幸せだと二人が思えたことがなにより切なく、麗しいと思うとともに、今度は平和な世で結ばれてほしいと思います。

7

塁が男前過ぎる

まだ「プルメリアのころ。」を読んでいないのですが、1945シリーズの中では今のところ一番印象深いです。
これまでのシリーズでは、死にそうになるけど結局生き残り幸せになったカップルばかりでした。
前もってこちらのレビューを読んでたので、結末は想像できていたとはいえ、生きている可能性もゼロではないと思っていました。でも、最後まで読んで理解してしまいました。彼はあのときに…。
裕福な家庭に生まれながら、決して幸せとは言い難い少年期を過ごした塁。
理解してくれた人もいるにはいたみたいですが、三上と出会うまではどれほど孤独だっただろう、と思います。
殊勲を挙げ、栄誉の為に死ぬつもりだった彼が最期に守りたかったのは、自分自身の名誉でも家族の名誉でもなかったんですね。
“三上のために生きのびてやることはできない”と考えた彼でしたが、あの6文字が全てを物語っているのだと思います。一緒に筍を掘ったり、駄菓子屋でクジを引いたり、渓流で釣りをしたり、たったそれだけの願いが叶わないであろうことを塁は知っていたのかなぁ。
生まれ変わってもまた出会い、今度こそ三上と幸せになってほしいです。ちゅうか、そんな番外編を期待してます!

7

こぼした涙の数よりも

表紙にひとめぼれして、読みたい!と思い始めてからいくばくか。
設定だけで泣いてしまい読む勇気がなくいくばくか。
ようやく読み終わり。
読み終わってからしばらく冷却期間を置いてた。

結末は、レビューで知っていたので
余計に涙がこぼれて仕方なかったのですが
なんだろうな。読み終えてみるとさほど胸にしこりが残っていないのです。
すべてはこの攻の性格があってこそと思うのです。

お話の舞台はラバウル。
出会いからの関係はあまりいいものではない。
言葉をうまく発声することができない受と、
唯一その言葉を理解できる攻。
上司の策略でペアを組まされてしまう二人。
いつしか存在に惚れ、生き方に惚れ。
人が人に惹かれていく様を見るほどに面白いなと思う。
何度外しても期待に器具をつけてしまう。
それを何度でも黙って取り外す。
その繰り返しを、最初と中場、最後で意味合いを変えてくるのが
すごく泣けた。
どれだけ手柄を立てて、派手に散る。
それだけが目的だったものが、最後に残した言葉。
最後に思った気持ち。
見送る側の気持ちがわかったかという攻の言葉。
あの世でまた口説き落とさないとという攻の言葉。
今世だけが二人のすべてではない。
前だけを見てる姿がすごく好きでした。

読後、もやっとしなかったのは
多分「先」が見えたから。
ふたりはこれで最後じゃないと思えたから。
来世また二人が一つになる日が来るといい。
妙に幸せな気持ちになれる作品でした。

10

恋しい

あらすじで結末は大体把握して、頭では理解していました。

でももしかしたら、もしかしたら本当は違う結末なんじゃないか。淡い期待を持って読んだのも事実です。




涙が出ます。暫く立ち直れそうにありません。

強くあろうとした、脆く儚い人 浅群塁。
彼を理解し、助け、愛した三上徹雄。

ひとりぼっちの塁にとって、三上は本当に太陽のような存在だったのかもしれません。

大変な汚名を着せられ、自分が戦地で勝って汚名を注ごうとする塁。死にに来たと、敵を墜として自分も死ぬのだと。
しかし、三上と出会い、人の温もりを知り、愛を知り、三上を守るために死ねないと決意する塁...。

そんな塁の最期は可哀想ととったらいいのか、良かったといったらいいのか...!何故三上の「死んで欲しくない」思いが漸く通じたと思ったのに...!敵に突撃するわけでもなく、撃たれるわけでもなく真っ青な海の上で塁は散っていきました。
最後の電報にある言葉を遺し。
この言葉を電信したこと、私はほんとに悔しくて。最後になんてことを...!と思ったのですが、読み進めるうちにそんな思いも少し軽くなりました。三上はその「ある言葉」に悲しみの他に希望も見出したからです。

表現力がなくてごめんなさい

6

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