葉隠否定論

hagakure denial

葉隠否定論
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×21
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
3
得点
99
評価数
21
平均
4.8 / 5
神率
90.5%
著者
尾上与一 

作家さんの新作発表
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イラスト
asaemaru 
媒体
小説
サークル
freezia<サークル>
ジャンル
オリジナル
シリーズ
天球儀の海
発売日
価格
ISBN

あらすじ

「天球儀の海」の番外編。

表題作葉隠否定論

地元名家の息子で海軍軍人 成重資紀 23歳
出撃を待つ予科練出の特攻志願兵 琴平希 19歳

レビュー投稿数3

天球儀の海を再読せずにはいられない!

尾上さんとの出会いでもあった天球儀の海がまるっと資紀視点で描かれています。
天球儀を読んでる時「多分資紀もこういう思いだったんだろうけど、でも実際どうなの~~~!?」と思う箇所がいくつもあありましたが、
これを読めばそのもやもやもすぱっと解決。

ほとんど天球儀の海と同じ時系列で描かれているので、天球儀の海を並べて一緒に読むと「あーー二人は互いに勘違いをしてるなあ」とか、「資紀そんな覚悟でいたのね…」などなど、いろんな発見があり素敵でした。
特に正月であった軍内部での出来事と、ガラス玉を叩き割るシーンを資紀視点で読むと彼の胸中に涙腺を刺激されてたまりませんでした。

希の無邪気な思慕に優しく応えたいと願うのに、裏腹の行動をしないといけない資紀の決意は本当に、ただ希のためだけに行っていたこと。
その切実な思いと行動が行き着く先のあの事件も、資紀視点でみると違う色合いに溢れて胸がぎゅっと掴まれてたまりませんでした。

装丁も夜闇にかざすと浮かびあがる星座に、二人の眺めていた景色が呼び起こされますし、私は表紙をめくったその先にあるカラー絵も二人の世界に無くてはならないもので、一冊まるごと本当に丁寧に作られてるな、と感じました。

天球儀の海を読んで、資紀のことをもう少し知りたいと感じた方には絶対におすすめしたい一冊です。

9

坊ちゃんの執着は希のそれを凌ぐ

「天球儀の海」を坊ちゃん視点で書いた番外編同人誌。
衝撃的な本編ですが、こちらを読んで初めてあの本が完成されるような気がしました。
見事に天球儀を裏側から見た話になっているので、ああ、あの時坊ちゃんはこんな気持ちだったのか、こんな風に考えていたのか、こんな風に希のことを考えていたのか、というのがもうすんごいよく分かります。
本編だといまいち坊ちゃんが何考えているのか分からず、希への凶行もそこまでするのは何故なのか、そもそもそこまでするほど強い思いだったのか? と疑問に感じてしまいがちだった部分が、物の見事にストンと落ちてなるほど~となりました。

2段組み180ページという、すんごい分厚い本の中に、坊ちゃんのとんでもないほどの執着が余すところ無く書かれています。
もうストーカーとかそういうレベルじゃない……幼児相手に恋をして、再会するまでの15年近くをひたすら妄想懸想し、希のためなら死ねるをガチで行ってました。
坊ちゃんがどれだけ希のことを大切に思い、希を拠所とし、そして希ったか。
あまりの想いの強さに途中何度も涙しながら読み終え、重たい溜息と同時に再会できた2人の様子に改めて胸が熱くなります。
戦争の描写もかなり生々しいので辛い部分も多いですが、読んで心から良かったと思えました。
そして装丁がもの凄く凝っていて素敵です。
暗闇の中で星図が浮かび上がる仕様になっていて、それに気付いた時は思わず感嘆しました。

ただひとつ残念なのは、原爆投下日は8月6日と15日ではありません、6日と9日です。この話の根幹部分の出来事ではないとはいえ、1945シリーズと銘打つのですから、日付はきちんと確認して頂きたかった。
被爆地が身近なものとして、こういった部分のミスはすっと冷静になってしまい、ご本人はそんなつもりはなくとも軽く扱われたようで残念に思います。

3

よくわかる坊ちゃん編

商業発表の天球儀の海よりも先に書かれているせいかこちらの方が勢いがあり、力強い感じがします。坊ちゃん視点のせいかもしれませんが 彼の真意がよくわかり、読み応えがあり一気に読んでしまいました。幼少時に見初めてからずっと一途に想い続け ある意味怖いくらいでちょっとストーキング入ってます。でもそのくらいでないとあの事件?は起こさないので、天球儀の海よりもずっとあの行為を納得できるのだと想います。両方読むと理解が深まります。

2

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