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ginza neon paradise
進駐軍の通訳をしている葵は、出征したまま行方不明になっている幼馴染の鷹彦をずっと待ち侘びていた。諦めかけていた時に突然現れた鷹彦は、悪びれもせず以前のまま強引でいい加減で。2人は出征前に一夜を共にしていたけれど、葵の元に転がり込んできた鷹彦は手を出そうとはして来ず…。
戦中から戦後にかけてが舞台で、その時代背景から離れてる間のお互いの想いとか色々で。本音をぶつけ合い結ばれて良かった~。
鷹彦は役者としてもどんどんいい顔になっていくし、自分を照らすネオンである鷹彦が戻ってきて葵もまたその笑顔はとても幸せそうだ。良きお話。
Kindle unlimitedで読みました。
王道にスパイスが効いた感じで一気に読んでしまいました。戦後という重い時代背景がありながらも、ちゃんとラブストーリーとして落とし込めるところがウノハナ先生の力だなと感じました。再会要素もあるのに前半は特にお涙ちょうだいというところがなくて、鷹彦の図々しい俺様的な性格が中心に話が進んでいくので、あんまり暗くなったりしんどくなったりはなかったです。なのに、ラストの映画のシーンは泣けましたね。鷹彦の強引さとか華やかさがスクリーンを通して伝わって、彼の魅力がダイレクトに伝わってくる。「やっと帰ってきたんだな」という安心感が一気に感じられて、このシーンのためにすべて構成されていたのではないかという気持ちになりました。
ありがち展開なのにドラマチックさがあり、ノスタルジックなところもあるけどどこか現代的、というまさに良いところ取りの作品だと思います。
戦後間もない昭和が舞台。トローリーバスが走りだした頃。
ウノハナさんの2015年の作品。
読後感が、凄く良い作品。
★鷹彦が戦友の遺品を届けた未亡人が、葵に言う
「どうして? 醜くてみっともないのがいけないの? 可愛いじゃない 必死で生きてる証よ」
・・この沁みる台詞のために作った作品じゃないかと思った。
出だしの場面は有名な歌、「岸壁の母」を連想。
終戦後の帰還兵を乗せた船が着く波止場でずっと鷹彦を探して待つ葵
葵は、米軍将校の通訳をして生計を立てていた。
鷹彦が戻る日を信じて、ボロボロの借家に住み続ける葵。
葵の古い借家に、出征以来、行方不明となっていた 幼馴染の鷹彦が訪れる。
ひょっこり帰ってきた鷹彦は、役者の卵になっていた。
いやあ、良い読み物に出会えました。ウノハナ先生と時代物の相性が、ここまで良いとは。なんといっても、鷹彦のふらふらした感じが魅力的ですよね。浮気性な攻めは好き嫌いが分かれやすいと思いますが、鷹彦にとって葵とそれ以外の人間では決定的に違いがあることはすぐ察せるので、私は気になりませんでした。葵の隣に堂々と並ぶことに自信がないから、居場所を定めきれず、ふらりと出ていっては戻ってきてを繰り返す鷹彦。それに振り回されてうんざりしながらも、結局いつも心の中では帰りを待ちわびてしまう葵の健気さ、一途さが切なくて。
死んだかどうかも分からぬまま、想い人の戦地からの帰りを何年も待つ心地というのは、どれほどの狂おしさでしょうか。現代に生きる私には想像もつきません。どうせ死んでいるだろうと早々に諦めてしまえば多少は楽になるかもしれない、しかし、確実な知らせもないまま諦めてしまって本当にいいのか、持つべき希望を捨てていいのか。そうやって苦悶し続けた葵の心情を思うと、鷹彦が戻ったことの奇跡、尊さが身に沁みます。
鷹彦は鷹彦で、葵の知らない前線を生き抜く中で、生死や人生についていろいろ考えたでしょう。帰国後長らく連絡しなかった彼の想いにも大いに共感できました。そうして一度は別々の道を歩んだ2人が、この時代に再び昔のように隣り合う。時間はかかったけれど最後は帰った鷹彦、それを受け入れた葵、どちらの選択も涙が出るほど嬉しいです。戦時中、戦後の物語として、とても良質な作品でした。鷹彦の浮気性は葵への甘えからではなく、自分に対する自信のなさから来ていたものなので、葵の恋人として自信がつけば、しっかりしていく気がします。これからは女性がいる場へは葵も連れて、豪快に遊んで欲しいですね。
2人ともいい男〜。
素直になれず意地をはっちゃったりもするけれど、お互いすごく思い合っているのがいい。
鷹彦の放蕩ぷりに耐えて待つ葵が何て忍耐強い。
その葵が戦後3年間ひたすら鷹彦を待つ日々は辛かっただろうな。そりゃ帰国していても連絡よこさなかった鷹彦に怒るよ。
それでも葵は一途で健気で、鷹彦が相変わらず奔放にしていても最後には自分の所へ帰ってきてくれればいいと。
ま、戦争で死んだと思えば、生きていて自分のところへ帰ってきてくれればいいと思えるか。
鷹彦はそんな葵に甘えて相変わらずだったけど、役者の道を目指すと言った割に中途半端で。
それが葵を喜ばせたいと真剣に役者に取り組めるようになってよかった。
鷹彦のデビュー作をスクリーンで見る葵の号泣っぷりにどんだけ好きなんよ!!と笑ってしまったけどw
何があってもお前だけ、お前は俺のもの、と言える2人がウノハナ先生らしい萌えなのだなと楽しく読めました。
素晴らしい作品でした。カバーも美しい〜。
出兵して戻らない友人、最後の夜に触れた記憶、いつも船を出迎えて帰りを待つ、銀座のネオン、米人とのやりとり。
戦中戦後はなかなかBLで少ないテーマだと思いますが、重苦しくない描き方で読みやすく、キャラや台詞も現代と言ってほぼ遜色ないです。
鷹彦の性格が宵の金は持たない江戸っ子っぽさというか、昭和の色男風と言えなくもないのが良いし、葵の真面目な常識人の白黒コントラストが楽しいです。
王道的な流れもありますが、でも戦後でBLで王道って無い(テーマとして・時代背景として)からジンと来ます。
脇キャラの配置のソツの無さ、お話との絡ませ方は流石です。
戦後すぐ鷹彦が葵の元に戻らなかった理由、それを知って泣きながら無言で鷹彦を抱きしめる葵にグッときました。
映画に映り込む鷹彦に涙する葵。鷹彦が戦中想像したように、もし葵が家庭を持っていたとしても同じように泣いたでしょうね。
映画は一生その人のその時の輝きのまま残ります。映画と2人の普遍性、生きていることが溶け合ってエモーショナルなシーンでした。
あの頃って開襟シャツでは?とかボロ家で致して(個人的に対面座位がとても良かったです)筒抜けでは?とか、突っ込みは野暮です。でも髪型や言葉使いや生活にもっと歴史背景取り入れて欲しかった気もします。でもこのままで素晴らしく完成されている作品なので、やはりそれは野暮。
Kindle Unlimitedにて
すごく面白かった
以前からこの本の存在は知っていて、レビューの高さもあって気になっていたが、昭和初期のお話とあって、あまり食指が動かなかったのですが、読んでみたらなんて事ない、すごく面白かったです
攻めと受けは王道で、定番のカップリングとストーリーの展開なのですが、それでも魅せ方がすごく上手くて引き込まれます
激動の時代を出来るだけ華やかに生きたい人間と、華やかな世界にいることに多少の罪悪感を抱えている人間
取り巻くキャラクターも個性豊かで、人間味あふれるお話でした
重くるしいだけの話ではなく、ライトで時にしっとりと繊細に描かれる世界観はウノハナ先生の業‼︎流石でした
表紙に惹かれて気になっていた作品で、昭和のお話です。ストーリーは少し物足りないと感じてしまったんですが、ウノハナ先生の絵がすごく好きです!
戦争に行って帰ってこない攻めの鷹彦。やっと帰ってきたかと思えば俳優を目指している。帰ってきてすぐに葵のもとに行かなかったのは、このままの自分ではダメだと思ったから...
いつも葵が鷹彦に銀座の街を連れまわされていた描写が良かったのと、全体的な昭和の雰囲気や銀座のネオンが気に入りました。
鷹彦は女の所へいくけれど、いつも最後に戻ってきます。内心帰ってこなかったらどうしようと不安になる葵へ向けられた言葉、
「醜くてみっともないのは生きている証」が好きです。
読んだ時にひっかかって、もう一度読み直してしまうようなセリフが多いです。心が揺さぶられるという感じではなく、淡々と入ってくる感じのストーリーでした。
異色の本格昭和ロマン譚!
ザ・BLなお話ですね。戦争も挟んでます。
追いかけっこのようでいてブーメランのような、いつも葵の元へ帰ってくる鷹彦。何年たっても何があっても切っても絶ちきれない二人の想い。
鷹彦は放蕩息子でしたが戦争に行き修羅場をくぐって帰還したら変わりましたね。こんな自分じゃ葵に会いに行けないって。死にそうな時もうわ言で葵の名前を繰り返して。
再会した時はあっさりで葵だけが忘れられずにひたすら待ってたようでしたが鷹彦にも色々あったんですね。
鷹彦の嫉妬や初映画に号泣する葵、祝杯と酒の席に慣れた葵へのヤキモキと濃厚エッチ。
時代もありますが必死で生きてる、生き生きしてます。
本当に葵の元へ帰って来てくれて良かったです!
出兵とか、戦後復興とか、自分は全く知らない時代の話だからこそ、 淡々と進んでいくのにドラマチックなストーリーで良かった。
自由奔放で磊落な郡司に対して心配性で一途で必死な葵が、破れ鍋に綴蓋な感じでキレイな恋愛小説を読んだ気分になれました。