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be×boy gold
いつもは購入しないのですが、中村明日美子先生の小冊子が欲しくて購入しました。本誌と同じイラストの小冊子、作家様同士のコラボ企画と言うことでとても楽しみにしていました。面白かったのが、明日美子先生から榎田先生、雁須先生へのお題のキャラ設定が、どちらも見た目だけのものだったのに対して、2人の先生から明日美子先生へのお題キャラは、見た目や性格、背景(関係性)までが設定されていたことです!
さて、作品のレビューですが、明日美子先生⇔雁須先生の2つの作品は、無難だったなというのが正直な感想です。なぜかと言うとその後の2作品の出来が素晴らしかったからです。特に榎田先生の作品に神を付けたいと思います。
・『アタシと俺とオッサンと』榎田尤利
明日美子先生→榎田先生で書かれた短編小説です。
制服の男の娘と老眼鏡をかけたおじさんというお題で書かれたこの作品。夏休みの男の娘が、いそいそと身支度するシーンから始まります。うんと可愛く仕上げて出掛ける先は、病院。お見舞いの来ない可哀想な老人の話し相手をするというアルバイトなのですが、相手のおじさんはとても頑なで無愛想。本を読んだままで男の娘には目も向けないおじさんと、本なんて読んだことのない男の娘。話しも全然かみ合わず、おじさんの答えはいつもテツガクテキで「こんなの女子高校生のカワイイトークと違う!」と憤慨するのですが、それでもおじさんを見舞うことはやめられずにいます。そんなある日、おじさんに1冊の詩集を手渡されて・・・。この先は読んでほしい。BL小説ってあまり読んだことがなかったけれど、これってBL小説なのかな?普段、私が読んでいる一般小説と垣根を感じなかった。これは少年の夏の出会いのお話なんだ。おじさんと出会い、初めて本の楽しみを知り、そして初めての恋をした。読んでいる私も恋する気持ちになれた最後の1行。文字の力って素敵だ!
・『チンピラと元大天使』中村明日美子
榎田先生→明日美子先生で描かれた作品です。
時間を司る大天使だった元天使と取り立て屋のチンピラ。力を自由に使いすぎて追い出された天使とさえない取り立て屋。時間を戻すと言うことは、文字通り時間だけが戻ると言うことで、また同じ時間を繰り返すだけ。だから取り立て屋を本当に助けるにはこうするしかなかったんだ。バッドエンドでもハッピーエンドでもない終わり方。読者に委ねられたラストシーンが切なかった。
本誌の方は連載中の物がほとんどで、作家買いしている先生もいるのでコミックでのお楽しみに取っておいて、読んだのは連載初回の作品と読み切りだったyoshi先生の作品です。ストーリーは付き合い始めたカップルの可愛いヤキモチのお話で、ありきたりと言えばそうなんですが、yoshi先生は絵が綺麗で好きなので、更なるご活躍を期待します!
小冊子の榎田先生の短編。小説は文字が多すぎて苦手という方にお勧めします。これをきっかけに小説が好きになれると思います!