条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
anohi seifuku de
那一天 在制服下
PINK GOLDで読んでいるのがほとんどなのですが、
それでも6作品をいっきに読むと、それぞれの秀逸さをより感じました。
激しく想いを寄せて、欲情が止められなくて、傷ついて、包まれて…
明日美子さんの無駄のない細い線が、
まだ未熟な体、繊細な心、独特の熱とで織りなされる十代の恋を、
色を付けるかのように鮮やかに描き出していました。
不意に見せる子供っぽい素の表情も、すごくいい。
今回、表題作になっているPINK GOLD6掲載の、
言いようのない切なさが残る作品に、
最後、明るい未来を感じさせる描き下ろしがプラスされて、
嬉しさと共に胸が熱くなりました。
カバー下もカラー絵で凝っていて、本当に素敵な1冊でした。
■表題作「あの日、制服で」1話+描き下ろし
卒業式で告白されて、返事も伝えることなく別れて、5年。
再会した彼の薬指には既に結婚指輪が。
当時の想いが溢れ、指輪を外して激しく体を繋げるけれど、
共に寄り添っていくにはもう遅すぎて…
無理をした笑顔と、別れの言葉を聞いて溢れる涙が、
激しく胸に刺さります。
描き下ろしは、その夜から2年経った日の話、
期待に胸を膨らませて彼の元へ向かう姿が、とても眩しいです…
■「A先輩」1話
他に好きな人がいるのに、A先輩に好意を寄せられ、
ちょっとの誤解と興味から、性的行為に耽るようになって…
少しずつ行為がエスカレートしていく様子とたどたどしさが、
すごくエロティック。
最後にA先輩への気持ちが溢れて、同時にやっと顔が…素敵な演出でした。
■「中学3年生」1話
同じクラスの目立たない奴が、男のチカンと関わっているのを見て思わず…
冷めた顔でフェラをし、ひとりでするのも見せれる子が、
不意に幼い顔になって涙をためる姿が堪らないです。
■「裸の僕」1話
ショタに見える高校生の子が、先輩に告白したらOKされて、
安全剃刀で毛を剃ってもらってペニスを裸にしてからセックスを…
涙で訴える無垢な想いが報われないのはすごく切ないけれど、
そうやって、大人になっていくのかな…
■「転校生」1話
オトコの担任とヤってて退学処分に…
そんな噂のある転校生の学ランの下から女性モノの下着が見えて…
フリルやリボンの付いた下着をずらして、触って…
こういう話は何度も読んだけど、こんなにエロく見えるのは初めて!
最後に、
いじらしい真剣な想いがあって女性下着を付けていたのが分かる、
その切なくもあたたかいラストへの持っていき方は、流石。
■「ニコイチ」1話
ある日、体育館倉庫で制服を剥かれて、
性的悪戯を受けてあられもない姿で泣いている幼なじみを見て…
小ザルとクマのような体格差のあるふたりのエッチと、
その後のちょっとぎこちないけど通じ合ってる雰囲気がとても可愛い。
文句のつけようがない神本でした☆
※ 修正も白抜きばかりじゃなく、
よく見えないからこそのエロティックさもあって、
わたしは許容範囲内かなと感じました。
『 PINK GOLD』に収録されていた6作品をまとめた作品集です。PGは明日美子さんの作品が読みたくて買っていたようなものなので全て既読作品でしたが、それでも非常に満足度の高い作品でした。
R18を売りにしたPGに収録されていた作品ばかりなので明日美子作品の中でもエロ度の高い作品ばかりなのですが、さすがだと思うのはR18を表現するのにエロさだけではないところだと思うんですよね。どの作品にもそこはかとなく漂う背徳感というか不道徳感。
そして、この短さにしてこの完成度の高さ。短編て、その作家さんの技量が端的に表れるなあとしみじみ思ったりしました。
さて、内容はすでに書いてくださっているので感想を。
表題作「あの日、制服で」
高校時代に告白されたのに、その時に気持ちに言葉で答えることが出来なかった受け。5年後の同窓会で再会するも、既に彼は既婚者で。
高校生の時も3年生の時、1年間だけクラスが一緒になっただけ。それなのに好きになり、卒業後5年間合うこともなかったのにお互いのことを忘れることもできずにいた二人。
目線とか、仕草一つで二人の気持ちが端的に表現されていて、すごく共感もできるし、切ない。そして萌える。
最後にこの二人のその後が描き下ろしで描かれていて、それがまた何とも良かった。今度こそ、二人幸せになってほしいです。
「A先輩」
この話はPG2に収録されていて、私が初めて明日美子作品を読んだ話でした。それまで絵柄がちょっと好きになれず読まずにいたのですが(失礼!)この作品が神すぎて、明日美子ファンになったという…。
CくんはB先輩が好きなのだけれど、A先輩が自分に好意を持っていてくれている。A先輩の好意に乗っかる形で体の関係だけが続いていく二人なのだけれど。
自分の気持ちとは裏腹に、「気持ちいいこと」にも興味があってA先輩でそうした好奇心を満足させる、Cくんの若い故の傲慢さや幼い感情の描き方が非常にお上手。
そしてB先輩の、あの年齢ならではの残酷さも、A先輩の優しさも、すごくリアリティに溢れていてよかった。
Cくんの感情に伴ったA先輩の表情の描き方も良いよねえ…。
「中学3年生」
痴漢が出ると聞いていた場所で、たまたまクラスメイトが痴漢らしき男と遭遇するのを見かけてしまった攻め。
2回も同じような状況を見かけた攻めは、お金のために彼が男と会っているのでは…?と推測するのですが…。
受けの子の切ない恋心にキュンキュンきました。お金を渡すことで、攻めの子に、男同士の行為に対しての「言い訳」や罪悪感を持たなくていいようにしてあげてたんですよね。
受けの子の気持ちに応える攻めくんもナイスガイでした。
「裸の僕」
受けの子は攻めの子のことが大好きで。それ故におもちゃのような扱いにも耐えているのだけれど攻めの子に彼女が出来たことであっさり捨てられてしまう。
って、ざっくり内容だけ書いてしまうと攻めがただのクズ男にしか思えない。イヤ、実際酷い男には間違いないのだけれど。
恋心を持たれて、性的な興味だけでセックスしてみて、徐々に受けの子にハマっていくけれど、はたと現実を見たときに自分のしている行為は世間的には受け入れられないんだ、と気づいて受けの子をサクッと切り捨ててしまう。
受けの子の一途な気持ちを可愛いと思いつつ、そして彼自身、本当に受けの子のことが好きなのだろうけれど、でも…、という。
そんな攻めの子の自分本位な感情がリアルだなあ、と。
受けの子目線でストーリーが進んでいくので受けの子が可哀想でならないのだけれど、そういうクズはとっとと忘れて、もっと素敵な恋をするんだよ、と母の気持ちになって思ってしまった。
最後の剃刀を捨てるシーンは非常に印象的。彼がひとつの恋を終わらせた、その表現の仕方に唸らされました。
「転校生」
不穏な噂のある転校生。ある日、彼が女性物の下着を身に着けていることに気づいてしまった攻めは…。
女性物の下着やセーラー服を着る理由、二人の行為を写メを取る理由、その写メを誰に送っているのか。
徐々に見えてくる受けの子の気持ちや過去にぐっと惹きつけられました。
「ニコイチ」
幼馴染みでいつも一緒だった二人。ある日、その幼馴染みが部活の校外指導で来ていた男に弄ばれて…。
もうね、この男に腹が立って仕方がないのだけれど、それはちょっと置いておいて、この二人のお互いを想う気持ちにキュンときました。
アツシの可愛さにもやられてしまいましたが、ケイタの男気にもホッコリ。クズ男のことはきれいさっぱり忘れて、二人幸せになってほしいです。
高校生だったり中学生だったりするのですが、この年齢ならではの精神的な危うさや脆さを体つきとか、表情とかでここまで表現できるって凄いなと思いました。
それとカバー下がまた素晴らしい!ああいうセンスが非常にツボなのです。
とにもかくにも、文句なく、神評価です。
規制規制の世知辛いご時世に、敢えてR18を掲げた心意気を応援したい とピンクゴールド創刊の折りに仰っていた……と思うのですが……(笑)
非実在青少年なんたらへのエレガントな挑発か と思えるほどに乱される「非実在青少年」たちの学生服。
最近はいい年の社会人がわりと人生かけて恋愛するBLが多く、そういうものもよく読むし大好きですが、こういう刹那的な、残酷な、稚拙な、人間として未完成な少年同士の「恋のようなもの」っていうのがボーイズラブ(少年どうしの愛)の原点のひとつなのでは。
一万円を介した秘め事も、同級生の男の子のブラジャーを外したことも、鍵のかかる美術室でのセックスも、体育倉庫で触りあったことも、彼らが表題作のふたりくらいの年齢になったら朧気な思い出になってしまってそうな。どの話もそういう不確かさがただよっているように感じます。
それにしてもエロい中村明日美子描く舌と乳首そしてまなざし……それと擬音。
あと、受けのビジュアルがみんな似通っていると感じる方もいらっしゃいましょうが、O.B.でまったくデザインのかぶらない3CPを動かしてらっしゃるので、描けないのではなくただただ明日美子先生が佐条利人的ビジュアルが非常にお好きなだけなんですよ!と誰にともなく訴えたい。
制服という共通点でまとめた短編集。
青くて、歪で、短くて、狭い、学生服の時代。
一見平凡で見分けがつかないかのような彼らの
十分十色なエロティシズムの断片を
覗き見るかのような作品たち。
個人的には明日美子さんは長編の方が好きだが、
短編を読むとそのセンスとうまさにやはり唸る。
それぞれ違う趣で切なく、余韻が残る。
カバー裏のセンスを含めて表題作が好き。
最後のおまけ漫画に救われるが、それがあってもなくても。
多分、唯一学生服の時代の中だけにとどまらず
それを相対化する視点があるからかと。
女装もの、特に下着となると個人的には微妙なのだけれど、
この作者の手にかかるとひたすら美しく切ないのも
明日美子マジック。
やはりこの流麗で個性的な絵あってこその、世界なのだと思う。
6作品すべて既読していた作品ですが、一冊の本で読むのを楽しみにしていました。表題作が一番最初の作品になった話の並べ方は秀逸で「はぁ、またやられた」という気持ちです。
・『あの日、制服で』
卒業式の日に「好きだ」と告白してきた同級生と、5年ぶりの同窓会で再会する。彼の左手には結婚指輪が・・・。二人ともこの5年間、ときどき思い出していたのかな?それともほとんど忘れていて、再会をきっかけに溢れて来たのだろうか?それがどちらだとしても、あの日の思いに嘘はなかった。無理して笑った後の、布団をかぶった泣き顔が切なくて、そこから3ページのモノローグには、やり直せないあの日の輝きが満ちていて、切なさが一層胸に沁みるのです。
・『A先輩』
顔の見えなかったA先輩が、目を背けていたことを口にして片目が現れた。そしてC君が言います「もっとよく顔を・・・見せてください」向き合って、今度はしっかりと見つめ合うことが出来るのかな。
・『中学3年生』
あまり接点のなかった同級生同士が、ちかんをきっかけに始めた取引関係。大人びた同級生の泣き顔が急に子供で、背伸びしていた関係が、初恋になったらいいなと思いました。
・『裸の僕』
高校生にしては幼い見た目の僕と、彼女と別れたばかりの先輩。僕の告白を受け入れてくれたその日にSEXをした・・・。あそこをつるつるに剃ってのSEX、先輩はただの好奇心だったのかな。結局は振られてしまったけれど、あんなふうに優しく「ごめんな」って言われたら、忘れることなんて出来ないよ。先輩、罪深いな。
・『転校生』
葛城洋一はやばいと噂のある転校生。印象的な視線とすらりとした容姿に女性物の下着がチラリと見えて、誘われて思わず手を出してしまう同級生。Hの後に自撮りして笑う顔は噂どおりに「やばい」感じなのに、見つめられると拒否できない。大人でも子供でもない曖昧な時の過ちは、先生も自分も傷つけたけれど、先生は大人なんだ。もっと上手くかわすことも出来たはずだと思う。不器用に頭に手を置く同級生に泣きながら話しだす葛城。「うん、うん」ってただ話を聞くだけの同級生の優しさに泣けました。
女装とか女性下着を身につけるとか全然好きなシチュじゃないのに、これはとてもよかった。葛城の見た目もすごく好みでした!
・『ニコイチ』
いつのまにか体格的にも差ができた幼馴染のアツシとけーた。剣道を教えに来ているオガタに嫌なものを感じていたのに、アツシを助けられなかったことを悔やむけーた。ひどくショックを受けたアツシだけど、けーたとのことで傷も広がらなかったようで、安心しました。けーたの大きくてゆったりした体格そのままの性格にすごく癒されます。真っ赤になって手を繋ぐ二人が可愛いかった。
・『今夜、あの日に』
表題作から更に2年が経ってからのお話。
あいつが離婚したことを知って駈け出した俺は、きっといつの間にか制服姿になって、あいつの腕を掴むんだ。あの日のやり直せないはずのモノローグみたいに・・・。
-あの日、制服でー 心からこの作品が好きになりました。
6作品の中で唯一大人の主人公たちの『あの日、制服で』から始まり、彼らの描き下ろしで終わる短編集。あの日にむかって駈け出した姿に、それが出来ない私は、懐かしさと羨ましさと切なさで、制服を着ていたあの日に思いを馳せてしまう、素敵な短編集でした。
表紙には大人の俺たちと、カバー下に制服の俺たち。アルバムをめくるような作りがすばらしいのです。
10代でしか味わえないヒリヒリとした感情が存分に描かれてました。
大人になったという事は少なからずとも鈍麻したのだと自分を省みる
機会を与えてくれた作品でした。
「あの日、制服で」
あの時応えて貰えなかった気持ちを今になって「俺も」なんて
信じられないと告白した僕「違う、その気持は」
「そうだよな」と誤魔化し笑顔で彼を見送る告白された僕
そのあとの彼の慟哭に滂沱しました
遅すぎる 全てが....あの日、あの制服で手を取っていれば...
告白した彼は、「俺も」を信じるには大人になりすぎ、
告白された彼も、どうすることも出来ない現状に
立ち尽くすしかありませんでした。
大人の弱さとしたたかさを垣間見ました。
「裸の僕」
大好きな先輩との秘密のSEX剃毛プレイ
徐々に興味を失いつつある先輩に羞恥を押し殺し
「生えてきてしまって...」と伝える
「もうやめようか」と告げる先輩
いやいやと首を横にふる僕が可哀想で可哀想で
号泣してしまいました。
最後に先輩が「ごめんね」と頬にキスした時に終りを
受け入れざるを得ない僕
先輩の気持ちを押しやり、自分が傷つくことも厭わない
諸刃の剣の様な恋心に胸が締め付けられました
ごねられるのも10代までですよね。
こうして大人になって訳知り顔で人は飲み込み傷を内に秘めて
生きていくんだなと思い返しました
甘酸っぱさと過ぎ去ったヒリヒリとした感情を疑似体験させてもらえました
表題作は描き下ろしで間に合うかも!と思わせてくれてます
明日美子さんしか描けない少年期の世界観にどっぷり浸りました
大人になっても思い返せる機会を与えてくれたこの本に賛辞を送ります
隅々までシャープな絵と、ぎりぎりまで絞られた展開、緊張感。
思春期を描いたBLコミックの、在る意味到達点。
眼鏡少年!黒髪少年!
とんでもないよね、
おでこの丸い、薄いお腹の少年たち。
エロいし、かわいいし、
あまりのエロかわいさに、町内3周くらい駆け回りたくなっちゃうほどだ。
制服時代のままならない恋と性欲。
濃厚に香るのは、甘酸っぱいとも、ほろ苦いとも違う、もっと直截な精液の香り。
ブックデザインが、これまた素敵。
同じレイアウトで、カバーをはずすとあの日の制服の二人。
ドキドキする。
【あの日、制服で】
はあぁーーー、せつない!
中村作品は同級生シリーズ然り、先月発売の薫りの継承然り、キャラクターの笑顔で読者を泣かせにきます。このお話もそれでして。
高校生や大学生ならまだしも、社会人それも結婚を控えたとなるともう勢いでどうこうなるもんじゃないのだなと。
結婚前ということで理性が働いたのは女としては嬉しいですが、腐女子としては悲しいですね。
しかし、描き下ろしで希望が少し見えたのでよかったです、よかった!
【A先輩】
はあぁーーー、せつない!(2回目)
お話の最初の方、A先輩は表情が見えないように描かれていたのでモブのあて馬かなと思ってしまいました(タイトルがA先輩だからモブってこたないだろうに、自分バカ過ぎる^ ^;)
C君のあわい期待がガツンと打ち壊された次ページでのA先輩のためらいの無い動きはかっこよかったです。モブとか思ってごめんなさい!
A先輩とC君には幸せになってほしいですね。
ただ、A・B・Cと名付けた作者の意図がわからず...
どなたか思いついた方がいらっしゃったら、教えていただきたいです(._.)
【中学3年生】
せつないお話が続いた後のこちらのお話はほっこりしました。
お金を支払う関係から始まったけれど、もうお金はいいとなかなか言い出せない鳥海と、「もうやめにする」と言いだしながらも一言攻められたら涙が溢れ何も言えなくなってしまう二戸部。
大人でもなく子供過ぎない「中学3年生」感が絶妙に描かれていて素敵でした。
あと自慰するところの逆光っぽい感じがエロかったです。
【裸の僕】
またしてもせつないお話...
先輩め〜、よくもこんなにかわいい後輩君を泣かせたな〜、と思っていたのに最後の「ごめんな」。
捨てられた剃刀と後姿で締めるラストでせつなさ倍増です。
【転校生】
女物の下着をつけながらも飄々としたように見えた受け・葛城洋一。
葛城が自撮りを止め、過去との関係を終わらせようとした矢先に現れた元担任。
隣で頭を撫でながら黙って受け止めてくれる攻め。
2人のこれからは明るいものになるだろうと思わせてくれるラストでした。
【ニコイチ】
このお話は倉庫でエロやってるシーンよりも、その後の幼馴染2人のなんともぎこちない感じがツボでした。
(オガタさんが襲いたくなるのも頷ける)アツシの小動物のような可愛さと、けーたの真っ直ぐな思いが素敵でした。
学ラン、黒髪受けは全話共通でした。
そしてちっちゃいキャラ(C君、【裸の僕】の受け、アツシ)の手が可愛かった〜
もう「おてて」って感じでした。
短編集って「この2人の続きが気になるなー。この2人だけで1冊描いて欲しかった...」と思うことがしばしばあり、あまり好きではないのですが、今作はどのお話も読み終わって「ああ、いい話だったな」で終わるのがすごいと思いました。
それだけ1話1話のまとめ方が素晴らしく、どれか1つが突出するようなことはなく全てに違った良さがあるというのは、中村先生のなせる技なのだろうなと感動しました。
せつなさ、可愛さ、エロ、そして10代特有の色々な感情を味わえる大満足な短編集でした!
ため息が出てしまいました。
自分は基本短編はあまり読まない方で
長くじっくりと読める作品が好きなのですが
これは、違いました。
「ここで終わっちゃうの?」と思わせるような
なんとも歯がゆい終わり方・・・
ハッピーエンドを好む私としては、「う~ん・・・」
と、ちょっと気持ちが宙ぶらりんになりそうになりましたが
それでも、この終わり方がいいんだ
あえて、こういう終わり方なんだ・・・と納得させられる
そんなストーリー。
いろいろある中で、やっぱり私は表題作の
「あの日、制服で」が一番好きかな。
多くを語らない作品ですが
主人公二人の気持ちが、文字ではなく
表情と仕草と、その場の空気感で痛いほど伝わって来ました。
「後悔先に立たず」そんな言葉が頭を横切ったそんな作品。
5年ぶりに会った2人が、一夜を共にします。
すでに結婚している攻めがそっと薬指の指輪を外すシーンは
じーんと来てしまいました。
一晩一緒のベッドで過ごすことによって
今まで気づかずに、だけど引っかかっていたいた気持ちがはっきりする。
お互いの気持ちはそこにあるのに、5年と言う月日はいろんなものを変えてしまっていたんですね。
高校時代告白された受けがあの時その告白を受け止めなかったことを
今になって悔みますが、もう遅かった・・・
攻めを送り出し、布団をかぶって涙する受けと
その気配に気づきながら、涙をこらえて出ていく攻め。
台詞はないのに、そこに二人の気持ちがすべて語られていました。
もう、すごいです。
中村先生さすがです!!
目は口ほどにものを言うとは、良く言ったもので
台詞をしゃべらなくても、中村先生の描かれる人物の目が
ちゃんと語ってるんです。
主人公の表情で、このお話を読んだ人が
それぞれの解釈で受け止めるんでしょうね。
私はこのラストに完全にやられました。
文句なしの「神」です!!
心が。
基本ハッピーエンドが好きで、そうでないとモヤモヤする事が多い単純趣向の私ですがこの一冊はそうじゃなかった。
絵を見ているだけで、表情から空間から切なさがビシビシ痛いほど伝わってきてツラかったです。
が、萌える場面はそうそうないものの神評価。
普段は萌えてナンボのBL作品を多く読んでいるのでこれは私にとっては貴重な一冊となりました。
7話の短編のなか、表題の『あの日、制服で』は抜群に好きです。
あの日、制服で…その後どういう言葉が続くのか解った瞬間にギューっときました。
そして『裸の僕』では、思春期の危うさや淫猥に反して瑞々しい主人公の描写に引き込まれました。
それにしても中村明日美子さんの描く男性は本当に色っぽいなー。
眼福です。